イヴァン・フィッシャー指揮NHK交響楽団によるシューベルト『交響曲第7(8)番ロ短調D.759「未完成」』
ベートーヴェンの27年後(1797年)に生まれたにもかかわらずベートーヴェンが亡くなった次の年(1828年)に他界してしまったオーストリアの作曲家、フランツ・シューベルト。
そのシューベルトが残した交響曲の中で最もよく知られているものの一つと言われているのが、1822年に作曲された『交響曲第8(7)番ロ短調D.759「未完成」』。
同じくオーストリアが生んだ作曲家で「神童」等と持て囃されていたヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトと違って、シューベルトは作曲家としては何処か地味な印象を抱いてしまいそうなところがありますが、そんなシューベルトがむしろ私は好きであり、「未完成」交響曲の他、”大ハ長調交響曲”等ともいわれる『交響曲第9(8)番晩ハ長調D.944「ザ・グレイト」』等も私の”お気に入り”の曲として何度も繰り返し聴いています。
今回ここで取り上げますシューベルトの「未完成交響曲」については・・・・・・
『シューベルト交響曲第7番の概要と演奏』
『シューベルトの「未完成交響曲」初演(1865)』
『未完成交響曲 ~ウィーンに咲いた蘭の花』
『交響曲第7番「未完成」(第1楽章・第2楽章)』
等で詳しく解説されているので、ここでは楽曲自体の詳しい話は省かせて貰いますが、そのシューベルト「未完成交響曲」で、最近、何度も繰り返し聴いているのが、今から約10年前の1998年7月31日に東京のサントリーホールで行われたNHK交響楽団主催の『N響「夏」'98』公演の中で演奏されたイヴァン・フィッシャー指揮による演奏。
この演奏のライヴ録音でありますが、今から8年前の2000年1月26日にやはりサントリーホールで行われたNHK交響楽団第1398回定期演奏会のNHK-FM生放送の際に放送枠の余った分を使って”過去のライヴ録音”ということで紹介されていたもので、この定期演奏会の生放送分を、私自身、カセットテープを使ってエアチェックを行い、その時得られた録音データを大分後になってPCに取り込んで編集し、今に至っています。
積極的に歌いに行っている・・・とでも言いますか、メロディーラインを綺麗に歌い上げているのは勿論のことなのですが、際だって感じるのは、下支えが凄くしっかりしていて、変な言い方になりますが、その下支えを受け持つパートが主旋律(メロディーラインのことですね)を受け持つパートを音楽的にどんどん追い込むことで、その主旋律を受け持つパートが一つ先のメロディーラインへとジャンプするとでも言いましょうか、進んで一つ先のメロディーラインを自らの中に採り入れようとする姿勢というものを感じさせてくれるような演奏ですね。
それでいてゆるゆるで演奏している時には澱みのない澄み切ったサウンドを聴かせてくれる・・・
「メリハリの利いた演奏」というのはまさしくこのことを指して言っているのだな、と実感させてくれるような演奏で、何だか情熱的なシューベルトをそこに見たような感じのフィッシャー指揮の演奏でしたね。
あ、このサントリーホールでの演奏の翌日には大阪のフェスティバルホールで同様のプログラムにより行われていたそうで、その大阪に於けるN響公演に聴きに行ったという人が書いた『N響「夏」'98(大阪公演)』によると、ごく無難な、普通の演奏という感じ、と述べる一方で、N響の音はとってもクリアで、大阪のオケとはやっぱりちがう、とも漏らしています。
う~ん、確かに「安心して聴ける」ということも言えなくはないですネ。
とはいえ、私にとってもこのフィッシャー指揮のシューベルト演奏はお気に入りの演奏の一つであることに変わりありませんから・・・
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