イギリスの高速新線CTRL(HS1)、全線開業・・・・・・「ユーロスター」運転全区間高速新線走行へ
先日掲載の記事にて、イギリス(英国)の鉄道駅に於いて、テロ対策の一環として、空港並みのセキュリティチェックが行われようとしていることをお話ししましたが、その一方で、おめでたい話ももたらしていたみたいで・・・
以前、このブログに掲載した「日本の新幹線技術、次は鉄道発祥の地へ・・・・・・英国の高速新線CTRL向け「新幹線ベース」車両の陸揚げ」の中でも触れていますが、ドーバー海峡を貫く英仏海峡トンネル(チャネル・トンネル、Channel Tunnel)のイギリス側出入り口からイギリス側ターミナルであるセント・パンクラス(St. Pancras)駅とを結ぶ高速新線CTRL(High Speed 1、HS1)を走る新型車両が日本の日立製作所により製造され、世界の鉄道発祥の地・イギリスに納入されていったことは、まかりなりにも日本人の一人として、誇りに思うことであります。
その英国国内の高速新線HS1が、このほど、いつのまにか全線開通していたんですね。
そのことに、数日前まで全く気が付かなった私・・・
その、英仏間高速列車「ユーロスター(Eurostar)」が走るイギリス側高速新線HS1全線の敷設工事がこのほど完了し、去る9月4日、その「ユーロスター」編成を使った試運転で時速約300kmを達成したとの発表がありました。
「時速300キロ、パリ・ロンドン間「超特急」が開通」 《『ITmedia News』2007年09月05日付け掲載記事》 |
高速列車Eurostarが、英国内の高速新線開通によりパリ・ロンドン間を2時間15分で運行できるようになる。 欧州の高速列車Eurostarは9月4日、パリ・ロンドン間の高速新線「High Speed 1」全面開通により、全線時速300キロで運行可能になると発表した。 現在ロンドンでの発着駅はウォータールー駅だが、11月14日からすべてセント・パンクラス駅発着へと切り替わる。全線時速300キロを実現することで、現在パリ北駅とウォータールー駅間の移動に2時間35分かかっているのが、パリ北駅とセント・パンクラス駅間で2時間15分へと短縮される見込みという。 |
「ユーロスター、英国内も時速300キロで走行」 《『NIKKEI NET』2007年09月05日付け掲載記事》 |
【ロンドン=共同】英国と欧州大陸を結ぶ高速鉄道「ユーロスター」が4日、英国内に新設された専用軌道を使ってパリ―ロンドン間を試験運転、英国内で課題となっていた時速約300キロ走行を実現した。11月からの新軌道を使った営業運転では、同区間を現在より約20分早い2時間15分で結ぶことになる。 ユーロスターはフランス国内は高速で走行するが、英国内ではスピードダウンしており、新軌道導入によるスピード向上が求められていた。 この日は、パリ―ロンドン間をノンストップで走行、2時間3分の新記録となった。 新軌道に移行後のロンドンの到着駅は、中心部のセント・パンクラス駅に変わる。 |
その後も試運転を重ねていった模様で、今月14日には念願のHS1の全線開業と相成り、これに伴って、その「ユーロスター」のイギリス側発着駅がそれまでの第3軌条方式時代の暫定的ターミナルだったウォータールー(ワーテルロー)駅からセント・パンクラス駅へと全面的に移された模様ですね。
「セントパンクラス駅が正式開業[社会]」 《『NNA.EU』2007年11月7日付け掲載記事》 |
英国とフランス、ベルギーを結ぶ国際高速鉄道ユーロスターの新たな発着駅となるべく改修されたセントパンクラス駅が6日、正式にオープンした。式典にはエリザベス女王も出席している。 ロンドン中心部にある同駅は1868年に開設された。8億ポンド(1,900億円)を投じて2001年から開始された今回の工事では130年以上の汚れが落とされ、当時の華麗な姿を取り戻している。復元されたプラットホームのガラス屋根は高さ30.5メートルと世界最大級。構内には小売店やレストランなど合計60店が入居している。 ユーロスターの新ターミナルは14日に正式開業する予定。イングランド南東部に新たに敷設された全長109キロの専用線路「ハイスピード1」を通り、ロンドン~パリ間を2時間15分で結ぶことになる。[社会] |
「ユーロスターの新ターミナル、セントパンクラス駅」 《『AFPBB News』2007年11月08日付け掲載記事;解説用アニメーション有り》 |
【11月8日 AFP】ロンドン(London)で6日、高速列車ユーロスター(Eurostar)の新ターミナルとして生まれ変わったセントパンクラス(St. Pancras)駅の開幕式が行われた。これにより14日、現在のターミナル、テムズ川(River Thames)の南側にあるウォータールー(Waterloo)駅から新駅に業務が引き継がれる。 |
「ユーロスター新駅 あす本格スタート」 《『AFPBB News』2007年11月13日付け掲載記事》 |
【11月13日 AFP】英ロンドン(London)とフランスのパリ(Paris)間を従来より20分短縮した2時間15分でつなぐ高速列車ユーロスター(Eurostar)の新路線開通が、いよいよ翌14日に迫った。ロンドンとベルギーのブリュッセル(Brussels)間も1時間51分に短縮される。 ユーロスターによると、開通日にユーロスターに乗りたいと100万件を超える予約が1週間前から殺到したという。 総工費58億ポンド(約1兆4000億円)、工期10年を費やしたユーロスター改築事業では、欧州大陸間との時間短縮に加え、ターミナル駅がこれまでのテムズ川(River Thames)南のウォータールー(Waterloo)駅から市内北部のセントパンクラス(Saint Pancras)の新駅に移設されることも、話題の1つだ。これにより、英国内各都市との接続がより便利になる。 19世紀に建てられたビクトリアン・ゴシック様式の赤レンガの駅舎を増改築したユーロスター新駅の開設に伴い、英国としては、混雑や遅延の代名詞だった英国鉄道の汚名返上を狙いたいところだ。 ユーロスターは「空港で出発を待っている間にヨーロッパに到着できます」と空港での待ち時間を強調した広告を打ち出すなど、航空業界の価格競争で格安となったロンドンとパリ、ブリュッセル間の航空便に対する巻き返しをはかる。 一方、13日午後6時9分には、ウォータールー駅発の最後のユーロスターがパリに向けて出発。翌14日午前11時9分にはセントパンクラス駅にパリ発の最初のユーロスターが到着する。 |
