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車掌乗務時代の路線バスを連想させるモノ登場か!?・・・・・・IC整理券、茨城県日立市にて本格導入の動き

 今や”ワンマン”が常識の路線バス高速バス等一部を除く)なのですが、昔は鉄道と同じく車掌も乗り込んできっぷの販売やドアの開け閉め等を行っていたそうな。

 そしてそんな”ツーマン”運行時代の路線バスで使われていた整理券は、かつてレストラン等でよく見かけたであろうプラスチックの食券を思わせるようなものだったらしいですネ《例えば「ツーマン時代(~昭和40年代)に使用されたプラスチック製の整理券。」に掲載のものとか》。

 

 現在の整理券はご存じの通り”紙式”となっている他、最近では、「Suica」や「PASMO」等のICカード乗車券の普及に伴い、まず乗車時に整理券を取る代わりに入り口横のカードリーダにタッチさせ、到着地での降車時に運賃箱上にあるカードリーダにもう一度タッチすることで、小銭等を取り出す手間もなく、運賃支払いが完了しまうんですね《ICカード乗車券取り扱い路線バスに限る》。

 

 

 ところが、茨城県内を走る路線バスにて、かつての”ツーマン”時代を彷彿とさせるような動きが本格化しようとしています。

 

 

 つまり”食券もどき”のプラスチック製整理券がお目見え(復活!?)するということです。

 この整理券を本格導入しようとしているのは茨城県内でかつて運行されていた日立電鉄のバス部門を引き継いで運営を行っている日立電鉄交通サービスの路線バス。

 

 どういうものなのかは以下の『産経イザ!』掲載記事にて・・・

 

日立交通サービス、路線バスにICカード導入
《『産経イザ!』2007年9月24日付け掲載記事》

 日立電鉄交通サービスは、茨城県北部で運行している路線バスで、全国で初めて試験導入したICチップ内蔵の整理券を10月1日から全車に本格導入する。これにあわせて、非接触型ICカード「でんてつハイカード」も取り入れる。このカードは機械にかざしただけで、バスの乗り降りができるもので、県内での導入は初めてという。
 
 ICチップ内蔵の整理券は、日立製作所グループと共同開発したもので、縦4センチ、横5センチのプラスチック製。利用者は乗車時に発券機からカードを引き出し、降車時に読み取り機にかざして表示の料金を料金箱に投入するというもの。4月から試験導入していたが、128台全車に導入することを決めた。
 チップには利用者の乗降場所や乗降車時間、乗車区間など各種のデータが記憶されるため、これまで十分とはいえなかった利用客の乗降状況などのデータ管理ができるようになるメリットがあるという。
 さらに、これまで使っていた紙の整理券の使用量は1日約1万枚にものぼるが、ICカードの導入によってそれらがなくなり、同社では「環境保全にも役立つ」と話す。
 
 同社ではこれにともなって、「でんてつハイカード」を導入する。非接触型ICカードで、機械にかざすだけで乗り降りができるようになる。カードは入金(チャージ)して繰り返し使える。首都圏で発行されているパスモと違って1000円、3000円、5000円、1万円の入金額によって利用可能額が上乗せされるプレミアもつくのが特徴だ。来年1月にはICカードを利用した定期券も発売する予定。
 同社では「利用客の利便性が高まるとともに、わが社としても利用状況の管理にも結びつく」と、そのメリットを強調している。

 

 毎日新聞Web版でも、茨城県内で今日から変更或いは新規で実施されるサービスを伝える記事「各種制度:あすから10月、変更続々 県内で新サービスも /茨城」の最後の部分で伝えています。

 


◇県北の路線バスに全国初IC整理券--日立電鉄交通サービスが導入
 日立電鉄交通サービス(本社・日立市)は、10月1日から日立市など県北地域で運行する全路線バスに、ICチップを埋め込んだ整理券を導入し、併せて非接触型IC乗車券「でんてつハイカード」の運用を開始する。IC整理券は全国初で、IC乗車券は県内初。
 同整理券は縦4センチ、横5センチのブラスチック製カード。利用者の乗降場所や時間、人員など精度の高い情報収集ができ、利用者のニーズにあった運行時刻の見直しができるという。これまでは紙の整理券を年間約7万6600枚発行し廃棄していた。IC整理券は何回でも使え、同社は「環境にやさしい」と話している。
 導入は112系統128台で。問い合わせは同バス事業部企画課(電話0294・22・2168)。【臼井真】

 

 一方、地元メディアである茨城新聞Web版では制度面を中心に細かく伝えています。

 

日立電鉄交通サービス 来月から 全路線でIC化
《茨城新聞Web版・2007/09/20(木)付け掲載記事》

バスカードと整理券
 日立市など県北地域で路線バスを運行する日立電鉄交通サービスは、十月一日からICを搭載したバスカードと整理券を全路線で導入する。同社は「乗降状況を正確に把握でき、資源の節約にもなる」としている。
 
 バスカードと整理券は全百二十八台、百十系統(路線)で導入。バスカードのIC化は、県内バス会社では初の試み。整理券は、全国に先駆けて四月から一部路線で運用してきた。
 利用客は、車内などであらかじめ購入したカードに代金をチャージすれば、乗り降りの際にカードを読み取り機にかざすだけで、自動的に精算できる。最大二万円まで積み増しが可能。
 降車後一時間以内に新たに乗車した場合は、通常の運賃から一律三十円(小学生以下二十円)割引になる特典もある。現行のバスカードは来年九月末まで利用可能で、販売は十月末で終了する。
 IC整理券は、現金精算の際に利用され、降車時に読み取り機にかざすと、運賃が表示される仕組み。料金と一緒に料金箱に投入する。紙の整理券と違い、繰り返し使用できる。
 バスカード、整理券のIC化で、乗降場所や時間、乗客数を正確に把握することができ、同社は蓄積したデータを運行ルート作成などに役立てるという。来年一月からは、IC定期券を発売する。

