路線名称は「おおさか東線」、まずは放出~久宝寺間から・・・・・・大阪外環状線
いよいよ最終段階に入った、という印象ですネ。
城東貨物線の旅客化による「大阪外環状線(仮称)」の路線名称が、昨日(23日)、JR西日本から発表されました。
う~ん、名称としては悪くないのですが、ちょっと安直な印象が・・・
元々の仮称である「大阪外環状線」とか、あと「東大阪線」や「外大阪線」といったあたりがよかったかな、なんて思ったりもするのですが・・・まあ決まってしまったものですから仕方ないことですし。
それはともかくとして、路線名称と共に、先行開業となる放出~久宝寺間の区間に設置される駅の確定名称も同時に発表となっています。
JR西日本の昨日(23日)付けのニュースリリース「大阪外環状線(仮称)の路線名・駅名などについて」によると、放出~久宝寺間の先行開業区間に設置される駅の確定名称は以下の通り。
(放出)→高井田中央→JR河内永和
→JR俊徳道→JR長瀬→新加美→(久宝寺)
この中の「新加美」について、駅の場所が既存の関西線(大和路線)の加美駅と少し離れてはいるものの、一時は既存駅と同じく「加美」とするようなことが言われていたのですが、結局は頭に”新”を付けることで既存の駅とは別個のものという位置づけにしたようですネ。
”新”と言えば、去る7月1日にデビューした東海道・山陽新幹線の「N700系」を宣伝していた際にも「新!」というロゴが踊っていたような・・・
ま、それはともかくとして、今度決まった駅名たちを眺めていると、ずらっと「JR○○」が並んでおり、ある意味圧巻であり、ある意味安直な印象も受けます。
その駅名たちのうちの「JR河内永和」と「JR俊徳道」について、何れも既存の近鉄駅とほぼ同じ位置にあることから、仮称としていた「永和」・「俊徳道」のままでもよかったんじゃないかなぁ、なんて思ったりもしますが・・・
また「高井田中央」についても、JR西日本のニュースリリースでは大和路線に「高井田」(但し所在地は大阪府柏原市)という駅が既に存在すること等を考慮して決めたようなことを表明しているのですが、ちょっとピンと来ない感じがします。
「東大阪高井田」とか、「高井田川俣」といったあたりが良かったんじゃないかなぁ、なんて思ったりもしますけれどもネ《駅の所在地(東大阪市川俣1丁目)に即する形で「川俣」とするのが本来のカタチかなぁと思うのですが、この名称だと地下鉄高井田駅との乗換駅というイメージが湧いてこないのでチョット具合悪いかな・・・》。
なお、今回決まった路線名称と駅名に関しては「大阪外環状線は「おおさか東線」」というブログ内記事でも印象等が語られています。
新大阪側の「開かずの踏切」問題や久宝寺側の用地買収の難航等により遅れ遅れとなっている大阪外環状線(おおさか東線)の工事ですが《→「JR大阪外環状線 - 北区間、06年度に着工」・「西日本旅客鉄道 大阪外環状線◆ 概要」》、来年春の放出~久宝寺間部分開業に合わせて奈良方面から尼崎方面への直通運転が計画されているとの話のようですが、「大阪外環状線」というブログ内記事が語っているところによると、今回の「おおさか東線」の開業によるメリットとして、奈良方面からの大阪環状線への人の流れの分散させることで大阪環状線自体の混雑緩和が期待できること、阪和線・きのくに(紀勢)線方面から入れることの出来る列車本数が増やせること、更に奈良から常に混み合う大阪駅を避けて尼崎で神戸方面や宝塚・福知山方面に乗り継げること・・・等を挙げています。
また、尼崎までとは言わず、その先の三ノ宮(神戸)や宝塚までの直通計画もあるとの話もあります《→「JR西日本、大阪外環状線経由で奈良~尼崎直通へ」》。
そして、2012年春頃の予定と伝えられている放出(鴫野)~新大阪間の開業(城東貨物線旅客化完成)予定については、出張が便利になるとの期待の声も聞かれます(→「大阪外環状線の開通はいつ?」)。
で、先に奈良方面から尼崎方面への直通運転が計画されている、とお話ししましたが、ただ単に奈良から尼崎に出るのであれば木津経由で学研都市線(片町線)・JR東西線を全線通しで運転するのも有りですし、或いは奈良線を使って京都経由で運転するのも可能ですので、今更「大阪外環状線」なるものをつくらなくても・・・という気持ちは正直少しあります。
