東京・歌舞伎座の「第九」公演要項発表さる・・・年末「第九」フィーバー発祥の地で、地元民の手による「第九」公演
こちら大阪では、少し気の早い話ですが、大阪城ホールに於ける「サントリー1万人の第九」の合唱団員募集開始まで残り2ヶ月半・・・例年5月中旬までには団員募集要項がネット上にアップされてきているみたいですので、あと2ヶ月ほどしたら今冬開催分の「1万人の第九」募集要項の中身が見れることかと思います。
ただ、いつもならばいち早くネット上にて「1万人の第九」に関する情報提供をしてくれている有元正人氏(「1万人の第九」合唱指導者)の手によるWebサイト『有元正人のホームページ』ではありますが、今年は未だに今冬開催分の情報がアップされていません《昨年までならば「1万人の第九」スタッフミーティング後の食事会の模様がアップされていました》。
まぁ、私自身としては今冬も通常通り開催されることを祈るのみなのですが・・・
で、その「1万人の第九」を初めとして、今更私が言うほどのことではありませんが、日本では年末期に全国各地でこぞってベートーヴェン「第九」公演を開催するという”年末「第九」フィーバー”というのが見られるわけですが(いわば日本に於ける年末の風物詩となってしまっている…)、その走りとされているものが昭和13年(1938年)12月26・27日に東京の歌舞伎座に於いて行われたNHK交響楽団の前身である「新交響楽団」が開いたベートーヴェン「第九」演奏会でした。
当時この「第九」演奏会の指揮を務めたのは1895年生まれのユダヤ人指揮者で、この2年前〔昭和11年(1936年)〕に「新交響楽団」の常任指揮者に就任したヨーゼフ・ローゼンストックでした。
実はこの「第九」演奏会が開かれた前の年〔昭和12年(1937年)〕の5月5日に開かれた「新交響楽団」の第179回定期演奏会に於いてもローゼンストック指揮によるベートーヴェン「第九」が演奏されたわけですが、この定期公演に合唱団員として参加していた作曲家の柴田南雄(→『鉄道ファン(鉄道マニア、鉄道好き)の音楽家たち・・・・・・私家版鉄道ファン人物一覧(1)』に登載されている一人)の証言によると、ローゼンストックは「ドイツでは大晦日から元旦にかけて、ちょうど年の変わり目の深夜にラジオ放送で《第九》をやる習慣があり、自分も先年その番組でベルリン・フィルハーモニーを振ったが、その感激は一生忘れないだろう」と語っていたとのことで、柴田自身も、この後現在に至るまで我が国で行われている年末の「第九」は少なくともこのローゼンストックの談話につながるものであろうと想像する、と語っていたそうです。
そのローゼンストックの指揮による、年末「第九」フィーバーの走りとされている昭和13年(1938年)12月の「第九」公演が開かれた東京の歌舞伎座で、今年の4月、歌舞伎座の地元・東京都中央区に在住或いは通勤・通学している人たちで結成する中央区第九の会合唱団によるベートーヴェン「第九」演奏会が開かれることになっているのですが、このほど、その公演要項が以下の通り発表されました。
◆ 公演日時 2008年4月27日(日)・15:30開演(15:00開場) ◆ 公演会場 歌舞伎座(東京都中央区銀座4-12-15) 《日比谷線&都営浅草線・東銀座駅下車スグ》 ◆ 指揮 石毛保彦 ◆ 独唱 山咲史枝(S)、岩森美里(A)、田口興輔(T)、 村林徹也(Br) ◆ 合唱 中央区第九の会合唱団 ◆ 管弦楽 中央区交響楽団 ◎ 座席料金(全席指定) 1等席¥3,500、2等席¥2,500、3等席¥1,500 |
この「中央区第九の会」でありますが、去る2月24日に開かれた「第24回国技館5000人の第九コンサート」にも参加しているだろうと思っていたのですが、手元にある公演プログラム冊子を見る限りでは、どうやら団体としては参加していなかったみたいですね。
もし参加されていたならば、「5000人の第九」終演後の解団式の場で、いわば宣伝を兼ねたお披露目が出来たことと思うのですが・・・
それはさておき、この歌舞伎座に於けるベートーヴェン「第九」公演のチケット前売り開始日時も「3月30日(日)・朝10時」と同時に発表となっています。
チケットの前売り取扱箇所ですが、この歌舞伎座自体が事実上松竹(株)の手により運営されている関係から、以下に示す箇所での取扱となります。
◆ 窓口取扱 歌舞伎座・新橋演舞場・サンシャイン劇場 《「サンシャイン劇場」のみ10:30~18:00》 《他の2箇所は10:00~18:00》 ◆ 電話取扱 チケットホン松竹 03-5565-6000 《10:00~18:00》 ◆ インターネット取扱 チケットWeb松竹 《要会員登録》 《24時間受付(前売開始当日のみ朝10時から)》 パソコン(PC) 「http://www1.ticket-web-shochiku.com/p/」 携帯「http://www.ticket-web-shochiku.com/」 |
通常コンサートの類のチケット前売りを扱っている「ぴあ」や「ローソン」等では、今回紹介しているこの歌舞伎座に於ける「第九」公演のチケットは取り扱っていない模様ですのでご注意を…
それにしても、東京の歌舞伎座が年末「第九」フィーバー発祥の地といわれているとはいえ、最近でこそニューヨーク・メトロポリタンオペラ(MET)のライヴ・ビューイング(パブリックビューイング)の会場として使われるようになってきてはいるものの、元々は日本の伝統芸能(歌舞伎)の殿堂という位置づけとなっているこの格式ある建造物に於ける古典洋楽(俗に言うところの「クラシック音楽」)の演奏会は非常に珍しいものであるだけに、私自身も食指を動かされる思いがします。
昭和13年当時の響きを偲ぶ意味でも、是非聴きに行きたいところです《ただ足代がちょっと…》。
<(_ _)> お読み下さってありがとうございます <(_ _)>
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