3つの寝台特急「あかつき」&「富士」&「日本海4号」で九州から本州北端(青森)まで…〔10〕久方ぶりの東北路へ
先月(3月)の10日から13日にかけての日程で九州から青森にかけて、3本の寝台特急を使って、乗り繋いでいったという旅程の顛末を記してきているこのシリーズ、前回(9回目)の記事でようやく東京、そして上野に到達した格好となりました。
今回は上野から常磐線を通って更に北上を続け、いよいよ東北地方へと入っていきます。
私自身にとっては、2001年3月末を以て廃止となった下北交通大畑線の廃止少し前の時期に下北から大畑まで乗車すべく、羽田から当時の日本エアシステム(現在の日本航空インターナショナル)の旅客機で青森県の三沢に入って以来の東北入りということになりますので、実に約7年ぶりとなるわけです《しかし仙台・盛岡地域を通過するのは17~18年ぶりかな…》。
2本目に乗車した寝台特急「富士」で東京入りした私は、山手線・内回り電車を使って上野に移動、上野駅橋上改札内コンコースにあるうどん・そばスタンドにてそばの朝食となりました。
優等列車専用ホームである16・17番島式ホームへの中間改札口が見渡せる位置にあるそのうどん・そばスタンドには2台の食券券売機が備えられていて、紙幣は勿論のこと、Suica電子マネー対応ともなっていました《先月(3月)の18日からはICOCAの電子マネー機能との相互利用がスタートしているので、今ではICOCAを使って食券が買えるかも…》。
小銭の持ち合わせに乏しかった私は千円札を使って食券を買おうとしたのですが、これがなかなか受け付けてもらえず(吸い込まれない)、その上、券売機を変えてみても状況は変わらず、途方に暮れてしまいました。
どうしたんだろう、もしかして故障だろうか・・・
そこで、実際にそうなのか確かめるべく、少し後ろのほうへと下がり、他の人が食券を買うところを眺めていた私・・・暫くすると、同じく紙幣を使って食券を買おうとする人が現れ、視線をその人に向けてみたところ、紙幣は吸い込まれてスンナリと食券が買えたではないか。
もう一人、紙幣で食券を買おうとした人が現れましたが、その人も何の気無しに食券とお釣りを取って中へと入っていきました。
入れ方が悪かっただけか・・・チラ見程度の記憶(?)を頼りに、再度千円札でトライした私。
紙幣投入口の中を覗き込みながら手持ちの千円札を差し入れていくうちに、目出度く千円札は吸い込まれ、その後メニューボタンにランプが灯って希望の品(天玉そば)のボタンを押下、お釣りと食券が出てくるのを見て胸をなで下ろしながら受け取り、店内へと入りました。
順路の通り進みながら食券と引き替えに天玉そばを受け取り、出入口近くに見つけた空席に腰掛けてそばをすすりながら、ダシの味と共に、ようやくにしてありつけられた喜びというものも噛みしめていました。
食べ終えて食器を返却し、スタンドをあとにした私は近くにある自販機で緑茶を買って飲み、その後その自販機の置かれている隣に据えられていたケース入りのパンダ人形(パンダは上野動物園のシンボル的存在でしたね…)を眺めながらデジカメに・・・それが終わると、いよいよ次に乗車する上野11:00発いわき行き特急「スーパーひたち19号」の発車する16番のりばへと向かったわけですが、中間改札を通ることになるため、「長崎~西大津(現・大津京)」の手書き式”大乗車券”といわきまでの自由席特急券を用意し、16・17番島式ホームに通ずる中間改札口へ。
左横にある自由席特急券うりばブースと行き来していた駅員に件の”大乗車券”と自由席特急券を手渡した私・・・でも駅員は”大乗車券”に添付の全経路が記された別紙を見ること無く、そのまま2枚とも返却してくれました。
