バリアフリーで進化「789系1000番台」、スピード・アップ「261系1000番台」・・・JR北海道10月1日ダイヤ改正
昨日、関西圏は激しい雨と雷となりました。
私の住んでいる大阪府内でも稲妻が頻繁に光り、何時落雷があってもおかしくない空模様の中、恐れていたことがついに・・・
皆様の地域では如何だったでしょうか《一部、床下浸水の被害や停電となった地域もあるようですが…;中越沖地震被災地域の一日も早い復興を祈っています》。
ところで、2002年12月の東北新幹線八戸延伸開業に伴う本州-北海道間の運行体系再構築によって登場した津軽海峡線対応の特急用電車「789系電車」の札幌地区版ともいうべき「789系1000番台電車」が、来る10月1日に予定されている北海道地区のダイヤ改正で登場する運びとなり、試運転や甲種輸送されている「789系1000番台電車」のスクープ写真もネット上に寄せられ始めています。
まずは来る10月1日に北海道地区で予定されているダイヤ改正を報じている以下新聞記事・・・
「JR北海道:10月からダイヤ改正 札幌~旭川のL特急に新型車両 /北海道」
《毎日新聞(MSN毎日インタラクティブ)・2007年7月12日付掲載記事》
◇愛称「スーパーカムイ」 JR北海道は11日、10月1日のダイヤ改正を発表した。都市間輸送では札幌-旭川のL特急に新型車両を導入して愛称を「スーパーカムイ」に統一。特急スーパーおおぞら(札幌-釧路)とスーパーとかち(札幌-帯広)を各1往復増発する。とかち6本のうち4本に新型車両を入れ、所要時間を5分短縮する。特急すずらん(札幌-東室蘭)は新たに沼ノ端駅に停車させ、新千歳方面への接続を便利にする。 札幌を中心にした都市圏では、区間快速いしかりライナー(岩見沢-小樽)の全列車44本を白石駅に停車させ、函館線と千歳線の乗り継ぎの便を図る。通勤客の多い札幌-小樽、札幌-あいの里公園間では通勤帯の列車を3両から6両に増結し、混雑緩和を図る。 釧路、帯広方面のダイヤの増強は高速道路の整備・延長をにらんだ対抗策。ダイヤ改正に併せ、札幌から釧路、帯広間のRきっぷ(指定席往復割引)は割引率を見直し、釧路200円、帯広は260円、実質的に値上げする。【斎藤誠】 |
これまで札幌~旭川間を走る特急電車の愛称として親しまれてきた「ライラック」と「スーパーホワイトアロー」の2種類の愛称が、新型特急車両の導入により営業最高速度の統一(130km/h)が図られることから、新たに決まった「スーパーカムイ」という名称に統一される他、現在宗谷本線の特急用に運用されている261系気動車に、789系電車的な前頭形等とする外観変更や、台車改良等による速度向上のための仕様変更等を施した「261系1000番台気動車」を石勝線を走る「とかち」用に投入(現行の183系気動車の取り替え)することでスピード・アップを図ること等が盛り込まれています。
その10月1日のダイヤ改正の中で一番の目玉となるのが「スーパーカムイ」のデビューということになるわけですが、その「スーパーカムイ」デビューについて報じているのが以下の『FujiSankei Business i.』掲載記事・・・
「札幌~旭川間に新型特急…10月「スーパーカムイ」登場」
《『FujiSankei Business i.』2007/8/23付掲載記事》
JR北海道は、10月1日のダイヤ改正に伴い、札幌-旭川間に新型L特急列車「スーパーカムイ」を運行する。 これまでの特急「ライラック」の「781系」車両の老朽化に伴い、新型の「789系1000」計35両、7編成に切り替える。また、同じ区間を走るもう一つの特急「スーパーホワイトアロー(785系車両)」も愛称を統一、30分間隔で運行し、1時間20分で結ぶ。うち1時間に1本は新千歳空港駅まで快速直通運転を行う。 新型車両は、函館-八戸間の特急「スーパー白鳥」の車両をベースに改良した。清潔でクールな都会のイメージを出すためシルバーメタリックのボディーを採用。JR北海道のコーポレートカラーのライトグリーン、ラベンダーのバイオレットをアクセントにしたラインを加えた。指定席の「uシート」は、ゆったりとした座席配置で、車いすスペースを設け、ホームとの段差縮小などバリアフリーに気配りされている。 寒冷地向け仕様で、床下をフルカバーで覆い機器の着雪を防ぎ、高気密ドアや複層ガラスを採用して快適性や安全性の向上を図った。 |
そして、789系1000番台の新規投入に先立っての報道関係者向け試乗会も行われていたようで・・・
「新「スーパーカムイ」お披露目」
《朝日新聞(asahi.com)2007年08月03日付掲載記事》
