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若桜鉄道と蒸気機関車(SL)その3・・・蒸気機関車「C12 167」誘致の背景にある厳しい現実

 さいたま市にあるJR東日本・大宮総合車両センター内の旧車両解体線跡の敷地に、東京・神田にあった交通博物館からの移転という形で、鉄道博物館がオープンしたことは各種メディアでさんざん報じられていますので、ご存じの方も多いと思います。

 で、この鉄道博物館に因んで・・・というのも変ですが、ネット上にて「小さな鉄道博物館」というブログ内記事を拾うことが出来、その中に・・・

鳥取県の若桜鉄道でちょっとかわいいC12型蒸気機関車が走行。
ここにも小さな鉄道博物館があります。しかも実際に煙を上げて走ります。
継承したい想い出遺産です。

というくだりがあるのを発見。

 え、若桜鉄道沿線にも「鉄道博物館」が・・・少々驚いた私はネットを使って探し回りましたが、それらしきものは見あたりませんでした。

 が、今日になって、某動画共有サイトにアップされているある一つの動画に添えられている解説文に「若桜駅構内にプチ鉄道博物館があります」とのくだりが見え、途端に気がつきました。

 若桜駅構内にある転車台、給水塔、そして去る8月8日に搬入された蒸気機関車「C12 167」・・・これらの存在する一体を指して「小さな鉄道博物館」と言ってたんだ・・・・・・

 

 言われてみれば、これぞまさしく”ミニ鉄道博物館”、という雰囲気ですし、これも立派な「鉄道博物館」たり得るところネ《「つれづれ草 10/14 更新」では”鉄道遊園地”と呼んでいますが…》。

 今度は人を乗せて走って欲しいナ《あ、牽引する客車が無いから無理か・・・》。

 

 

 それはともかくとして、去る10月21日に若桜鉄道〔旧国鉄(JR)若桜線〕の開業(第3セクターへの転換)20周年を記念するイヴェントが開かれ、その中で若桜駅構内にある転車台と給水塔、そしてかつて旧国鉄鍛冶屋線の通っていた兵庫県多可郡多可町静態保存されていたローカル線用蒸気機関車C12 167」が、それぞれ整備・復元された上で一堂に会し、石炭と水の代わりに”積載”された圧縮空気を送り込むコンプレッサーにより「C12 167」が動く姿等が新聞系メディアで報じられていましたが、それに因み、本ブログでは前回までの2回にわたり、多可町から運ばれてきた「C12 167」のことを中心にお話ししてきました。

 

 

 で、前回記事では多可町から若桜町にやって来た蒸気機関車「C12 167」に纏わる様々な話や写真の類等を落ち穂拾い的に紹介してきました。

 若桜町に来るまでは半ば放置状態で静態保存されてきた「C12 167」でしたが、若桜町と若桜駅SL保存会ではこれを動態保存することを計画していた模様で、群馬県の川場村で「D51 561」を修復・管理している常松孝仁氏を若桜町に招請、ボイラー部分の状態等から、本来の石炭と水で動かすのではなく、コンプレッサーを使って圧縮空気を送り込むことで動かすという方法を提案(→「蒸気機関車走行へ点検診断 若桜鉄道の目玉に」)、彼のアドバイスを基に修復・整備を実施、そして見事、若桜駅構内に敷設された展示用線路の上を走行させることに成功したというわけでありますが、この蒸気機関車の保存を巡り、「蒸気の保存を考える(その1・その2)」が、もう少し計画に具体性と、あとC12の状態がどうなのか、といったレポートがあれば及第点だが、少々辛口のコメントを寄せると共に、ただ飾るだけでは飽きられるのは当然、それをどう活用するのか、身の丈に合った計画が必要になってくる、と蒸気機関車の保存のあり方にも言及しています。

 確かに、ただ場所を塞ぐだけの静態保存で終わらせるよりも(尤も「静態保存蒸気機関車」で紹介されている静態保存SLのようにきちんと整備されて状態の良好なものもありますが…)、最近私自身も知るところとなった、傷んだボイラーに優しいとされる”圧縮空気で動かす”技術を普及させてでも、動態保存としたほうが(動かす距離が例え極めて短距離であっても)、動力車の一種である蒸気機関車を実感として植え付けさせる観点からも、或いは町興しの可能性を探る上からも、有意義であるように思っています《勿論その際には懐具合を意識することも忘れてはなりませんが》。

 

 

◎ 若桜鉄道を取り巻く厳しい現実…

 去る10月21日の開業20年祭では圧縮空気で動く蒸気機関車「C12 167」で話題を集めていたことはこれまで紹介してきた新聞記事たちを交えながらお伝えしてきている通りでありますが、背景には、沿線人口の減少等により若桜鉄道自体の存続が危ぶまれているという事情があるといわれています。

 若桜鉄道を初めとする、日本全国に点在している第3セクター鉄道の殆どが、沿線人口の減少等により、赤字で苦しんでいると言われており〔「国鉄継承の三セク鉄道28社、半数が開業以来赤字」によると、国鉄(JR)ローカル線から転換された3セク鉄道路線の半数が開業以来ずっと赤字だそうです〕、中には廃止されてしまった第3セクター鉄道路線もあります(北海道ちほく高原鉄道、神岡鉄道等)。

 若桜鉄道でも、ご多分に漏れず、開業(第3セクター鉄道への転換)以来ずっと赤字に苦しんでおり(→「県民の声-日付別(051215-051221)」)、同鉄道のために設置された若桜町若桜鉄道運営助成基金もあと2年で底をつく見通しといわれています。

 このため、若桜鉄道の存廃問題が度々地元自治体の議会で議題として取り上げられる等の動きが見られますが・・・・・・

 

● 全国紙による報道では・・・

 まず全国紙の一つ、読売新聞の地域版に掲載されているの以下の記事では、バス転換としたほうが望ましいとの大学教授らのグループからの助言を受ける始末・・・

 

