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若桜鉄道と蒸気機関車(SL)その6・・・特産品、乗車(旅行)記、最新情報等々《余録として》

 この間の土曜日(11月24日)にようやく若桜鉄道に纏わる一連の記事シリーズの区切りとなる記事をアップすることが出来ました。

 その区切りとなった記事では、内容的に十分とはいえないものの、私なりに若桜鉄道のこれからについて書いてみました。

 あまりの長さにうんざりされたかと思いますが、如何だったでしょうか。

 

 

 今回は『若桜鉄道と蒸気機関車(SL)』シリーズの、いわば「増刊号」的な位置づけで記事を起こしてみたいと思います。

 

 

◎ 若桜町の特産品と若桜鉄道・・・

● 蒸気機関車用滑り止め砂で合格祈願…

 受験で縁起が悪いとされるものの一つに「すべる」というのがありますが、かつて若桜鉄道(旧国鉄若桜線)を走っていた蒸気機関車が使っていた滑り止め砂とかけて「すべり止め」つまり合格を祈願するお守りをつくってみたそうな・・・

 

「SL滑り止め砂」で合格祈願ストラップ 若桜鉄道
《共同通信社『47NEWS』2007年11月10日付け掲載記事》
「SL滑り止め砂」で合格祈願ストラップ 若桜鉄道
《日本海新聞Web版・2007年11月10日付け掲載記事》
 若桜鉄道は若桜駅(鳥取県若桜町)に展示されている蒸気機関車(SL)C12形167が車輪空転防止用に使っていた砂を用いた「合格祈願SLすべり止め砂ストラップ」を製作、販売を始めた。受験シーズンを前に、受験生や家族らの関心を集め、県内外から注文が舞い込んでいる。
 
 SLは今年八月、兵庫県多可町から若桜駅に移設展示。職員らが整備を進めていたところ、車体上のドームの中に、登り坂で車輪が空転するのを防ぐために使った砂が残っているのを発見した。受験生や家族の力添えになればと「滑り止めストラップ」を発案。砂を入れた小さな透明の瓶とSLのカラー写真、合格祈願の文字が印刷された札がセットになっている。
 価格は「はいれ」の語呂合わせで八百十円。限定五百個。問い合わせ、申し込みは電話0858(82)0919、若桜鉄道総務課へ。

SLだって滑らない!若桜鉄道が合格祈願ストラップ
《『産経イザ!』2007/11/07付け掲載記事》
 鳥取県東部の山間を走る第三セクター・若桜鉄道が、若桜駅(若桜町)に展示している蒸気機関車(SL)が現役時代に車輪のすべり止めに使っていた砂をビン詰めし《合格祈願》の携帯電話ストラップとして売り出し、受験生らの人気を集めている。
 
 すべり止め砂は、かつて旧国鉄若桜線を走ったことがあり、今年8月に兵庫県多可町から譲り受けたSL「C12形167号機」が使用。同鉄道が、駅構内の専用線路で自力走行させようと整備中、車体上のドーム(砂タンク)内に残っているのを見つけた。
 同鉄道は受験シーズンを迎える受験生の力になり、厳しい経営状況も助けるヒット商品になればと製作。「はいれ」の語呂合わせで1個810円で、若桜駅売店や同鉄道のホームページを通じて販売している。当初は500個限定だったが注文が殺到したため、増産して対応するという。問い合わせは同鉄道((電)0858・82・0919)。

 

 飛ぶように売れること自体はいいことなのですが、果たして滑り止め砂の在庫、大丈夫だろうか?

 

● 若桜町の特産品を活用…「ぬれ煎餅」に続け!?

 ところで、前記の蒸気機関車用滑り止め砂を使った合格祈願ストラップの話から、ふとあるモノがポッと思い浮かんできました。

 「せんべい(煎餅)」です。

 ご記憶の方もいらっしゃると思いますが、千葉県の房総半島先端を走る銚子電鉄の「ぬれ煎餅」に端を発したこの「せんべい」による地方ローカル線救済の話は全国の地方ローカル鉄道にも波及し、岩手県のリアス式海岸沿いを走る第3セクター鉄道・三陸鉄道の「三鉄赤字せんべい」、岐阜県を走る第3セクター鉄道・明知鉄道の「おらが鉄道せんべい」、そして来年3月いっぱいで廃止が決まってしまっている兵庫県内を走る第3セクター鉄道・三木鉄道の「三木鉄道せんべい」・・・等へと続いていっています。

