富士山河口湖音楽祭2007に於ける「第九」公演 & 横浜交響楽団による「第九」・その2
去る8月11日から19日にかけて河口湖畔を舞台に繰り広げられた「富士山河口湖音楽祭2007」。
その最終日にあたる8月19日、京都出身で兵庫芸術文化センター管弦楽団芸術監督兼「1万人の第九」第2代音楽監督(総監督・指揮)で、2002年の「富士山河口湖音楽祭」創設以来監修として関わってきている佐渡裕の指揮によるベートーヴェン「第九」公演が開催されました《もう10日前の出来事となってしまっていますが・・・》。
その模様は「富士山河口湖音楽祭」公式サイト内に開設されている「8/19 真夏の第九演奏会」という記事の中で、多数の公演スナップ写真と共に、伝えられているほか、この音楽祭を後援していた新聞系メディアでも報じられています。
「河口湖音楽祭:総勢600人の「第九」で幕閉じる」
《毎日新聞(MSN毎日インタラクティブ)・2007年8月19日付け掲載記事》
【注/掲載元新聞社サイト、掲載期間終了】
富士山のふもと山梨県富士河口湖町で開かれていた「富士山河口湖音楽祭2007」(毎日新聞社など後援)は19日、同祭監修の佐渡裕さん指揮による総勢約600人の「第九」で幕を閉じた。 同県を中心に宮城県や兵庫県など全国各地から公募で集まった9~78歳の特別合唱団ら計500人の歌声と、山梨交響楽団約90人の交響楽が、会場の「河口湖ステラシアター」に響き渡った。クライマックスでは、佐渡さんの合図で約2000人の聴衆も一緒に合唱した。終演後、佐渡さんは「富士山の力だ。これ以上のものはない。最高だ」と話した。【藤野基文】 |
「「真夏の第九」高らかに響く 富士河口湖 佐渡裕さんがタクト」
《山梨日日新聞Web版『みるじゃん』・2007年08月20日(月)付け掲載記事》
富士山河口湖音楽祭2007(同祭実行委主催)のフィナーレを飾るイベントが十九日、富士河口湖町の河口湖ステラシアターで開かれ、市民約六百人がベートーベン「第九」の歓喜の歌を真夏の富士山ろくに響かせた。 県内外から一般公募した四百二人で構成する同祭第九特別合唱団と晋友会合唱団、山梨交響楽団などが出演。同祭の監修も務めた佐渡裕さんの指揮で、ベートーベンの交響曲第九番「合唱付き」の全楽章を演奏した。 メーンコーラスでは、佐渡さんが客席を振り向き、観客に合唱をうながす場面も。会場が一体となって盛り上がった。佐渡さんは演奏後、「本当に最高。富士山のふもとで人々の力がつながり合い、奇跡の瞬間を生んだ」と話した。 |
実は私自身もこの河口湖音楽祭の「第九」への合唱参加に申し込んだ一人なのですが(その後家の事情等で辞退)、その際、お揃いのTシャツ(ユニフォーム)で出演するとの旨の通知があり、てっきし全員が白色(というか単一色)のTシャツを着て合唱に臨むのかな、と思ったのですが、違っていたんですね《まあロゴ部分とかは統一されているでしょうが…;「お花畑と富士山河口湖音楽祭の第九」というブログ内記事に今回の「第九」に於ける合唱団とオーケストラ団員のステージ衣装の設定理由に関する記述が見られます》。
あと、記事等から、「1万人の第九」や「第九ひろしま」と同様に、終楽章の中で最も有名とされている”練習番号M”の箇所(「歓喜の歌」のメロディーに乗って混声4部合唱が歌い上げる場面)に於いては聴衆も合唱に加わっていたようで、更にはテレビカメラも入っていたとのこと・・・う~ん、何だか凄い意気込みというものを感じさせてくれますネ。
なお、この河口湖音楽祭「第九」公演にテレビカメラが入っていたのは、主催者によると、去る8月18日から19日にかけて日テレ系列で放映された『24時間テレビ』の中の地方ローカル枠(山梨県地区ローカル)でこの「第九」公演が生中継されたことによるものとのことです《どうもその中継の入り方等で佐渡自身苦慮していたみたいです…》。