存廃2町で温度差   慢性赤字の若桜鉄道
《読売新聞Web版(YOMIURI ONLINE)・2007年6月頃掲載記事(掲載日付未記載)》
 慢性的な赤字が続く第3セクターの若桜鉄道(若桜町―八頭町、19・2キロ)と、鳥取市―若桜町間を走る幹線バスについて、「若桜谷の公共交通を考える協議会」(会長=喜多秀行・神戸大工学部教授)から「鉄道を廃止し、バスを存続させるのが最も実現性が高い」などとする提言を受けた若桜、八頭両町。だが、「採算を考えると鉄道廃止」「鉄道がないと過疎に拍車がかかる」と住民間に賛否両論があるほか、両町間にも微妙な温度差がうかがえる。大型連休が終わり、存廃をめぐる動きを追った。(鳥取支局 斎藤 剛)
 
 若桜鉄道は若桜町や八頭町などが出資して1987年から、国鉄民営化で切り捨てられた若桜線を運営。乗客が少なく当初から赤字で、両町や県などが積み立てた6億円の基金から補てんしているが、2009年度には底をつく見通しで、両町や鉄道、バス会社などが06年6月、協議会を設けてあり方を検討した。
 協議会が「実現性が高い」と指摘した鉄道廃止。しかし、民営化の際、地元の強い要望で鉄道を残した経緯もあって、八頭町の男性(73)は「絶対に残してほしい。鉄道がないと過疎が進む。採算面だけの問題ではない」と存続を強調。同町の女性商店主(64)も「多少の負担増はやむをえない。バスは遅れることもあるが、列車は安心できる」と話す。
 これに対して、若桜町の男性会社員(57)は「買い物に行くにしても郊外に大きな店があり、車の方が便利。なくなれば寂しいが、困りはしない」ときっぱり。同町内の農業男性(62)も「車があるのでここ10年、列車に乗ったことがない。経営努力をしても町民が乗らなかったら、赤字になるのは当たり前」と割り切る。
 
 一方、提言を受け、両町は14日、町長や町議会議長、担当課長が話し合う「若桜鉄道を考える会」を開く。それぞれ6月号の広報紙に提言書の概要冊子を挟み込むほか、八頭町は、町民説明会を開くことも検討している。
 しかし、存廃については微妙に意見が違う。
 若桜鉄道の終点「若桜駅」が町中心部にある若桜町では06年12月、町議会が鉄道の存続を決議しており、存続の方向で八頭町と協議する方針。同鉄道の社長を兼ねる小林昌司町長は「沿線住民には存続の声が強い。議会の決議もあり、存続の方向で前向きに考えたい」と話す。
 一方、八頭町では、町議会が議長を除く19人をメンバーに「公共交通調査特別委」を設置。5月10日に初会合を開き、今年中に結論を出すことを決めた。山本弘敏委員長は「将来の財政負担を考えると『鉄道は、ないよりある方がまし』の考えはこれからは通用しない」と、廃止も視野に入れて臨む考えを示す。町も「存続させるにしても、今のままでは無理。具体的な増収策やコスト削減のほか、住民の協力が得られるかがポイントになる」とする。
 
 高い負担を覚悟して鉄道を残すのか、鉄道を廃止してバス一本にするのか――。10月で設立20周年を迎える小さな鉄道は、大きな分岐点に差し掛かろうとしている。

 

 今更言葉にするまでのことではありませんが、地方に多く見られるであろうクルマ派からの風当たりはここ若桜町に於いても厳しいようです。

 地元自治体としても、ただノスタルジーに耽るのではなく、存続のために将来予想される財政負担をも視野に入れて議論する必要があり、その過程で、具体的な利用促進策や余分なコストの削減について話し合われるべきところでしょうネ。

 

● 地方紙による報道では・・・

 現在ネット上にて公開されている若桜鉄道絡みの記事のうち、掲載日付で最も古いと思われるのが広島の地元紙・中国新聞が可部線非電化区間の廃止を前にして組んだ特集記事シリーズ『三セク鉄道の模索~可部線存続を考える』の中の4本目記事として掲載された以下の記事・・・

 

三セク鉄道の模索 ~4.若桜鉄道(鳥取県)
《中国新聞Web版・2002.8.16付け掲載記事》
■バス感覚目指し駅新設  高校生の利用増加
 鳥取県八東町徳丸の農業竹内孝子さん(76)はこの春、数十年ぶりに鉄道を利用した。自宅から歩いて三分の位置に、若桜鉄道若桜線の新駅「徳丸駅」ができたからだ。「足が悪いけえ、ほんとに助かる」。鳥取市内への病院通いに欠かせない交通手段になった。
 二つ目となる新駅は、今年三月二十三日にオープン。水田や果樹園が広がる平地に、鉄パイプに板張りの簡素な駅舎がたたずむ。町が約二千万円かけて整備した。
 新駅ができる前の駅間は三キロ余り。町が見込む新駅の乗降客は一日平均五十三人と、大幅な利用増は望めないが、八東町の杉原征史郎助役は「五百メートル間隔で並ぶバス停と同じように駅を配置すれば、地道でも、住民の利用促進につながる」。
 
▽通過客は見込めず
 若桜線は郡家町と若桜町を結ぶ一九・二キロ。JR可部線と同じく、通過客を見込めない「行き止まり路線」。旧国鉄が採算の取れない路線として切り捨てた。三セクで引き継いだ後も、並行する国道と県道の整備が進み、バスや車がライバル。通勤定期客は一九八八年度の約十三万人から昨年度は三万六千人に落ち込んだ。
 氷ノ山などの観光も、駅から離れた地理的条件も重なり、車利用がほとんど。「行き止まり路線で生き抜くには、通院、通学など純生活路線を目指すしかない」と若桜鉄道の隅川浩行専務。「バス感覚の鉄道」は、生き残りへのキーワードだ。
 九六年には「八頭高校前駅」を新設。郡家駅から二十分かけて歩いていた高校生の利用が増えた。五十五万人前後だった年間の乗車人員は上向きに転じ、昨年度は六十六万人まで持ち直した。「塾通いに利用する生徒も多い。八頭高生にとって鉄道はなくてはならない存在」と生徒会長の三年丹松ちえみさん(18)。
 ただ、生徒の利用は郡家駅からの一区間(一キロ、六十円)が大半で、収入増には結び付かない。毎年三千万円前後の赤字を出し、運営は苦しくなるばかりだ。
 