 で、「ぬれ煎餅」に続けと、若桜鉄道でも「せんべい」等の販売で少しでも巻き返しを図ることは可能かどうか、ネット上で調べてみると・・・

 若桜駅から徒歩約5分のところに「若桜町活性化施設 若桜味工房」〔平成17年(2005年)5月19日開所〕という施設があり、ここでは若桜町内で活動している食品加工グループ等のために豆乳用手動圧搾機、発酵機、製茶ほうじ機、せんべい焼き機、もちつき機等の食品加工機械が備えられていて、実際にこれらの機械を使って周辺市町村産の野菜や果実を利用したせんべいの加工・販売や鳥取県産小麦粉や雑穀を利用した製パン等の取り組みが行われている模様。

 この若桜味工房等でつくられる若桜町の特産品について、今後は全国に向けて販路を開拓しようとしている話もあるそうですが、そこに着目して、若桜鉄道と若桜町とのタイアップ企画という形で(例えばの話)、前記のせんべいやパン等を、もし可能ならば若桜鉄道を連想させるような名称(例えば「若桜鉄道」、「C12 167」…)を商品名の一部として用いて、インターネットを通じて売り込んでいくのも悪くはないかな、と思っている次第デス。

 

 参考までに、若桜町の特産品の一つ、大刀豆(ナタマメ)茶に纏わる話をネット上から拾ってみました。

大刀豆茶/鳥取・若桜町 機能性成分 多く含む
《日本農業新聞Web版・2007-08-09付け掲載記事》
 鳥取県若桜町の農家で組織する「わかさ制作振興会」が、同町の地域活性化施設「若桜味工房」で手掛ける「大刀豆茶(なたまめちゃ)」。さやの長さが40センチに達する「ナタマメ」を健康茶の原料にした。
 ミネラルやたんぱく質、アミノ酸などを含み機能性が高く、昔から医者いらずともいわれ、珍重されてきたナタマメを加工し、風味豊かなお茶に仕上げた。栽培、収穫、スライス、乾燥までを生産者が同工房で行い、製茶、パック、包装は加工業者が受け持つ。
 価格は1袋(3グラム×20袋入り)1300円。問い合わせはJA鳥取いなば営農部直販推進課、(電)0857(32)1143。土・日曜日と8月14~16日は休み。
↓ ↓ ↓
人気ぐんぐんナタマメ茶
《朝日新聞Web版(asahi.com)「マイタウン鳥取」・2007年10月24日付け掲載記事》
【注/記事掲載元サイト、掲載期間終了・削除済】
 若桜町の住民グループが栽培したナタマメで作った「大刀豆(な・た・まめ)茶」が、健康ブームに乗って好調な売れ行きをみせている。ネット販売が功を奏し、他の産地より安いこともあって注文が全国から寄せられている。栽培にあまり手がかからず、お年寄りの力もあてにして町の特産品にしたいと夢を膨らませている。(北村有樹子)
 
