「第24回国技館5000人の第九コンサート」合唱参加&乗り歩き旅・・・(3)前日リハーサル&「世界第九サミット」
去る2月24日(日)に東京・両国の国技館で行われた「第24回国技館5000人の第九コンサート」に絡んで、去る2月22日夜に自宅を出発してから25日夜に帰宅するまでの間実行した旅程についてシリーズ形式で振り返っています。
東京入りした私は荷物を預けるため地下鉄両国駅に移動、必要なものを除いて駅コンコースのコインロッカーに預けた上で都心部にある都立図書館2館を巡る予定だったのが(後に都電荒川線初乗車も予定の一つに追加)、結果的に都立図書館で唯一都区外にある多摩図書館に行くだけで終わってしまったわけで(たまたま、この時期、多摩図書館に於いて鉄道に纏わる企画展が行われていたため)、時間管理の難しさ等を突きつけられた格好となったわけですね。
で、3回目となる今回はいよいよ国技館の館内に入っての「5000人の第九」前日リハーサルへの出席から始まって、今年からの試みといわれる「第九サミット」の傍聴、そしてこの日の終わりまでを振り返ってみたいと思います。
なお、国技館に於ける「5000人の第九」前日リハーサルでは、前回の記事の終わりのところでもお話ししましたが、自業自得とはいえ、リハーサル(発声練習)開始時刻に遅刻してしまうという失態を招いてしまいましたが、大事には至りませんでした《私が遅れて国技館入りした頃にも他に入場してくる人があったため…》。
時間の読み違いや私自身の変な頑固さ等で結果的にその開始時刻に間に合うことが出来なかった国技館に於ける「5000人の第九」前日リハーサル・・・それでも私の入場時には同じように入場する人の流れが見られました《思わず胸をなで下ろした私…》。
会員証を現地スタッフに見せながら通用門をくぐり、奥に進むとまず「交響楽団」と表示された入口が見え、更に億に進むと(右に折れて)2階席の合唱団員用の入口が見えました。
でも私自身が仮位置として指定されているのは1階のマス席・・・しかし見た感じでは1階席用の入口(というかゲート)が見当たらない。
どこから入ったらいいんだろう・・・と思いながら「交響楽団」用ゲート付近に立って誘導の声かけをしていた学生服姿の係の人に聞いてみたところ、ここからでいいですよ、との返事だったので、それに従って「交響楽団」用ゲートから場内へと入ることとなりました。
ゲートをくぐった私は横の受付デスクで座席配置等が掲載されたすみだ第九を歌う会会報『Freude!』等を受け取り、いよいよ中に入っていくわけですが、既に発声練習らしきことが始まっているようで、中に入るための扉の殆どが「〆切」と表示されて入れず、ゲートをくぐった側のほぼ反対側に位置する「〆切」表示の無い扉から静かに開けながら中に入り、自分の割り当てられた座席位置に静かに向かいました。
すると既に1人がそこに見えていたので、ちょっとすみません、と静かに挨拶しながら与えられたマスの中の一席へ。
合唱指揮の一人、北川博夫 によりここまでの発声練習等は進められてきていたようですが〔もし違っていたら遠慮無くご指摘を!〕、穏やかな中にあってもよく無さそうなところをきちんと指摘してくれる・・・これが北川式、てことなのだろうか。
う~ん、なかなか味がある(←ぉぃ)…
発声練習が終わると、次はオーケストラを入れての「オケ合わせ」。
ベートーヴェン「第九」終楽章のオケ合わせから始まり、次いで「5000人の第九」に於けるエンディング曲である『花』(武島羽衣作詞・滝廉太郎作曲)のオケ合わせへと移っていったわけですが、「第九」のオケ合わせでは、混声合唱部分に入る前の立つタイミング等で注意がありました。
で、夕方の16時20分頃に合唱団向けの本番前日リハーサルは終了。
主催者(国技館すみだ第九を歌う会)Webサイト上で発表されているリハーサル終了予定時刻より40分程度早く終わった形となりました。
私自身は、この後、夕方18時半から開かれる予定の「第1回世界第九サミット」の傍聴にも出かけるつもりでいたわけですが、これだけ早く終わったとなると、サミット開始の約2時間のあいだ、どうやって過ごそうか、地下鉄両国駅のプラットホーム上でしばし悩んでいましたが、せっかくだから先に今夜の宿に荷物を置いていこうかな、と一計を案じた私は一旦改札を出てコインロッカーの前に立つと、預けておいた荷物を全て取り出して再び改札をくぐってホームへ。
そして今夜の宿の最寄りとなる南千住に向けて両国駅を出発、上野御徒町で東京メトロ日比谷線に乗り継ぎ(日比谷線に於ける乗り継ぎ駅は「仲御徒町」)、南千住へと向かいました。
南千住駅では南口を利用し、JR隅田川貨物駅を望みながら歩道跨線橋を渡って南千住界隈へと入り、約5~6分で今夜の宿に到着となりました。
