2号線に新車投入、7号線延伸、9号線の初乗り運賃決定・・・・・・ソウルの地下鉄の話題(7→8月)
北朝鮮の大洪水の影響で南北首脳会談が10月2日~4日に延期とのことですね。
この延期によって北朝鮮の主導権が強まるとか、韓国で年末に行われる大統領選挙に影響を及ぼすとか・・・様々な政治的憶測が流れているところですが、中国・ロシアにとっては、家屋・農地等と共に大ダメージを受けた鉄道関連施設の復旧等を通じて北朝鮮の近代化への主導権を得ることの出来る絶好のチャンスじゃないだろうか、とも思ったりするのですが《こんなこと思うのは私だけ?》・・・
あ、勿論その際には地元住民への人道的援助等もマメにしておくことも必要になるかもしれませんけれどもね・・・・・・
さて、今回は7月から8月にかけて報じられた韓国・ソウルの地下鉄に関する話題を駆け足でお話ししていこうと思います。
当方もしばしばお世話になっている『動画で見られる!韓国鉄道&交通ニュース』を通じて、7月・8月と、ソウル市内の地下鉄に関して、韓国のテレビ局に於いて以下のことが報じられていました。
「地下鉄は「広告鉄道」」
「地下鉄7号線工事分かち合い」
「[ソウル] 地下鉄2号線「新型電車」導入」
「ソウル地下鉄9号線、「初乗り1300ウォン」の模様」
「ソウル市観光カード「シティーパス・プラス」発売」
◎ 地下鉄は「広告鉄道」
日本国内でも「ラッピング車両」ということで、東京や大阪等の全国各地で鉄道車両やバスの車体にラッピング広告を施すことが珍しくなくなってきているようですが、韓国ソウルの地下鉄はどうやら度を超した”広告合戦”というものが繰り広げられているようで・・・
「地下鉄は「広告鉄道」」の中の記者リポートの冒頭部分を引用してみますと・・・
ソウルの地下鉄に乗ってみました。切符を買う際に、もっとも目に入るのは、巨大な広告板です。 改札口でも…ホームでも…列車に乗った後にも、まるで幽霊のように広告は追ってきます。 少しでもすき間があれば、そこにはすき間無く広告があります。 広告の内容も無差別的です。巫女や占い師の広告が視線を捕まえたとおもえば、無担保・無保証でローンを行うという消費者金融の広告も堂々と人々を誘惑します。 |
空いたスペースがあれば何処でもすぐ広告をベタベタと、しかも内容にかかわらず、張り付けているというイメージに映るわけですが、想像するだけでもなんかケバい感じ・・・
そして、リポートはこの無差別な広告にとどまらず、地下鉄の駅構内のあちらこちらに置かれている物販所(正規の売店なのか、或いは勝手に店を構えている”屋台”的なものなのか…)にも目が向けられており、事故発生に備えて地下鉄駅構内に設置が義務づけられている非常灯がなんと大きなフリーペーパーのラックの後ろに隠れていたり(事故発生の時に取り出せない!)、火災発生時に備えて設置されている消火栓の真ん前に自動販売機が置かれていたり、消火器を完全にふさぐ形で服の販売台が置かれていたり・・・
こんなこと、もし日本でやっていたら即、行政処分等の対象となりかねないところなのですが、平気にやらかしているんですね、韓国では。
あふれる広告といい、無秩序と思える物販所の存在といい、韓国を訪れている外国人観光客は勿論のこと、地元ソウルの人でさえ困り顔のようですネ。
◎ 地下鉄7号線工事分かち合い
2011年3月の開通を目指して工事が進められているソウル地下鉄7号線の延伸区間〔温水(ソウル特別市)~富平区庁(仁川広域市)間〕の工事を巡って、予め分けられている6つの工事区間に大手建設会社6社が1区間ずつ受注、その過程で談合が行われていたとの疑惑がもたれているというものです。