●健康ブームで好調/ネット販売・安さ奏功●
 「刀豆ナタマメ協会」(東京都港区)などによると、ナタマメには消炎作用や血行促進の効能があるとされ、近年、ちくのう症やにきびに効く健康茶として注目を集めている。約300アールを作付けしている会社がある鹿児島市が一大産地だが、6年前からは兵庫県丹波市なども取り組んでいるという。
 若桜町で生産するのは「わかさ制作振興会」(山本賢二会長)。自動車整備業河戸健さん(63)が約3年前、ナタマメ茶を紹介するテレビ番組を見たのが活動のきっかけ。会員19人は全員が男性で、校長や会社員だった60代が多い。
 河戸さんは自分の畑で育ててみて、肥料や農薬を使わなくてもすくすく育ち、イノシシなどの鳥獣被害もなかったという。かつて町内では二十世紀梨の栽培が盛んで、最盛期には約100軒が栽培していた。しかし、高齢化などで担い手は減少し、ナシ農家は現在6軒になった。
 「それならば、使われていないナシ園を活用し、ナタマメを生産しよう」と思い立った。昨年5月、知人たちに呼びかけ同会を立ち上げ、ナシの廃園計約30アールを借りて作付けした。
 ナタマメはツルが3メートル近く伸び、梨の栽培に使われていた棚がツルを支える添え木の代わりになった。4カ月ほどで成長し、ツルの至る所に実がなる。さや付きの実を輪切りにして乾燥させたものを煎(せん)じ、茶として飲む。乾燥させたあとは専門業者に頼んで仕上げている。
 昨年10月から地元商店で販売。今年1月に卸し先の八頭町内の農産物などの直売所がインターネットで売り出すと、北海道から九州までの全国から月100~150件の注文が入るようになった。
 大産地があるはずの鹿児島市の40代の主婦は子どもの肌荒れ対策に購入。「他の産地のものより値段が手頃だし、飲みやすい」と話す。
 初年度は約300キロの茶を生産。1袋60グラム(20パック)入り5千袋をほぼ売り切った。1袋千円だ。製法などに違いがあり単純比較はできないが、同量を比べると鹿児島産は2倍以上、兵庫県産は約1・5倍の値段になるという。
 若桜町産が安いのは、10アールあたり10万円程度の利益しか見込んでおらず、「多くの人に飲んでもらいたい」という方針から。2年目の今年は6月に種をまき、作付面積は90アールに増やした。27日には今季2回目の収穫をする。ナタマメ茶600~750キロほどの生産量を見込む。
 カステラやクッキーなど加工品もあり、品数を増やしていきたいという。河戸さんらは「来季はさらに多くの農家にも声を掛けたい。ナタマメで町の名前を押し上げ、町の特産物に」と期待している。

 なお中国四国農政局Webサイトに於いてもこの若桜町の大刀豆茶を巡る「わかさ制作振興会」による取り組みが紹介されています。

 ちなみにこの「大刀豆」という名称については、「【ナタマメ豆知識】(なた豆予備知識)【8月22日3訂版】502」によると、本来は「刀豆」(ナタマメ、とうず)と称するみたいで、「大刀豆」は中国式別名だそうです。
 そして『趣味の菜園 ~なた豆(刀豆・鉈豆)』では栽培の方法やポイントが写真入りで紹介されていると共に、刀豆の見本写真等も掲載されています。

 それにしても、かつてナシ園だった荒れ地を大刀豆生産で甦らせ、”お茶の葉”にして廉価で販売し、刀豆の一大生産地である鹿児島の人たちにも受け入れられている・・・若桜町の明るい材料の一つとなっていますネ。

 

 あと、せんべいと並ぶ若桜町の穀物系特産品として「雑穀もち」というモノがあり、若桜町Webサイトに掲載の「雑穀もち」紹介ページによると「餅は香りに特色があり、素朴な味わいと、アトピーの方にやさしい健康食品としても好評」とのこと。そしてこの「雑穀もち」を実際に食したと見られる人が書いた『雑穀もち』は、焼いてそのまま何も付けずに食べるとそれぞれの雑穀の味がよく分かる。なんだか縄文的、とポツリ。

 ちなみに、一つの餅に10種類程度の雑穀が混合して入っている形の雑穀餅は他地域でも見られますが、若桜町の「雑穀もち」のように餅ひとつに雑穀1種類を使うというタイプのものは他地域では見られないようです。

 私としてはこの「雑穀もち」のほうが気になるなぁ(ぉ~ぃ)…

 

 

◎ ネット・ユーザーが見た若桜鉄道

 ネット上には実際にこの鳥取県東部の山中を走る若桜鉄道に乗って旅したという人からのレポート等が続々と寄せられている模様ですが、その中から私自身の独断と偏見で幾つかピックアップしてみますと・・・

 まずは第3セクター化される直前の昭和62年(1987年)10月に撮影された若桜線の写真が掲載されている「JR若桜線(若桜鉄道)  (86)」。他に若桜線時代の写真を載せたWebサイトの類が見あたらず、とても貴重な1ページと思います。
 「さよなら若桜線のヘッドマーク」を掲げたタラコ色のJRディーゼルカーが若桜駅に停まっているところを写した写真や、転換後の若桜鉄道で使われることになる新車両の試運転列車の写真等が掲載されているのですが、この頃の若桜鉄道車両には、現在の若桜鉄道車両の前面上側に見られる「さくら×号」の表示が無かったんですね。
 タラコ色のディーゼルカーといえば、実は現在でもJR所属車が1往復だけ若桜鉄道線内を走るそうで、その若桜鉄道線内を走るJRディーゼルカーとおぼしき列車をとらえた写真が掲載されているのが「若桜鉄道 乗り入れ」という記事でありますが、よく見ると写っているタラコ色のディーゼルカー2両編成の列車の車体に「JR」のロゴマークが見あたりません。いったい何故・・・

