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甦る鉄路・・・高山本線、約3年ぶり全線復旧へ

 甦る鉄路・・・とはまさにこのことを言うのではないでしょうか。

 

 平成16年10月に発生した台風23号の直撃を受けて甚大な被害を受けたJR高山線(高山本線)の、最後まで不通となっていた、県境越え区間でもある「角川駅(飛騨市河合町小無雁)~猪谷駅(富山市猪谷字旦暮)」間が、約3年ぶりに復旧出来る見通しとなりました。

 

 

 2週間以上遡る形となりますが、JR東海が去る5月21日付けで自社サイトに掲載したニュースリリース「高山線全線の運転再開について」によると、高山線の最後まで残っていた不通区間「角川~猪谷」間について、来る9月8日(土)に運転を再開する予定であることを発表しました。

 これにより、高山線は約3年(正確には2年11ヶ月)ぶりに全線で運転が再開されることとなります《運転再開までの間運転される代行バス時刻はこちら》。

 

 このJR東海のリリースの翌日には、地元紙・岐阜新聞でも以下のように報じられています。

 

 「JR高山線、9月8日に全線再開 約3年ぶり

 JR東海は21日、台風被害で不通となっている高山線の岐阜・富山県境間の角川―猪谷駅間について、9月8日に運転を再開することを明らかにした。これにより、高山線は被害に遭った2004(平成16)年10月20日以来、2年11カ月ぶりに全線で運転を再開することになる。
 角川―猪谷駅間は現在、土木工事がほぼ終わり、レール敷設や信号系統の工事を進めている。再開後の運行本数は、再開前とほぼ同レベルとなる見込み。10月から展開される大型観光キャンペーン「ぎふデスティネーションキャンペーン」に向け、同社では全国に運転再開をアピールしていく。
 高山線は台風23号の被害で宮川の橋りょうが流出するなどし、高山―猪谷間52.8kmが不通に。JR東海が約50億円をかけて復旧工事を進め、2004年11月に高山―飛騨古川駅間、翌年10月に飛騨古川―角川駅間で運転を再開。残る県境の角川―猪谷駅間27.5kmの復旧を進めてきた。
 同日の定例会見で、松本正之社長は「ひどい惨状で、当初は復旧するかどうか議論があったが、運行が使命だと考え取り組んできた」と、復旧への意気込みを語った。

 

 で、復旧工事は順調に進んでいる模様で、『産経イザ!』に去る5月30日付けで掲載された「高山線のレール、2年半ぶりにすべて接続 9月に運転再開」という記事によると、この記事掲載日(5月30日)当日、最後の不通区間である「角川~猪谷」間のレールの最終接続工事を実施、2年半ぶりに全線のレールがつながった、と報じています。

 その最終接続工事が行われた箇所ですが、猪谷駅の高山方2つ手前の打保と一つ手前の杉原の間にある桑谷橋梁付近。この桑谷橋梁がかかっている、高山市から富山湾へと注ぐ宮川が平成16年10月の台風23号の影響で増水し、桑谷橋梁とその周辺の橋脚、路盤、土留め壁が長さ約350mにわたって流失、電気ケーブルが4カ所で切断されたということです。

 既に橋梁や路盤の復旧は終えており、去る5月30日の午前からJR東海高山工務区の作業員9名(”JR東海の関連会社の作業員10名”との一部報道もあり)が現場に入り、重さ約1.2tのレールを専用のジャッキを使って1本ずつ吊り上げ、既に敷かれているレールと締結版で接続。次いで枕木に据え付け、最後にバラスト(砕石)を入れてつき固めて固定・・・無事作業を終えました。

 

 このレール敷設終了を受け、今後は電気・信号設備の復旧工事を進めていくとしています。

 

 今頃はきっと、せっせせっせと信号ケーブルを敷設している最中じゃないかなぁ・・・・・・

 

 