10月1日のダイヤ改定で、北海道の札幌―旭川間に導入されるJR函館線の特急「スーパーカムイ」(789系)の新型車両が31日披露され、関係者らを招いて旭川―滝川間で試乗会があった。5両編成で運行、特急「ライラック」(781系)で最大1時間半かかっていた所要時間が1時間20分に統一される。 車体の色はシルバーメタリック。横方向のラインでスピード感を表現したデザイン。バリアフリー対応として、人工肛門(こうもん)や人工膀胱(ぼうこう)をつけている人(オストメイト)にも対応できるトイレをJR北海道で初めて採用した。指定席車両にはパソコン専用コンセントがついている。 ダイヤ改定で7編成を導入し、80年から運行してきたライラックと入れ替える。現行の「スーパーホワイトアロー」(785系)も愛称名が変更、「スーパーカムイ」に名称が統一される。 |
今回の789系1000番台の投入について、「札幌~旭川に789系投入、781系と「ライラック」の愛称は10月で引退」というブログ内記事は、781系電車は量産車運用開始から既に27年経過し、内装の陳腐化も相まって、廃車処分となるものも出てきており、そろそろ新車への置き換えがあってもおかしくなかった、と今回の新規投入が来るべくしてきたものであることを表明すると共に、内・外装とも現在「スーパーホワイトアロー」で運用されている785系電車と同様のイメージである、とも語っています。
で、塗装について思うのですが、現在津軽海峡線を走る特急で運用されている789系は前頭部と旅客出入り口ドアとその周辺をJR北海道のコーポレート・カラーでもある黄緑色(というか萌黄色!?)に明々と塗り(縁には濃いめの青色の帯有)、そのほかは塗装を施さないという独特の色配置になっており、同じくJR化後に新製されたJR北海道の特急用車両(281系気動車・283系気動車とか)と共に、「JR北海道の特急車」というひとつの個性を主張しているかのようですが、今度投入される789系1000番台電車では、特徴的な前頭形はそのままなのですが、側面に黄緑(萌黄!?)色・水色・紺色(?)の3色の帯を配するのみという比較的オーソドックスな塗装となっているため、幾分トーン・ダウンしているような印象を受けます。
また、前面を非貫通仕様とすることで、外観から推測して、どうやら前面展望を出来なくしているみたいですネ《一部、前面展望は可能との推測話もあり;ちなみに津軽海峡線を走る789系は前面が貫通式になっており、締切用ドアに窓が付いているため前面展望が楽しめるようになっています》。
もう一つ、789系1000番台電車で注目されるべき点は、上記新聞記事の中でも報じられている、オストメイト対応列車トイレの導入。JR北海道789系電車のウィキペディア解説によると、オストメイト対応トイレは789系1000番台電車の指定席(uシート)車に設けられることになっており、勿論車椅子にも対応しているとのこと。
オストメイト対応トイレは、バリアフリー化が叫ばれる中、駅のトイレでは全国の主要駅を中心に続々と整備されてきている模様ですが、列車トイレでは去る7月1日に東海道・山陽新幹線に登場した「N700系」新幹線電車に導入されているのみで、在来線車両の列車トイレでは初めてのことになります。
その789系1000番台電車、兵庫駅近くの川崎重工で製造され、五稜郭まで甲種輸送されたとの話ですが(製造元である川崎重工のWebサイトでは現在のところ789系1000番台に関する情報公開無し)、その甲種輸送途上に於けるスクープ写真が続々とネット上に寄せられてきています《以下はその一例として》。
「【JR北】789系1000番台(HL1001編成)甲種輸送」
「789系1000番台」
「789系」(◆・◆・◆)
「スーパーカムイ789系1000番台甲種回送+形式写真もどき」
「【鉄道写真】789系1000番台甲種輸送(5/16分)」(◆)
「スーパーカムイ(789系1000番台)甲種回送」
「789系1000番台甲種回送」
また、動画の形で寄せられているものもあります。
スーパーカムイ789系甲種回送
《5月16日吹田駅で撮影しました》
スーパーカムイ789系甲種回送 その2
《5月16日石山駅で撮影しました》
789系1000番代 甲種回送
789系1000番代甲種回送
《信越本線・古津~田上間》
そして、道内に於ける試運転の様子をスクープしたものもネット上に寄せられています《→「スーパーカムイ789系1000番台」》。
今後、789系電車や261系気動車等に見られるような「高運転台・鼻低形」スタイルがJR北海道・特急車両の”新標準形”となっていくことでしょうネ《何を今更…》。
【おことわり】
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