 次に、若桜駅をとらえている「県境の町 若桜駅」。
 駅舎全体を写した写真1枚と駅構内の写真2枚の計3枚が掲載され、何れもクリックすることで大判の写真がポップアップ表示される仕掛けとなっているのですが、仕上がりもきれいで、ポップアップされた大判写真を見ていると、まるでその場にいるような錯覚を起こしてしまいそうな感じ。

 次は「若桜への旅」と「若桜鉄道に乗車して来ました。」。何れも鳥取を11時台に発車する若桜鉄道線直通列車に乗って若桜入りした際の旅行記になっているのですが、前者は鳥取に戻るまでの全旅程のレポートと共に若桜駅に着いてからの町巡りから鳥取に戻るまでの写真が掲載されているのに対し、後者は鳥取から若桜までの写真入り片道レポートとなっています。鳥取発時刻が両レポートで食い違っている(前者は「11時35分」、後者は「11時37分」)のは、両者の間に1年半のブランクがあり、その間に行われたJRダイヤ改正の影響で時刻が変わっているからでしょう。
 両者とも若桜町の街並みをきちんととらえていて、特に前者のレポートについては、じゃれ合っている2匹の猫や街中に残る廃墟等、きめ細かく”拾い集めて”いるあたりが印象的。
 あともう一つ、前者のレポートがアップされている頃はまだ若桜駅に”里帰り”蒸気機関車が無かった頃だったこともあり、若桜からの2両編成のディーゼルカーは乗客皆無の状態だったのに対し、後者のレポートは兵庫県の多可町から蒸気機関車が”里帰り”して間もない頃の旅路だったこともあり、鳥取駅の若桜行き列車の止まっていたホームはにぎわいを見せていた模様で、ここにも蒸気機関車「C12 167」誘致の効果が現れているように感じています。

 乗車記をもう一つ。先月公開となった「若桜鉄道」は鳥取から若桜に向かい、折り返してJRとの分岐点である郡家に戻るまでの旅程を纏めたレポートになっているのですが、こちらは鳥取を朝7時台に発車する因美線列車で発ち、分岐駅郡家で若桜鉄道線列車に乗り継ぐことで若桜入りしています。
 掲載の写真から、どうやら雨模様の中の若桜鉄道訪問となった模様ですが、それだけに、しっとりした、どこかうら寂しい(!?)風情というものが感じられるような写真レポートになっていますネ《ただ、記者曰く、この若桜鉄道訪問に於いてデジカメがクラッシュしてしまい、生き残った写真のみを載せた、とのことです》。

 最後に一つ、「若桜鉄道に乗ってきました」というブログ内記事は昨年(2006年)の1月中旬に雪の積もる若桜鉄道を訪問した際の記録にもなっているわけですが、同時に存在感の薄いこと等を指摘しています。
 例えば「若桜鉄道」と書くのが正しいところを、つい誤変換で「若狭鉄道」としてしまう場合があるみたいですが、一個人のレベルならまだしも、若桜町の属する鳥取県内の別の市町村(境港市)が若桜鉄道を「若狭鉄道」と称してみたり、挙げ句の果てには鳥取県を初めとする中国地方の交通全般を担当している国土交通省中国運輸局までもが「若狭鉄道」呼ばわりしているという現実を嘆いているようです。
 また第3セクター転換後も郡家からJR線に乗り入れて鳥取まで直通乗り入れさせている点を高く評価する一方で、もう少し駅を増やした方がいいのでは、と注文を付けています。

 

 ちょっと駆け足となってしまいましたネ・・・

 

 

◎ 動画で見る若桜鉄道

 動画共有サイトにも若桜鉄道に纏わる動画が幾つか寄せられているようですので、その中から以下に挙げるものをピックアップしてみました《全部で9本あります》。

 


若桜鉄道 丹比→若桜 Wakasa railway


おらがまち 若桜町


イクスカ://若桜鉄道 《郡家駅発車》


イクスカ://若桜鉄道 その2 《隼駅へ向かう途中》


イクスカ://若桜鉄道 《若桜駅》


イクスカ://若桜鉄道


イクスカ://若桜鉄道 隼駅到着


若桜鉄道 運転体験会教習


若桜鉄道 運転体験会

 

