新しい”東の雄”、きょう「開業」・・・鉄道博物館、埼玉県の旧大宮工場旧車両解体線跡地に
今日は日本最初の鉄道開業(新橋~横浜間)を記念する「鉄道の日」(旧鉄道記念日)。
国土交通省やJRを含む鉄道事業者等で組織する”「鉄道の日」実行委員会”の主催による中央大会”第14回「鉄道フェスティバル」”が昨日と今日の2日間、日比谷公園で開かれていたようですネ。
そして同時に、先日掲載の「四国にも念願の鉄道保存展示施設誕生へ・・・「四国鉄道文化館」、多度津工場保存の”0系新幹線”搬入へ」という記事の前置き部分で紹介した鉄道保存展示施設の”東の雄”の新しい顔が、今日、誕生しました。
東京・神田(秋葉原)にあった従来からの”東の雄”交通博物館の施設狭小・老朽化を理由に埼玉県大宮市にある大宮総合車両センター(旧大宮工場)内の旧車両解体線跡地に移転・建設された、その新たなる”東の雄”の名前は・・・
既に各種メディアによりさんざん報じられていますので、もうご存知のことかと思いますが、その新しい”東の雄”である「鉄道博物館」が、「鉄道の日」の今日、オープンと相成ったわけです。
で、この「鉄道博物館」のオープン時の模様は後ほど紹介するとして、オープンに先立って行われた報道公開の模様等について、関連の新聞記事の紹介を交えつつ、見ていくことにしましょう《尤も本日既に鉄道博物館に行かれた方については、以下の内容は意味を成さないのかもしれませんが…》。
◎ 全国紙では・・・
まず全国紙による報道から見ていくことにしましょう。
「運転体験へGO! 「鉄道博物館」あすオープン」
《『産経イザ!』2007/10/13付け掲載記事》
日本の鉄道の歴史を車両などの貴重な資料で展示「鉄道博物館」が、「鉄道の日」の14日にさいたま市大宮区にオープンする。老朽化により昨年閉館した東京・神田の「交通博物館」の後継施設。敷地面積で約8倍、展示スペースで約2倍と、展示規模が大幅に拡大された。歴代の鉄道車両の展示に加え、運転シミュレーターなどの体験できる施設もあり、鉄道ファンや家族連れの人気を集めそうだ。 博物館は、3階建てで、延べ床面積約2万8200平方メートル。35両もの実物車両を展示したヒストリーゾーン、実物や模型を使いながら鉄道の仕組みを学ぶラーニングゾーンなどの6つのエリアで構成される。 1階のヒストリーゾーンに足を踏み入れると135年前の10月14日に、日本で最初に新橋駅、横浜駅間を走った「第1号機関車」が出迎えてくれる。明治期から大正期にかけて活躍した木造電車から、1982年に開業した東北・上越新幹線で活躍した「222系新幹線」まで、鉄道の歴史を彩る車両が一堂に会したさまは圧巻。実際に車両に乗り込み、当時の鉄道の旅に思いをはせることができそう。 2階の線路延長約1400メートルという日本最大規模の模型鉄道ジオラマは、首都圏で活躍する通勤車両や新幹線、特急列車が行き交う。夜になると保線作業が始まり、その合間を「カシオペア」などの夜行列車が走る。 目玉は、「世界でおそらく唯一の蒸気機関車のシミュレーター」(大塚陸毅・東日本鉄道文化財団理事長)という、「デゴイチ」の愛称で親しまれた「D51形機関車」の運転シミュレーター。窓の前方スクリーンには、沿線風景が映し出される。また人気車両を模した「ミニ運転列車」は、本物の鉄道と同じ信号保安システムに従い1周300メートルを6分ほどで運転する。どちらも本物に近い運転感覚が楽しめる。 博物館は、JR東日本の発足20周年を記念し、関連の「東日本鉄道文化財団」が建設を進めてきた。清野智社長は「鉄道博物館の移設、拡充と『JR東日本二十年史』の製作が20周年の大きな作品」と、節目と同時にオープンする博物館への思いを語る。 入館料は大人1000、小中高生は500円。ミニ運転列車とSLシミュレーターは予約制で、別途料金がかかる。閉館前の交通博物館の年間来場者数は35万~38万人。施設の拡充により、同博物館の来場者数を初年度60万人、来年度に100万人、今後20年間の平均で年間70万人を見込む。 |
毎日新聞Web版では2段構えで報じています。
「鉄道博物館:あす開業 さいたまに世界最大級の聖地」
《毎日新聞Web版(毎日jp)・2007年10月13日付け掲載記事》
「鉄道の日」の14日、世界最大級の「鉄道博物館」がさいたま市にオープンする。JR東日本が発足20周年記念事業の目玉として120億円をかけて新設した“鉄ちゃん”待望の鉄道文化の拠点。歴史や教育の博物館としても位置付け、従来の見学型から体験型にシフトしたのが最大の特徴だ。【斎藤正利】 ◇35両の実物、年代別に勢ぞろい 入館は駅と同様、「Suica」「PASMO」が使える。駅改札風の1階入り口を入ると、左手に「ヒストリー(歴史)ゾーン」が現れる。 3階まで吹き抜けの大空間に、1872(明治5)年の開業時に新橋-横浜間を走った英国製「1号機関車」から200系の東北・上越新幹線まで、35両の実物車両が年代別にズラリと勢ぞろいする。中でも黒光りした蒸気機関車(SL)「C57」は圧巻。1877(明治10)年に京都-神戸間開業式で明治天皇が乗車した初代「1号御料車」は重要文化財だ。 国鉄初の特急をもとにした「とき」や人気の特急「やまびこ」などの名物列車は座席に座れる。新幹線車両を真下から見学できるスペースも。戦前を代表する通勤電車「クモハ40」は再現された御茶ノ水駅ホームに展示。