2人の日本人優勝者(菊田&神尾)、動画も交えて感動をもう一度・・・第13回チャイコフスキー国際コンクール
ついに「1万人の第九」合唱参加申込者に対する抽選結果の発表当日を迎えました。
郵送で申し込まれた方々についてはそろそろ抽選結果がお手元に届き始めているのではないかと思います。
尤も私自身はまだ結果を見ていませんが(ちなみに、ネットから申し込んでいます)・・・・・・
さて、去る6月末まで開かれていました第13回チャイコフスキー国際コンクールでは、皆様既にご存知の通り、ヴァイオリン関連部門で日本人が優勝するという快挙を成し遂げました。
菊田浩・・・・・・ヴァイオリン(属)製作者部門第1位
高橋明・・・・・・ヴァイオリン(属)製作者部門第2位
神尾真由子・・・ヴァイオリン部門第1位
このうち、ヴァイオリン(属)製作者部門で優勝した菊田浩(イタリア=菊田ヴァイオリン工房)については、彼を応援しているファンクラブ組織「クラブ☆KKT」の運営者の手による『パルナッソス山へ』というWebサイト内に開設されているブログサイト『登山道の管理日記』に於いて、以下列挙の2つの記事にわたって、詳しく伝えています。
「祝☆菊田さん、チャイコフスキー国際コンクール優勝」
「菊田さん「めざましテレビ」に出演」
このうち2本目の記事の本文中で、彼が実際に今回のチャイコンに出品したヴァイオリンの画像が彼自身のサイトにて公開されている旨の記載を見つけ、彼自身が開いている工房のWebサイトに見に行ったところ、確かに公開されていました《→「2007年 ヴァイオリン ストラディヴァリモデル」》。
あらゆる角度から、アップ画像も含め、今回彼が出品し、優勝を勝ち取ったヴァイオリンが紹介されているのですが、やはり1枚板による背板が印象的ですネ《通常見かけるヴァイオリンの背板はだいたい2枚の板を中央にて接着していると思われますが…;間違っていたらスミマセン!》。
で、実は菊田自身、昨年(2006年)5月にポーランドにて行われた第11回ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン製作コンクールでも日本人初の優勝という快挙を成し遂げています。
しかも過去の入賞者の殆どを製作歴20年以上のベテランが占める同コンクールにあって、ヴァイオリン製作を始めてから10年という異例の早さでの優勝ということで話題となりました《「世界最高峰のヴァイオリン製作コンクール日本人初の優勝者」、「スマステ”トクベツキカク”No.227」、「ヴィエニアフスキー・ヴァイオリン製作コンクール 史上初の日本人優勝者・菊田 浩氏」》。
ここで余談になりますが、実はこの「ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン製作コンクール」、世界の若手ヴァイオリニストの登竜門として紹介されることのあるヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールと根っこの部分(運営母体)は同じのようで、実際このコンクールの公式サイトを訪れてみますと、「ヴァイオリン製作コンクール(Violin Making Competition)」と「ヴァイオリンコンクール(Violin Competition)」の2つの入り口が設けられているのが見えます。
このコンクール自体はポーランドにてほぼ5年に1度行われてきており、次回は2011年の開催となりますが、製作部門(ヴァイオリン製作コンクール)は2011年5月8日から14日まで、演奏部門(ヴァイオリンコンクール)は2011年10月8日から23日まで、とそれぞれなっています《この”ポーランドにてほぼ5年に1度”という言葉から、ふと「ショパン国際ピアノコンクール」を連想してしまいました。ショパコンもポーランドで5年に1度開かれていますネ(尤もショパコンの次回開催は2010年となりますが…)》。
それにしても、ネット上で画像公開されているチャイコンに出品したヴァイオリンのつくりといい・・・・・・いい仕事してますね。
そして、ヴァイオリン部門で優勝した神尾真由子(アスペンアーティスト=チューリヒ音楽演劇学校→ザハール・ブロン門下)については、コンクール以後、様々なブログサイト等から賞賛の声が挙がっています。
「神尾真由子さんは天才のなかの天才」というブログ記事では、天才が集結する国際コンクールで優勝を果たした神尾は天才の中の天才、と絶賛、また「祝優勝 神尾真由子」というブログ記事では、3年前に接した彼女の演奏が今でも忘れられない、テクニック以外でアピールする演奏家が世に認められるということは大変喜ばしいことだ、とひとりの芸術家として成長した彼女を祝福するメッセージを綴っています。
また、本選に於ける任意演奏曲としてシベリウスのコンチェルトを選択・演奏したことについて、「神尾真由子とチャイコフスキー国際コンクール」というブログ内記事によると、彼女がチャイコフスキーのヴァイオリン作品が弾けるようになっていた10歳の頃、CDプレーヤーから流れてきた音楽に思わず食事の手が止まり、「これをいつか弾く」と心に決めた、その曲こそが実はシベリウスのヴァイオリン協奏曲だったそうです。
神尾自身にとって思い出深い曲、ということになるでしょうな、シベリウスのコンチェルト・・・
そして今回の快挙は8年前に神尾が音楽祭出演のため足を踏み入れたことのある岡山県津山市にもしっかり届いている模様。
以下は岡山の地方紙・山陽新聞Web版に7月1日付けで掲載された記事・・・
