茨城交通湊線、新会社転換で存続か・・・・・・ひたちなか市と茨城県
台風9号が、西向きに動いていたかと思うと、急に北寄りに曲げてきましたね。
今夜遅くから明日未明にかけて関東か東海に上陸する恐れあり、と各種マスコミは大々的に報じられていますが、こちら大阪でもその台風9号からの煽りのせいでしょうか、割と強めの生暖かい風が吹き、短い時間ながら雨も降らせていました。
今後、東北地方を列島に沿って通る予想だそうで、該当の地域にお住まいの方、くれぐれも台風情報には十分お気を付け下さい。
さて、その台風9号の進路にモロにかぶりそうな地域の一つ、茨城県ひたちなか市が去る8月29日に開いた定例記者会見で、存廃問題が取り沙汰されている茨城交通湊線に関する発表がありました。
ちなみにこの茨城交通湊線ですが、本ブログの「規制緩和等で苦しむ地方ローカル線への救いの手となるか・・・・・・地域公共交通活性化再生法」という記事の中で、地元住民も経営に参画するという、いわば”第4セクター”での存続の提言もあったことを、関連の新聞記事をも交えながら、紹介しました。
◎ 定例記者会見から(8月29日)
「赤字大幅に抑制 茨城交通湊線」
《朝日新聞Web版・2007年08月30日付け掲載記事》
ひたちなか市の茨城交通湊線(勝田―阿字ケ浦、14・3キロ)の存続問題で、同市の本間源基市長は29日の定例会見で、同線の収支計画について「5年間で約1億円の赤字に抑えられるのではないか」と具体的な数字を挙げ、茨城交通が当初試算した赤字幅から大幅に圧縮できるとの見通しを示した。 同線について茨城交通は07年度からの5年間で5億円の赤字との収支予測を出していた。だが、本間市長は、試算の前提となっていた乗客の減少幅が毎年3・8%と過大で、現状では下げ止まっていることや、沿線に敷設された光ケーブルの収入を鉄道収入に含むことで茨城交通と合意しつつあることなどを挙げ、再生計画のもとになる収支予測では、赤字幅は大幅に抑えられるとの見通しを示した。 また、設備投資計画についても、国や県による地方鉄道近代化設備整備費補助金に加え、事業者の負担分を市が出すことで、新会社の負担をゼロにする方向で検討していることを明かした。 収支計画と設備投資計画がほぼ固まったことで現在、市、県、茨城交通の3者が進めている協議の焦点は、それぞれの出資形態や出資割合に絞られた。橋本昌知事が22日の定例会見で県の出資は「極めて慎重にならざるを得ない」としていたが、本間市長は会見で「市が主体となって出資することはやむを得ない」と述べ、市が中心となる考えを示した。茨城交通には設備を新会社に無償で引き継ぐよう求めているが、鉄道資産を抵当にしている茨城交通の借入金をどう整理するかが課題となっているという。 市は、9月中に再生計画をとりまとめ、10月に国に提出したい意向だ。 一方、本間市長は定期券利用者を対象に、那珂湊駅で行われているパークアンドライドについて、10月1日から普通乗車券の利用者にも拡大するよう準備していることを明らかにした。 |
産経新聞(産経イザ!)では以下の2段構えにて定例記者会見の模様を報じています。
「茨城交通湊線の3セク化検討 ひたちなか市長」
《『産経イザ!』2007年8月29日付け掲載記事》
茨城県ひたちなか市の本間源基市長は29日の記者会見で、存廃問題を協議中のローカル鉄道「茨城交通湊線」(勝田-阿字ケ浦、14.3キロ)について、第3セクター化を視野に対応を検討していることを明らかにした。 本間市長は「早ければ来年度から(茨城交通とは)分社化したい。市の出資は、ある程度やむを得ない」と述べた。 現在、市は茨城交通や茨城県と鉄道資産の引き継ぎや出資割合について協議を続けており、支援策を9月中に取りまとめる予定という。 茨城交通は不採算部門からの撤退を理由に、3月末に廃線届を国土交通省に提出する可能性があったが、県や市が支援に乗り出したためひとまず届けを見送っていた。 |
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「湊鉄道分社化を視野 ひたちなか市 赤字1億に縮減可」