 また、『impress TV』の『週刊★ロマン鉄道』に於いても若桜鉄道関連の動画が公開されています《→『自然と歴史の旅~若桜鉄道(2006年3月15日配信)』》。

 

 

◎ 最後に・・・

● 若桜鉄道関連最新ニュース

 約60年前に若桜鉄道(当時の国鉄若桜線)を走った蒸気機関車「C12 167」が去る8月上旬に若桜鉄道の若桜駅構内に”里帰り”を果たし、先月21日には若桜鉄道開業20年祭では、訪れていた鉄道ファンや家族連れらを目の前にして、SL「C12 167」の走る姿を見せたわけですが、その約1ヶ月後にもこのSL「C12 167」に纏わるイヴェントが開かれていました。

汽笛鳴らし興味津々、園児ら続々 若桜のSL
《日本海新聞Web版・2007/11/21付け掲載記事》
 鳥取県の若桜鉄道と町は、若桜駅構内に設置されている蒸気機関車(SL)を目玉に、保育園児の無料招待見学会やSLと力比べをする「SL綱引き大会」など積極的な誘客作戦を展開。これまでに十五園(所)の園児が相次いで訪れ、構内がにぎわっている。園児たちは、構内の専用線路を自力走行するSLを見学したり、運転席で汽笛を鳴らすなどして親しんでいる。
 
 若桜鉄道とSLに親しんでもらおう、と同鉄道が企画。郡家駅から若桜駅までの区間を利用する若桜鉄道の料金を無料にして若桜町に招く意欲的な誘客作戦で、鳥取市や沿線の関係機関に趣旨を説明するなどして呼び掛けた結果、これまでに鳥取市や沿線の八頭町などから十五園、五百四十四人の園児と職員九十二人が訪れ、人気の強さがうかがわれる。
 無料見学会は今月いっぱい実施されており、十九日には鳥取市のわかばと福部保育園、八頭町の船岡と大江保育所園児たちが若桜鉄道で来訪。構内を自走し、転車台で方向転換するSLに歓声を上げながら熱心に見学したほか、運転席では計器類の説明を聞いたり、レバーを引いて汽笛を鳴らすなどして親しんでいた。
 園児たちは「汽笛の大きな音と、黒くて大きな機関車に驚いた。ゆっくり動いた時はかっこよかった」などと興味津々だった。
 二十四日午前十一時からは、「若桜駅に集まれ!SLと遊ぼう」が同駅構内などで行われ、SL走行やSL綱引き大会、鳥取市の演歌歌手、高垣広美歌謡ショーなどが計画されている。
↓ ↓ ↓
今年最後のSLイベント、24日に若桜駅で
《産経新聞Web版(MSN産経ニュース)・2007/11/23付け掲載記事》
 鳥取県東部を走る三セク鉄道「若桜鉄道」と若桜町は24日午前11時から、若桜駅構内で、展示している蒸気機関車(SL)を使った今年最後のSLイベントを開催する。
 
 同駅にはレトロな駅舎や手動の転車台など、SLが活躍していた時代の設備が残る。8月に兵庫県多可町からSLを譲り受け、圧縮空気により構内の専用線路を自力走行できるよう整備・復元して展示。先月21日に開業20周年の記念行事でSL走行見学会を開き、大好評だった。
 当日は、午前11時と午後1時半、同3時の計3回、SL走行が行われる。また事前申し込みの団体による「SL綱引き大会」(正午から)も実施。会場では町特産品や同鉄道グッズ販売、郷土芸能上演などの催しも行われる。  問い合わせは、若桜駅((電)0858・82・0919)。
↓ ↓ ↓
40トンSLと力比べ 若桜駅で綱引きや走行楽しむ
《日本海新聞Web版・2007/11/07付け掲載記事》
 蒸気機関車(SL)が展示保存されている若桜鉄道の若桜駅(鳥取県若桜町)で二十四日、「若桜駅に集まれ SLと遊ぼう!」が行われた。SLと力比べをする綱引きやSL走行などが繰り広げられ、町内外から訪れた大勢の家族連れや鉄道ファンでにぎわった。
 