地下鉄工事の談合といえば、日本でも今年初めくらいに名古屋市営地下鉄の桜通線の延伸工事〔野並駅~徳重駅(仮称)間;2005年度着工→2010年度中完成予定〕を巡って談合が行われたとして摘発され、今月中旬に公正取引委員会がこれの談合にかかわった大手ゼネコン等33社に対して独禁法違反(不当な取引制限)に基づく排除措置命令等を出したばかり。
その名古屋市営地下鉄の談合実態を『しんぶん赤旗』に2007年1月29日(月)付けで掲載の「ばれにくい談合」という記事にて詳しく伝えているのですが、これを眺めている限りでは、この韓国ソウルの地下鉄7号線延伸工事の談合疑惑も日本とさほど変わらないような印象を抱いてしまいますネ。
でも、このソウル地下鉄7号線延伸工事を巡る談合疑惑、思わぬところにも波及しているそうで・・・
公正取引委員会が17日、ソウル地下鉄工事における談合入札容疑で大手建設会社に221億ウォン(約29億3420万円)の課徴金を課し、検察に告発する方針を決定したことを受け、これら業者の受注が有力視される120億ドル(約1兆4650億円)規模のクウェートでの大型プラント工事入札への影響が懸念されている。 同工事は、韓国企業が昨年末に最安値で応札し受注直前まで行ったが、最近再入札が実施されている。クウェート政府が公取委の告発を問題視した場合、韓国企業の入札を拒否することもあり得るとの見方が浮上している。 公取委が告発に踏み切ったのは、ソウル地下鉄7号線延伸工事のうち六つの工区で談合入札の疑いが浮上したS建設、D建設、H建設、G建設、S建設、D産業の6社。 これら業者は各工区で1社だけが発注者の提示する設計より低費用で工期が短い設計方法により入札することを事前に申し合わせ、工事を受注した疑いが持たれている。 これに対し、告発対象となった建設各社は「公取委が具体的な談合の証拠もなく、制裁を決定し、受注が有力な大型事業の入札に支障が生じた」と反発している。 告発された業者のうち5社はクウェート国営石油精製会社(KNPC)が建設を推進しているアルズール製油所(1日当たりの原油処理能力61万5000バレル)の入札に参加している。中東で過去最大規模のこのプラント工事は昨年末、5社が四つの工区に参加し、ベクテルなど競合企業を破り、最低価格を提示した経緯があり、韓国企業の受注が有力な状況だ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領も今年3月のクウェート訪問時に協力を要請している。 関係者は「韓国企業が工事を軒並み受注する可能性が高まり、クウェート側が情報に敏感な状況で、外国の競合社が公取委による今回の制裁を悪用すれば受注自体が揺らぎかねない」と懸念している。 5社と海外建設協会は16日、公取委を訪問し、海外入札に及ぼす影響を考え談合摘発事実の公表を遅らせるよう要請したが、公取委側はこれを拒否した。 公取委関係者は「談合事実が確実な上にクウェートの入札結果発表が相当ずれ込むとみられたため、検察への告発と事実の公表は避けられなかった」と語った。 |
せっかく獲得しかけている海外の巨大プロジェクトの受注をソウル地下鉄7号線延伸工事談合疑惑のためにフイにしてしまう・・・変な例えですが、定年退職を間近に控えている公務員が、数万円相当の万引きがもとで懲戒免職となり、ン千万もの退職金がパーになってしまう、というようなものなのでしょうか。
今回のソウル地下鉄7号線延伸工事を巡る談合疑惑について、受注している6社は揃って否認の態度をとっている模様ですが、韓国の公取委は談合があったのは明らかだとしており、両者が全面的に争っている格好となっています。
今後、この談合疑惑がどう動くのか、気になるところですネ。
ところで、そのソウル地下鉄7号線でありますが、実は今度の延伸工事の終端地点である富平区庁駅から更に延伸させる計画が持ち上がっているそうで・・・