《産経新聞Web版・2007/08/30付け掲載記事》
茨城交通湊線(勝田-阿字ケ浦間)の存続問題で、ひたちなか市の本間源基市長は29日の定例記者会見で、平成21年度から5カ年の収支計画と設備投資計画の見通しを明らかにした。 収支計画では、茨城交通が当初策定した平成17年度から5カ年の再生計画で見込んだ約5億円の営業赤字が約1億円まで縮減可能と試算。また、設備投資額は5億9000万円の見込みから5億4000万円まで減額できるとした。 新規設備は購入車両を中古にするなどしてコストを抑える。また、利用促進運動が奏功し、今年度から利用者数の減少が止まり始めたのも明るい材料。光ファイバーケーブルの賃貸料を鉄道運営に充てる方針のほか、鉄道事業にかかわる固定資産税額(5年間で約8000万円)の軽減措置などの支援策も検討している。 国の鉄道軌道近代化設備整備補助制度を受けるためには、鉄道事業が赤字なうえ、同事業以外の収入を含めた黒字が総資産の5%を超えないことが条件になるため、茨城交通の鉄道部門を切り離して別会社を設立する方向で検討している。 本間市長は「市の出資はある程度、やむを得ない」と第三セクター化を視野に入れていることを明らかにし、「早ければ来年度から分社化したい」と述べた。支援策については県や同交通と協議して9月中に結論を出す方針。 出資問題については、橋本昌知事が28日の会見で「出資するのかしないのか、いくらするのかなども含めて市が中心になって考えており、市を支援する形での対応策を考えている」と述べており、本間市長は「県立高校の生徒も利用していることなどから、県が出資してくれるのも一つの方法。ぜひ柔軟に考えてほしい」との意向を示した。 |
まあ、利用客の下げ止まり等により、ひとまずは当初計画より改善の方向に動いている、というわけですなぁ。
◎ 茨城県議会にて・・・
先に紹介した新聞記事たちから、ひたちなか市が中心になって茨城交通から転換される新会社に出資し、これに茨城県が支援するという出資構図が浮かび上がってきましたネ。
で、ひたちなか市では9月中に茨城交通の再生計画をとりまとめた上で10月のうちに国に提出することを明らかにしているのですが、その再生計画に関して、9月5日に開会した茨城県の第3回定例県議会で議題の一つとして取り上げられた模様です。
「『来月中に再生計画提出』 県議会開会 湊線存廃問題で知事」
《東京新聞(東京中日)Web版・2007年9月6日付け掲載記事》
第三回定例県議会が五日開会し、橋本昌知事は議案の提案説明の中で、ひたちなか市の茨城交通湊線の存廃問題について「来月中にも国に対して、再生計画を提出できるよう調整に努めていく」と語った。 再生計画が承認されれば、設備投資費の一部を国と県が負担する「近代化補助制度」による行政側の補助率が、五分の一から三分の一に引き上げられる。今後五年間の設備投資は、車両更新とのり面改修などで総額五億五千万円前後が見込まれている。 また、橋本知事は県と地元のひたちなか市、茨城交通の三者で協議している新会社設立に関連し、「できるだけ早く支援策を取りまとめたい」と述べた。 一方、県は県立友部病院建て替え基本設計費や、茨城空港整備費など約四十九億二千八百万円の一般会計補正予算案や、来年度に新設される中高一貫校「県立並木中等教育学校」設置にかかる条例改正案など、計二十議案を県議会に上程した。会期は二十七日までの二十三日間。十、十一日に代表質問、十二-十四日に一般質問が行われる。 (高橋知子、生島章弘) |
記事中に出てくる「近代化補助制度」でありますが、正式には「鉄軌道近代化設備整備費補助制度」と呼ばれるそうです。
国土交通省・中部運輸局Webサイト内に掲載されている「中部運輸局における鉄軌道事業者に対する支援メニュー(国庫補助)」によると、この「鉄軌道近代化設備整備費補助制度」、その基本概要としては「鉄道軌道の近代化を促進し、その経営収支及びサービスの改善並びに保安度の向上を図るため、経営困難な鉄道事業者、再生計画を策定した事業者に対して、近代化設備整備費の1/5を補助する」となっているのですが、平成4年から「特に経営困難な鉄道事業者の行う安全対策設備整備については1/3を補助する」という特例を設けています。
