う~ん残念っ、終楽章”マーチ”への導入部分・・・・・・「第九」 in ロサンゼルス=コミュニティ・カレッジ講堂
前回に引き続き、今回もネット上に寄せられたベートーヴェン「第九」演奏動画から紹介します。
今回紹介する演奏動画に収められているのは「第九」終楽章のみで、しかも終楽章全部ではなく、男声合唱のみが入る”マーチ”(行進曲)への導入部分以降の収録となっています。
しかしながら、日本の「第九」演奏会に親しんでいる身からすると、「???」と感じそうな光景も・・・
今回紹介するのは『YouTube』に寄せられた動画の中のひとつで、動画タイトルは「Beethoven's Ode to Joy」。
この動画、「Part 6」までありますので、本来は6本あるべきところなのですが、最初の「Part1」が欠けているため、実際には5本ということになります。
そして、この5本の動画の収録されている範囲は、終楽章の331小節目以降、つまり男声合唱のみが入る「マーチ」(Alla Marcia;行進曲風)部分への導入箇所から曲の終わりまでとなっています。
5本の動画の各所要時間は、『YouTube』による公開データによると・・・
◎ Part2:4分13秒
◎ Part3:2分30秒
◎ Part4:3分56秒
◎ Part5:2分30秒
◎ Part6:2分10秒
となっており、合計すると15分19秒。
恐らく、終楽章の中の合唱部分(2度目のレチタティーヴォ、そしてバリトン独唱以降の部分)をアップするつもりで準備していたものと思われますネ。
で、この動画の特徴というのが、収録範囲の冒頭、つまり男声合唱のみが入る”マーチ”箇所への導入部に於いて、日本の「第九」演奏会に馴染んでいる身からすれば「???」と思ってしまう場面が見られることですネ。
通常、「第九」の演奏に於ける4人のソリスト陣の入場タイミングについて、少なくとも日本国内では、第2楽章終了後に入場させることが多いようです《指揮者によっては、演奏開始前に、合唱団と共に入場させるケースもありますが》。
ちなみに東京「国技館5000人の第九」、大阪「1万人の第九」、広島「第九ひろしま」の3つの大規模「第九」イベントでは何れも第2楽章終了後にソリスト陣を入場させています。
また、終楽章で混声4部合唱が「vor Gott!」の歌声と共に一旦途切れ、次いでファゴット・コントラファゴット・大太鼓の3楽器のみの合奏による”マーチ”箇所への導入部にかかる際には、余計な音(咳き込む音とか)を立てないように、と合唱団に対して練習時等に指導していることと思います《実際私自身も、「1万人の第九」のレッスン等で、このような指導を何度か受けています》。
そしてこの”マーチ”への導入部(331小節目以降)では、手持ちの「第九」ポケット・スコアによると、まずファゴット・コントラファゴット・大太鼓の3楽器のみの合奏で始まり、339小節目からクラリネットが、更に343小節目からはピッコロとトライアングル、シンバルが、それぞれ加わります。
以上のことを頭に入れた上で、以下の演奏動画をご覧下さい《「Part2」冒頭の”マーチ”箇所への導入部の演奏光景に注目!》・・・
◎ Part2〔331~542小節目〕
◎ Part3〔543(練習番号M)~626小節目〕
◎ Part4〔627~762小節目〕
◎ Part5〔763~842小節目〕
◎ Part6〔843~940小節目(曲終)〕
演奏そのものについては、オケ&合唱とも、破綻することなく、しっかりと歌い上げていた感じでした。
でも”マーチ”導入部分はちょっと・・・まあ現地の人たちの「第九」とその演奏に対する考え方というのもあるかもしれませんけれどもね。
ちなみに『YouTube』にて公表されている上記演奏動画に係る演奏者等データは以下の通り。
Performed by the San Fernando Valley Master Chorale & Orchestra.
Terry Danne, Conductor
Sisu Raiken, Soprano
Cathryn Tortell, Mezzo Soprano
Gabriel Reyoyo Pazos, Tenor
Donn Angelos, Bass-Baritone
June 9, 2007 - Los Angeles Pierce College, Theater on the Hill
Woodland Hills, California, USA
上記公表データのうちの「Los Angeles Pierce College」については、『アメリカ留学情報サイト Study in the USA(日本語版)』内に掲載されている「Los Angeles Pierce College」によると、ロサンゼルス市内にある「Los Angeles Community College District」(コミュニティ・カレッジ地区)内に設置されている総合短期大学(コミュニティ・カレッジ)だそうです。
そして今回の演奏動画は2007年6月9日にこのコミュニティ・カレッジ内にある講堂にて行われたものと解釈出来ます。
実はこの演奏動画の公演日とされている2007年6月9日当日は、「第九」のルーツ的作品としても知られているベートーヴェン作曲の『合唱幻想曲作品80』も併せて演奏されています《恐らく「第九」演奏に先立って演奏されたかもしれませんね》。
この『合唱幻想曲』の演奏については本ブログでも、「ベートーヴェンの『合唱幻想曲作品80』、アメリカ西海岸にて・・・久しぶりに『YouTube』投稿動画から」というタイトルの記事の中で、紹介していますので、よろしければついでに聴いてみて下さい。
少しのっぺりとした感じはしましたが、演奏自体は良好な出来上がり、ということが出来るでしょう。
【おことわり】
『YouTube』にて公開されている動画については、今後、『YouTube』運営サイドの判断等により削除される可能性があります。その場合、お楽しみいただけなくなりますことを予めご承知おき下さい。
P.S.
各演奏動画の左上にて収録範囲を小節番号で表示してありますが、楽譜上で確認されたい方は本ブログの「「第九」の楽譜が無料で手に入る!《オーケストラ用、合唱用とも》」という記事にて「第九」スコアを無料で配布している場所などをご案内していますので、ご利用下さい《但し自己責任の下でお使い下さい》。
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