【仁川7日聯合】仁川市は7日、ソウル地下鉄7号線を仁川経済自由区域の青羅地区まで延長することを検討していると明らかにした。 市は仁川都市鉄道基本計画を来年確定する予定で、その中で2011年開通予定のソウル地下鉄7号線延長区間(温水駅~富平区庁駅)を、青羅まで延長することを検討している。これが推進されることになれば、ソウル地下鉄7号線はソウル市内から富川、富平を経由し、さらに青羅地区まで14キロメートルほど長くなり、仁川地下鉄2号線、空港鉄道との乗り換えも可能となる見込みだ。 市は今年末に関連の研究諮問が完了次第、来年初めにも建設交通部に基本計画案を提出し、関係機関との協議を経て最終承認を受ける方針だ。市関係者は、延長区間の需要予測や膨大な事業費の調達案など事業妥当性の検討が必要で、実際に事業が可能かどうかは研究結果を見守らなければならないと説明している。 |
そして、そのソウル地下鉄7号線の更なる延長先にあたる仁川経済自由区域の青羅(Cheongna)地区では・・・
【ソウル26日聯合】仁川経済自由区域の青羅地区に、77階建ての世界貿易センター(WTC)ビルが建設される。世界貿易センター連合(WTCA)を主幹事として構成された企業連合、WTC青羅コンソーシアムが26日、ソウル市内のホテルでプロジェクトに関する事業説明会を行い、詳細な事業計画を発表した。 WTC青羅コンソーシアムは、青羅地区を金融ハブとして造成するための事業計画を6日に韓国土地公社に提出している。それによると、81万平方メートルの用地に、世界的な貿易・金融・情報ネットワークを持つ投資家を誘致し、青羅地区を北東アジアの国際貿易・金融の中心地として開発する。 核となる77階建ての貿易センタービルは、ツインビルとコンベンションセンターを中心に、ホテル、オフィス、文化施設、外国人用住居などを完備するビジネス複合団地として建設される。総事業費は5兆7000億ウォンで、2015年の完工を目指す。 進出が予定されている企業・機関はWTCAのほか、リーマン・ブラザーズ、クレディ・スイスなどの金融機関、ノーベル慈善基金、フルブライトセンターなどの公共機関、ジュメイラグループ、ソネンブリック・ゴールドマンなどの不動産開発業者、オックスフォード・メディカルアートセンター、ウエストフィールドなど。同コンソーシアムは、プロジェクトの推進により3兆3000億ウォンの経済的効果と3万7000人の雇用創出効果があると期待している。 |
大阪・南港にあるWTCはダメダメなのですが(→「家賃30億円過払い 「WTC」再び破綻も」)、この韓国・仁川の新しいWTC、首都圏にほど近い上、対岸に仁川国際空港を臨む仁川経済自由区域の青羅地区内という立地条件等から、そこそこの企業誘致は可能ではなかろうかと思います《韓国政府等の取り組み方にもよりますが》。
そうなってくると、将来青羅地区に延伸されるであろうソウル地下鉄7号線の輸送需要もある程度見込めそうな感じですネ。
参考までに、仁川経済自由区域の青羅(Cheongna)地区は仁川国際空港〔永宗島(Yeongjongdo)+竜遊島(Yongyudo)〕の対岸に位置しています《仁川広域市・日本語版公式サイト内にアップされている観光地図(なぜか英語表記)に於いては、「Economic Free Zone Cheongna New Town」と表記されている位置になります》。
◎ 地下鉄2号線「新型電車」導入
この「新型電車」、「新2000系」電車のウィキペディア解説から、1980年に2号線が開業したときに導入された初代2000系電車の置き換え用として2005年に新規導入された2代目2000系電車(新2000系電車)のことを指していると思われますが、実は2年前(2005年)に1次車として10両編成・4両編成各1本を既に投入しており、今回導入が報じられているのは、このウィキペディア解説で記されているところの、2007年9月に投入予定の2次車のことを指しているものと思われます。