補助対象等詳しいことについては同じく国土交通省・中部運輸局Webサイト内に掲載されている「参考資料⑥ 国の補助制度」、又は茨城県Webサイト内に掲載されている『地方鉄道近代化設備整備促進事業』(「平成19年度茨城県鉄道軌道近代化設備整備費補助金交付要項」)を参照頂くとして、『鹿島鉄道を守る会』Webサイト内に掲載されている「今後5年間で赤字5億・湊鉄道対策協」によると、昨年11月時点でひたちなか市は、この「近代化補助制度」の特例措置(?)との絡みから、茨城交通との協議の中で、茨城交通湊線を運営するための新会社の設立をも選択肢に入れて検討を進めていく考えを示しており、先月29日に開かれた定例記者会見の中でもこのことを改めて表明している格好となっています。
◎ 沿線の高校にアピール
そんな中、以下の記事で報じられているような促進策も現在進行中です。
「湊線通学に利用して ~住民グループが3高校で呼びかけ ひたちなか」
《読売新聞Web版・2007年9月4日付け掲載記事》
【記事掲載元サイト、掲載期間終了・削除済】
存続の危機にある茨城交通湊線(勝田―阿字ヶ浦)をもっと通学に活用してもらおうと、存続活動に取り組む住民グループ「おらが湊鐵道(てつどう)応援団」の団員らは3日、沿線にあるひたちなか市内の那珂湊一、那珂湊二、海洋の3高校を訪れ、定期券での利用などを呼びかけた。 湊線の利用者は年々減少してきたが、今年度は、応援団など市民の利用促進活動の活発化で、通勤や観光などでの利用が増え、4~7月が前年比0・2%増と改善の兆しが出ている。しかし、利用者全体の約4割を占める通学定期の利用者は6・1%減と低調なことから、新学期スタートに合わせて沿線の高校へ働きかけることにした。 那珂湊二高には佐藤彦三郎団長らが訪問し、約230人の全校生徒に応援団の団報などを配って湊線の魅力を紹介した。生徒を前に佐藤団長は「皆さんに通学の足として定期的に利用してもらうことが湊線の存続につながる。一緒に地域の財産である湊線を守り育てていきましょう」とアピールしていた。 |
「茨交湊線の存廃問題:「湊線利用を」高校生に訴え 対策協、存続目指して /茨城」
《毎日新聞(MSN毎日インタラクティブ)・2007年9月4日付け掲載記事》
◇どうなる?身近な足 茨城交通湊線(勝田-阿字ケ浦、14・3キロ)の存続を目指す湊鉄道対策協議会(会長・本間源基ひたちなか市長)は3日、「おらが湊鐵道応援団」の佐藤彦三郎団長らと沿線3高校を訪問し、生徒たちに同線の利用を呼び掛けると共に、保護者あてに同様の依頼文書を配布した。 訪問したのは那珂湊一、那珂湊二、海洋の県立3高校。今年4~7月の湊線の利用者は対前年比で0・2%増の24万5792人で、これまでの対前年割れの状況を脱したが、利用形態別では生徒数の減少もあり、通学定期の利用者だけが6・1%減と落ち込んだため、今回の行動となった。 この日が始業式の那珂湊二高を訪問した佐藤団長は「生徒たちの定期は全体の利用者の4割を占める。生徒の協力一つで数字が大きく変わる。今回は新学期ということで新たに定期購入を呼びかけた」と話している。【若井耕司】 |
ここに限らず、高校生たちは地方鉄道(JR、私鉄とも)にとって大切なお客さんなのですから《ただ最近は、全国的に、高校生の乗車マナーの悪さをしばしば耳にしますけれどもね》・・・
この他、最初の「定例記者会見から」の項と次の「DMVの導入?」の項でそれぞれ紹介している新聞記事にもありますように、定期券利用者を対象に、那珂湊駅前の駐車場に無料で車を止めてもらい、そこから湊線に乗り継いでJR線との乗換駅である勝田等に向かうという「パーク&ライド(パークアンドライド)」の取り組みも進行中で、10月からは対象を普通乗車券利用者に拡大すべく準備が進められていると報じられています。
◎ DMVの導入?