これまで余計な口出しをしたがために駅員や車掌をかえって戸惑わせたところがあったように感じていた私は、今回の「乗り繋ぎ」旅では、改札口等できっぷ類を見せる場面に於いて、余計な口出しは一切しないでおこう、と心に決めていました。
東京行き寝台特急「富士」に乗るところまでは「長崎~西大津」という乗車区間を大きく逸脱しているわけでは無かったため、さほど気にする必要はなかったのですが、この上野駅中間改札口に於ける改札(というか”検札”!?)からは、一般常識から考えて、「長崎~西大津」という区間から逸脱していることになるわけだから、駅員や乗務員によっては私に疑いの目を向けてくることも十分考えられるわけで・・・
とはいえ、仮にそうなったとしても、今度の件の”大乗車券”ではこれから通ることになっている常磐線や東北本線(新幹線含む)等のルートもちゃんと運賃の中に盛り込まれているわけだから、その際に初めて添付されている別紙のことを伝えて見せればいいかな・・・今回の旅で私はそう考えていたのでした。
結局スンナリと16・17番島式ホームへと降り立つことの出来た私は、既にこれから乗る651系特急型電車による「スーパーひたち19号」が16番のりばに停車しているのを目にし、同時に車内整備中で一時的にシャットアウトされているのを確認して、早速その「スーパーひたち19号」の撮影に入りました。
反対側の17番のりばには「スーパーひたち19号」の30分後に発車となる勝田行き特急「フレッシュひたち21号」が入ることになっていたのですが、まだ姿はありませんでした《「スーパーひたち19号」の発車時にも入線はありませんでした…ちなみに当時の時刻表では、「フレッシュひたち21号」の入線時刻は11:06となっていました》。
いわき方先頭車両の撮影に始まり、その後うしろのほうへと走って車両側面の行先標(行先表示幕)の撮影、編成最後尾等も撮影、更には16・17番島式ホーム上から東北・上越新幹線ホームへの階段のある方向に見える「カシオペア」モックアップ展示物をもカメラに収めたりもしました。
一通りの撮影を終えた私はいよいよ乗り込むための準備をすることになるわけですが、11号車を先頭車両とする11両編成のうちの前4両(8~11号車)は途中の勝田止まりとのアナウンスに反応し、更に分割点を挟んで前後2両ずつ(6~9号車;分割点は7号車と8号車の間)が自由席とのことだったので、終着駅・いわきまで行く自由席車の一つでいわき行き編成の先頭車両でもある7号車の先頭ドアの前から伸びる列に並びました。
やがて車内整備が終わり、清掃員たちがホーム上に集まって点検を終え、詰め所のほうへと消えていくと、間もなく乗車開始を告げるアナウンスが鳴り響き、次いでドアが開くと待機していた列がどんどんと吸い込まれていったのでした。
列のわりと後ろのほうにいたので座れるかどうか気がかりでしたが、それでも進行方向右手の最前列窓側の席を押さえることが出来た私・・・暫くして手持ちの携帯でまだ撮影していないことを思い出し、乗客の流れが落ち着いたところで急ぎ車外へと飛び出して先頭部へと駆け寄り、急ぎ携帯のカメラ機能を使って撮影し、発車アナウンスが鳴り響く中、急いでいわき行き編成先頭車両へと戻りました。
そして「スーパーひたち19号」発車・・・久方ぶりとなる東北路へと踏み出した瞬間でもありました。
走り出してから暫くすると窓から熱を伴った太陽光が入ってきて、隣の席に座っているビジネスマンを気にするあまり、カーテンを閉めた私・・・それでも時折カーテンの切れ目から覗き込むようにして車窓風景を眺めたりもしていました。
やがて車掌が来て検札・・・件の”大乗車券”とひたちまでの自由席特急券を差し出した私でしたが、ここでも別紙を見られること無く、スンナリ返してくれました《やはり変に口出ししないほうがいいかも…》。