実際、学研都市線では、JR西日本の平成19年5月16日付ニュースリリースの中でも触れられていますが、現在有効長が4両となっている木津~京田辺間について、平成21年度末までに有効長を京田辺以西区間と同じ7両とすべくホーム延伸等の工事に取りかかるとも表明しており、一方奈良線についても、ウィキペディア解説によると、近畿地方交通審議会に於いて、将来、東海道本線(JR京都線)と定期で相互直通運転を行う案が検討されているとか《→「近畿地方交通審議会答申第8号に基づく高速鉄道網整備の状況(平成19年1月1日現在)」》・・・・・・
でも、この「木津回り」と「京都回り」の両ルート、何れも「おおさか東線」を通る場合と比べて幾分遠回りになるのは否めない感じなので、所要時間で問われると不利となりそう。
近畿運輸局内での奈良線から東海道本線(JR京都線)への直通運転の検討も進んでなさそうだし・・・
あと、今度開業する「おおさか東線」のメリットの一つとして挙がっている、奈良方面から行く場合に混雑する大阪駅を避けて尼崎で神戸・宝塚方面に乗り継ぎ可能、という点についても、時間帯等にもよりますが、尼崎からだと座れないでしょうネ・・・
しかし、「JR西日本、大阪外環状線経由で奈良~尼崎直通へ」でも指摘されていることなのですが、2009年春頃に阪神西大阪線の近鉄難波までの延伸開業(阪神なんば線開業)も控えており、これにより阪神間の「JR vs 民鉄」対決は、従来からの「大阪~三宮(神戸)間」に加えて「奈良~尼崎~三宮」という新たな構図も形成されるわけで、「おおさか東線」開業後、奈良・王寺から尼崎を経て三ノ宮・神戸まで直通する快速列車が現れるとすれば阪神なんば線との競争も起こりうるところでしょうネ。
尤も、奈良・王寺から「おおさか東線」を経由して尼崎・神戸方面に向かうルートの輸送需要は未知数との指摘もなされているのですが・・・
一度廃線となったがまた復活する区間をも一部擁する「おおさか東線」、大阪市中心部の混雑緩和に一役買えるのかどうか、沿線住民等の目が元々貨物線だった鉄路に注がれています。
【関連記事〔「おおさか東線」(城東貨物線)関連〕】
「「おおさか東線」開業まで残り2ヶ月余り・・・JRグループ定例ダイヤ改正と共に。試運転も開始」
「いよいよ秒読み開始へ・・・JRおおさか東線(久宝寺~放出間)、3月15日(土)新規開業《JR西日本管内11年ぶり》」
「本日開業の「おおさか東線」に乗ってきました・・・今朝の未明の話《但し”1番電車”は逃しました》」
【関連記事{「阪神なんば線」(阪神西大阪線)関連}】
「路線名称発表、名前は”阪神なんば線”・・・・・・阪神西大阪線延伸工事、順調に進捗す」
「阪神西大阪線(なんば線)延伸工事についての話・・・・・・以前掲載の記事の続編として」
「「阪神なんば線」向け新型車両1000系電車、報道陣に公開(試乗会)へ・・・近鉄側は既存車改造で対応」
「阪神西大阪線、延伸後の「阪神なんば線」の最新の話題等・・・JRおおさか東線のライヴァルとなれるのか」
「「阪神なんば線」(阪神西大阪線)地下全区間貫通・・・3月10日に《「おおさか東線」最大のライヴァル》」
【関連記事(その他、関西の鉄道関連)】
「湖西線で駅名改称、そして関西圏で相次ぐ新駅設置・・・・・・JR西日本と阪急にて」
「車内販売の再開(復活)、そして「阪神なんば線」開業後の直通乗り入れは?・・・”還暦”迎えた近鉄「名阪特急」」
「不可能を可能に!?・・・・・・四つ橋線延伸(新線)計画、西梅田・十三連絡線構想の作業部会開催」
「これも経営統合効果!?・・・・・・神戸高速鉄道株、神戸市から阪急阪神HDに譲渡へ」
「京阪中之島線(中之島新線)トンネル貫通・・・次は線路敷設、駅など諸設備工事へ」
「新大阪駅北側建設の阪急再開発ビルに入るホテルは「remm」・・・新大阪駅新幹線ホーム拡張工事に合わせて」
「京阪中之島線(中之島新線)レール敷設完了・・・各駅出入口(駅舎)デザイン、申請運賃も同時に発表」
« バリアフリーで進化「789系1000番台」、スピード・アップ「261系1000番台」・・・JR北海道10月1日ダイヤ改正 | トップページ | 日本の新幹線技術、次は鉄道発祥の地へ・・・・・・英国の高速新線CTRL向け「新幹線ベース」車両の陸揚げ »
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 路線名称は「おおさか東線」、まずは放出~久宝寺間から・・・・・・大阪外環状線:
» JR西日本、大阪外環状線の路線名を「おおさか東線」に [kqtrain.net(blog)]