「「DMV」導入で存続を模索 「湊鉄道」対策協」
《『産経イザ!』2007年05月11日付け掲載記事》
茨城県ひたちなか市の勝田-阿字ケ浦駅間を運行している茨城交通湊線の存続策について協議する「湊鉄道対策協議会」(会長・本間源基同市長)の第7回会合が10日、同市内で開かれ、鉄道事業の分社化を視野に入れた今年度の事業計画案が了承された。利用促進策については、定期券購入者の駐車料金を無料にする「パーク&ライド」を6月にも試験的に行うほか、県が線路と道路両方で走行可能なDMV(デュアル・モード・ビークル)の同鉄道への導入を視野に入れた調査に乗り出すなど、存続に向けた本格的な取り組みが始動する。 3月30日に茨城交通が廃線届け出を見合わせてから、県、市、茨城交通の3者は週に1度のペースで存続策について協議をしている。 その中で、土地や駅舎などすべての鉄道資産が担保として鉄道財団に預けられ、根抵当が3億円に上ることや、分社化した場合、鉄道用地の確定測量や登記にかかる費用が1億円に上る見込みであることが新たに判明。 鉄道に敷設して得ている光ファイバーの賃貸料を鉄道収入に充てる問題なども含め、3者は今後これら諸課題の解決策などを9月まで協議。事業計画では国、県から近代化補助を受けるための再生計画を10月に提出、来年4月に分社化による新会社を設立する計画だ。 また、県はDMV導入について「湊鉄道で活用できるか検討したい」として国交省と現地調査に乗り出し、9月までに結論を出す方針。 一方、利用促進については那珂湊駅から徒歩2分の場所にある市有地に駐車場を設置、申請のあった定期券購入者に無料駐車ステッカーを交付する「パーク&ライド」の実験を実施。また小中学生を対象とした社会科見学や、企業を訪問してノーマイカーデーの啓発などを展開し、利用者増加を狙う。 本間会長は、3者協議で茨城交通側が数字的データを情報開示することに進展が見られたことを評価。「残された時間は少ない。あと半年が勝負」と気を引き締めた。 |
茨城交通存続の切り札の一つとして、鉄道線路と道路の両方で走行が可能なJR北海道が開発したデュアル・モード・ビークル(DMV)にも目が向けられていたみたいですネ。
このDMV、今や地方鉄道にとっての救世主とも捉えられる向きがあるようで、九州でもDMVは注目の的となっていることが以下の記事にて報じられています。
「線路も道路もOKの新型車両、九州で導入検討の動き相次ぐ」
《読売新聞Web版・2007年07月09日付け掲載記事》
線路と道路の両方を走行できる「デュアル・モード・ビークル(DMV)」導入を検討する動きが、九州でも相次いでいる。JR北海道が開発した新型車両で、鉄道車両よりも運行コストが低く、乗り換えなしで駅から離れた場所まで運行できるのが特徴。宮崎県の東国原英夫知事が今月20日、北海道で試験営業の視察を予定するなど、ローカル線沿線の活性化を図る起爆剤として期待が高まっている。 九州で具体的な動きが進むのは、熊本県阿蘇地区の南阿蘇鉄道(立野~高森間、17・7キロ)。経営する第3セクターと九州運輸局、県などが5月、導入の可能性を探る協議会を設立した。11月に夜間試験走行を行い、来年2月に客を乗せた実証実験を計画している。 沿線地域の過疎化や少子化などで、南阿蘇鉄道の乗客は1998年度の約37万4000人から、昨年度は約24万9000人まで減少。運賃収入も約1億120万円から約6860万円に落ち込み、赤字経営が続いている。 ただ、車窓からの眺めは評判で、沿線には数多くの観光地があり、3セク社長の藤本正一・同県高森町長は「駅で乗り換えせずに観光地まで行けるようになれば、乗客は増えるはず。九州初のDMV運行をぜひ実現したい」と意気込む。 経営悪化を理由に、来年3月に一部路線が廃止になる長崎県の島原鉄道。今年2月、島原市内の路線存続を求める住民団体に、吉岡庭二郎市長はDMVの活用を提案した。 あくまで市長の私案の段階だが、同市安中地区町づくり推進協議会の大町辰朗会長(54)は「雲仙・普賢岳の噴火災害から復興した鉄道なのでぜひ残してほしい。北海道への視察も考えたい」と前向きだ。 一方、宮崎県の東国原知事の視察は、路線を特定せず県内での活用の参考にするのが狙いだという。 