で、茨城県の県庁所在地でもある水戸までノンストップの「スーパーひたち19号」でありますが、常磐線に入ってから快速線を快調に飛ばしていき、やがて取手を過ぎて緩行線が尽きると共に交流電化区間へと入っていったわけですが、交流電化区間に入る少し前くらいに、電源切り替えのため車内灯が消える、とのアナウンスが入り、次いで取手の次の藤代までの間に存在するデッドセクション(交直セクション)に入る30秒ほど前から車内灯が消え(交直切り替え。空調等も止まったかも…)、デッドセクションを通過、やがて再び車内灯が灯って交流電化区間へと入り終えたのでした。
少し前に何かの鉄道本で目にした話では、最近投入されたJRの新型車両では、例え交直セクション上で電源切り替えを行っても車内灯が消えない仕組みになっているようなことが書かれていたのを覚えているのですが、そうするとこの651系電車はまだ旧式のまま、ということになるのだろうか。
ま、それはさておき、交流電化区間へと入った「スーパーひたち19号」はその後も順調に飛ばし、1時間少しで水戸に到着・・・ここで20人ほどのビジネスマン等が降りていきました。
水戸から先はわりとこまめに停車していく「スーパーひたち19号」・・・次の勝田では前4両が切り離され、私の乗っている車両が新たに先頭車両となったわけですが、切り離し作業等で停車している間、向こう側に見える茨城交通湊線のホームに何本もはためく、あの湊線存続を願う水色ののぼりを眺めていました〔尤も、この時、茨城交通の車両は停まっていませんでしたが…〕。
7両編成となった「スーパーひたち19号」・・・隣に座っていたビジネスマンはいつの間にか降りていて姿を消し、また停車駅毎に少しずつ乗客を降ろしていく格好で次第に空いてきているような感じでした。
時には停車駅に停まっている間、車窓から見えるプラットホーム上の風景を眺めては携帯片手にメール等をする人たちの姿をつぶさに見たりすることもあったものの、勝田から終着駅・いわきまでの区間はそれほど印象に残っていないのが本当のところです・・・
そして、終着駅・いわきに到着。
同一ホーム上の反対側には既に乗り継ぎ先列車となる原ノ町行き普通列車〔415系電車(1500番台)4連〕が停まっていて、工事のため足場が狭くなっている中を、少々急ぎ足で向かった私なのでした(周囲の人たちも急ぎ足加減だったかな…)。
このいわきから先、仙台までは普通列車乗り継ぎとなるわけですが、文章が少々長くなってきましたので、この先のことはまた次回の記事へと続けていきますね・・・
<(_ _)> お読み下さってありがとうございます <(_ _)>
【関連記事(「あかつき」・「富士」・「日本海(4号)」乗り繋ぎ旅)】
《1》「概要」
《2》「自宅→京都駅(自宅最寄駅→京都)」
《3》「『あかつき』乗車(京都→岡山)」
《4》「『あかつき』長崎到着(岡山→長崎)」
《5》「長崎→久留米」
《6》「久留米→大分」
《7》「『富士』に乗って(大分→門司)」
《8》「「富士」名古屋到着(門司→名古屋)」
《9》「『富士』東京到着(名古屋→東京)」
《11》「仙台に到着(いわき→仙台)」
《12》「ついに青森到達(仙台→青森)」
《13》「『日本海4号』乗車(青森→車中泊)」
《14》「『日本海4号』京都着(車中泊→京都)」
《15》「KTR宮津まで(京都→宮津)」
《16》「豊岡に出る(宮津→豊岡)」
《17終》「大阪帰着、そして…(豊岡→大阪→自宅)」
« 北欧フィンランド・タンペレ市に於けるベートーヴェン「第九」公演生中継・・・海外ネットラジオ紹介Webサイト不具合も | トップページ | ウィーン・フィル大阪公演… »
この記事へのコメントは終了しました。
« 北欧フィンランド・タンペレ市に於けるベートーヴェン「第九」公演生中継・・・海外ネットラジオ紹介Webサイト不具合も | トップページ | ウィーン・フィル大阪公演… »
コメント