そして、この”「新型電車」導入”の話は韓国の新聞系メディアでも・・・
【ソウル30日聯合】ソウルの地下鉄2号線に最新鋭車両が導入される。ソウルメトロ関係者が30日に明らかにしたもので、1982年から1986年にかけて製造された現行の車両が法定耐用年数の25年を迎えることから、280両を最新車両に置き換えていく。新型車は安全面に力を入れており、車両メーカーのロテムが開発した。 新型車の概要をみると、車両と車両の間のドアはガラス張りでボタンにより自動で開閉する。通路の幅も現行の78センチメートルから100センチメートルに広げた。車内には二酸化炭素感知センサーが設置され、二酸化炭素濃度が環境部の勧告基準となる2500ppmを超えると自動で換気を行う。 吊り革は一部を一般の高さより10センチメートル低い160センチメートルに下げたほか、4つの画面を持つモニター装置を車内2カ所に設置して各種の情報提供を行う。路線図も発光ダイオードを使ったものに変え、現在位置が一目でわかるようにした。シートは中間部にも支柱を立てつかめるようにし、立ち席者のために腰掛けられるシートも設置する。 新型車両は9月に1編成が試験導入され、10月から年末まで6編成、来年中に残り22編成が導入される。 |
1982-86年に導入され耐久年限が迫ったソウル地下鉄2号線の車両が、今年から来年にかけて入れ替えられる。 2号線の車両は全864両で、このうち280両が新しくなる。 新車両は客室冷房容量が増え、現在のステンレス椅子は不燃素材のクッション椅子に変わる。 車両間の通路は幅が現在の78センチから100センチに広がり、ワンタッチ式透明ガラス扉が設置される。 客室ごとに二酸化炭素感知センサーが取り付けられ、室内の空気が環境部勧告基準を超えれば自動換気される。 3号線の車両も330両が2010年までに新型となる。 ソウル市は老朽化した車両を点検・修理した後、ベトナムに輸出する計画という。 |
ところで、新2000系電車の外観及び車内については『西船junctionどっと混む』内に掲載の「ソウル地下鉄2号線新型車両登場」・「ソウル地下鉄2号線聖水支線用新2000系試運転」の両ページにて、豊富な写真たちを使って、紹介されているのですが(前者では車内外両方の写真を、後者では外観の写真のみを掲載)、当然のことながら、これら両ページに掲載の写真は何れも2005年に投入された1次車を写したものであり、車内の座席がステンレス製になっているのが、更に車両間の仕切りドアが日本の鉄道車両でも見かけそうなガラス窓付き金属ドアになっているのが、それぞれ確認できるかと思います。
これが、今度(2007年9月予定)投入されます新2000系電車の2次車では、座席は不燃化素材を使ったクッション椅子に変わり、車両と車両の間の仕切りドアについても、2次車ではガラス張りとした上、ボタンにより自動開閉するものに変更となる等、仕様面で1次車から変更となる箇所が幾つか出ている模様です。
不燃化素材を使用した座席といえば、台湾新幹線(台湾高速鉄道)で運行されている700T型車両に入れられている座席も不燃化素材を採用しているようなことを、以前放映されていたテレビ東京のドキュメンタリー番組『新幹線 海を渡る』の中で紹介されていたのをふと思い出した私・・・・・・2003年に発生した大邱地下鉄放火事件を契機に、不燃化対策の一環として、韓国の地下鉄車両等に急速に広まったステンレス製の座席〔「韓国の地下鉄について【レポートの練習w】」という記事(後半部分)にも同様のことが書かれています〕、今度投入される新2000系電車の2次車では不燃化素材を使ったクッション椅子に変更となっているあたり、やはり地元民からの要望等が相当あったことが窺えますネ。
◎ ソウル地下鉄9号線「初乗り1300ウォン」