懐かしい駅弁の立ち売りも登場し、過去にタイムスリップした錯覚に浸れる。 ◇SLの揺れ再現 運転士気分に 学校教育向けの「ラーニングゾーン」は、運転の模擬体験など、体験型展示に特化した。 SL運転士が数年かけて開発した「SLシミュレーター」は世界初とされる精巧な構造だ。車体の揺れなど、実際の運転状況をほぼ完全に再現しており、旅情豊かな運転士気分に浸れそう。館外に敷設されたミニ運転列車はATC(自動列車制御装置)やATS-P(自動列車停止装置)など、信号保安システムの機能を学習できる。 また、実物の自動改札機を設置した「駅構内」やメンテナンスの「車両工場」など、安全・安定輸送を裏方で支える鉄道マンの仕事を体験し、遊び感覚で鉄道の原理や仕組み、技術を学べる。 ◇80分の1 大迫力のジオラマ 最大の財産は旧交通博物館(東京・神田)が保管していた58万点の資料だ。開業時の測量図や時刻表、運賃・料金表など、創成期の資料から世界鉄道遺産、国鉄改革、JR東日本に関する貴重な記録が閲覧できる。 中でも明治時代の鉄道に関する公文書をまとめた鉄道古文書はここでしか見られないお宝だ。特急や寝台列車のヘッドマークなど、時代背景に合わせたゆかりの品々も陳列している。 また、鉄道模型のジオラマは、HOゲージ(実物の80分の1)としては国内最大。約200平方メートルのスペースに都市や農山漁村などを再現し、駅舎やトンネル、橋などの施設も配置した。線路の長さは約1400メートルで、模型の先頭車両に小型カメラを取り付け、走行中の迫力ある映像が観覧席から楽しめる。 年間の目標入館者は100万人。関根徹館長は「鉄道ファンだけでなく、幅広い層が楽しく学べる施設を目指した。企画展を年3回ほど開催し、愛される博物館にしたい」と話している。 ◇アクセスはーー JR大宮駅から埼玉新都市交通ニューシャトルで「鉄道博物館駅」(14日に「大成駅」から改称)下車、徒歩1分。敷地は東京ドームとほぼ同じ約4万2000平方メートル。鉄筋コンクリート3階建て、延べ床面積は2万8200平方メートルで、旧交通博物館の4倍に当たる。 毎週火曜と年末年始(12月29日~1月2日)は休館。入館料は一般1000円、小中高校生500円、幼児(3歳以上)200円。館内の乗り物などには別途料金が必要。問い合わせは同館(http://www.railway-museum.jp/、048・651・0088)へ。 |
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「鉄道博物館:SL運転で「鉄道魂」体感」
《毎日新聞Web版(毎日jp)・2007年10月13日付け掲載記事》
ボオーーーーッ、シュ、シュ、シュシュシュシュ。動きだした蒸気機関車は稲田を分け山の端を行く。石炭のにおい、鉄橋の振動、ブレーキのきしみ、踏み切りを過ぎカーブに差し掛かると今度は坂道の重み。ハンドルを切りつつブレーキ弁を調節し砂まきコックに注意を払う……。 「鉄道の日」の14日開館する「鉄道博物館」。目玉は蒸気機関車(SL)運転シミュレーターだ。沿線風景の映像、振動も再現され、機関助手がしていた石炭をスコップでかまに投入する作業も当時のまま体験できる。車体は本物だが、音もにおいも実はコンピューター制御。安全のため熱さだけは模擬していない。SL運転経験のある館長代理、荒木文宏さん(66)は「SLのシミュレーターは日本初、世界でも見たことがない」と胸を張る。運転には技術や労力だけでなく、機関士と機関助手のあうんの呼吸も必要だそうだ。「日本の発展を支えた歴史や鉄道魂の源を体で感じてほしい」と語る言葉には重みがある。 メーンエントランスの右手は巨大な車庫ふうの「ヒストリーゾーン」。重要文化財の一号機関車や、弁慶号、0系新幹線などが存在感を示す。屋内外の展示車両は「交通博物館」時代の8両から36両へと一気に増えた。屋根や車体下部構造を観察できるようにも工夫されている。鉄道の原理や運行の仕組みを知ることができる「ラーニングゾーン」も見どころがたくさん。駅構内や車両工場の実物モデルがあり、駅係員の仕事を疑似体験することもできる。 幅25メートル、奥行き8メートルで、HOゲージ(実物の80分の1)を採用した模型ジオラマは国内最大。線路の延長は約1400メートルにも達する。プラレールの世界に入り込んだようなキッズスペースは小さい子の人気を集めそうだし、屋外の庭園には、自動列車制御装置(ATC)と自動列車停止装置(ATS-P)を備え運転体験のできるミニ列車があり、こちらは子供だけでなく大人も夢中になりそうだ。 博物館の敷地は約4万2000平方メートルで、東京ドームとほぼ同じ面積。ガラス張りを多用した建物の延べ床面積は、東京・神田にあった「旧交通博物館」のおよそ4倍、バリアフリーにも配慮されている。敷地は新幹線と在来線の線路にはさまれており、JR東日本の各新幹線をはじめ、高崎線、川越線、埼玉新都市交通のニューシャトルなど、ひっきりなしに通る電車や貨物列車を見ることができる。通る車両を眺めているだけでも1日楽しめそうだ。【浜田和子】 |
従来からの”展示中心型”交通博物館と比べると実際に体験できるゾーンを大幅に増やした点が一番目を引くところですね。
なかでも蒸気機関車(D51)のシミュレーション体験(それも運転だけでなく石炭投入作業も!)ができるというのは他の施設ではちょっと聞いたことがないですネ。
「ラーニングゾーン」って、いわば”鉄道版キッザニア”か!?