 

 こうして見ていますと、つまりは「Suica」や「PASMO」のようなICカード乗車券と同じように、バスの整理券にもICタグを仕込むというわけで、整理券本体は何度でも使い回し可能なプラスチック製・・・

 まあ、ICタグが埋め込まれている点では昔と違うところですが、それ以外は車掌が乗り込んでいた時代の路線バスで使われていた”プラスチックの整理券”の再来といったイメージですネ。

 

 それで、運行会社である日立電鉄交通サービスのWebサイト内に今回発表されている新しいシステムを解説している文書がPDF形式にて掲載されているのですが(→「「IC.バス乗降客カウントシステム」のご紹介」)、見ますと、やたらデカそうに見える整理券発行機(実際にデカいかどうかはわかりませんが…)からICタグ入りのプラスチック製整理券を取り、降りる際にそのICタグ入り整理券を運賃箱に入れると支払うべき料金が表示されるので(運賃箱上の表示器に料金表示されるみたい)、表示の通り現金を入れて降車、使用済みのICタグ入り整理券はまた整理券箱に補充して繰り返し使える・・・というもののようでありますが、この解説文書に掲載されているICタグ入り整理券の見本に描かれている絵柄はなんと戦時中見られたであろう木炭バスを2人の乗客が後ろから押している風景画となっていて、思わず太平洋戦争(第2次世界大戦)中の物(燃料)不足を連想してしまった次第・・・

 それはともかくとして、一つ思うのが、1台のバスあたりどの程度の枚数の整理券が積み込めるかどうかは知る由がありませんが、変な話、万が一終点に到着するまでの間に発行機の中の整理券が底をついてしまったら一体どうするのか・・・
 まあそんなことには恐らくならないとは思うのですが、ついそういうことを想定してしまいますネ。
 あと、運賃箱に投入された整理券と現金は別々のスペースに収納されるのかどうか。もしごっちゃに収納されるようであれば、終点で折り返す際等に運賃収納箱にたまった現金や整理券から整理券だけを選って取り出して乗車口横の整理券箱に補充するという一連の流れを行うだけでも一仕事になるような気がしますが《そう思うのは私だけ!?》・・・

 ただ、上記新聞記事たちでも伝えていますが、整理券を使い回しの可能なプラスチック製とすることで環境保護にも貢献できるわけで、”地球温暖化”等が声高に叫ばれている中にある現代において、大いに注すべきところでしょうネ。

 

 

 で、上記茨城新聞記事にも見えますが、実は4月から既に一部路線にて先行導入されており、その先行導入時の印象が「びっくり!IC整理券の路線バス」というブログ内記事にて語られています。
 記事では「導入に掛かる諸費用などを考えると設備投資するだけの需要があれば良いのだが、赤字に苦しむ等の現実的な問題のため導入は難しいのかもしれないと考え、提案や意見するのを見送っていた経緯がある」とした上で、「とりわけ茨城県北部地域は過疎化問題でクローズアップされることが多い状況下にあり、そんな中始まった日立電鉄バスの先進的な取り組みには驚かされたと同時に心より成功を願ってやまない」と、記者自身の地元を走るバス会社が始めた取り組みに期待の念をあらわにしていました。

 またこのブログ内記事では、IC整理券導入と同時に新たに発売となるICカード乗車券(後に「でんてつハイカード」という名称で発売となるが)について、少し前にサービス開始された「PASMO」にも対応してくれれば、との期待感をにじませる一方で、「PASMOを利用できる地域の北限と日立電鉄バスの路線地域の南限とではかなり距離的な隔たりがあるため、利便性が高まるということは考えにくい」とも語っています。

 でも、ご存じのように「PASMO」と「Suica」は相互利用可能となっており、確かに現状での「PASMO」適用地域の北限から日立市までは離れているかも知れませんが、相互利用相手先である「Suica」の首都圏利用可能エリアに日立市もギリギリかかっていますので(常磐線上に於ける北限)、「Suica」エリアを通じて「PASMO」も「Suica」も使えるようにするのは十分可能ではないかと思います。

 ところがウィキペディア解説「でんてつハイカード」を見ますと、この新発売のICカード乗車券「でんてつハイカード」は回数券タイプのみの発行だそうで、東急世田谷線に於ける「せたまるカード」と仕組みの上で類似しているとみられ、仮に日立電鉄交通サービスの路線自体を「PASMO」等の対応にした場合、東急世田谷線内でとられているような”線内での利用は出来るが線内各駅に於ける「PASMO」等へのチャージが出来ない”といった感じの制約が想定されるところでしょう。

 

 まあ、何れにしても地元民にとっては今度のIC整理券&ICカード乗車券導入を一様に歓迎しているということなのかも知れませんネ《言うまでもないことでしょうが…》。

 

 

 日立市をメインとして運行しているバス会社の新たな取り組みが他地域のバス会社にも波及するのかどうか、今後の取り組みの成果が注目されるところです。

 

 

P.S.
 『YouTube』に、昭和15年頃開発とされる薪炭車(木炭車)を撮影したフィルム(というか無声動画)が一つ寄せられていますので、ついでながら、以下にて紹介しておきます《放映時間は短めですが、乗務員が車両後部にある木炭補給部に木炭(?)を補給しているシーンや走行シーン等が見られます;今後、サイト運営者並びに動画投稿者の都合等により動画自体が削除される可能性がありますことを予めご承知おき下さい

 

 

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