▽赤字重ね値上げも
 当初は、国からの転換交付金を含めた基金(計六億円)の金利で、毎年の赤字を補える計算だった。しかし、低金利時代で基金の取り崩しが続き、転換交付金は九八年度で食いつぶした。
 開業以来、消費税導入と、税率引き上げに伴う二度の運賃値上げにとどめていた若桜鉄道は、中国運輸局に運賃の上限額引き上げを申請している。申請通り認可されれば、十~二十円の値上げになるが、赤字解消にはほど遠い。隅川専務は「他の三セク鉄道より安い運賃を維持してきたが、今後の値上げは不透明」。沿線自治体は新たな出資も検討している。
 沿線四町の人口は今年四月現在二万五千七百七十二人。開業当初から三千人近く減った。それでも、若桜鉄道社長の宮本義雄若桜町長は断言する。「バス経営も厳しく、規制緩和で便数の削減や撤退も予想される。お年寄りや学生の交通手段として将来的にも鉄道は不可欠だ」
 
≪メモ≫
 山陰本線のバイパスルートの一部として30年に開通。若桜以降は着工に至らず、81年、国鉄再建特別措置法による廃止対象の第1次特定地方交通線に指定。沿線住民の運動で87年10月、県、鳥取市と沿線四町が出資する若桜鉄道が営業を引き継いだ。通学客が6割を占める。

 

 5年前(2002年)に掲載された記事になるのですが、この当時、駅間距離の比較的長い区間に新駅をつくり、沿線地元民に対する利便性を高めることで利用促進につなげようと取り組んでいたようですが、その一方で、沿線観光地へのアクセスがよくなかった(駅から離れている)ことに加え、並行道路整備の進展、そして沿線人口の減少等もあって、4年前(1998年)に第3セクターに転換する際に受けた転換交付金を食い潰してしまう等、厳しい経営を強いられており、運賃値上げを申請せざるを得ない状況にまで陥ってしまったということのようですね。

 

 なお運賃値上げについては、この後、以下に紹介する日本海新聞(鳥取の地元紙)掲載記事2本にもありますように、2度行われることになります。

 

若桜鉄道、運賃値上げ 経営悪化で4月から6.9%
《日本海新聞Web版・2006年1月26日付け掲載記事》
 若桜鉄道(宮本義雄代表取締役社長)は二十五日、四月一日から平均6・9%値上げとなる運賃改定を行うことを発表した。利用者の減少に加え、燃料代の高騰などで経営が悪化していることなどが理由。改定で郡家駅-若桜駅間が三十円高くなり、四百二十円になる。
 
 運賃の値上げは、同社が一九八七年に第三セクターとして発足して以来、四度目。値上げ幅は、前回の値上げ(二〇〇二年十月)で中国運輸局から認められた上限額と、利用者に理解を得られる範囲を勘案して決定した。
 値上げ額は、最高で三十円。学生の負担増を避けるために郡家駅-八頭高校前駅間は六十円のまま据え置く。JR因美線を経由するJR鳥取駅から若桜駅までの運賃は六百五十円となる。
 同社は、利用者が一九九九年度から〇四年度までに約十万人減るなど、厳しい経営が続いており、〇四年度は約三千八百万円の赤字。経費節減など経営改善に努めているが、燃料代の高騰などで経費が増大し、事業者努力も限界となっている。
 さらに赤字を補てんしている運営助成基金残高が〇五年度末で約一億九千五百万円の見通し。〇八年度には底を突く可能性があり、現状では今後の運営維持が困難になることが予想されている。

↓ ↓ ↓

「日本一安い運賃」値上げ 60円から100円に
《日本海新聞Web版・2007年1月25日付け掲載記事》
 鳥取県の第三セクター・若桜鉄道(一九・二キロ)は、経営改善を目的に四月一日から郡家-八頭高校前(〇・九キロ)間の運賃を六十円から百円に値上げし、全区間の定期券割引率を引き下げる。これらの変更で年間約千二百八十万円の収益改善が見込まれる。同区間は日本一安い区間運賃として知られていたが、その座を初乗り運賃八十円の北大阪急行(大阪府豊中市)に明け渡す。
 
 八頭高校前駅は一九九六年十月に開業。同駅-郡家間の運賃は百円だったが、生徒の利用が伸び悩んだため翌年四月に六十円に値下げした。これまで二度の運賃値上げがあったが生徒の家庭に配慮して同区間のみ運賃を据え置いていた。現在、同高校の生徒のうち、約二百人が定期券で同区間を利用している。
 同鉄道では、定期券の割引率も見直し、通学定期を50%から40%に、通勤定期を40%から35%にそれぞれ引き下げた。
 同鉄道の二〇〇五年の赤字額は約五千四百万円。近年、列車燃料の軽油が大幅に値上がりし、〇四年の赤字額約三千八百万円から大幅に悪化した。同鉄道では、運賃値上げで〇七年の赤字額は四千万円程度に改善するとみている。
 利用客の約75%が高校生の通学利用という同鉄道にとって、同区間と通学定期の料金は“聖域”。利用客の減少なども懸念されるが、同鉄道では「沿線住民や高校、教育委員会に説明し、厳しい経営環境に理解を求めたい」と話している。

 

 にもかかわらず、財務状況に改善の兆しは見られないそうで・・・

 

若桜鉄道、経営依然厳しく 3月決算赤字4900万
《日本海新聞Web版・2007年6月29日付け掲載記事》
 存廃論議が再燃している第三セクターの若桜鉄道(社長・小林昌司若桜町長)は二十八日、鳥取県若桜町内で株主総会と取締役会を開いた。二〇〇七年三月期決算は四千九百二十三万円の赤字で、赤字分は基金から拠出するが、依然として厳しい状況にあることが明らかになった。
 
 報告によると、旅客収入などによる営業収益は九千二十六万円、人件費や修繕費などの営業費用は一億四千一万円で、営業損失額は四千九百七十四万円となった。赤字分を基金から拠出する結果、基金残高は七千八百九十四万円となる。
 旅客収入は七千七百三十一万円で前期の95%にとどまった。また、一日平均の乗客数は千四百三十三人(前年千五百二十五人)で、計画に対し92%となり、年度当初の四月に行った運賃値上げよる影響で乗客離れが進んだとみられる。
 また、取締役の辞任に伴う新しい取締役に、坂本洋二氏(鳥取銀行常務執行役員)を選任した。

 

