台湾北東部で列車衝突事故・・・「ソニック」型新型電車投入路線にて
日本の新幹線技術の初の輸出先となった台湾で列車衝突事故が発生しました。
しかも、事故を起こしたのは、同じく日本から輸出された、JR九州で活躍中の「白いかもめ」をベースにした新型特急電車が投入された路線の駅構内でした。
以下は毎日新聞Web(MSN毎日インタラクティブ)に一昨日(15日)付けで掲載された記事・・・
台湾北東部、宜蘭県の在来線大里駅で15日午前、下り通勤列車に試験運転中の機関車が衝突し、地元テレビによると、通勤列車の乗客ら5人が死亡、17人がけがをした。死傷者に日本人が含まれているとの情報はない。 通勤列車が同駅を発車した直後、反対方向から来た機関車が停止信号を無視して駅に入ろうとし、線路の分岐部分で通勤列車の2両目に激突した。 鉄道当局は機関車がなぜ信号に従わなかったのか調査している。(台北・共同) |
なお、このニュースは韓国でも報道されており《「[世界] 台湾列車衝突・・・約20名死傷」→韓国のテレビ局SBSにて報道》、衝突事故の現場写真もネット上で公開されています《「宜蘭列車衝突事故」》。
ところで、事故が発生した大里駅は台湾北部の基隆市内にある八堵と台湾東部沿岸の町・蘇澳とを結ぶ宜蘭線の中間地点からやや八堵寄りに位置する駅。この大里駅を擁する宜蘭線は台湾東部を走る東部幹線(八堵~台東間)を構成する3路線のうちの一つで《構成3路線→「宜蘭線」・「北廻線」・「台東線」》、一番北寄りに位置する路線でもあります。
そしてこの東部幹線は、5月8日のダイヤ改正により、JR九州で「白いかもめ」として活躍している885系特急電車をベースに開発された振り子式新型特急列車「太魯閣(たろこ)号」が正式に営業運転を開始しており、『産経イザ!』に今年4月4日付けで掲載された「高速化の台湾、新幹線に続き「振り子」も導入」という記事によると、台北~花蓮間を1時間44分で、台北~台東間を3時間39分で結んでいる模様。そしてこの新型特急電車に実際に乗車したという人の手による詳細なレビューも既に公開されています《「台湾885系「太魯閣号」搭乗記」→客室内は勿論のこと、運転室を撮影したものもアップされ、あたかも車内にいるような気にさせてくれます》。
なお、台湾では、折しも、以下の新聞記事(東京新聞Web・2007年6月3日付け掲載記事)にもあるように、日本製蒸気機関車の記念運行も行われている最中でした。
「鉄路120年 新幹線、振り子式特急、そして… 日本製SL 台湾に郷愁」
【台北=野崎雅敏】台湾の鉄道の歴史が今年で120年となるのを記念して、在来線を運営する台湾鉄路管理局(台鉄)は鉄道記念日に当たる「鉄路節」の9日から、日本製の蒸気機関車(SL)「CK124」を台湾一周の形で走らせる。 |
・・・・・《中略》・・・・・ |
台鉄によると、このSLは1936年に日本車両で製造された。電化に伴い1979年に“引退”したが、のどかで懐かしいSLの人気は根強く、補修されて2001年以降はイベントなどに登場するようになった。 今回は9日午前の台湾北部の基隆駅から台北市内の松山駅までをはじめ、10・16・18日に西部、南部、東部の各地区の一部区間で実際に客を乗せて走る。料金は1回1000台湾元(約3600円)。各地で展示も予定され、そのための車両移動も含めると台湾をほぼ一周することになる。 台湾の鉄道は清朝時代の1887年6月9日に初めて台北-基隆間で工事が始まり、1891年10月に開通した。 |
このように台湾鉄道界は、日本の鉄道技術を次々と採り入れるなど、積極的な手に打って出ているようですが、そんな中で起きてしまった今回の衝突事故・・・信号無視という鉄道の安全運行上あってはならない行為に起因するものだっただけに、台湾の鉄道に対する信頼は大きく揺らいでいそうですネ。
P.S.
この記事を書いている最中、より具体的に今回の台湾の鉄道衝突事故を報じているブログ内記事を見つけました。「台湾で列車衝突」というブログ内記事がそれで、こちらには事故に巻き込まれた列車の列車番号や運転区間等までもが記されており、しかも事故当時の衝突両列車の運行状況等についても伝えています。
この記事によると、今回の衝突事故は台湾国内では過去16年間で2番目に大きな鉄道事故となっているそうです。しかし日本国内では、某民放にて事故があったことを伝えている程度で、外国の出来事のためか、確かにさほど大きくは扱っていない印象でしたネ《私自身もテレビ・新聞でこの台湾の鉄道事故報道に出くわすことはありませんでした》。
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