それと、鉄道展示施設のもう一つの目玉であるジオラマ(ここでは鉄道模型によるレイアウト)ですが、HOゲージによるレイアウトで線路の総延長1.4km・・・ちなみに大阪・弁天町駅(大阪環状線)下にある”西の雄”交通科学博物館にあるジオラマに敷設されている線路(こちらもHOゲージ)の総延長は約400mですから、実に3.5倍の線路長を誇ることになるわけですネ。
あと、敷地の広さが東京ドーム並み・・・まあ逆に言えばそれだけの広さを誇る敷地内でかつては古くなった車両の解体が行われていた、ということなんでしょうネ《今は長野のほうに車両解体機能を移転させたとのことですが…》。
◎ 地元ローカル紙では・・・
鉄道博物館の地元である埼玉のローカル紙に於いては、5回完結のシリーズ記事を組み、一つ一つじっくりと伝えています。
「館内に鳴り響く汽笛 鉄道博物館がやってきた<1>」
《埼玉新聞Web版・2007年10月9日(火)付け掲載記事》
惜しまれつつ二〇〇六年五月に閉館した東京・神田の交通博物館に代わり、鉄道博物館がさいたま市大宮区に十四日オープンする。人々の思い出を呼び起こす歴代の車両。実物と同じ装置で運転を体験しながら鉄道の仕組みを学べる設備など、「発見と創造」の場となる博物館の魅力を五回にわたって紹介する。 外観はさながらターミナル駅。入退館や体験展示予約には、Suica(スイカ)、モバイルSuica、PASMOの利用が可能だ。入場はもちろん自動改札。メーンエントランスのホールでは巨大な彫刻「ぽっぽや」(流政之作)が出迎えてくれる。 入館して右側に広がるのは博物館のメーン展示となるヒストリーゾーン。日本の鉄道の黎明(れいめい)期や全国に広がる特急網、新幹線の誕生など八つのテーマごとに、計三十五の実物車両とともに鉄道の歴史をたどる。中でもひときわ目立つのは、ターンテーブルにずっしり構える蒸気機関車「C57 135」だ。 車体の美しいフォルムから一部の鉄道ファンに「貴婦人」の愛称で親しまれていたSLは、一九四〇(昭和十五)年製造。室蘭本線の岩見沢―室蘭間で七五年まで、蒸気機関車としては最後の旅客列車を牽引した。交通博物館に展示されていたが、鉄道博物館へ移設の際は車体を三つに分解、陸路で大宮まで運ばれた。 車庫内で車両の向きを変えるためのターンテーブルをホール中央に再現。テーブルの上でゆっくりと三六〇度回転するC57に合わせ、学芸員による解説が行われる。「ボォー」と館内全体に響き渡る汽笛の音が、来館者の郷愁を呼び起こすようだ。 |
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「時代と思い出を再現 鉄道博物館がやってきた<2>」
《埼玉新聞Web版・2007年10月10日(水)付け掲載記事》
一階のヒストリーゾーンは、鉄道の技術革新の歴史を三十五両の実物車両でたどる大空間。一八七二(明治五)年の新橋―横浜間開業から一九八二(昭和五十七)年の東北・上越新幹線開業までを八つのエリアに分けて解説する。 黎明(れいめい)期エリアでは、鉄道記念物で国の重要文化財でもある英国から輸入された日本初の蒸気機関車が、再現された新橋駅のプラットホームに停車。「しんば志」と書かれた看板など、鉄道開業当時の情景が映し出されている。 このほか、それぞれの時代の東京、上野、新潟など七つのプラットホームが、各列車とともに来館者の思い出を呼び起す。当時の社会背景を通して、技術発達の歴史をより身近に感じることができるだろう。 日本の鉄道技術の発達史を記した全長約七十五メートルの巨大年表も、見どころの一つ。鉄道開業当時の線路や五〇〇〇号蒸気機関車番号板、歴代の記念ヘッドマークなど、年代を追った貴重な資料とともに歴史の深さを感じさせてくれる。 博物館東側の窓の外には、大宮駅発着の数々の在来線が行き交う。夜間になると、二階に展示された銅版画家の山本容子さん作「過ぎゆくもの」のステンドグラスが館内照明に照らされ、鮮やかに色彩を放つ。電車で家路に着く人々の心を和ませてくれるに違いない。 埼玉新都市交通ニューシャトル「鉄道博物館駅」(現大成駅)下車、徒歩1分。開館時間は午前10時から午後6時(入館は午後5時30分まで)。毎週火曜日と年末年始休館。入場料は一般1000円、小中高生500円、幼児(3歳以上の未就学児)200円。団体割り引き、年間フリーパスなどあり。問い合わせは鉄道博物館(TEL048・651・0088)へ。 |
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「国内最大 模型の街 鉄道博物館がやってきた<3>」
《埼玉新聞Web版・2007年10月11日(木)付け掲載記事》
ガラスの向こう側に横二十五メートル、奥行き八メートルの精巧な街が広がる。中心には「中央駅」。駅前には車や人がひしめいている。ビルの向こうには高速道路、湖、山。縦横無尽に線路が張り巡らされている。 鉄道博物館が誇る模型鉄道ジオラマは、二十五メートルプール四コース分と同じ面積。もちろん国内最大の規模だ。線路の総延長は千四百メートル。八十分の一のスケールなので、実際の距離に換算すると約百十キロ。東京―熱海間に匹敵する距離の線路が詰め込まれていることになる。 運転の実演は十五分ほど。一日四~六回程度を予定している。来場者は二百席ある観客席から鉄道の一日を見守る。 薄明かりの中、「夜明けの駅を通勤電車が出発しました」のナレーションで実演がスタート。山手線、高崎線などおなじみの車両が街に飛び出していく。続いて新幹線「のぞみ号」。秋田新幹線、特急列車、ディーゼル車などが次々と走り出す。 やがて日が暮れて、寝台車と貨物車が出発。暗くなり中央駅が電灯に照らし出されると、電車たちにもライトが点灯。一日の走行を追えた電車が駅に帰ってくる。 再び夜明け。寝台車も駅に着いた。「こうして鉄道はいつもどこかでみなさんの夢を乗せて走り続けています」。見とれているうちに、あっという間に実演は終わった。…(以下略) |