 それはともかく、これによって、現在最大で飛騨古川止まりとなっていた「特急ひだ」が再び富山まで足を伸ばすことになり、富山駅プラットホームにキハ85系特急気動車で編成される「特急ひだ」が再び姿を現すこととなります。

 現在、「しらさぎ」のみとなっている名古屋・岐阜方面から富山までの旅行が、またかつての「米原経由」か「高山経由」かの何れかを選べる体制に戻るわけですね。

 

 

 だが、この全線開通を喜んでいるばかりにもいきません。

 

 この2年11ヶ月間にわたった高山線一部区間不通の最中の去る2006年(平成18年)12月1日、猪谷から分岐していた第3セクター鉄道の神岡鉄道(旧・国鉄神岡線)が廃止、高山線全線開通を拝むことは出来ませんでした。

 かつて見られたであろう、高山本線の列車と神岡線(神岡鉄道)の列車との並び風景は、もはや見ることは永久に無いのです。

 

 しかし、この廃線となった旧神岡鉄道について、『路面電車エンジェル基金』というブログサイトに路線廃止3日後の日付で掲載された「神岡鉄道、観光鉄道化へ 三井金属が支援(岐阜新聞)」によると、飛騨市(岐阜県)は、猪谷駅などを擁する富山市の協力も得て、旧神岡鉄道の親会社である三井金属との間で交渉を重ねた結果、三井金属も理解を示し、飛騨市は十数億円もの寄付を受けることとなり、観光鉄道としての再生に道筋を付けた、とのこと。更に今年の5月25日付で同ブログサイトに掲載された「廃線・神岡鉄道 「当時の安全性保てれば許可」 国交省、「継続」扱い承諾(岐阜新聞)」によれば、国土交通省も、旧神岡鉄道の鉄道免許に関して、廃線前の安全性を保持していれば許可する、との見解を示し、飛騨市に対して鉄道免許の継続を認める意向を伝えています。

 

 そういえば、可部線の非電化区間(可部~三段峡間)が2003年(平成15年)12月1日に廃止された際にもやはり観光鉄道として存続させようとする機運が生まれていたのですが、この時には頓挫してしまって終わりとなったようですね。

 ただ、先記の「神岡鉄道、観光鉄道化へ 三井金属が支援」というブログ内記事の他、「神岡鉄道の“一時”閉幕」というブログ内記事でも触れているのですが、今回の旧神岡鉄道の観光鉄道としての再生にあたっては、もし経営に失敗した際の備えなどもきちんと整えている上、協力している富山市もこの再生計画には熱心な様子で、可部線の時とは違い、希望的な観測が強いことも事実のようですね。

 

 

 話がそれてしまいましたが、この度のJR高山線の約3年(2年11ヶ月)ぶりの全線開通、12年前に神戸市などを襲った阪神・淡路大震災で損壊した京阪神の鉄道が208日(約7ヶ月)かけて全線復旧した際、この鉄道の復旧を描いたドキュメンタリー番組で「甦る鉄路」(「甦った鉄路」だったかもしれない)というタイトルを付けていたことを記憶していますが、この高山線全線復旧こそ”甦る鉄路”という言葉がよく似合うでしょう。

 

 神岡鉄道も、違う意味で、”甦る鉄路”という言葉があてはまることになるのかもしれませんネ。

 

 

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【関連記事(追記)
規制緩和等で苦しむ地方ローカル線への救いの手となるか・・・・・・地域公共交通活性化再生法
約2年11ヶ月の時を経て甦った飛騨山脈を行き交う鉄路(1)・・・JR高山本線、全線運転再開までの道
約2年11ヶ月の時を経て甦った飛騨山脈を行き交う鉄路(2)・・・高山本線全線運転再開!それぞれの思い
約2年11ヶ月の時を経て甦った飛騨山脈を行き交う鉄路(3)・・・全線運転再開その後、一方あの鉄路は?
約2年11ヶ月の時を経て甦った飛騨山脈を行き交う鉄路(4)・・・”別添資料”(?)として《高山線・神岡鉄道》

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