 かつて旧国鉄若桜線を走っていたSL(C12形167号機)を中心にしたイベントで、町と若桜鉄道が主催して初めて実施した。
 構内では午前と午後の二回、SLが走行。汽笛を鳴らし黒い煙を吐きながらゆっくりと走るSLの雄姿を、ビデオカメラなどに収める熱心なファンの姿が見られた。
 メーンイベントの「SL綱引き」には少年野球チームや老人クラブなど、町内外から八チームが参加。約四十トンのSLに綱を結び、十メートルの距離を動かした所要時間を競った。中には線路内のバラス(砂利)に足を取られてバランスを崩す姿も見られたが、「よいしょ、よいしょ」の掛け声と声援に合わせて挑戦した。
 また、駅前広場では復活した「さば天うどん」や特産品の販売、歌手の高垣広美さんの歌謡ショーなどが行われた。
 鳥取市から訪れた家族連れは「大きなSLが動いたので感動した」。綱引きに挑戦した地元老人クラブの石岡正成さん(75)は「最初は重かったが、動き始めると思ったより軽かった。懐かしいSLに接することができた」と笑顔を浮かべていた。

 

 その一方で、若桜鉄道の経営に関して新たな動きが見られました。

 

若桜鉄道 経営再建に向け上下分離方式導入へ
《日本海新聞Web版・2007/11/07付け掲載記事》
 赤字経営が続く第三セクター・若桜鉄道(社長・小林昌司若桜町長)は二十八日までに、経営再建に向けて若桜、鳥取県八頭町などの沿線自治体が土地や線路などの施設を保有し、これを若桜鉄道が借りて列車を運行する「上下分離方式」の導入を目指すことを決めた。
 
 国土交通省が来年度創設を検討している「鉄道活性化総合支援パッケージ」を活用する取り組みで、支援が決まると大幅な赤字解消につながるという。
 同鉄道は二十年前、県や鳥取市、沿線自治体が出資して六億円の基金を設けて開業した。しかし、赤字が続き基金が来年度で底をつき、存続が危ぶまれる事態になったことから、若桜、八頭両町は今年五月に「若桜町・八頭町の若桜鉄道を考える会」を設置。検討を進めた結果、国交省が概算要求に盛り込んでいる新制度の支援を受け「上下分離方式」による存続を目指すことを確認した。
 国交省の支援制度は、自治体と鉄道事業者などが連携して行う地方鉄道の活性化に向けた取り組みについて、特別交付税で補助するほか、近代化補助の充実などが盛り込まれている。
 両町は上下分離方式の活用に向けた法的枠組みの整備などを関係各省に要望。引き続き存続に向けて活動を強めることにしている。
 制度を活用すると、赤字額は五分の一程度に減少する見込み。両町では施設や資産を管理、運営する体制や条例の整備などに取り組み、来年秋にも新体制の設立を目指したいとしている。
 県は「地元の方針がまとまれば支援したい」と話している。

 

 来年度スタートの「鉄道活性化総合支援パッケージ」を活用する形での上下分離方式・・・・・・ここにきてようやく国も重い腰を上げてきた、といった印象ですネ。

 この「鉄道活性化総合支援パッケージ」(地域の活性化に資する鉄道活性化総合支援パッケージ、地域活性化総合支援パッケージ)についてはJR総研(鉄道総合技術研究所)Webサイト内に掲載されている『地方鉄道の維持と再生に向けた取り組み』というレポートや国土交通省が出した来年度〔平成20年(2008年)度〕概算要求に係る『予算概算要求概要』(本省鉄道局関係中部運輸局関係)図式として掲載されている他、『鉄道活性化を支援:08年度国交省予算概算要求』というブログ内記事でも要点解説がなされています《とりあえずはそのブログ内記事による要点解説から入ったほうが理解が早いかも…》。

 

 

● その他の若桜鉄道関連Webサイトたち

 最後に、その他の若桜鉄道に纏わるWebサイトのリンクを以下にて紹介しておきます《若桜鉄道・若桜町両Webサイトを除く》。

 

  ◆ 『週刊ワカサ
   《「若桜ピープル」のコーナーで
    転車台復元の話を見ることが出来ます》
  ◆ 「若桜鉄道
   …『EXPRESS』内の『メインターミナル』より
   《列車ダイヤ解説等を掲載》
  ◆ 「若桜鉄道」…『安部丹比の交通研究所』より
   《歴史解説と一部の駅の駅舎・駅構内写真掲載》
  ◆ 「若桜鉄道に乗る
   …『CQ CQ DE JA4WAL』内の『TRAIN WORLD』より
   《乗車記(豊富な写真掲載!)》