JR西日本 : JRニュース|大阪外環状線(仮称)の路線名・駅名などについて [続きを読む]
» 大阪外環状線の開通はいつ? [フレキシブルチューブ、ベローズの三元ラセン管工業株式会社 代表取締役高嶋 博 ベローズ案内人の日記]
JR学研都市線放出駅周辺は高層マンションが立ち並び大きく様変わり
してきています。それに大阪外環状線(久宝寺~放出~新大阪)が開通
すると新大阪まで乗り換えなしで行けます。...... [続きを読む]
« バリアフリーで進化「789系1000番台」、スピード・アップ「261系1000番台」・・・JR北海道10月1日ダイヤ改正 | トップページ | 日本の新幹線技術、次は鉄道発祥の地へ・・・・・・英国の高速新線CTRL向け「新幹線ベース」車両の陸揚げ »
大阪外環状線の本当の目的は、学研都市線および大和路線沿線と新大阪のアクセスを改善するのが目的です。またあらたに環状線を付加することで、ネットワークリダンダンシーの向上を狙っています。ただ、2008年春の開通では北部分は開通しないため、できることは神戸方面と大和路線の直通ぐらいです。だから、メリットもそれぐらいしか挙げられないのです。
>その駅名たちのうちの「JR河内永和」と「JR俊徳道」について、・・・(略)
同感です。これが逆なら、俊徳道と近鉄俊徳道ならまだ理解できるんですけどね
>東大阪線
近鉄東大阪線が存在した(今はまだ東大阪線からけいはんな線への意識移行期)のとやはり東大阪市が存在するから混同を避けるという点で回避したほうがいいでしょう。東大阪とおりますけど、中心部を通っていないですし。奈良線・京都線・神戸線など、その線の中心駅からみてどこへ向かう線なのか、という路線名が多いので、東大阪線という名前はやはり、大阪都心~東大阪を結ぶ路線に与えるのが適当でしょう。
高井田駅に関しても、高井田川俣と高井田中央では情報量に差がある。高井田中央は中央線のりかえとすぐにわかるが、高井田川俣の川俣は有っても無くても良いです。高井田中央という発想は、野田阪神に近いと思います。
まあ、これで赤字路線だとまだぶーたら文句を言う人がでてくるでしょうが、評価は採算性の観点だけではないはず。採算性の観点も必要であるが、他の視点からの評価も必要だと思います。役に立っているが赤字というケースは公共施設の場合よくありうることです
投稿: ぷらら | 2007年9月 7日 (金) 18時53分
ぷららさん、こんにちは。
ご意見をお寄せ頂き、ありがとうございます。
路線名称についてですが、複数の自治体をまたがることになるので、例えば最終的に新大阪までの路線とさせることから、国鉄的発想といいますか、起点・終点両方の自治体名(八尾市と大阪市東淀川区)の一部を取って「八淀線」とか、或いは起点・終点両方の旧国名(河内国と摂津国)の一部を取って「摂河線」(或いは「津河線」とか)・・・とするのも有りかな、と思ったりもします。
尤も「おおさか東線」と決まってしまっているので今更どうこう言ったところでどうしようもありませんが・・・
駅名について、「高井田中央」という発想は、「野田阪神」に近い・・・とのお話ですが、某私鉄名称と特定の地域を指す言葉としてのみに使われている”阪神”に対し、”中央”というのは、勿論町名として使われている例もあるのですが、ただ単に「真ん中」という概念的なことで使われることのほうが多く、今回のケースはたまたま地下鉄中央線と交差するということで「野田阪神」と同じ発想とし得るところですが、ごく普通の人にはただ単に”高井田の真ん中”としか受け取ってもらえない可能性もありそうですね《ただ地元民ならば仰るような”地下鉄中央線の高井田”との受け取り方をしてもらえる可能性もありますがね》。
しかし実際には高井田、高井田中、高井田本通、川俣、森河内の5つの地区に跨る形で駅が置かれている格好になっているので(森河内地区にもかかるかどうかはちょっと怪しいところですが…)、この地に駅があることを示すため、高井田と川俣の2つの地区が跨っていることを示す意味で「高井田川俣」にするとか、或いは東大阪にあることを明記する意味で「東大阪高井田」とするのが望ましい、と考えています《実際の駅の設置具合にもよりますが》。
尤もこれにしても既に駅名が「高井田中央」と決まってしまっているのでどうこう言ったところで仕方ありませんけれどもね・・・