「ソウル地下鉄9号線、「初乗り1300ウォン」の模様」(韓国SBSテレビ報道)によると、民間資本により現在建設が進められているソウル地下鉄9号線に設定される初乗り運賃について、ソウル市は、これまでのソウル地下鉄の初乗り運賃900ウォン(約110円)に対し44%ほど高い、1300ウォン(約160円)で決定するものと見られると表明しました。
本ブログでも数度お話ししていますが、現在仁川国際空港~金浦空港間で暫定的に営業運転を行っている空港鉄道「A'REX」への直通(相互)乗り入れをも目指して建設が進められてきているこのソウル地下鉄9号線、民間資本の導入により建設が進められているとの話ですが、以下の新聞記事によれば、韓国国内からは勿論のこと、外資系企業からの参加の申し出も多かったそうで・・・
民間資本の誘致で推進中のソウル地下鉄9号線建設事業に外資系企業が多数参加の意を明らかにし、9号線が外資系企業によって運営される可能性が大きくなっている。9号線の民間事業者は最低30年間運営した後、実績によって延長如何を決めることになっており、事実上初の民営化地下鉄になる。 ソウル市は来年10月に着工、2007年完工予定の9号線建設工事に、国内の企業5~6社以外にもジメンス、アルストムなど12の海外有数の建設会社と外資系銀行(財政支援部門)が参加の意を伝えたと30日、明らかにした。これらの企業は来年3月末まで事業計画書をソウル市に提出しなければならず、ソウル市は来年5月、優先交渉対象2社を選定する予定だ。 企画予算処は最近、地下鉄9号線の1段階区間(金浦(キンポ)空港~高速ターミナル間の25.5キロ)事業のうち、土木工事を除いた車両と軌道、総合司令室など8500億ウォン規模の建設事業に、民間資本を誘致するという内容の事業計画を承認した。 ソウル市の関係者は「民間資本を誘致しても運賃は民営事業者が自由に決められないようにする方針だ。国内外の企業がコンソーシアムを構成する可能性が高い」と話した。ソウル市はまた基本事業計画で国会と論争を起こしている汝矣島(ヨイド)地域の路線は、事業推進上の時間の制約を理由に、とりあえずは当初の計画通り国会議員会館の下を通ることにし、国会との協議結果によって調整できるようにした。 |
余談になりますが、アルストムといえば韓国の高速鉄道KTXのモデルとなっているフランスTGVの車輌製造を手がける会社、そしてシーメンス(ジメンス)といえば2003年2月に大邱広域市で発生した地下鉄放火事件で知られるところとなった大邱市営地下鉄で運行されている車両の製造元だったりします《この大邱地下鉄の車両ですが、私はシーメンスで造ったものと記憶していて、「大邱市地下鉄火災事故」というブログ内記事でも「ドイツのシーメンス社が製造したものを,韓進重工業(現・ロテム)が輸入~」と記されているのですが、新聞メディア等は「車両はドイツの企業等から輸入した部品を使って韓国の韓進重工業が組立」となっていて、私の記憶違いなのかなぁ、なんて思ったりもします》。
話がそれましたが、地下鉄9号線の初乗り運賃が従来からの首都圏電鉄の初乗り運賃より高めの設定としていることについて、「ソウル地下鉄9号線、「初乗り1300ウォン」の模様」では、PFI事業(民間資本導入で進められた公共事業)で建設された仁川国際空港へのアクセス鉄道である空港鉄道「A'REX」にてこれまでの首都圏電鉄の原則が崩れたと指摘し、同じく民間資本を導入して建設が進められているソウル地下鉄9号線の異なる初乗り運賃設定はやむを得ないという考えを暗に示しています。