 値上げによる乗客離れが進み、余計に収支が悪化してしまったようですネ《丁度かつての国鉄が値上げを繰り返した挙げ句に”国鉄離れ”が進んでしまったのと同じように…》

 鳥取県では慢性的な経営不振に陥っている若桜鉄道を既に見限っていた模様で・・・

 

若桜鉄道赤字補てんせず 知事打ち切り明言
《日本海新聞Web版・2006年6月7日付け掲載記事》
 鳥取県の片山善博知事は六日の会見で、赤字が続く第三セクターの若桜鉄道(若桜駅-JR郡家駅)について「県が赤字補てんすることは考えられない」と述べ、追加支援しない姿勢を明確にした。同鉄道は開業以来赤字決算が続き、赤字を埋めていた基金が二〇〇九年度に底を突く見通し。存続のためには自治体の追加支援が不可欠なだけに、知事の発言は存廃問題に大きな影響を与えそうだ。
 
 片山知事は「県で赤字補てんする考えはない。住民の足をどうやって確保するのかが重要で、鉄道もバスも一つの手段。どういう手段で確実に足が確保され、低コストであるかだ」と述べ、若桜鉄道の存続にはこだわらない考えを示した。
 若桜鉄道は、一九八七年に国鉄民営化で廃止対象路線となった若桜線を引き継ぎ開業。しかし、開業から赤字が続き、二〇〇五年度は約五千二百万円の赤字を計上している。
 赤字はこれまで、開業時に地元の自治体などが出資した基金(六億円)から補てんしてきた。しかし、このまま赤字が続くと基金も〇九年度にはすべて取り崩し、若桜鉄道の運営は困難になる。
 そこで若桜町など沿線自治体は五日、県などを含む「若桜谷の公共交通を考える協議会」を設置。若桜鉄道の存廃を含め地域の交通体系の在り方を検討し、来年一月にも報告書をまとめる方針だ。
 若桜鉄道社長の小林昌司若桜町長は「知事の考えは以前からうかがっている。ただ、私たちにとって若桜鉄道はなくてはならない存在で、どうしたら長く存続できるかという視点で議論していく。考えがまとまれば、その時点で県にも協力を求めていきたい」と話した。

 

 鳥取県知事による「足の確保であれば若桜鉄道の存続には拘らない」との声明・・・・・・苦境に立たされた若桜町等では若桜鉄道の走る地域の交通体系のあり方について議論していくとのことですが、道路の整備、沿線人口の減少が進む中で、妙案といえるものは出てくるものなのか、そして地元民はどういう思いで見守ってきたのか・・・

 この鳥取県知事の声明から既に1年以上経っているわけですが、それにしても難しいところですネ。

 

 で、これまで紹介してきた運賃値上げや鳥取県の対応等を伝えてきている鳥取県の地元ローカル紙・日本海新聞でも、昨年7月初旬、若桜鉄道の存廃問題について考察する特集記事を4本シリーズで組んでいますが、この中では、若桜鉄道の現状のみならず、他の地方ローカル鉄道の実情や存続に向けての取り組み等も例示しながら、若桜鉄道を初めとする地方ローカル鉄道が生き残るために必要なものは何かを問う形となっています《ちょうど、この項の最初のところで触れました、広島の地方紙・中国新聞が組んだ特集記事シリーズ『三セク鉄道の模索~可部線存続を考える』と同じ感じですネ(こちらもやはり全国のローカル鉄道の実例を拾い集めているようです)》。

 

25年後の岐路 若桜鉄道存廃問題再燃(1)
《日本海新聞Web版・2006/07/02付け掲載記事》
25年後の岐路 若桜鉄道存廃問題再燃
 国鉄再建法で廃止路線に指定された鳥取県南東部のJR若桜線(廃止当時)が、沿線自治体などの出資による第三セクター「若桜鉄道」(JR郡家駅-若桜駅、一九・二キロ)に生まれ変わって十九年。三セク転換時に創設した基金は二〇〇九年にも尽きる見通しで、老朽化による車両更新も迫り、存廃問題が再燃している。沿線人口の減少と車社会の進展-。若桜線の存廃で最初に揺れた一九八〇年代と同じ状況だが、存続に向けた地元の盛り上がりだけがない。県の路線バス補助金見直し政策もあり、ここ数年での若桜谷の交通機関再編は避けられない。最初の存廃問題浮上から二十五年、結論を出すのはいつの時代も利用者だ。
 
(1)盛り上がらない沿線
公共交通機関、全廃も
 国鉄若桜線(当時)が廃止路線に指定された一九八一年、若桜町では住民主体で定期券や回数券を購入して利用率を上げる「マイレール運動」が始まった。八三年には輸送密度が廃止基準の一キロ当たり二千人を超え、存廃問題協議会の開催は約三年間凍結された。  その成果もあり、国鉄(JR)での存続は果たせなかったものの、住民は最低目標だった鉄道存続を勝ち取った。当時、若桜町議として存続運動に参加した同町若桜、自営業、菊川清さん(78)は「あの時は乗らない人でも定期券を買っていた。それだけ鉄道がなくなることへの危機感が強かった」と振り返る。  しかし、若桜鉄道開業後は熱気も冷めて利用率は年々低下。二〇〇五年度の輸送密度は同六百六十七人と、国鉄再建法の廃止基準の約三分の一にすぎない。
 
絶った最後の綱
 若桜町と旧八東町(現八頭町)が三セク転換時に地元住民有志が拠出した出資金を返還したことも存続熱に影を落とした。若桜町は〇三年、町民から集めた出資金約千六百件、約二千四百十万円の返還を開始。続いて八東町も約千三百六十件、約二千四百八十四万円の返還を決めた。  もともと、出資金の返還は鉄道廃止時が前提だった。ある若桜町幹部は「返還は前町長が独断で決めた。住民向けのパフォーマンスに使われたが、あれさえなければ存続機運は高まっていた」と憤る。菊川さんも「出資金は若桜鉄道と住民を結ぶ最後の綱だった」と町の対応に疑問を呈する。  出資金は両町の90%近い世帯が出資した計算だ。同時期に寄付を募った旧船岡町でも千二百五十件、約六百七十万円集まったといい、当時の住民の熱意がうかがえる。
 