大阪外環状線の目的に関してもご意見を頂戴していますが、単純に考えれば、学研都市線はともかくとして、大和路線で新大阪とのアクセスを考えるのであれば天王寺・西九条と経由して既存の梅田貨物線を利用すればいいだけのことですよね《そのほうが走行距離面でもスッキリしますし》。
ところが、この梅田貨物線には、ご存じの通り、阪和・きのくに線方面からの特急や僅かながら快速が行き交っているほか、本来用途の貨物列車も行き交っており、ウィキペディア解説等によると、現状でも福島界隈に於いて交通渋滞の元凶となっているとのことで、そこに大和路線の列車を入れようなら渋滞が酷くなるのは明らかで、加えてそこに至るまでの環状線線路にも必然的に列車を入れるわけだから環状線自体も混み合い、しかも梅田貨物線自体が一部単線区間〔梅田貨物駅~福島(西九条)間〕を抱えているため、もし環状線から梅田貨物線に乗り入れる列車に遅れが発生すれば、環状線内のみを走る電車もそのとばっちりを即受けてしまうような格好となってしまいます。
そのため、大和路線から環状線に流入する人(列車)の流れを分散させることが目的、という見方も存在し、私もどちらかといえばこの見方に合点するところがありますし、そのこともあって、ネットワークリダンダンシー(代替路線)の概念には私も賛成です。
まあ、この「おおさか東線」の本当の威力を発揮するのは北半分(放出~新大阪間)が開通してからとなりそうですネ《輸送需要面で未知数な要素は多そうな感じですが…》。
投稿: 南八尾電車区 | 2007年9月 9日 (日) 13時47分
丁寧なご回答どうもありがとうございます。
・たしかに●●中央というのは、どの地域で見ても(いずみ中央、和泉中央、泉中央(笑)などなど)、●●の中央部に位置するからというのが通例であり、乗換駅だから●●中央というのは前代未聞であります。まあ、高井田に関してはなぜにそもそも、高井田駅が2つ近場に存在してしまったのか・・ってことですよね。春日井駅のように。まあ、これをいってしまうと議論にならないわけですが。
・摂河線ですか。これは想いつかなかった!旧国名を使うのは私も大賛成です。
JR東西線の名前や駅名でもそうですし、ほかの合併市町村にも言えることですが、名前ひとつ決めるにも、いろいろな利権が絡み合いなかなか難しいようです。それでも南砺市(富山県)はうまいことつけたなぁと思います。
投稿: ぷらら | 2007年9月22日 (土) 12時19分
ぷららさん、レスをありがとうございます。
それにしても、”中央”絡みで、「いずみちゅうおう」と読む駅が3つもあったんですね。
順番に、相模鉄道の「いずみ中央」、泉北高速鉄道の「和泉中央」、仙台市営地下鉄の「泉中央」・・・仙台地下鉄の「泉中央」については記憶があるのですが、相模鉄道には乗ったことが無く、泉北高速鉄道については、乗ったような記憶は朧気にあるものの、「和泉中央」まで乗ったかどうかとなると怪しくなります。
あと、「春日井駅」ですが、調べてみて驚きました。JR山陽線の”竜野”とJR姫新線の”本竜野”との関係を思い出しましたよ。JR線の駅のほうを「本春日井」とすべきと考えています(春日井市中心部にあるため)。
これは余談ですが、大阪空港と門真市とを結ぶ大阪モノレールの途中に宇野辺駅というのがありますが、そこはかつて「茨木駅」と名乗り、私もJR線の茨木駅と乗り換えが出来ると思い込んで下車し、歩き出したもののなかなかJR茨木駅に辿り着けず、さんざんな目にあった経験があります。
それはともかくとして、今度の”高井田”という駅名の話、どちらも地名に”高井田”が入っていること、事業者が異なること等から、仮称段階に於いては所在地が全然違うにもかかわらず駅名は同一という現象に繋がったことと思います。
蛇足ながら、地下鉄中央線の「高井田」駅と大阪市バスの「高井田」停留所とでは、これまた互いに大分離れて(場所が全然違って)いるみたいですネ。
話が変わりまして、路線名称についてですが、国鉄時代に何らかの規定に則って一つ一つの路線に名前が命名されたと思うのですが、その根拠規定が何か、私にはわかりません…
ただ、想像がつくのは、一つの路線の両端の駅名或いは両端の駅が各々属する旧国名の各頭文字を取るか、同じく一つの路線の終点駅の名称をそのまま路線名称としていたか・・・くらいですネ。
あと、仰っている”利権”の問題でありますが、余談ながら、JR東西線の「●新地」という駅名に地元が大もめにもめたこと、私も覚えています《「桜橋」とするのが普通でしょうに》。
投稿: 南八尾電車区 | 2007年9月23日 (日) 18時00分