 

 乗車記については本来『ネット・ユーザーが見た若桜鉄道』の項のところで紹介すべきところでしたが、都合によりこの小項での紹介となってしまいました。ゴメンナサイ・・・・・・

 

 

 これからも、日本国内に点在する他の第3セクター鉄道と共に、若桜鉄道を見守っていきたいと思っています。

 

 

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【関連記事(若桜鉄道と蒸気機関車)】
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(3)蒸気機関車「C12 167」誘致の背景にある厳しい現実
(4)SL「C12 167」誘致以外の利用促進への取り組み
(5)将来に向けての存続の道を探ってみました

 

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コメント

はじめまして、私のブログがこちらで紹介されてましたので正直驚きました。私の知る限りで始めてのケースです。

 若桜鉄道は国鉄時代に1回、今回で2回目です。車両が変わったこと以外はほとんど変わってないのがいいですね。若桜の町も時間があればゆっくり散策してみたかったです。 ブログでは、同線の隼、安部の2駅も紹介してますのよろしければごらんください。

 うてきなぷりぱさん、ようこそお越し下さいました。
 先日はTB失礼致しました《返事が少し遅れてゴメンナサイね》!

 若桜線には第3セクター転換前と転換後にそれぞれ1回ずつ乗られている由・・・そうだったんですか。
 恥ずかしながら私自身はまだ乗ったことがないのですが、一度機会を作って乗ってみたいな、なんて思ったりもします。

 あと、隼・安部両駅についてもご紹介頂いていますが・・・

◎ 隼駅
http://tottemoutekinapuripa.cocolog-nifty.com/papu/2007/08/post_2bed.html
◎ 安部駅
http://tottemoutekinapuripa.cocolog-nifty.com/papu/2007/08/post_4d83.html

 安部駅については映画『男はつらいよ』のロケ地にもなったとのお話しですが、寡聞にして知りませんでした。
 あと隼駅もいい雰囲気ですね。

 若桜鉄道も捨てたものではない・・・改めてそう感じさせてくれました。


 これからもどうぞよろしくお願い致します。

はじめまして。
雑収入を得るためのアイディアは色々と出ているようですが、肝心要の利用者を増やし運賃収入を増やすことについてはどうなっているのでしょうね。
あくまでも公共の輸送機関である鉄道事業なのですから、その設立・運営の趣旨から外れたこと(Nicht diese Töne! でしょ?- 笑)をしていたら本来の税金の使途が不明瞭になってくると懸念します。

それにしても近年はこの若桜鉄道に限らず、どの地方鉄道も経営が大変ですよね。

 An die Freude!(「歓喜!」?)さん、ようこそおいで下さいました!


 仰る通りです。反論の余地はありません。
 鉄道を初めとする公共交通機関というのは、変な話、一人でも多くの人(或いは1個でも多くの荷物や貨物)を輸送してナンボの世界ですからね・・・

 今回の記事では「せんべい」で立ち直りへの糸口を掴んだ千葉県内のローカル鉄道の事例をヒントに書かせて貰っていますが、この一つ前の記事(つまり第5回記事)では、私なりに、若桜鉄道存続のためのヒントめいたことを書かせて貰っています《この中では利用促進に関する話も盛り込ませて貰っています;尤も一個人が書いていることなので不十分なところも多々ありますが…》。

 よろしければ【関連記事(若桜鉄道と蒸気機関車)】リンク集等からお立ち寄り頂ければ幸いです。


 あと、地方鉄道が大変な旨も仰っていますが、これもまさしくその通りであり、実際、若桜鉄道と同じく第3セクターに転換された旧国鉄ローカル線の中には、ご存じのように、廃止となったり、近い将来の廃止が決定した路線も出ています。

 銚子鉄道や明知鉄道等のように「せんべい」等の鉄道事業関連以外の分野に自らの生き残りの道を求めている鉄道会社が現れているのもその証の一つとも言えるかも知れませんね(それこそ”藁にもすがる思い”だったと思いますよ)・・・


 Nicht diese Töne!、「こんな響きではない!」・・・タイムリーですなぁ。

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