共倒れの懸念
 JR鳥取駅前と若桜町中心部を結ぶ路線バスの〇五年の利用者数は一便当たりわずか四・六人(若桜谷の公共交通を考える協議会まとめ)。現在は国などの補助対象基準をクリアしているが、利用者の減少が進むと国や県の補助対象から外れるため、こちらも廃止案が浮上しかねない。“共倒れ”で若桜谷の公共交通機関が全廃する可能性も懸念されている。
 
 住民の多くは異口同音に「若桜鉄道には乗ったこともないしマイカーがある。バスが残るから大丈夫」と口にする。しかし、バス転換ですべてが解決するのか。実際に廃止された場合どのような事態が起こるのか。その答えを探しに、住民の力で運行再開や存続が決まった第三セクター、えちぜん鉄道(本社・福井市)と万葉線(本社・富山県高岡市)沿線を訪ねた。

↓ ↓ ↓

25年後の岐路 若桜鉄道存廃問題再燃(2)
《日本海新聞Web版・2006/07/03付け掲載記事》
《前置き省略》
(2)沿線どうするの意識
運行停止、価値気付く
 福井駅(福井市)と勝山駅(福井県勝山市)の間二七・八キロを結ぶ京福電鉄越前本線(当時、現えちぜん鉄道勝山永平寺線)の沿線住民の生活が一変したのは二〇〇一年六月。半年で二度目の正面衝突事故が発生し、全線が運行停止に。翌日から二年五カ月にわたる代行バス輸送が始まった。
 
マイレール結束
 代行バスが走る国道416号の渋滞がひどくなり、鉄道なら一時間弱の勝山駅と福井市中心部の間が、ラッシュ時にはバスで二時間以上かかるようになった。輸送力も低く、満員のバスに乗れずに後続のバスまで待たされる状態も多発した。  沿線の高校では代行バス通学の生徒の遅刻が常態化、高校は定期テストの時間を繰り下げるなど対応を迫られた。福井県の交通政策担当者は「沿線の女性から『バスは時間がかかりすぎるので、子どもは福井市にある県内一の進学校をあきらめて地元の高校を選んだ』という話を聞いた」と当時を振り返る。  勝山市電車利用促進会議の滝川裕司会長は「それまでは鉄道がないよりもあった方がいいという程度で存続運動は盛り上がらなかった」と振り返る。そんな中、運行再開にかかる多額の費用を負担できないとして京福電鉄は〇一年十月、国土交通省に鉄道事業の廃止を届け出た。  鉄道を使わない沿線住民も、生活に不便をきたすようになると鉄道が持つ「社会的便益」を見直し、存続に向けた動きが活発になった。住民主体の協議会による存続運動が行政や地元企業を動かし、〇二年九月には第三セクター「えちぜん鉄道」の設立にこぎつけた。  〇三年十月の全線運転再開後も、住民は利用促進イベントを積極的に展開。会社と住民が一体となった“二十一世紀型”マイレール運動が続いている。滝川会長は「結果的に運行中止の二年半は無駄ではなかった。なくなってみて鉄道の価値を住民は初めて理解した」と話す。
 
地域全体の利益
 富山県では、鉄道が社会全体にもたらす利益と鉄道運行にかかる損失を総合的に判断する「社会的便益」の概念で鉄道の存廃を判断し、鉄道を街づくりに生かす取り組みが各地で行われている。JR高岡駅前駅(高岡市)と越ノ潟駅(射水市)の一二・八キロを結ぶ三セク「万葉線」はその一つだ。
 「鉄道は図書館などと同じ公共施設。利用が多ければ赤字でも存続価値がある」。存続運動の中心となった住民グループ「RACDA高岡」の島正範会長は鉄道の公共性を力説する。
 同団体は、廃止を表明した私鉄の加越能鉄道から万葉線の路線を引き継ぎ、三セクでの運行継続を目指して署名活動や乗車運動を展開。存続反対派の住民にも地元負担などのリスクを説明しながら鉄道存続がもたらすメリットを訴え続けた。
 会員は社会的便益や鉄道利用者を増やす手法を徹底的に研究。行政などと粘り強い交渉を進め、三セクでの運行存続にこぎつけた。
 島会長は存廃運動の本質を「鉄道を残すか残さないかではなく、沿線をどうしたいかだ」と考える。その言葉を裏付けるように、沿線では路面電車とバスの乗り換えが同じホームで可能な「ライドアンドライド」の実施など、交通弱者に利用しやすい公共交通網の整備が進められている。

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25年後の岐路 若桜鉄道存廃問題再燃(3)
《日本海新聞Web版・2006/07/04付け掲載記事》
《前置き省略》
(3)廃線近づく神岡鉄道
代替、撤去、負担ズシリ
 鉄道の廃止が届け出制になった今日、若桜鉄道を廃止にするのは手続き上簡単だ。問題となるのは代替交通手段の利便性確保。並走する国道29号には路線バスが走り、鉄道利用客をすべてバスに代替しても数字上は支障がないように見える。しかし、廃止した場合には鉄道ダイヤを踏襲したバスダイヤ作成などでの利便性維持や、道路渋滞防止対策など社会的便益の確保、線路や駅舎の撤去や資産整理の負担が地元に重くのしかかる。廃止まで半年を切った今でも課題が山積する第三セクター「神岡鉄道」(本社・岐阜県飛騨市)の現状をリポートする。
 
ダイヤ踏襲困難
 神岡鉄道の〇四年の利用者数は一日平均約五十人。全区間通し運転が七往復(十四本)で、利用客は一本あたり三人余りだ。鉄道廃止後の沿線の代替の公共交通は、並走する国道41号を走る路線バス(五往復)と飛騨市営の巡回バス(三往復)。巡回バスは鉄道廃止対策として、ことし十月から延長運転する。
 沿線の生活圏は富山市。飛騨市から富山市内の高校に越境通学する高校生もいる。路線バスの増便がないため、巡回バスの延長を含めても〇四年に比べ実質四往復の減便となる。路線バスがない通学時間帯は巡回バスの延長で対応するが、それ以外の時間帯の鉄道ダイヤの踏襲は困難という。
 飛騨市企画経営部の桝田実参事は「巡回バスを一台増やすと二千万円近く赤字が増える。『数人のための』数千万円の出費は沿線外の住民感情にそぐわない。利用者には我慢していただくほかない」と沈痛な面持ちだ。
 もともと巡回バスは〇四年の町村合併で飛騨市が誕生した際に生活圏が異なる旧町村の融和を目的に運行開始したもの。市内を一周するため、一回の運行に約三時間半かかり、車両も少なく増便は不可能という。
 
