「パスクヮ-レ・イアンノ-ネ(P;イタリア)+”ルーマニアのオケ”」による『合唱幻想曲』
『Google Video』を見ていますと、今月に入って投稿されたベートーヴェン『合唱幻想曲作品80』の演奏動画を一つ見つけました。
その動画は『YouTube』に寄せられたもので、ピアノ・ソロを務めているのはイタリア人ピアニスト、そして管弦楽を務めているのはルーマニアのオーケストラでした。
今回発見した『合唱幻想曲』演奏動画は2本構成(2分割形式)で、『YouTube』にて投稿動画に添付されているデータでは・・・
Pasquale IANNONE plays the Fantasy op.80 at the Barletta Piano festival with he Bacau Philharmonic Orchestra. Conductor Ovidiu Balan. Choir "Florilegium Vocis" conductor Sabino Manzo |
とあり、これを整理してみると、
ピアノ:パスクヮーレ・イアノーネ
[Pasquale Iannone]
合唱:合唱団「Florilegium Vocis」
[Choir "Florilegium Vocis"]
合唱指揮:サビーノ・マンツォ
[Sabino Manzo]
管弦楽:Bacau Philharmonic Orchestra
《もしや”Bacau Symphony Orchestra”?》
指揮:オヴィディウ・バラン
[Ovidiu Balan]
となります。
原文データの中の「Barletta Piano festival」はイタリアのバルレッタ(Barletta)という街で行われているピアノ・フェスティバル、つまり「バルレッタ・ピアノ・フェスティバル」ということになります。
出演者について見ていきますと、ピアノ独奏を務めたパスクヮーレ・イアノーネ(Pasquale Iannone)はネット上の演奏空間サイト『The Web Concert Hall』で2003年に開催された第5回国際WCH(Web Concert Hall)コンクールで入賞(Winner→順位不詳)したイタリアのピアニスト。
アルド・チッコリーニ等に師事し、イタリア国内の主要コンクールで次々と優勝を果たし、1994年にはアメリカ・ソルトレイクシティで開かれたジーナ・バッカウアー国際ピアノコンクールで第1位に、翌年(1995年)には同じくアメリカ・ニューオーリンズで開かれたニューオーリンズ国際ピアノコンクールで第2位に、それぞれ入賞を果たしています。そして、イタリア国内各都市に於ける演奏活動、レコーディング活動等を展開しています。
管弦楽を務めた「Bacau Philharmonic Orchestra」でありますが、この名称から、ルーマニア北東部のバカウ県にある都市バカウ(Bacau)を活動の本拠とするオーケストラという察しがつくのですが、このオーケストラの名称自体について、指揮を務めているオヴィディウ・バラン(Ovidiu Balan)の公式サイト内に掲載のバランのプロフィール(バイオグラフィ)から、どうやら「Bacau Symphony Orchestra」(バカウ交響楽団)が正当である可能性が高そうですネ《勿論、違う可能性もありますが》。
ちなみに指揮を務めたオヴィディウ・バランは1942年生まれのルーマニアの指揮者で、ジャン・フルネ、マリウス・コンスタンに師事、1968年からルーマニアのバカウ交響楽団の音楽監督・首席指揮者を、1995年からは同じくルーマニアの首都ブカレスト郊外の都市プロイエシュティ(Ploiesti)を活動本拠とするプロイエシュティ交響楽団(Ploiesti Symphony Orchestra)の首席指揮者を、更に1996年からはイタリアのアヴェルサを活動本拠とするドメニコ・チマローザ交響楽団の音楽監督を、それぞれ務めています。
合唱を務めた「Florilegium Vocis」という合唱団についての詳細は残念ながらつかめませんでしたが、ネット上で公開されている情報から、どうやら古楽主体で活動しているコーラス・グループと思われます《日本でいうところの「大阪コレギウム・ムジクム合唱団」のような感じ(というか規模)の団体でしょうか…》。
というわけで、今回紹介の演奏動画で映し出されているのは、公演時期については残念ながら不詳ですが、イタリアのピアニスト、パスクヮーレ・イアノーネのピアノ独奏、ルーマニア出身の指揮者オヴィディウ・バランの指揮によるルーマニアのオーケストラ他との共演で、イタリアのバルレッタ・ピアノ・フェスティバルの一環公演に於ける『合唱幻想曲』の演奏、ということが出来るわけですネ。
それではお楽しみ下さい・・・
Beethoven - Choral Fantasy op.80 - Part 1
Beethoven - Choral Fantasy op.80 - Part 2
少しつまみ食い程度に聴いてみたのですが(失礼!)、実力派揃いということで、なかなか引き締まった感じの仕上がりに思いました。
で、今回の「合唱幻想曲」演奏動画にはルーマニアの指揮者とオーケストラが登場していましたが、ルーマニアといえば、実は私の住む大阪府を拠点として活動している若きプロ・オーケストラ、大阪シンフォニカー交響楽団が5年前の2002年12月に、文化庁の平成14年度国際芸術交流支援事業(海外公演)による助成を受けるかたちで、初の海外公演を行った地でもあるのですが、この年は日本とルーマニアの国交樹立100周年の年で、当時大阪シンフォニカーでは、国内のプロ楽団で唯一、ルーマニア人の楽団員を擁し、当時同オケの音楽監督を務めていた大阪出身の曽我大介がルーマニア国立音楽大学の卒業生で、しかもルーマニア国立放送交響楽団の首席客演指揮者も務めていたこともあって、このルーマニア・ツアーが実現したとのことです。
その大阪シンフォニカーによるルーマニア・ツアーは2002年12月1日から11日までの10日間行われ、6日・8日・9日の3日間、首都ブカレスト等で公演を行いました。
その時の批評が以下のWebページにまとめられています《何れも大阪シンフォニカー交響楽団Webサイト内に掲載されているものです》。
◎ 産経新聞記者・寺西肇 著《全日程まとめて》
◎ 神戸新聞記者・藤本賢市 著
「12月6日(金) ブカレスト IN ルーマニア」
「12月8日(日) ルーマニア・ブラショフ軍人会館」
「12月9日(月) in プロイエシュティ」
日本とルーマニア両国の作曲家の各作品を初め、ベートーヴェンの交響曲第7番等が演奏された他、第1回公演(ブカレスト)では後半で地元オケであるルーマニア国立放送交響楽団とのジョイントも実現したそうです。
大阪シンフォニカーゆかりの地でもあるルーマニアとイタリアの両国の実力派アーティストのぶつかり合いによる『合唱幻想曲』が、ここにあります!
【おことわり】
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