県では2005年9月の台風被害で運行がストップしたままの高千穂鉄道について、DMVを導入し、鉄橋が流された区間を道路を通って走る案が浮上。沿線自治体の議員ら10人前後が昨年5月、北海道へ視察に行った経緯がある。 同鉄道は現在、新会社が、運行していた3セクから経営を引き継ぐため、2億円を目標に支援金を募っている段階。3セクの野田勝典(かつすけ)・鉄道部次長(63)は「運行再開が先決」と慎重だが、東国原知事の視察を機に、導入構想が具体化する可能性もある。 DMVは運行コストは低いが▽定員が16人と少ない▽現在の法律では線路と道路をともに運転できる免許がない▽乗降口が駅のプラットホームよりも低く乗り降りしにくい――など課題も多い。 九州運輸局交通企画課は「様々な課題はあるが、実用化に向けた法整備などが進めば普及する可能性は十分ある」とみている。 ■デュアル・モード・ビークル=DMV JR北海道がマイクロバスを改造して、2004年1月に開発。今年4月から釧路市と網走市を結ぶ釧網線で試験営業を始めた。道路ではタイヤで走行し、線路ではタイヤの内側に格納した鉄輪を下ろす。価格は約2000万円で、一般の鉄道車両(約1億3000万円)より安く、定期検査費も鉄道車両の年間約440万円に対し、約100万円で済む。静岡県や茨城県でも導入への動きが進んでいる。 |
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「DMV:南阿蘇鉄道、11月に走行試験 国交省が実施計画案を了承 /熊本」
《毎日新聞(MSN毎日インタラクティブ)・2007年8月29日付け掲載記事》
【この記事の掲載日付→ひたちなか市定例会見当日!】
国土交通省の新輸送サービス実験事業として、県の第三セクター南阿蘇鉄道(立野-高森)に、線路と道路の両方を走ることができるデュアル・モード・ビーグル(DMV)が採用された。「県DMV導入実証実験協議会」は今年11月に夜間走行試験、来年1~3月に人を乗せた試験運行をする。 計画によると、試験に使う車両はJR北海道から借りる。道路から線路に乗り入れたり、線路から道路に出たりする場合には特殊な設備が必要で、実証実験は設置が容易な高森~中松駅間の7・2キロで実施する。 線路を離れた後は、道路を走って白川水源や草千里などの観光地を回るルートを、3日間にわたって走らせる。試乗客120人は一般から募集。11月の走行試験では、スムーズな切り替えができるか確認する。 DMVは、渋滞する区間では線路を走り、観光地周辺ではそのまま道路を走る「バス」となるため、利用者の利便性が向上するメリットがある一方で、線路に出入りするために特殊な施設が必要になるなどのマイナス材料もある。 県や同鉄道は九州新幹線全面開業をにらみ、熊本を代表する観光地・阿蘇の魅力と交通の利便性を高めるためDMV導入を検討してきた。これまで国交省九州運輸局も交え協議。同省の新輸送サービスの実験事業に応募していた。【山田宏太郎】 |
あの宮崎県・東国原知事もDMVに注目しているほか、熊本では県内を走る第3セクター鉄道「南阿蘇鉄道」でこのDMV導入を前提とした走行実験が計画されるなど、熱い視線を受けているDMV、茨城交通から引き継がれることになるであろう新会社で導入されるかどうか、ひたちなか市の定例記者会見の中でも明かさなかったみたいで、今のところはわからないのが現状ですが、ただDMV自体も克服すべき課題は少なくないのが現状で、今後の改良具合により、転換先の新会社が導入に向けて動き出すかどうか、注目されるところですネ。
なお、このDMVが今年の1月14日に静岡県富士市でデモンストレーション走行を行った際の模様が、デモンストレーション走行の様子をとらえた動画と共に、「デジ記者Webレポート:富士市がDMV導入を構想」にて紹介されています。
一度は廃止届提出という事態にまで発展しそうになった茨城交通湊線、地元住民の足として存続させるべく、自治体や国を巻き込む取り組みが本格的に始まろうとしています。
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