この宿『ホテル・アクセラ(HOTEL ACCELA)』は楽天トラベルを通じて予約を入れたもので、宿泊料金は1泊3千円台前半。
で、事前に楽天トラベルを通じて掴んでいたこの宿泊施設の基本情報では、個室ではあるが洗面&トイレ&風呂は共同となっていて、風呂は大浴場形式と個室シャワー形式の2種類。
大浴場は時間帯により男性・女性を分別していること、個室シャワーは24時間何時でも使えるが別料金であることに注意・・・
そして「へぇ~」と思ったのが、この宿泊施設、正面玄関を入ったところで靴を脱いでしまってスリッパに履き替え(靴は部屋番号別に設けられた靴箱に預け入れるシステム。番号鍵付き)、館内の移動は全てスリッパ履きとしていること、宿賃も含めて支払いは全て「食券」方式となっていること(クレジットカード不可)・・・今まで体験したことのないシステムに新鮮味とある種の不安を感じたものでしたが、スタッフの対応が良好であること、完成して間もないためなのかもしれないが、客室内も含めて清潔であることが救いとなって、快適な一夜を過ごすことが出来ました。
それにしても、この宿泊施設に入った瞬間、つい何処かのサウナ風呂屋を想像してしまったのは私だけか・・・
宿の客室内に荷物を置き、少しの間休んだ後、私は「第1回世界第九サミット」が開かれることになっている墨田区役所内リバーサイドホールに向かうべく、必要最小限の荷物のみを手にして出発、靴を取り出した上、玄関横のフロントに鍵を預けて南千住駅の方向へと歩きました。
リバーサイドホールを擁する墨田区役所の最寄り駅は都営地下鉄浅草線の本所吾妻橋という駅で、南千住からはまず日比谷線で上野まで乗り、上野で銀座線に乗り換えて日本最古の地下鉄(当時の「東京地下鉄道」)区間全線を乗り通して終点の浅草まで、浅草で更に都営地下鉄浅草線に乗り継いで、押上方の隣接駅である本所吾妻橋・・・という順番で向かいました。
本所吾妻橋駅からは徒歩で5分ほどで墨田区役所に行けるところですが、この日は、夕方からそうでしたが、風が非常に強くて常磐線が運転見合わせになる有様で、夜になるとそこに冷たさ(寒さ)も加わるため、本所吾妻橋から墨田区役所に徒歩で向かっている間はまさしく”地獄の1丁目”の気分。
今回の「5000人の第九」では私の知り合いの「第九」仲間の一人であるChicoさん(ソプラノ)が初参加していたわけですが、あろうことか、自宅を出発したという本番2日前(2月22日)の朝になって高熱と顔の腫れに苛まれる有様だったそうで、一応事前に「第九サミット」への傍聴の誘いをかけていたものの、こんな強風の下、あの体調ではちょっと無理だろうなぁ・・・
かくいう私も、またもや時間の読み違えで開始時刻(18:30)に遅れてしまった上、会場のリバーサイドホールは私にとって初めての場所だったことから、何処にあるのか、市役所の敷地内を探し回っていたことも重なり、結局墨田区役所の建物内にそれがあることがわかってエスカレーター利用でホールロビーについた頃には開始時刻から約10分経過してしまっていましたが、それでも受付の人に一声掛けると資料を渡してくれて中に入ることが出来ました。
中は机とイスが並べられ、私は一番右端の机の列の後ろよりの席に座りましたが、眺めた限り、来場者は100人いるかいないかといった感じでした。
既にオープニング部分は終わっていましたが(手渡されたレシュメ類から、どうやら「すみだ第九を歌う会」の佐野主税会長による開会の辞と石井貞光事務局長による趣旨説明が初めに行われた模様)、これから基調講演が始まるところで、フランスと日本から1人ずつ、「第九」に縁のある人物が演壇に立ったわけですが、何故ベートーヴェンの「第九」が日本国内に於いては年末期に盛んに演奏されるようになったのか等、「第九」に纏わる興味深い話が2人の講演者によって展開されていました。
ちなみに日本人の講演者は日本ベートーヴェン協会理事で『<第九>と日本人』(春秋社)の著者としても知られている鈴木淑弘で、黒のペレー帽姿で、演壇に立っていました。
基調講演の後は予め招集されていた日本国内と国外5カ国(ボリビア・ネパール・ドイツ・韓国・中国)のパネリストによる「第九」に纏わる体験談等を1人あたり5分程度の持ち時間で話して貰っていましたが、ほぼ共通していえることは、人類愛を描いているベートーヴェン「第九」を高く評価し、参加することの喜びをそれぞれの言葉で語っていたってことかな・・・
各パネリストたちによる体験談等が終わると、いよいよ「第1回世界第九サミット」としての”宣言”の採択へと移っていきました。
これは入口で手渡されたレシュメ類の中に資料として入っていた5つの「宣言」案(→気になる方はこちらへどうぞ)の中から、日本人の基調講演者・鈴木淑弘の音頭取りにより、2つが”宣言”として採択ということとなり、これらは翌日の「5000人の第九」第1部の中で発表されるとの話がありました。
