本州JR旅客3社、揃って4期連続増収・・・・・・JR東海は過去最高益《「のぞみ」問題も》
去る7月30日(月)、上場を果たしている本州JR旅客3社(東日本・東海・西日本)の2007年4~6月期決算が出揃ったようですね。
『産経イザ!』が伝えるところによると、ゴールデンウイーク期間中の新幹線の増発等により、景気回復に後押しされる形で活性化していた旅客需要を着実に取り込むことで運輸収入増に貢献、その結果旅客3社とも、四半期決算の開示を始めた03年度以来、4期連続の増収となったとのこと。
以下は『産経イザ!』に掲載された関連2記事・・・
「東海道新幹線4・2%増、JR東海が最高益」
《7月29日付掲載記事》
JR東海が発表した2007年4~6月期決算は、売上高が前年同期比4・3%増の3774億円、経常利益が11・9%増の961億円、最終利益が11・8%増の563億円といずれも過去最高を更新した。 需要に合わせた臨時列車設定などの輸送力強化や、会員制予約サービス「エクスプレス予約」の利便性向上により、東海道新幹線の運輸収入が、4・2%増の2667億円に拡大したことが増収増益の主な要因。好景気によるビジネス旅客の拡大もあり、愛知万博が開催された2005年度を上回る実績となった。 「エクスプレス予約」の会員数は、06年3月末の48万人から07年3月末には86万人に増加、6月末には94万人と順調に拡大している。 |
「JR3社、4期連続増収へ 4-6月期決算」
《7月31日付掲載記事》
30日に出そろったJR上場3社の2007年4~6月期決算は、好景気に後押しされた好調な旅客輸送に伴う運輸収入増により、各社とも四半期決算の開示を始めた03年度以来、4期連続の増収となった。ゴールデンウイーク期間中の新幹線の増発などにより、活性化する旅客需要を着実に取り込んだことが功を奏した。 東日本は、常磐線などの普通列車グリーン車が好調で、運輸業の増収増益に寄与したほか、3月に東京駅日本橋口に開業した高層ビル「サピアタワー」の効果で不動産賃貸収入も増加、収益を押し上げた。東海は、新幹線の運輸収入が同4・2%増と伸びたことで、経常利益、最終利益ともに約12%増と大幅な増益になった。 西日本は、好調な運輸収入に加え、岡山と金沢にショッピングセンターを開業した流通業も増収に寄与したが、安全性向上のための修繕費の前倒しや、減価償却制度変更による費用の増加により営業費用が同55億円増加し、開示以来初の経常、最終減益となった。 通期業績見通しについては、3社とも期初予想を据え置いた。 |
上記2記事でも伝えられているのですが、JR東海の好調ぶりが際立っていますね。
JR東海といえば、東海道新幹線では1ヶ月前の去る7月1日には新型車両「N700系」が登場、同時に行われたダイヤ改正で品川始発の列車が初めて設定されるということもありましたし、在来線でも平成16年発生の台風のため約3年間不通区間(角川~猪谷)を抱え続けてきた高山本線が約3年ぶりに全線運転再開となる等、ここのところ話題持ちきりのようで・・・
それで、今回JR東海が過去最高益を記録したことを受けて、JR東海のドル箱的存在ともいわれる東海道新幹線に纏わる話を、私の考えも交えて・・・
今や東海道新幹線の運行本数の過半数を「のぞみ」が占めるようになり(JR西日本管轄の山陽新幹線では現在でも”「ひかり(RS)」+「こだま」”のほうが多そう)、その「のぞみ」に対して有効なトクトクきっぷも増えてきている一方で、JR全線で有効かつ新幹線でも利用可能なトクトクきっぷ3種、「フルムーン夫婦グリーンパス」・「ナイスミディパス」・「ジャパンレールパス(Japan Rail Pass;外国人の訪日観光向け)」については未だに「のぞみ」から全面的に閉め出されている格好になっていることについてはご存知の方も多いかと思います。