「神尾さん、チャイコフスキーコンクール優勝 津山の関係者ら祝福 99年の音楽祭、祖母縁で出演」
「すごい」「あの子が世界一に」―。チャイコフスキー国際コンクールのバイオリン部門で優勝した神尾真由子さん(21)=大阪府豊中市出身=の快挙が報じられた30日、ゆかりのある津山市の音楽関係者らは喜びに包まれ、「ぜひ津山で凱旋(がいせん)コンサートを」の声が上がった。 真由子さんの祖母陽子さん(74)=兵庫県宝塚市=は岡山県美咲町(旧中央町)出身で、津山高校の卒業生。結婚で郷里を離れた後、二男夫婦の間に生まれたのが孫娘の真由子さんだった。 4歳の時、バイオリンが趣味だった祖父(陽子さんの夫)の影響で初めてバイオリンを手にした真由子さんは、全日本学生音楽コンクール全国大会小学校の部で1位になるなど天才ぶりを発揮。その音色に感動した陽子さんの高校同窓生たちが津山での演奏を依頼したことから1999年、真由子さんの津山国際総合音楽祭出演が実現した。 元津山高教員で「津山第九をうたう会」会長の江見恭彦さん(73)は「音色が豊かで、音楽のつくり方や構成がうまく、中学生とは思えなかった」と当時を振り返り、「世界にはばたく天才少女と周囲に言った通りになった」と喜んだ。 今秋には同音楽祭が4年ぶりに開かれる。津山文化センター館長で、99年の音楽祭は裏方スタッフとして支えた金道隆さん(53)は「音楽祭がきっかけで大勢の市民が神尾さんのファンになった。心から祝福する」と話し、「ぜひ津山で“お帰り&おめでとう”コンサートを開きたい」。 陽子さんは「同級生たちも大変喜んでくれているようなので、本当にうれしい」と津山から届く祝福に声を弾ませた。 |
そういえば今年はちょうど津山市に於ける「津山国際総合音楽祭」の当たり年になるので、彼女をサプライズ(シークレット)・ゲストとして迎えて凱旋公演・・・ということもありかもしれませんネ。
ちなみに帰国後初の公演(凱旋公演)は、アスペンアーティストによると、8月12日(日)のミューザ川崎に於ける大友直人指揮東京交響楽団演奏会(ソリストとして出演)。
その後8月23日から28日にかけて行われるN響地方巡業(NHK交響楽団 四国・大阪ツアー;ジェームズ・ジャッド指揮)にソリストとして同行、そして8月29日(水)に東京の浜離宮朝日ホールにて初リサイタルが行われる予定になっています《ちなみに「神尾真由子チャイコフスキーコンクール制す!」というブログ内記事の中でも紹介されているミューザ川崎と浜離宮朝日ホールに於ける両公演については何れも完売となっています》。
さて、以前本ブログに掲載した「ヴァイオリン部門で日本人優勝、ピアノ部門「該当者無し」・・・第13回チャイコフスキー国際コンクール」という記事の後のほうでも少し触れていますが、今回のチャイコフスキー国際コンクールの模様の一部は『YouTube』等の動画投稿サイトに投稿され、現在のところ誰でも視聴出来る状態になっています。
そしてその中には優勝した2人の日本人コンテスタントの映像も含まれています。
そこで、後半ではその2人の優勝者に関連した映像を順次紹介していきます。
まずは演奏4部門に先立って行われたヴァイオリン(属)製作者部門で優勝した菊田浩。
この映像はどうやら「菊田さん「めざましテレビ」に出演」でも取り上げられている朝のワイドショー番組『めざましテレビ』の中の映像のようですネ。
次にヴァイオリン部門で優勝した神尾真由子。 こちらは約3分間のニュース映像の他、本選(決勝)の模様を映したものも、分割された上で、アップされています。
まずはニュース映像から・・・
次に本選の模様・・・といきたいところですが、実はその前の第2次予選の模様の映像も一つアップされているのを見つけることが出来ましたので、先にそちらのほうから紹介します。
曲はチャイコフスキー作曲の『瞑想曲ニ短調作品42-1』。
では本選の模様の映像を順番に紹介していきます。
初めは課題曲であるチャイコフスキーの『ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35』の演奏。
◎ 第1楽章(2分割)
◎ 第2楽章
◎ 第3楽章
2曲目は自由曲であるシベリウスの『ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47』。
◎ 第1楽章(2分割)
◎ 第2楽章
◎ 第3楽章
今後益々活躍してくれることを期待しております!
【おことわり】
『YouTube』にて公開されている動画については、今後、『YouTube』運営サイドの判断等により削除される可能性があります。その場合、お楽しみいただけなくなりますことを予めご承知おき下さい。
【関連記事(追記)】
「ヴァイオリン部門で日本人優勝、ピアノ部門「該当者無し」・・・第13回チャイコフスキー国際コンクール」
「権威の失墜とローカル化への懸念・・・・・・第13回チャイコフスキー国際コンクールから見えるもの」
「チャイコフスキー・コンクールVl(Vn)部門覇者神尾真由子、凱旋帰国・・・・・・都内で記者会見」
「チャイコン・Vl(Vn)部門で第3位入賞の「日独ハーフ」(日独ミックス)の話と演奏動画《最年少出場者の話も少し》」《第3位入賞者の本選時動画等も掲載》
「唯一のアジア勢入賞者・・・・・・第13回チャイコフスキー国際コンクール・ピアノ部門の「話と動画」」
「エリザベト・コン本選進出者の河村尚子、クララ・ハスキル国際ピアノコンクールで栄冠に輝く」
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