費用分担で攻防
 廃止を半年後に控えた今も、撤去費用分担や跡地利用の方法は全く決まっておらず、出資団体同士の話し合いも進まない。全線単線で幅が三メートル程度しかなく、宅地造成などの有効利用は困難で、車両や駅舎の売却も具体的な話には至っていない。
 鉄道の廃止後、最優先されるのが河川にかかる橋の撤去。神岡鉄道でも廃止後は早期に撤去するよう、岐阜県から指導を受けている。しかし、十五億円を超えるとされる撤去費用は基金の残額だけでは到底賄えない。飛騨市など自治体側は、同鉄道が存続した背景から、最大株主(51%出資)の三井金属鉱業に全額負担を求める考えだが、同社側は出資割合に基づいた負担を主張する方針という。億単位の負担回避を目指した出資者間のせめぎ合いは避けられない情勢だ。
 
 若桜鉄道存廃問題で、沿線自治体や有識者などによる「若桜谷の公共交通を考える協議会」(会長・喜多秀行鳥取大学教授)がことし六月に設立されたのは、「鉄道廃止後の撤去費用一・五億円を基金で賄える間に鉄道存廃の結論を」という考え方が根底にある。しかし、協議会などが想定しているのはあくまで橋部分の撤去のみ。線路や駅舎の撤去費用分担をめぐり、沿線両町と県、鳥取市など株主の間で紛糾する可能性は否定できない。
 
◆ミニクリップ 神岡鉄道◆
 JR猪谷駅(富山市)と奥飛騨温泉口(岐阜県飛騨市)を結ぶ19.9キロ。国鉄再建法で特定地方交通線に指定された旧国鉄神岡線を、三井金属鉱業や沿線自治体が出資する第三セクターとして存続した。沿線の神岡鉱山からの貨物輸送の需要があったことが存続した理由だが、売り上げの8割近くを占める貨物輸送が04年11月を最後に終了して赤字が拡大。路線存続には年間6000万円以上の基金取り崩しが必要なことから、ことし11月30日を最後に廃止することが決まった。

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25年後の岐路 若桜鉄道存廃問題再燃(4)
《日本海新聞Web版・2006/07/05付け掲載記事》
《前置き省略》
(4)若桜鉄道沿線への提言
住民が動かなければ・・
・  三回にわたり、鉄道の存廃問題に向き合う地域の声を拾ってきた。鉄道の存廃に携わった人々が体験談などを元に語った若桜鉄道や沿線住民に対する提言を紹介する。
 
合併で連帯欠く
 「市町村合併で新市の住民と危機感を共有できなかった」
 岐阜県飛騨市企画経営部の桝田実参事は、今秋の廃止が決まっている第三セクター・神岡鉄道の存廃問題で住民の盛り上がりが欠けた原因を分析する。同市は旧神岡町など四町村が合併して二〇〇四年に誕生したが、旧町村のうち同鉄道沿線は旧神岡町だけで生活圏も異なる。
 若桜鉄道問題でも、八頭町内で旧八東、旧船岡町地域と比べ、沿線住民が少ない旧郡家町地域では関心が低いとされる。同鉄道の車両で若桜駅とJR鳥取駅を直通する列車は一日六往復。廃止された場合、JR西日本は因美線の鳥取-郡家間の普通列車本数維持が、車両確保の点から難しいことを一部の沿線自治体幹部に非公式に伝えているという。
 因美線沿線には八頭高校などがあるほか、沿線から鳥取市内の高校に通う生徒もいるため、周辺市町にとっても存廃問題は他人事とは言えない。
 桝田参事自身も旧神岡町出身。一九八〇年代の存続運動の熱気を覚えているだけに、「沿線と直接関係ない住民も、同じ市町村の中で一体感を持てなければ行政や議会も動かない」と自戒を込めて語った。
 
消えてゆく地名
 「鉄道が消えるということは、無料で街の名前を毎月宣伝してくれている時刻表から名前が消えること。略図からも名前が消えて旅行客も減っていく」
 三セク・万葉線(富山県高岡市)の存続運動に携わった住民グループ「RACDA高岡」の島正範会長は、独自の視点で警鐘を鳴らす。鉄道の廃止でここ数年、輪島塗で知られる石川県輪島市などの観光地名が時刻表や旅行地図の略図から相次いで姿を消した。鉄道で訪れる観光客は少なかったが、いずれも廃止後に減少したという。
 島会長は「時刻表の地図で『若桜』という地名をたまたま見つけた人が、氷ノ山など近くの観光地に興味を持って『今度行ってみようか』という気分になることも少なくない。地図から消えるとその機会も失われる」と解説。観光分野に鉄道がもたらす便益の計算を提案する。
 
役立たない議員
 「道路は票になるけれど鉄道は票にならない」
 三セク・えちぜん鉄道(福井市)の開業に尽力した勝山市電車利用促進会議の滝川裕司会長は、住民主導の必要性をこう表現する。鉄道存続運動中、福井県議会の傍聴に足しげく通った。「沿線外の地域にまで負担を強いるな」と反発する沿線外選出議員や、赤字のリスクを嫌い消極的な姿勢に終始する沿線選出の議員の姿を目の当たりにして、住民が声を上げる大切さを知ったという。
 運行再開後も地道な利用促進活動を続ける滝川会長らを中心とする沿線住民の姿に、同鉄道の見奈美徹社長は「鉄道会社だけで出来ることは限られている。一度はみんなが見放した沿線環境。住民が動かないことには鉄道は存続できない」と頼もしさを感じている。
 
 存続運動にかかわった人たちは「鉄道がないよりあった方がいいという程度の意識なら存続運動をすべきではない」とくぎを刺す。二十一世紀の存続問題は住民の熱意を大前提に、「こんな街にしたい」という青写真がなければ成功しない。若桜鉄道が必要だと思う人が多ければ、存続に向けた動きと計画は自然に始まるはずだ。

 