「5000人の第九」に参加されていない方々のために、その採択された”宣言”2つを以下に示します。
◆ 戦争や紛争を無くし、平和な世界を構築するため、国技館5000人の第九コンサートを平和の賛歌と位置づけ、1年に1度はこの国技館で演奏する ◆ 人類の至宝ベートーヴェンの「第九」を世界に普及するため、東京に世界ベートーヴェン「第九」普及協会を設立する |
墨田区の音楽都市構想(音楽都市すみだ)の種ともなった「5000人の第九」は、今後は世界平和を祈念するための音楽イヴェントへと脱皮することを決めた、てことなのでしょうか・・・
そして「世界ベートーヴェン『第九』普及協会」設立・・・何だか仰々しい感じがしないでもないところですが、ベートーヴェン「第九」日本初演の地・徳島県鳴門市等、日本国内に於けるベートーヴェン「第九」と何らかの形で縁のある地域と手を取り合う等しながら発展させていって欲しいと思います《何だか独りよがりな要望!?》。
それにしても、出席時間の半分以上を半ば眠りながら過ごしていたという不謹慎な私・・・それでもベートーヴェンの「第九」という楽曲が人類愛を描いたものであること、そして日本国内に於ける「第九」演奏事情というものを改めて確認出来た点に於いては、まんざら無駄な一夜ではなかったかな、と思うところです。
「第1回世界第九サミット」を終え、私は今来た道を引き返す形で宿に戻ったわけですが、墨田区役所の建物を出た途端に吹き荒む嵐の寒いこと・・・思いっきり縮こまりながら区役所最寄り駅である本所吾妻橋駅へと向かいました。
改札をくぐって対向ホームへの連絡地下道を通っている時、前を歩いていた3~4人の年配の人たちが何やら「第九」談義(というか「第九サミット」等での出来事話)に花を咲かせていました。
一駅乗って浅草で銀座線に乗り換えて上野に向かったわけですが、その浅草駅ではメガネをかけた長身の女性駅員が凛々しく案内放送や発車合図を出しているのが見えました。
上野では少し歩いて日比谷線へと乗り継ぎ、入谷、三ノ輪・・・とやり過ごして南千住で下車。改札をくぐって外に出るとまた強い風・・・しかしそんな中であっても歩道橋から望むことの出来る隅田川駅を撮影する気になるもので、しかもこの時にたまたま隅田川駅を1本のコンテナ列車が発車するところだったので、急いでデジカメを取り出し、シャッターを切りました《なお私自身は、夜間撮影であっても、静物対象の近接撮影を除いて基本的にストロボを使わずに撮影しています(露出時間を長めにとることで光を集めることが出来、ぶれないよう三脚を使う等してしっかりと構える必要はあるものの、明々と撮ることが出来ます)》。
それにしても、この強風の中、偶然とはいえ、イイモノを見せてくれましたね。
これを以てしても、南千住界隈に構える宿を予約していてよかったかな、なんて思ったりもします。
今夜の宿に近いコンビニエンスストア(セブンイレブン)で2食分の食糧を買い込み、宿に戻った私は、自室に戻ると、手を洗ったりした後、早速夕食にありつけました。
で、この宿では有線LANが張り巡らされているようなことが今回予約を入れた楽天トラベルでも紹介されているのですが、客室内をパッと見ただけでは何処にあるのかわからず、よくよく探しているうちに、液晶テレビの置かれているところのその液晶テレビ右横に有線LAN用差し込み口があるのを発見、更に携帯やカミソリ等の充電に使えるコンセントも、やはりパッと見だけではわからず、なんと小型冷凍冷蔵庫の右横の狭いスペースに1口だけあるのを発見するわけですが、LAN差し込み口はともかくとして(それでも最低2m程度のLANケーブルを用意する必要有り)、電気コンセントについては、小型冷蔵庫と壁との僅かな隙間の中にあるようなものなので、プラグ形状によっては使えないものも出てきそうな感じがしないでも無いですね《尤も小型冷蔵庫自体は、下が板張りになっていることもあって、ちょっと手で押せば動くので、小型冷蔵庫を動かすことで大抵の形状のプラグで使えると思われるが…》。
また、通常のホテルでは客室に備え付けられているのが一般的なタオル・寝間着類も、この宿ではチェック・イン時に専用のバッグに入れられた形で受け取り、チェック・アウト時には元通りに専用バッグに詰め込んで返却する形になっています。
それにしても、宿全体として、何だか家に上がり込んでいるかのような感覚で泊まれるというのも、ある意味、落ち着くところなのかも知れませんね・・・
今回はこのあたりまで。
次回はいよいよ本番当日〔2月24日(日)〕、一夜を明かした宿を出てから国技館に於ける「5000人の第九」の終演までを振り返ります。
<(_ _)> お読み下さってありがとうございます <(_ _)>
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