そして、この河口湖音楽祭「第九」公演の模様は複数の佐渡裕ファンサイトでも実際の参加者からの書き込みの形で続々と伝えられ、このうち『サドラー’s ROOM』附設掲示板では実際に合唱参加したとみられるサイト管理人自らが一合唱団員の視点に立った詳細なレポートを寄せています《そのレポートによれば、県外からの参加者の大半が「1万人の第九」経験者で占められていたらしいです…》。
また、実際に合唱参加した方によるブログ内記事〔「感動の河口湖音楽祭(1)」・「感動の本番」・「歓喜!(河口湖第九本番)」・・・以上3本〕や、管弦楽を務めた地元アマチュア・オケに首席チェロ奏者として客演した西谷牧人によるブログ内記事〔「河口湖音楽祭。」・「河口湖音楽祭その2。」(「第九」公演の報告は後者のみ)〕でも「第九」公演の模様を伝えています。
その場に居合わせた誰もが気持ちを一にして”優しき翼の下に”昇華していった・・・・・・そんな印象デス。
話は変わりますが、前回に引き続き、横浜市内を拠点に活動を続けている由緒あるアマチュア・オーケストラ、横浜交響楽団によるベートーヴェン「第九」演奏の、現在もネット上に残る音源を紹介したいと思います。
今回紹介するのは去る2005年12月18日(日)に神奈川県民ホールに於いて行われた第587回定期演奏会に於ける「第九」演奏です。
出演者データは以下の通り。
ソプラノ:佐藤康子
アルト:庄司祐美
テノール:君島広昭
バリトン:今尾滋
合唱:横響と第九を歌う会合唱団、横響合唱団
指揮:甲賀一宏
そして、この日は「第九」の前にブラームス作曲の『悲劇的序曲』が演奏されましたが、これについては音源掲載元ページにお任せするとして、「第九」演奏分のみを以下にて紹介いたします。
第1楽章(Allegro ma non troppo, un poco maestoso)
第2楽章(Molto vivace)
第3楽章(Adagio molto e cantabile)
第4楽章(Presto ~)
ちょろっと”つまみ食い的に”耳にしてみたのですが、前回紹介した前年(2004年)の「第九」と比べて、心なしか成長しているような感じがしないでもない、といった感じですね《といって前年の「第九」演奏がよくなかったというわけでは決してありませんよ!》。
【おことわり】
紹介しております音源(横響の「第九」の音源)については、今後、音源掲載元サイトの管理人の都合等により削除される可能性がありますことを、予めご承知おき下さい。
また、横浜交響楽団公式サイトから音源掲載元ページへはアクセス出来ませんので、ご注意下さい。
P.S.
この記事を書いている途上で、シラーの『歓喜の歌』を書道で表現し、ウィーンにあるベートーヴェン記念館で個展を開いたという書道家のサイトと出会い、そのベートーヴェン記念館に於けるスナップや展示作品の一部を掲載したページも公開されていましたので、リンクを張らせて頂きました《→「1999年9月 オーストリア、ウィーン、ベートーヴェン記念館にて」》。
Web公開されている展示作品の一部を一つ一つを眺めていて、筆致一つで文字そのものに命が吹き込まれること、また一つの漢字(或いはその中で分解された一つ一つの部分?)にも何らかの意味が込められていること、を改めて意識させられ、何だか眺めているだけで「第九」の演奏に接しているかのような気分にもなりました。
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「ベートーヴェン「第九」演奏動画&音声ファイル&楽譜類を一堂に取り揃え・・・鑑賞、練習の一助に」
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