「ロンドンのウォータールー駅にユーロスター最終列車が到着」 《『AFPBB News』2007年11月14日付け掲載記事》 |
【11月14日 AFP】英国と欧州大陸を結ぶ高速列車ユーロスター(Eurostar)が1994年に開通して以来、英国側の発着駅として親しまれてきたロンドン(London)南部のウォータールー(Waterloo)駅に13日18時12分(日本時間14日午前3時12分)、フランス・パリ(Paris)からの最後のユーロスターが到着した。 翌14日からは、ユーロスターの全業務が新ターミナルとして生まれ変わった市内北部のセントパンクラス(St. Pancras)駅に引き継がれる。 総工費58億ポンド(約1兆4000億円)、工期10年を費やしたユーロスター改築事業により、1868年建造のビクトリアン・ゴシック様式の駅舎が増改築された。また、同駅と英仏海峡トンネル(Channel Tunnel)間の109キロに新路線High Speed 1が建設された。 これまでのウォータールー駅を起点とする路線では、フランス北部では最高時速300キロでの走行が可能だったが、英仏海峡トンネル走行時に減速する必要があった。しかし、新路線の開通で減速の必要がなくなり、これまでよりも20分短い2時間15分でロンドン-パリ間を結べるようになった。 セントパンクラス新ターミナル駅では14日午前、新路線を通るパリからの一番列車の到着時刻にあわせて、盛大な開通式典が行われる。 一方、フランスで国鉄職員らが13日夜から無期限ストを続けていることについて、ユーロスターでは、英国人職員による業務体制を整えており、初日の運行への影響はないと説明している。 |
「セントパンクラス駅が正式開業=ユーロスターの新ターミナルに」 《『時事ドットコム』2007/11/14付け掲載記事》 |
【ロンドン14日時事】英国と欧大陸を結ぶ国際特急列車ユーロスターの新ターミナル、セントパンクラス駅が14日、正式に開業した。午前11時すぎにはパリ、ブリュッセル行きの最初の列車がそれぞれ出発した。 ロンドン北部にある同駅は1868年に開設。2001年から改修工事が始まり、ユーロスターの新たな発着駅として生まれ変わった。プラットホームのガラス屋根は高さ約30メートルで、駅構内にはレストランや小売店など約60店舗が営業している。 |
「ユーロスター新路線が開通 20分短縮 欧国際特急」 《産経新聞Web版(MSN産経ニュース)・2007年11月14日付け掲載記事》 |
【ロンドン=木村正人】英国と欧大陸を結ぶ国際特急列車ユーロスターの新路線が14日、開通した。ビクトリアン・ゴシック様式の駅を増改築したロンドンのセントパンクラス駅からパリまで2時間15分、ブリュッセルまで1時間51分の旅。それぞれ約20分、短縮された。 ユーロスター建設にあたり、フランスはパリ~リール間に専用の高速路線を開設するなどし、時速300キロ走行も可能だが、英国内では在来線を走るため、ノロノロ運転を余儀なくされてきた。 このため、英国は2012年のロンドン五輪を前に、総工費58億ポンド(約1兆3220億円)を注ぎ込み、10年がかりで約109キロに及ぶ新しい路線を建設。発着駅も従来のウォータールー駅から、増改築されたセントパンクラス駅へと変更した。 ユーロスターのロンドン~パリ往復(平日普通席)料金は59ポンド(1万3470円)。英旅行代理店ユーロ・ジャパンホリデイズによると、英格安航空会社を利用すると空港税込みで往復40ポンド(9130円)台の料金も珍しくない。搭乗までの時間を除くと、空の旅は1時間15分で拮抗(きっこう)している。現在、ユーロスターは空と鉄道を合わせたロンドン~パリ間の69%、ロンドン~ブリュッセル間の62%の旅客を担うが、格安航空との競争は、今後さらに激化しそうだ。 |
新たに「ユーロスター」を迎え入れることとなったセント・パンクラス駅自体も全面的な駅舎リニューアル工事が行われていたそうで、約1週間前の今月6日に装いも新たにオープンとなり、そのオープン記念式典にはエリザベス女王も臨席する等、この駅舎リニューアル工事がイギリスの威信をかけたものだったことが窺えますね。
同時に、「ユーロスター」のイギリス側ターミナルがそれまでのウォータールー駅からセント・パンクラス駅へと移っていったことに関連して、これは私自身も話として見聞きしていることなのですが、昭和40年代の話で、かつてはJR(旧国鉄)線高架南側の現在の阪急百貨店が建っている場所にあった阪急梅田駅旧ホーム(駅舎)が、設備の手狭さ等により、JR線高架北側にある現在の高架式新ホームに順次移設されいったそうでありますが、そのときの光景と何となく重なり合ってしまうような気がしました。
まあ一抹の寂しさを覚えてしまうところなのですが、これも路線発展のため致し方ないことなのでしょう…
ところで、『AFPBB News』の去る11月14日付けで掲載した記事本文の最後のところで、少し気になる話(労働争議)が記されているのですが、それについては次回以降の記事にてとりあげることにしています。
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