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「駅の仕事を疑似体験 鉄道博物館がやってきた<4>」
《埼玉新聞Web版・2007年10月12日(金)付け掲載記事》
鉄道博物館のもう一つの魅力は、学校教育の一環として活用できるラーニングゾーンだ。鉄道の原理・仕組みや技術、安全、輸送システムなどを、プログラムで体験しながら楽しく学ぶことができる展示エリアになっている。 一階の架空駅「てっぱく駅」では、みどりの窓口や券売機、改札、列車など、どれも本物を使った設備を整備。切符の販売やドアの開閉、発車ベルなど、普段は入ることができない業務スペースで、駅の仕事を疑似体験できる。 また車両工場ラボでは、大宮総合車両センターでの電車の台車点検作業をミニチュア版のクレーンを使って再現。このほか運転司令室なども設置されている。 「電車はどうしてぶつからないの?」などの疑問の答えは、二階にあった。一つのレール上でいくつもの電車が運行するための信号の工夫や、速度を守る秘密が見つかるだろう。三階では蒸気、ディーゼル、電気で動くそれぞれの電車の仕組みを解説。ブレーキやパンタグラフの昇降を体験できる。 オープン前にもかかわらず、既にさいたま市内の約七十の小学校から課外授業の申し込みが寄せられている。関根徹館長は「ラーニングプログラムにより、鉄道を学べる場にしていきたい」と、子どもたちの未来に期待を寄せている。…(以下略) |
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「実物と同じ運転装置 鉄道博物館がやってきた<5>」
《埼玉新聞Web版・2007年10月13日(土)付け掲載記事》
建物の外にも魅力はたっぷり。エントランスと博物館北側を結ぶのは、新幹線「はやて号」を模したミニシャトル。来場者は無料で乗れる。 有料(二百円)で体験できるミニ運転列車も子どもたちの人気を集めそう。高さ一・五メートルほどで、定員三人の小さな車両だが造りは本格的。成田エクスプレスや京浜東北線、特急「あずさ」などの外装で、運転装置も実物とまったく同じだ。 出発ブザーを聞き、青信号を確認。加速レバーをゆっくりと引けば、気分はすっかり電車の運転手。制限速度の標識などもあり、ブレーキ・レバーを引いて、途中駅に停車することもできる。 モニター画面の景色が流れていく運転シミュレーターも体験したい。日本初となるSL「D51」の運転も味わえる。 遊び回ればお腹もすく。鉄道博物館の開館を記念した特製弁当(千三百円)が販売されるほか、カフェテリア「日本食堂」には鉄道にちなんだ懐かしのメニューがそろっている。 社会科見学などの子どもたち向けには「フレンドリートレイン」を用意。実際に使われていた東北本線の車内でお弁当を広げることができる。 最後はミュージアムショップ。鉄道博物館ロゴが入ったカード入れや車両型のキーホルダーなど、ここでしか買えないグッズがそろっている。=おわり …(以下略) |
展示物の全容については先の全国紙報道でも大凡把握することが出来ますが、一つ一つの展示物について、その展示物の時代背景にマッチしたモックアップ(レプリカ)を配させる等、こだわりを感じさせますネ。
例えば来場者を最初に迎えることになるとのことである蒸気機関車「C57」では、ただ一定のスペースに静置されているだけではなく、昔稼働していたときに機関区で見られたであろう転車台(ターンテーブル)を使って方向を変えていた、あの情景を再現させながら展示するというのは今まで聞いたことがなかったし、日本の鉄道開業時に活躍した”陸蒸気”を当時の新橋駅プラットホーム等を再現させたものと共に展示させる・・・まあなんとリアリティに富んだ展示手法なのか、と感じます。
それから、全国紙報道でもジオラマの規模についての報道がありますが、この地元ローカル紙報道では具体的に「25メートルのプール4レーン分」と表現しているあたり、イメージしやすいところです。
あと、館内のみならず、館外にもミニ列車や運転シミュレーターが置かれている他、館内食堂(というかカフェテリア)も、「日本食堂」というネーミングと鉄道にちなんだメニューを用意する等、アウトサイドにもこだわりを見せているかのように思えます《尤も”西の雄”交通科学博物館でも、館外にはかつて京都駅(2代目駅舎の時代)に於いて使用されていた1番ホーム上屋のトラス構造部分の一部を使って覆う形で、昔活躍していた機関車や食堂車、寝台車等の車両実物の展示がありますが…》。
◎ スポーツ紙(大衆紙)では・・・
スポーツ紙等の大衆紙系統では、どちらかといえば、観光スポットの一つとして捉えているような印象を強く受けますネ。
「35両の実物車両がズラリ!「鉄道博物館」オープン」
《サンケイスポーツWeb版・2007年10月12日付け掲載記事》
