世界最速記録樹立の舞台、営業開始へGO!・・・TGV東線開通
通常の鉄軌道上を走る鉄道としては世界最速記録となる574.8km/hを樹立した舞台は営業路線としてのスタートを切りました。
去る6月10日、フランスの首都パリから、ランス(Reims)・メッス(Metz)・ナンシー(Nancy)を経て、フランス北東部の都市でドイツとの国境にも接しているストラスブールに至る「TGV東線」が開業しました。
以下『AFP BB News』2007年06月10日付け掲載記事から・・・
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【6月10日 AFP】高速鉄道「Train a Grande Vitesse、TGV」は10日、首都パリと東部の都市を結ぶ新路線TGV東線(TGV-Est)の営業運転を開始した。これにより都市間の移動時間が大幅に短縮され、ドイツとフランスを結ぶTGV網が拡大する。 営業運転が開始されたのは、東部の都市ストラスブール(Strasbourg)、ナンシー(Nancy)、メッス(Metz)、 ランス(Reims)とパリを結ぶ路線。これらはTGV網に加わるのが遅れていた地域だ。 9日にパリ発ストラスブール行きのTGVを運行して新路線の開業を祝い、翌10日に営業運転が開始された。従来4時間を要した同区間の移動は、2時間20分に短縮される。4月には、この新路線でTGVが自己の世界最高記録を更新する時速574.8キロを記録している。 1万人の作業員を動員し、5年がかりで建設された同路線は、時速320キロでパリとドイツ国境を結ぶ。建設費は40億ユーロ(約6500億円)で、エッフェル塔に8本分に相当する7万8000トンの鋼材が使用された。 新路線の開通に合わせ、17駅が改装、3駅が新設された。TGV東線沿線では、ビジネスと観光にTGVがもたらす経済効果を期待し、新たなビジネス街も誕生している。 フランス国鉄(SNCF)は、すでにパリ-ストラスブール間の切符を60万枚以上販売しており、2010年までに年間乗客数を1100万人に増やすことを目指している。 |
現在世界最高速度を保持している日本のリニアモーターカーに迫る最高速度を通常の鉄軌道上を走る車両でマークし、世界中の注目を集めたハレの舞台は、いよいよ一般の乗客を乗せて走る営業路線としてデビューを飾ったわけですね。
このニュースはTGVの技術を採り入れたKTXの走る韓国でも取り上げられている模様です《「フランスTGV東線、飛行機に挑戦状」》。
この開業に合わせてドイツの高速鉄道ICEとの相互乗り入れが開始されたほか、今回の開業路線「TGV東線」沿線の駅員を対象にフランス国鉄(SNCF)が去る3月9日に発表した新しい制服が導入された模様です。
このうちのTGVとICEとの相互乗り入れについてですが、以下は産経新聞Webに去る2007年5月26日付けで掲載された記事・・・
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仏独両国の誇る「新幹線」が相互乗り入れ-。フランスの首都パリとドイツのフランクフルト、シュツットガルトを結ぶ高速鉄道、仏TGVと独ICEの一番列車が25日、ドイツの各都市を出発した。 パリ-フランクフルトはICE、パリ-シュツットガルトはTGVがそれぞれ最高時速320キロで走る。これまで鉄道での所要時間は両路線とも6時間程度だったが、4時間前後に大幅短縮される。本格運行は6月10日から開始する。 今回の相互乗り入れにより、航空機との競争が一段と激化する。独メディアによると、初日の25日は停車駅での写真撮影などの影響で約30分遅れてパリ東駅に到着したという。(フランクフルト 時事) |
上記記事の中で出てくるフランクフルトとシュトゥットガルトのICE路線網上の位置関係については、ドイツ国鉄DB公式サイト内にアップされている以下列挙の運行系統図2種類(PDF)・・・
「ICE-Netz 2007(高速鉄道ICE運行系統図)」
「EC-/IC-Netz 2007(在来線特急・急行運行系統図)」
これらからおわかり頂けるかと思いますが、ストラスブールを通ってドイツ国内に入った後、途中のカールスルーエ(Karlsruhe)で分かれ、そのまま北進するとフランクフルト、方向を変えて南進すればシュトゥットガルトにいくわけです。
そして、ストラスブールがフランスとドイツの国境に接する街であることはネット上でもよく紹介されているのですが、ストラスブールからその国境をまたいでドイツ側に入ったところの、ドイツ側国境の街はケール(Kehl)と呼ばれる、人口3万数千の都市ですが、上記の路線図では、在来線列車は停車するも、高速鉄道ICEはスルー(通過)していくようです。
一方、新しい制服についてですが、これについては『MODE PRESS (AFP)』に2007年 03月 12日付けで掲載された「クリスチャン・ラクロワ、仏国鉄SNCFの新制服デザインを手掛ける - フランス」、及び『AFP BB NEWS』に2007年04月11日付けで掲載された「【動画】クリスチャン・ラクロワが手がけた仏国鉄SNCFの新制服 - フランス」にて既に報じられています。
で、今回導入されるSNCFの新制服をデザインしたのは1951年フランス=プロヴァンス地方のアルル出身のデザイナー、クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)で、カラフルな色使いを得意としているものの、今回はフランス国鉄側からの「改札員としてある程度必要な‘威厳’と、顧客とコミュニケーションが取りやすいよう‘明るさ’を兼ね備えたものを」との注文に対し、明るくモダンな雰囲気を追求する彼ならではのデザインを採り入れる一方で、国鉄制服の定番色グレーを残すなど、彼自身得意としているカラフルさは今回お預けという格好となったそうです。
この「TGV東線」の開業によりフランス国内のTGVネットワークはこれで一通り張り巡らされることとなったそうで、今後は車両の技術開発などが焦点となりそうな感じですね。
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