このことについて、東海道新幹線のウィキペディア解説によると、東海道新幹線について、JR東海ではビジネス需要に応えることを第1に考えるところがあり、実際、同新幹線区間の利用者層を見ると、ビジネス客が全体の7割を占めているのだそうですが その一方で、「のぞみ」のウィキペディア解説によると、未だに続いている上記3種のトクトクきっぷの所持者に対する閉め出し施策に対しては批判の声があるとのこと。
変な話、「のぞみ」はビジネス客向け、「ひかり」と「こだま」は観光客向け、という棲み分けをしていて、そのためビジネス客向けの「のぞみ」から観光が主体であろうJR全線で有効なトクトクきっぷの客を閉め出しているということでしょうね《「ジャパンレールパス」のウィキペディア解説の後半部分に記されているJR東海側のコメント等の内容はそのことを半ば認めている格好になっています》。
本数的にも、「ひかり」と「こだま」を合わせた運転本数は東北新幹線の運転本数(定期運行分のみ)とそれほど変わりない感じですし・・・・・・
しかしながら、現在では東海道・山陽新幹線の全運転本数の大半を「のぞみ」が占める上に、「ひかり」との速度面・運賃面の差異も1992年(平成4年)3月14日の「のぞみ」新規設定時と比べて格段に小さくなっていることから、利便性向上の観点から、条件付きであっても開放はすべきではなかろうか、と私自身考えています。
条件付き・・・というのは、「のぞみ」がビジネス客向けの設定であることを考慮して、例えば特急券(グリーン車利用の場合は”特急券とグリーン券”)を別途購入することで上記3種のトクトクきっぷ所持者であっても「のぞみ」に乗れるようにする、また特定期間(お盆、年末年始とか)についてはこの”別途購入”規定の適用除外とする(つまり従来通り「のぞみ」を利用出来ない形にする)、といった感じですネ《きっぷではないのですが、同じく”「のぞみ」からの閉め出し規定”の存在する「ジパング倶楽部」についても、割引適用期間内に於いて「のぞみ」利用の場合の割引率を別途設定する(通常の割引率の半分程度に抑えるとか)ことで開放してもいいのでは…》。
東海道・山陽新幹線の観光需要も、ビジネス需要ほどではないにせよ、確実にあるわけで、上記3種のJR全線有効なトクトクきっぷ所持者に対するこの”条件付き開放”により、観光客に対する利便性も高まり、よって更なる増収が見込めるようになると思うのですが。
ま、今後の動向を見守っていきましょう。
【関連記事(追記)】
「東海道・山陽新幹線の新型電車「N700系」ついに登場・・・・・・時代の移り変わり」
「のりば増設の新大阪駅、地元デパート増床の鹿児島・・・・・・2011年春予定の九州新幹線全通に向けて」
「ズタズタな列車ツアー?普遍的観光名所巡りツアー?・・・「JRオールキャスト日本列島縦断 華麗なる列車の旅」」
「JR西日本、381系「ゆったりやくも」リニューアル車、4月デビューに続き9月に第2弾投入!」
「”初代「のぞみ」”として活躍の300系、東海道新幹線から引退か・・・・・・新型「N700系」、前倒し投入へ」
「東海道新幹線の車内で無線LANによるインターネット接続実現へ(2009年春)・・・総務省が電波割り当てに動く」
« 小海線に「こうみ」デビュー・・・・・・世界初ハイブリット気動車「E200系」、営業運転開始 | トップページ | 本当に「24時間空港」の道へ。貨物で生き残れるのか、はたまた・・・・・・関空第2滑走路運用開始 »
この記事へのコメントは終了しました。
« 小海線に「こうみ」デビュー・・・・・・世界初ハイブリット気動車「E200系」、営業運転開始 | トップページ | 本当に「24時間空港」の道へ。貨物で生き残れるのか、はたまた・・・・・・関空第2滑走路運用開始 »
コメント