14日は「鉄道の日」。鉄道開業135年目のこの日、埼玉県さいたま市に「鉄道博物館」が開館する。昨年5月に惜しまれて閉館した交通博物館がダイナミックに生まれ変わったもので、館内にはSLやブルートレインなどの実物展示や日本最大級の鉄道模型ジオラマのほか、日本初のSL運転シミュレータ、運転士体験ができるミニ列車なども用意。この秋、最大の注目スポットの同館。“鉄ちゃん”ならずともワクワクすることまちがいなしだ。 いよいよ14日に開館が迫った「鉄道博物館」(さいたま市大宮区)の敷地は、東京ドーム並みの4万1600平方メートル。床面積は東京・神田にあった「交通博物館」の約4倍の2万8200平方メートルにもなる。 JR東日本発足20周年記念事業の中心として設立されたもので、日本の鉄道の歴史や仕組みなどが体感できる、世界有数規模の鉄道の博物館だ。 圧巻は、「ヒストリーゾーン」(下表)。広さ約6750平方メートル、3階までの吹き抜けの大空間に35両の実物車両が展示され、明治5年の新橋~横浜間開業から、昭和57年の東北・上越新幹線開業まで、手前から順に時代を追って展示。鉄道の進化の歴史が感じられる。 同館営業部の五島剛課長は、「まずは2階の回廊から俯瞰で全体を見てください。日本の鉄道の歴史を物語る75メートルの巨大年表も展示されていますよ」とアドバイスする。 一番の見どころは、「中央に展示してある『C57形式蒸気機関車』です」と同館解説員の山本大輔さん。“貴婦人”の愛称を持つこの機関車は昭和12年に製造開始。同館では転車台に乗せられており、「ボッボーと汽笛を鳴らして転回するデモンストレーションは見ものです」(同)。 このエリアは体験型の展示でもあり、昭和初期の列車の座席に座れるなど、「内部に入れるのは11両。駅舎や人形などで車両が活躍した時代の情景を再現した展示では、当時の様子がうかがえます」(五島さん)。 また、建物が線路に沿って建つため、1階のレストラン「日本食堂」や2階の回廊部分などの窓からさまざまな列車が走る様子が見られるのも楽しい。五島さんお薦めの展望ポイントは、エントランスゾーン3階のビューデッキで、JR東日本を走るすべての新幹線を真横から見られる。 見どころが満載の同館。関根徹館長によれば「世代によってなじみのある鉄道は違う。60代以上ならSL、下の世代なら特急や新幹線。鉄道ファンだけでなく、鉄道旅行などの思い出がある人たちも、当時を懐かしく思い、癒される。子供や孫たちに思い出を話す場になる。そんな施設を目指しています」。旅心誘われる秋。「鉄道博物館」は、鉄路の旅の楽しさを再発見させてくれる。 【復活した食堂車の味と限定駅弁】 同館1階の「日本食堂」は、かつて列車の食堂車で親しまれてきたメニューがそろうレストランだ。運営する日本レストランエンタプライズ広報室の近藤昌昭次長の一押しは、「懐かしのカレーライス」(700円)。「小麦粉を炒ることから作るレトロな食堂車定番メニューが復活します」という。 上越線「とき号」で初めて出したという「八宝菜ライス」を彷彿させる「中華風あんかけご飯」(600円)や、乗務員用裏メニュー「ハチクマライス」(650円)も注目だ。 さらに、同館限定駅弁「鉄道博物館開業記念弁当」(1300円)は「JR東日本エリアのおいしいものを集結させた、これまでの当社の駅弁の真髄。おみやげにもおすすめです」(同)という。 ちなみに、ウエイトレスの制服は、昭和30~40年に着用していたものの復刻版。懐かしの旅気分が味わえる。 【迫力満点!日本最大級の鉄道ジオラマ】 同館自慢の「模型鉄道ジオラマ」は、「25メートルプールとほぼ同じ大きさで、鉄道をテーマにしたHOゲージ(在来線1/80スケール、新幹線1/87スケール)では日本最大」(同館解説員の山本大輔さん)。都会、田園、山間部など、日本の鉄道の象徴的な風景を再現、駅舎、発電所、橋梁、トンネルなど、さまざまな鉄道関連施設が配置されている。 線路の長さは延べ1.4キロで、現在では少なくなったループ線やスイッチバックなども用意。10編成以上の多彩な車両が一望できる。1日4~6回、照明で朝から晩までを演出したショーも実施。同館営業部の五島剛課長は、「線路の上を多くの列車が走行するシーンは迫力満点」と話す。 【運転士気分が味わえるシミュレータの数々】 注目は日本初の本物のD51蒸気機関車の運転が体験できるシミュレータ(1回500円)。解説員の山本さんによると「ペダルを踏んで、たき口を開け石炭(ゴム製の模造品)をくべるなど、実際のD51と同じ手順も踏め、当時の運転士の気分が味わえる。速度やカーブに合わせて車体が上下左右に揺れ、臨場感もたっぷり」とか。 このほか、ATC(自動列車制御装置)やATS-P(自動列車停止装置)を装備した長さ2.4メートルの小さな電車を運転して、1周230メートルの線路を走らせる「ミニ運転列車」(1回200円)も。鉄道システムを学ぶプログラムでは、列車のドアの開閉体験など、車掌気分が味わえる。 また、旧「交通博物館」から新幹線(200系)や山手線(205系)など人気運転シミュレータ(無料)を移設。ファンに喜ばれそうだ。 |
また、日刊ゲンダイでは・・・
「【話題の焦点】10月14日オープン 鉄道博物館を見てきた」
《日刊ゲンダイWeb版(ゲンダイネット)・2007年10月9日付け掲載記事》