 まあ、住民たち自身が鉄道が無くなることによって本当に不便と感じるようにならない限り、存続させたい気持ちは起きない、といった感じですネ。

 自治体の議会議員たち(国会議員も!?)の「票のためには鉄道より道路」という思考回路もガンとなっているみたいで・・・

 その上、若桜鉄道の場合、まだ国鉄(JR)若桜線だった頃に鉄道存続のため住民がお金を出し合ったりしていたものの、第3セクターへの転換の際にせっかく出し合い集まっていた出資金を住民に返してしまったのだそうで、そこでケチがついてしまった格好になっているのだとか。

 

 実際、2年前の時点で既に沿線地元民の間では若桜鉄道に対して冷めた見方をしていたようで・・・

 

住民の3割「なくても困らない」 若桜鉄道
《日本海新聞Web版・2005年4月12日付け掲載記事》
 赤字経営が続く第三セクター・若桜鉄道に対する沿線住民アンケートの結果が十一日まとまった。同鉄道の必要性では「頻繁に利用していないがなくなったら困る」という回答が最も多く約四割を占めたものの、「必要と感じない」とする人も三割近くあり、存続・廃止を巡る真剣な議論が迫られる結果となった。
 
 アンケートは若桜鉄道利用促進実行委員会(会長・宮本義雄若桜町長)が昨年十二月、若桜町と八頭町の二千七百人を対象に同鉄道の利用状況や運営を調べた。千四十一人が答えた。
 「若桜鉄道を利用しているか」との問いに対して「利用している」が51・3%、「利用していない」が48・6%。また、若桜鉄道の必要性については「頻繁に利用していないがなくなったら困る」「いつも利用しているので必要」を合わせると49・3%と約半数だった。しかし「必要と感じていない」「なくなっても困らない」が合わせて35%にも上った。
 運営のための基金がなくなった場合、自治体負担による存続を望む人は約四割で、鉄道を廃止して代替バスの整備などを望む廃止容認派は28・1%だった。また、自治体の補助がなくなった場合、鉄道かバスのどちらを存続させるかでは、鉄道が33・4%、バスが42・7%と、わずかながらバスが上回った。
 若桜鉄道は旧国鉄の路線を転換し、県や沿線市町が出資し一九八七年に開業した第三セクター鉄道。過疎化・少子高齢化や自家用車の普及などによって、乗車人員は開業時に比べて約20%の減。二〇〇三年度は約四千百万円の赤字を出すなど、赤字経営が続いている。
 赤字補てんや設備更新に備えて積み立てた運営助成基金は当初六億円だったが、赤字幅の拡大で取り崩され、〇三年度末の残高は約三億円に減っている。また、車両更新の時期も迫っており、存廃の論議を迫られている。
 同委員会は今後、同鉄道、沿線自治体、住民による協議会の設置や意見交換会を検討しており、「どこまでの住民負担なら耐えられるのか、一年後をめどに議論していきたい」としている。

 

 そして、この記事が掲載されてから約1年後、存続に向けての協議会設置へと具体的に動き出すことになります。

 

どうする若桜谷の公共交通 協議会設立へ
《日本海新聞Web版・2006年3月5日付け掲載記事》
 鳥取県東部の国道29号沿線の公共交通手段のあり方を探る「若桜谷の公共交通を考える協議会」の設立に向けた動きが、沿線自治体、事業者らで活発になっている。赤字経営の続くバス、鉄道路線について、住民が使いやすい仕組みにするにはどうすればよいかを、沿線自治体、業者、住民が一体となって協議をする。四月ごろの設立を目指している。
 
 きっかけは「若桜鉄道利用促進実行委員会」が二〇〇四年十二月に実施した若桜鉄道に対する住民アンケート。〇五年四月にまとまった結果では、同鉄道の必要性を「なくなったら困る」と答えた人が約四割。その一方、「必要と感じない」とする人が三割近くあったため、存廃を含めて同鉄道維持に対する早急な議論が必要となった。
 地域でこの結果をもとに、バス、鉄道と分けることなく、地域全体の公共交通について話し合いの場を持つことを検討。若桜町が事務局になった昨年十一月から各方面との調整を続けている。
 委員会は、八頭、若桜町、鳥取市、鳥取県などの自治体と、若桜鉄道、JR、日本交通の交通事業者に加え、国土交通省、沿線住民で構成する。鉄道、バスの置かれた地域の現状を共通認識した上で、長期的な視野に立ち、住民が満足し、合理的な輸送、運営の在り方を協議。一年をめどに提言をまとめる考え。
 県の広域路線バスの補助金見直し案が二月に打ち出されたばかりでもあり、調整を行っている同町総務課の中島重男公共交通対策室長は「出発点は若桜鉄道だが、鉄道もバスも関連づけ、十-二十年先を見越した提言をまとめたい。意見を聞くというだけではなく、今後の施策展開の基礎となるような、実効性を伴ったものにしていかなければならないと考えている」と話している。

 

 この発足した協議会が改めて住民に対して若桜鉄道に対する意識調査を実施したみたいで、その結果を伝えているのが次の記事・・・

 

若桜鉄道「必要」意見増加も利用伸びず
《日本海新聞Web版・2007年2月15日付け掲載記事》
 存廃問題で揺れる鳥取県の第三セクター・若桜鉄道(郡家-若桜、一九・二キロ)について、「若桜谷の公共交通を考える協議会」などが昨秋行った住民アンケートの結果が十四日、公表された。二〇〇四年に行った前回のアンケートで30%近かった存続に否定的な意見が16%に減少。廃止が現実的な選択肢として浮上したことによる危機感の高まりが数値に現れた。しかし、鉄道の必要性を認める意見の増加が必ずしも利用には結び付いていないのが現状だ。
 
 アンケートは昨年十一月、八頭、若桜両町の全世帯から無作為抽出した三千世帯に郵送。有効回答は37%の千百四通だった。
 存続のための公的支援の是非では、53%が「ある程度の公的支援はやむを得ない」と回答。「どんなに公的支援が多額でも残すべき」の10%を含む六割強が税金などの投入による存続を肯定し、「公的支援をしてまで残すことはない」の16%を大幅に上回った。
 また、住民らの寄付による新たな経営安定基金が始まった場合の協力について、55%が協力の意思を表明。前回調査より廃止容認から存続に住民の意識が変化していることがうかがえる。
 一方、利用状況については、回答者と家族のうち六割以上が若桜鉄道を現在利用していないと回答。自動車の優位性や学校卒業などによる目的地変更、運行本数の少なさなどが理由の大半を占めた。通学輸送に依存する同社の経営環境とクルマ社会が根付いた沿線環境を表している。
 アンケートの結果は、多くの住民が非常時の足として鉄道を位置づけていることをあらためて浮き彫りにした。自家用車での生活に慣れると一日十数本の列車に都合を合わせるのが窮屈になることは心理的には必然。だが、関係者、利用者ともその必然を乗り越えなければ、バスを含む公共交通の維持はおぼつかない。