その上で、巨額の赤字を抱え、税金で補填してもらっている状態の既存地下鉄にしても、初乗り運賃はこのくらいの料金が適正ではなかろうか、との考えも示しています《巨額の赤字を抱えている既存地下鉄といえば、「ソウルの地下鉄運賃値上げ」というブログ内記事によると、今の首都圏電鉄の初乗り運賃は今年4月に改定されたものとのことですが、このブログ内記事の中で、ソウル地下鉄の1人あたりの適正運賃は1300~1400ウォンらしいことを記しています。これはソウル地下鉄9号線の初乗り運賃とほぼ同額ですな》。
◎ 「シティーパス・プラス」発売
ソウル特別市が交通カード「T-money」の発行元と提携して今月10日から販売を開始したとのことで、ソウル市内にある文化施設への入場で割引等の特典が付くとのことですが・・・
ソウルを訪れる国内外の観光客向けカード「ソウル・シティーパス・プラス(SEOUL CITYPASS+)」が、最近登場した。 ソウル市が、先払い方式の交通カード「ティーマネー」を発行する韓国スマートカードと提携して実現した。「ソウル・シティーパス・プラス」カードは、ソウル市内の地下鉄・市内バス・シティーツアーバスなどの交通手段だけでなく、4大故宮(景福宮・昌徳宮・昌慶宮・徳寿宮)や宗廟、コンビニエンスストアでも使用できる。また、このカードで空港バスへの乗車も可能にする案についても、現在検討されている。 また付加サービスとして、ソウル市立美術館・貞洞劇場・ナンタ劇場・Nソウルタワー・漢江遊覧船・63ビル・世宗文化会館・ロッテワールド・三清閣など、文化・公演・観覧施設を利用する際、無料で入場できたり、5-20%の割引を受けられる。このうち、一部の施設では、外国人にのみ付加サービスを提供する。 また、ソウル市中区の「北倉洞韓・フードゾーン」の韓国料理店34軒をはじめ、忠武路・乙支路・明洞地域の一部飲食店・大衆サウナ・マッサージ・眼鏡店など、約50の提携店を利用する場合、5-30%の割引を受けられる。カードは、一般用、青少年用、子ども用の3種類で、価格は3000ウォン。首都圏のG25(コンビニエンスストア)各店や観光案内所で購入でき、主要コンビニエンスストアでチャージと払い戻しが可能。 |
この「シティーパス・プラス」の詳しい案内が『コネスト(Konest)』内の「ソウルシティーパスプラスカード誕生!」に、割引対象施設一覧と共に、掲載されていますが、同じく掲載されている「T-moneyカード」とを見比べているうちに、「ソウル・シティーパス・プラス」が「T-moneyカード」(日本の「Suica」・「ICOCA」等に相当)に観光施設への入場料割引等の特典を付加したもののように思えてきました《使い方が恐らく通常の「T-money」カードとほぼ同じではないかと…;つまり、最初に3000ウォン(約365円)でカード自体を購入し、更にそこにお金を「入金(チャージ、充填)」することで初めて使える・・・という感じでしょう》。
で、実はこれと名前の上で類似している「ソウルシティパス」というのも既に存在しますが、こちらはいわば「回数制限付きの”地下鉄・バス1日乗車券”」といった感じのもので(スルッとKANSAIのWebサイトに掲載の「SEOUL CITYPASS & Tmoneyのご紹介」でも説明されています)、一応券面に「T-money」の表示はあるのですが、通常の「T-money」のようにお金を「チャージ(入金→現地では”充填”と呼ばれる)」して使うというのではなく、「T-money」のシステムを使っていることを示しているだけ、といった感がありますネ《変な話、ソウル特別市内の地下鉄・バスのほぼ全線で通用する乗車証が1日あたり20回分セットされており、「T-money」のシステムを使って1回1回”もぎ取る”感じでしょうね、恐らく…》。
まあ、各自の観光スタイルに応じて「シティパス」か「シティパス・プラス」の何れかが選べる、というところでしょうな。
以上、駆け足(???)にてお伝えしました。
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