さいたま市大宮区の「鉄道博物館」が14日(日)にオープンする。明治期から新幹線時代までの実物車両の展示、運転シミュレーター、最大規模の模型鉄道ジオラマなど話題いっぱいだ。大人も楽しめるのか、さっそくのぞいてきた。 入退館はSuicaかPASMOを使って自動改札でピッ! というのが、いかにも鉄道の博物館らしい。入館したらいきなり1階の展示に向かわず、正面のエスカレーターで2階に上がる。ここで「SL運転シミュレーター」「模型鉄道ジオラマ」の予約を入れてしまうのが、待ち時間を少なくするコツになる。 2階からは1階のヒストリーゾーンに並ぶ車両が見下ろせる。各車両の位置関係を頭に入れたら1階に下りてみよう。 ●ヒストリーゾーン 正面に機関車の向きを変えるための「転車台」に載ったC57が迫ってくる。貴婦人の愛称を持つ華麗な蒸気機関車だ。それを囲むように、英国から輸入された日本最初の蒸気機関車から東北・上越新幹線まで、各時代に各地で活躍した列車35両が実物展示されている。走るホテルといわれた「あさかぜ」、サロンを備えた「富士」、懐かしい茶色の「国電」、初代新幹線「0系」……。それぞれ一時代を築いた名列車ばかりだ。 「ピーッ!」 甲高い汽笛が館内に響き渡る。と、直径22メートルの転車台がゴトリと動き始めた。転車の実演だ。いやあ、スケールがでかい。 ●運転シュミレーター オッ! SL運転シミュレーターの予約時間になった。D51の運転席を再現したもので、ここでは2つの体験ができる。運転席に座って「出発進行!」。JR釜石線を走る設定になっていて、わが列車は山間(やまあい)の道を懸命に上っていく。急勾配に差し掛かりレールに砂をまく。気分はすっかり“ぽっぽや”である。 もうひとつの体験は「缶(かま)たき」。機関助手だ。スコップで石炭をすくい、ペダルを踏んでかまのフタを開ける。均等にまかなければボイラーの圧力が上がらない。しかし、シミュレーターは本物と同じように大きく揺れる。ペダルを踏むのもやっと。持ち時間15分なのにたちまち息が上がった。SLのほかに、新幹線、山手線など4つの運転シミュレーターがある。 ●模型鉄道ジオラマ 約200平方メートルに展開する日本各地。「HOゲージ」の模型列車が、大都会、山岳、海岸など、それぞれのシーンを本物そっくりに走る。まだ暗いうちに通勤電車が走り始め、次第に長距離列車が発車して深い谷や山を鉄橋やトンネルで抜け、海風に吹かれて走る。ビル街に終電が到着すると鉄道の長い一日が終わる。1回15分のドラマ。予約が必要だが、運転時間でないときはいつでも観覧可。 ●列車食堂 そろそろ腹がすいてきた。食堂もかつて「食堂車」で人気だったメニューだ。ハンバーグライス、カレーライス、ミートスパゲティ、カツサンド……。珍しいのはハチクマライス。乗務員のまかない飯で、基本レシピはごはんに目玉焼きをのせたもの。当然、駅弁もあり。「開館記念弁当」と「限定上野弁当」。ビールも飲める。 ここで鉄道写真家&ライターの南正時さんにバッタリ――。 「日本は世界に冠たる鉄道大国なのに、その歴史や文化をきちんと紹介する施設がないのを残念に思っていました。その点、この鉄道博物館はすごくよくできていますよ」 オジサンも十分楽しみました。 ☆場所 埼玉県さいたま市大宮区大成町3―47((電話)048・651・0088) ☆あし JR大宮駅から埼玉新都市交通ニューシャトル「鉄道博物館駅」下車。大宮駅から歩いても15~20分だ。 ☆入館料 一般1000円、小中高生500円。 ☆開館時間 10~18時(入館は17時半まで)。休館は火曜日と年末年始。 |
全国紙、地方紙と展示物について細かく解説されてきているのに対し、スポーツ紙等の大衆紙系統による報道では、言うまでもないことかも知れませんが、見る(観覧者)側に立った(というか観覧者が抱くであろう感覚に立脚した)報道がなされているようですね。
また、「日本食堂」と名付けられた館内食堂(レストラン、カフェテリア)のメニューもここでは紹介され、食堂車の定番メニューだった小麦粉使用のカレーやハンバーグライス等が並んでいるようですが、中でも目を引くのは「ハチクマライス」。鉄道マンの間で食されていた”ファーストフード”的な一品ですが、私も久しぶりに耳にしましたよ、この言葉を。
なお、この「ハチクマライス」については「鉄道員の食事メニュー「ハチクマライス」」でも解説されている他、「「ハチクマライス」」では実際に記者自身が自己イメージに基づいて実際に再現して見せたという写真も掲載、更には「西鹿児島発、鹿児島中央行き(開業前・1日目)」にもあるように、実際に自宅でつくって旅先で食したという人までも現れています。
そして、街中にある食堂のメニューの一つとなっているところもあります《→「スパイスハウス香辛房」;この食堂の体験記も公開されています→「きららとカレーと桃鉄と」》。
◎ こんなところでも・・・
そして、普段はIT関連ニュースが中心の『マイコミジャーナル』でも、館長とのインタビューを交えつつ、以下のように報じています。
「10月14日の開館に先駆け、「鉄道博物館」を報道公開 - JR東日本」
《『マイコミジャーナル』2007/10/02付け掲載記事》