 

 慢性的な赤字が続いて鳥取県にも見放された格好となっては住民の間にも危機意識が芽生えて来るというもののようですが、現実には、運行本数の少なさに加えて道路の整備が進んでいることもって、車のほうにシフトしていることが浮き彫りになっている格好となりました《まあ今に始まったことではないですけれどもね…》。

 こうした状況の中で開業(第3セクターへの転換)20周年を迎えた若桜鉄道が思いついたものの一つが若桜駅構内に残る転車台等の残留施設の活用と約60年前に当時の国鉄若桜線を走行していた蒸気機関車「C12 167」の”里帰り”(誘致)、そしてこれら両者のリンクによる「C12 167」の動態保存の取り組みだったわけですが、今後とも保存を続けるための維持・管理費の問題等が新たな課題として持ち上がってきているそうで、利用客の呼び込みと併せて、若桜鉄道の苦悩は当分続きそうですネ。

 

 

 以上、若桜鉄道を取り巻く状況について、関連の新聞記事(多っ!)を交えながら、見ていきましたが、実は、今回メインで紹介してきている蒸気機関車「C12 167」の動態保存以外にも、若桜鉄道では利用促進につなげていくための取り組みを行っている模様で、それについては次回の記事にて紹介していきたいと思います。

 そして、その次回記事の中で、解決策となりそうなものについてもお話ししていきたいと考えています。

 

 

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【関連記事(若桜鉄道と蒸気機関車)】
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(4)SL「C12 167」誘致以外の利用促進への取り組み
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コメント

はじめまして。
鉄オタな通運マンです。それにトラックバック、ありがとうございます。

クラシック音楽と鉄道ですか。そういえば、かの宮脇先生も…(先生はモーツァルトがお好きでしたっけ?)。

さっそくですが、若桜のC12について。

ずっと気にはしていました。詳細な情報が無く、いきなり、鉄道の日関連の情報で圧縮空気で運転とあり、「もう、整備したの?」ってウェブサイト確認しても移設完了の報告止まり。

これではどうにも…。というのが自分の感想です。

同じコトでは飽きられる。というわけではないのでしょうが、磐越西線のC57 180も10月の3週だけ門デフに変えての運転などやってますし。その周知徹底は資本のある会社云々じゃないと思うのですが。

どう思います?

また、よろしければ、遊びに来て下さい。

 鉄オタ通運マンさん、先日はTB失礼致しました。
 コメントをありがとうございます!

 仰る通り、宮脇俊三は大のモーツァルト好きであると共に、ウィキペディア解説「宮脇俊三」によれば、バッハ(J.S.バッハ)の作品も「神に近い」として好んでいたのだそうです。私自身も一時期宮脇作品を文庫本で読み耽っていたことがあります《尤も今では読むことは殆どなくなってしまいましたが(嫌いになったというのでは無いですけれどもね)…》。
 ちなみに私自身はベートーヴェンやブラームスあたりを好みますね《勿論、モーツァルトやバッハの作品にも一定の愛着を感じたりもしますが》。

 で、話は変わりますが、私自身も若桜鉄道にやって来た(というより里帰りした)C12がコンプレッサーで動くというニュースに初めて接したときには正直違和感を感じました。
 こんなの蒸気機関車なんかじゃない・・・・・・と。
 しかし記事を書く過程に於いてネット上で調べ回っているうちに、どうやらこの”コンプレッサーによる圧縮空気で動かす”というのが長期間静態保存されてきた蒸気機関車を動かす上で、ボイラー(カマ)に優しい動態保存上の技術としてある意味確立されているように感じるようになったわけで、まだまだ課題は多そうですが、技術向上・普及等によって1両でも多くの静態保存SLが動力車としてふさわしい形での保存(つまり”動態保存”)が出来るようになれば飽きられることは少なくなるのではないかなぁ、と勝手ながら思う次第です《ただ若桜鉄道の場合は財務問題も無視出来ない状況にあるため、そう簡単にはいかないようですが…》。

 あと、磐越西線を走る「C57 180」の除煙板(デフレクター)が時期により取り替えられるとの話、寡聞にして今まで知りませんでした(全然気がつかなかったです)。
 まあこれも飽きさせない工夫として有効かも知れませんし、また周知徹底については、それだけでなく機関車の保守・整備も含めて総合的に考えれば一定以上の資本が無ければ老朽化した蒸気機関車を満足に運行することは出来ないことは容易に理解出来るところですね。

 これは鉄道から全然離れてしまいますが、「TVタックル」に出演したある論者が、ゼネコン関係者から聞いた話として、コンクリート構造物にかかる初期費用(新築時)はその構造物に一生涯にわたって費やされる総費用の2割程にしかならない、むしろ完成後に要する維持・管理費のほうがかかる、というようなことを話していたのを思い出しますが、同様に老朽化したSLも長きにわたって継続して走らせるためには、走らせられるようにするための修復・整備費用は勿論のこと、その後に費やされることになる保守・管理費用のほうが嵩んでくるわけで、思い立ってすぐ、というわけには到底いかないところでしょう。

 今後とも若桜鉄道の動向を見守っていきたいと思ってます。

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» 蒸気の保存を考える その1 [鉄オタ通運マンの独り言]
って、蒸気の。 こんなコト考えたのは、某巨大掲示板のカキコ見て。っても、某公共放送のサイトのニュースに出ていた。 内容は、若桜鉄道の若桜駅に蒸気を保存するんで、寄付が欲しいトナ。 その若桜の蒸気を保存の件でサイトを検索すれば、あるではないの。若桜駅SL保存会ってのが。http://homepage3.nifty.com/shun_suke_s/sl/index.html デ、TOPのトコに臨時ニュースってあり、 以下、引用 臨時ニュース  6月14日、多可町より蒸気機関車C121... [続きを読む]

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