JR東日本「夢空間」編成、今月限りで引退・・・JR化後唯一新造された24系豪華寝台客車《バブル社会の象徴!?》
1987年4月1日、国鉄が分割民営化されて7つのJR(6つの旅客鉄道会社と1つの貨物鉄道会社)となって再出発してから後に新造された24系寝台客車(「ブルートレイン」客車)が存在するみたいですね。
ウィキペディア解説「国鉄24系客車」で知ったことなのですが、恥ずかしながら、私自身、今まで知りませんでした(というより今まで忘れていただけかも知れませんが…)。
先のウィキペディア解説「国鉄24系客車」によると、この「夢空間」寝台車両は、1989年、当時発足2年目だったJR東日本が次世代の寝台車両の方向性を検討し、提示すことを目的として新規に製作したもので、定員6人の寝台車(デラックススリーパー)、ピアノ付きラウンジカー、展望室を兼ねた食堂車(ダイニングカー)の3両から成っています。
完成後、同じ年に横浜市内・みなとみらい21地区にて行われた横浜博覧会会場内に設けられたJR東日本展示ブース「夢空間'89」に於いて一般公開されたわけですが、台車やブレーキ等の走行機器等の車両諸元(仕様)を24系寝台客車に合わせた格好で造られたため、JR化後に新造された唯一の24系客車として付番されたといわれています。
で、この「夢空間」がデビューした1989年という年は、日経平均株価で史上最高値を付ける等、まさにバブル絶頂期にあった年でもあり、この「夢空間」編成を”バブルの象徴”と見る向きも存在しています《余談ですが、同じ年、名古屋では市政100周年を記念してただ1度きりで終わってしまった”1万人の第九”が行われていました→『名古屋にも「1万人の第九」があった!?・・・・・・インマゼール=アニマ・エテルナのベートーヴェン「第九」も《改訂版》』》。
いわば将来の寝台車の”テストパターン”的存在とも言えるこの豪華寝台客車「夢空間」でありますが、老朽化等を理由に、今月いっぱいで引退させることが、開発元であるJR東日本から発表されました。
既に各種メディアで報じられていますので、ご存じの方も多いことでしょう。
今月29日夜に品川駅を発つ「さよならツアー」列車が最後の運行となるとの由ですが、この「さよならツアー」の概要は以下に示す通り。
◆ 運転時刻 品川22:33発 → 盛岡07:28着 ◆ 編成 「夢空間」セット編成3両+B寝台車7両 《「夢空間」セット編成は見学用として連結》 ◆ ツアー定員 166名 ◆ ツアー料金 25,000円 《こども(小学生以上)同額》 ◆ 特記事項 上記ツアー料金には 復路で利用する東北新幹線の「運賃+料金」、 及び駅弁代金を含む |
前日(3月19日)の昼14時からJR東日本の『えきねっと』のみで先着順にて受付を始めたそうですが、予約が殺到したみたいで、すぐ売り切れたみたいですね〔今朝方その『えきねっと』にアクセスしてみたら「『さよなら夢空間』はおかげさまでたくさんのお申し込みをいただき、受付を終了致しました。ありがとうございました」とのメッセージが見えました〕。
で、この「夢空間」セット編成、『臨時寝台列車の運転記録』によると、実は関西にも過去3度(2001年・2002年・2005年)乗り入れてきていますが、その時の模様を伝えているWebサイト(乗車記の類も含む)のリンクを以下に示します。
【2001年】 ◎ 寝台特急「東京夢物語号」の旅 ◎ 東京夢物語号~夢空間~ 【2002年】 ◎ THRESHOLDさまの神戸夢物語号乗車記 ◎ SHIGEさまの神戸夢物語号乗車記 ◎ 夢空間 ~バブルの遺産きたる 【2005年】 ◎ 鉄道摘記録 2005年11月 |
このうち、2001年と2002年に関西に乗り入れた際には田端運転所配属の流れ星模様入りの深紅のEF81がそのまま牽引してきていたようです《上記レポートに目を通させて貰いましたが、当時、大阪駅の「夢空間」入線ホーム(10番のりば)とその周辺には多くの鉄道ファンでごった返していたみたいですね…》。
私自身、書籍等に掲載の写真を見るだけで、駅ホーム等で生の姿を目にしたことは無く、ましてや乗ることの無かった「夢空間」編成、その後の「カシオペア」(E26系寝台客車)車両の開発につながった等の功績を残し、表舞台から姿を消すこととなります。
一度でもいいから生の姿を見てみたいな・・・ちょっとキツいか《品川駅構内がまた殺気立ちそう》。
〔→同日付の産経新聞Web版(MSN産経ニュース)にも掲載有り〕
『超豪華寝台車両「夢空間」、29日でラストラン』
『夢空間:豪華寝台客車3月末で引退 さよならツアーも』
『豪華列車「夢空間」が29日引退』
<(_ _)> お読み下さってありがとうございます <(_ _)>
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バブルの時代も遠くなりにけりですな。
青函トンネルの開業で人気を集めた寝台特急・北斗星も今では。。。。。ですから。
それにしてもこの「さよならツアー列車」、盛岡止まりということは・・・・・その先の三セク区間の線路使用料が高いということですかね?
それなら上越・羽越・奥羽線経由で青森まで走らせればいいのにね。
投稿: An die Freude | 2008年3月25日 (火) 00時13分
An die Freudeさん、コメントに対するレスが遅れてしまい、どうもスミマセン!
そうですね、確かに・・・盛岡から八戸までの区間は第3セクターに移管されているから、そのような運行区間の設定となっているかも知れませんね。
で、仰っているように、日本海側(高崎・上越・羽越・奥羽各線)を経由すれば青森、そして函館・札幌までJR線のみで走らせることが出来ますし・・・そのほうが、時間帯にもよりますが、日本海の水平線に日が沈む風景等を楽しみながら車両の見学が出来たりしますし・・・
そこまで知恵が働かなかったのだろうか。
投稿: 南八尾電車区 | 2008年4月 1日 (火) 14時41分