JR東日本は1日、埼玉県さいたま市で10月14日に開館する「鉄道博物館」を報道公開した。同博物館には、2006年5月に閉館した「交通博物館」(東京・神田)の鉄道に関する資料や遺産などが収蔵されており、さらには参加型施設が多数揃えられているのも特徴だ。 「日本の130余年に及ぶ鉄道の歴史を、長さ約75メートルの年表にして展示してあります。これだけの歴史があると、一言に鉄道といっても、各世代によってなじみのある鉄道は違います。我々の世代ならSL、下の世代なら特急、新幹線といったようにですね。その点、ここでは様々な車両を扱っているので、幅広い方々にそれぞれに視点でお楽しみいただけると思います」(鉄道博物館館長・関根徹氏)。 1階には実物や模型の車両などが所狭しと展示されているが、大正時代の列車の椅子に座ることができたり、新幹線の運転席を間近で見られるなど、随所に"体験型"な工夫がなされている。車両以外にも、駅舎やその時代の風俗を再現した人形が展示してあり、当時の雰囲気を伝えてくれる。 2階には、約200平方メートルの地形模型にHOゲージ(在来線1/80スケール、新幹線1/87スケール)の鉄道模型を敷設した日本最大級という「模型鉄道ジオラマ」がある。駅舎や発電所、橋梁、トンネルなどといった鉄道関連施設に加え、約600両もの多彩な車両を一望できる。 「ミニ運転列車」は、3人乗りで1周約230mの軌道を運転できる施設。鉄道運行システムの安全性や正確性などを体験的に学べ、ATC(自動列車制御装置)やATS-P(自動列車停止装置)を体験することもできる。利用料金は200円。ラーニングホールでは鉄道システムを学ぶプログラムも用意。列車のドア開閉も体験でき、車掌気分が味わえるとのことだ。 「D51シュミレータ」は、交通博物館に展示されていたD51キャブ部分を使用して製作された、日本初というSL運転シミュレータ。加減弁や逆転機、ブレーキなど操作機器に応じた動輪の発生トルクから車体運動モデルを作成し、力行・惰行・制動の状態を再現した。パノラマ大画面と共に、動揺装置による蒸気機関車特有の振動も味わえるため、本格的な運転を体験できる。現在、特許出願中で利用料は500円。運転シュミレータは他に、新幹線(200系)や山手線(205系)、京浜東北線(209系)、東海道線(211系)があり、いずれも予約不要だ。 同博物館の最寄駅は埼玉新都市交通ニューシャトル「鉄道博物館前駅」。現在は「大成駅」だが、開館日に駅名を変更するとのことだ。開館直後は混雑が予想されているが、臨時列車の増発やダイヤ改正で対応するという。「JR大宮駅からの距離は1.8kmほどなので、そこからも徒歩圏内です。現在、通り道付近のJR施設の壁を塗り替えたり、列車を展示するといったプランも出ており、大宮駅から来ていただく道中も、別の楽しみが持てるように準備しているところです」(関根氏)。 |
幅広い層に楽しんでもらえる博物館作りを目指していたとの由でありますが、上記記事の中で一つ気を引いたのが、地方紙報道の項に於いて館外にも楽しめる仕掛けがあるとの報道があったことを紹介しましたが、そのほかにもJR線上に於ける最寄り駅であろう大宮駅から鉄道博物館に通ずる道についても、その道路沿いにあるJR関連施設の模様替えや列車展示等の計画があるとの話があったこと。
言ってみれば大宮駅前から鉄道博物館に至る道に於ける”鉄道ストリートギャラリー”計画といった感じですネ。
ちなみに本当の最寄り駅はJR大宮駅から出ている埼玉新都市交通ニューシャトルで大宮から一駅乗った「鉄道博物館(旧・大成)」駅で、降りてすぐそこに鉄道博物館がある感じのようですネ《徒歩1分》。
◎ 鉄道博物館を意識した宿泊施設…
実は昨日初めて知ったことなのですが、今回オープンした鉄道博物館の北ゲート(北エントランス)から徒歩約5分のところに、この鉄道博物館の新規オープンの4日前にオープンした「大宮大成鉄道村」があるんですね。
なんでも、鉄道博物館利用者を意識してか、鉄道をモチーフにした宿泊施設とのこと。
で、地方紙でもこの「大宮大成鉄道村」について以下のように伝えています・・・
「大宮大成鉄道村開業へ “列車の旅”気分で 飲食・温浴・宿泊」
《東京新聞(東京中日)Web版・2007年9月13日付け掲載記事》
【注/記事掲載元サイト、掲載期間終了・削除済】
ジェイアール東日本都市開発は十月十日、埼玉新都市交通大成駅近くに、飲食・温浴・宿泊施設「大宮大成鉄道村」を開業する。同駅から歩いて約十分で、同月十四日に開業する鉄道博物館にも近く、蒸気機関車を模した温浴施設や寝台特急の雰囲気を楽しめる宿泊施設など、子どもから大人まで楽しめる施設という。 飲食施設「お食事処(どころ)・展望車」は隣接するJR線路側の窓から高崎・川越線の電車を眺めながら食事ができる。また店舗中央の長さ十二メートルの大テーブルでは、Nゲージの大ジオラマも展示する。外観が蒸気機関車D51の温浴施設「でこいち元気風呂」には赤ちゃん風呂、ちびっ子風呂も設置。夜間はライトアップされ、線路際にD51が浮かび上がる。 宿泊施設「寝台特急・北斗星」は、ツインルーム、シングルルーム各十八室を用意する。寝台車風の二段ベッドを設置した部屋もあるという。館内には理髪店や整体、あかすりなどの施設も設ける。利用料金は、温浴施設が平日大人五百円(土日祝日六百円)、小学生三百円(同四百円)で、未就学児は平日、土日祝日とも二百円。宿泊施設はシングルルーム六千円(休前日六千五百円)、ツインルーム一万円(同一万一千円)。問い合わせはジェイアール東日本都市開発大宮大成鉄道村開業準備室=(電)048(665)4126=へ。 (萩原誠) |
この「大宮大成鉄道村」の全体イメージ図等具体的な内容については「大宮大成鉄道村の開業について」という題のリリースに掲載されている他、公式サイトも開設されてますが、上記記事と併せて眺めている限りでは、蒸気機関車を摸した入浴施設にブルートレイン車両を摸した宿泊施設がくっついた感じの施設のようで、そのブルトレを摸した宿泊施設に”寝台特急・北斗星”とネーミングされているあたり、”鉄”が充満しているような印象を受けますネ。
で、この大宮大成鉄道村について、開業前に現地を見てきたというレポート記事がネット上に公開されており、このうち先月に掲載された「鉄道博物館建設状況~2007年9月」と今月の鉄道博物館オープン1週間前に掲載された「オープン直前の大宮大成鉄道村」ではオープン前の鉄道博物館の外観のルポから始まり、そこから北(宮原)方向にすると見えてきたであろう、元々スーパー銭湯のあったところに出来ていた大宮大成鉄道村の外観を昼夜にわたりルポしたそうですが、掲載写真で外観を眺めていると、正直なところちょっとチャチな印象を持ってしまいそうな造りになっていますネ《怒られそう…》。
また「鉄道博物館&大宮大成鉄道村に行ってきたよ(開業前外観)」ではもやはりオープン前の鉄道博物館とのセットで報告されているのですが、こちらは博物館外観については周辺道路の写真をも載せている他、大宮大成鉄道村のほうは宿泊施設である”寝台特急・北斗星”の側面外観が写っていますが、個室(A個室?)寝台車をイメージしたであろう造りになっている一方で、一宿泊施設としてはやはり微妙な感(1階部分も部屋が並んでいるだろうか。だとすると眺望は殆どゼロだろうなぁ)・・・
そして『HACHAPPの日記』というブログサイトではオープン前だけでなくオープン後に実際に利用した際のルポも掲載されています。このうち先月に掲載された「さいたま市の鉄道ネタ3件」では埼玉県の東部にある岩槻公園(岩槻城址公園)から大宮大成鉄道村、そして鉄道博物館に移動しながら外観の観察を行った際のルポになっているのですが、オープン前の大宮大成鉄道村の前に張り出された張り紙(?)等の写真が掲載され、鉄道博物館では外から覗き込んでみてSL等の展示物が見えていたのだそうで、期待大だろう、と締めくくっています。
そして大宮大成鉄道村のオープン当日の日付で掲載された「大宮大成鉄道村OPEN【大宮】」では実際に利用したという食堂の内部の写真や宿泊施設棟の老化の写真等が掲載され、このうち食堂内の写真では真ん中に大きなテーブルがあり、その上には大きな鉄道模型ジオラマが乗っかっている形となっており、線路側の大きな窓では外を走る電車が眺めらる、と伝えると共に、線路際という立地条件を生かして、ある意味、上手く鉄道好きな人向けに改造している、と評しています。またお風呂については、以前同じ場所にあったスーパー銭湯と殆ど変わりないとした上で、露天風呂にしても線路と国道17号に挟まれた一角のため空すら殆ど見えず、折角のリニューアルだが近隣の温泉に対抗できないと諦めたか、と冷めた見方をする一方で、低料金で大きな浴槽やサウナ、ジャグジーに入りたいって需要には良いかも、とも評しています。
まあ、今日の鉄道博物館オープンで2つの互いに”ある意味”関連する施設が共に本格稼働となったわけですが、果たして思惑通りとなるか・・・お手並み拝見というところでしょうかネ。
◎ 鉄道博物館オープン時の模様…
前項で紹介したブログサイト『HACHAPPの日記』では鉄道博物館オープン直前の模様も「鉄道博物館、開館!」にて簡単に伝えていますが、それによると、10時に何とか会館に漕ぎ着けたものの、通常の入り口を閉鎖にした上で第2駐車場(P2)に待機列を作らせている、とのこと。
で、テレビの在京キー局では鉄道博物館オープン時の模様が相次いで報じられ、オープン時点の待機人数として、約3千人もの鉄道ファンが待っていた等と報じています《民放局ではニュース映像がネット上でも公開されていましたが、何故かNHKだけはネット上でのニュース映像公開はありませんでした(代わりに高松で行われた琴電の引退車両の特別運転の模様のニュース映像が公開されていました)》。
一方新聞系メディアでは、スポーツ紙(サンスポ等)を中心に、博物館を運営する東日本鉄道文化財団の発表として、約2000人が並んでいたと報じていますが、読売新聞や産経新聞(『産経イザ!』も含む)等では約3400人(これも”東日本鉄道文化財団の発表”らしい→「行列3400人 鉄道博物館がオープン」)が列を作っていたと報じています。
更に、2ちゃんねるでは鉄道博物館のオープンに至るまでの博物館周辺に於ける”実況中継”が行われ、それによると、前日(13日)の正午過ぎに既に2人程が並んでいたとの報告から始まり、
(10月13日)
14時過ぎ…6~7人
15時頃…10人程度
17時過ぎ…20人程度
21時過ぎ…20人程度
22時頃…40人程度
《ここで博物館敷地内へ移動》
(10月14日)
深夜帯(5時半頃迄)…100人程度
7時半過ぎ…450人程度
8時過ぎ…800人程度
と推移していたことが伝えられた他、前日昼の14時頃からは親子連れが並んでいたとの情報もありました。
同時に鉄道博物館開館記念Suicaの発売が同博物館とJR大宮駅構内にて行われたそうで、その記念Suica目当てにJR大宮駅では7時頃の時点で2000人程度が列をなしていたとの情報がある他、3000人を超えていたとの話も入ってきていました。
なお、2ちゃんねるでは前日の13日の夜遅く、オープン当日に限りSuicaによる入場を不可とする旨の掲示を見つけたと伝えてきていますが、この”オープン当日Suica使用不可”措置ついて、本項の初めで紹介した「鉄道博物館、開館!」というブログ内記事では、このような混み合う日にこそ威力発揮かと思うのに、と苦言を呈しています。
まあ、新しい”東の雄”鉄道博物館に行くのは、よほどのことがない限り、少し落ち着いてきてからにしたほうがいいのかもしれませんネ。
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