ヘルベルト・フォン・カラヤン、1950年代後半の頃の来日公演映像から・・・ブラームス(VPO)とワーグナー(BPO)
前回の記事で、『YouTube』に寄せられている、ヘルベルト・フォン・カラヤンがベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(BPO、BPh)を率いて1981年10月に行った日本ツアーの中で行われた東京文化会館に於ける来日公演の中で演奏したブラームス『交響曲第1番ハ短調作品68』の収録動画を紹介しましたが、その『YouTuibe』には同じくカラヤン指揮による別のブラームス『交響曲第1番』演奏の収録動画も併せて寄せられており、私も1981年の時の演奏と同様こちらも繰り返し耳にしていますので、そのカラヤン指揮による別のブラームス第1交響曲演奏が収録されている動画を今回紹介していきます。
その演奏動画とは、今から49年前の1959年(昭和34年)の10月下旬に東京・内幸町(千代田区)にあった旧NHKホールに於いて行われたカラヤン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の来日公演の中のブラームス『交響曲第1番』演奏を収録したもの。
この1959年といえば、今年いっぱいで建て替えのため一時閉鎖となる大阪のフェスティバルホールが開館1周年を迎えた年であり、また上野公園の縁にある東京文化会館のオープン2年前にもあたります《ちなみにフェスティバルホールの開館は1958年(昭和33年)4月上旬頃、一方東京文化会館の開館は1961年(昭和36年)4月頃》。
当時カラヤンは51歳で、まさしく指揮者として脂ののりきった頃と言えるわけですが、彼の指揮っぷりについて言うならば、晩年(1980年代)のカラヤンでは何だか神に祈っているかのような神々しさの漂わせているような印象を抱いてしまうのに対し、1960年代(50歳代)当時のカラヤンについては、流暢にしてハツラツとした感じ、という印象を抱くところです。
その指揮っぷりは演奏にも反映されているみたいで、50歳代のカラヤンのタクトから繰り出される音楽というのは、今回のブラームス演奏だけで判断するのはいささか早計なところですが、グイグイと前へ前へと進もうとするような、何処か力強さというもの感じさせる一方で所々でレガート主体の奏法により流暢さをも見せる・・・まぁそんなあたりですね。
まだまだ志高かった・・・そんなあたりでしょうか。
で、前回の記事で紹介した1981年のベルリン・フィルと組んだ公演ライヴを収めた動画では全楽章分の公開となっていましたが、今回取り上げている1959年のウィーン・フィルと組んだ公演ライヴを収めた動画では終楽章(第4楽章)の序奏が終わってハ長調による第1主題(ベートーヴェン「第九」の”歓喜の歌”メロディーによく似た旋律)へと入るところから曲の終わりまでの部分が収録・公開されています。
なお、動画自体は2分割される形で公開されています。
聴いていても、晩年のカラヤンが聴かせた純粋な響きとは異なる、ハツラツとした響きというものが感じ取れるかと思いますが・・・
そして『YouTube』には、以上紹介した1959年のブラームス『交響曲第1番』演奏と共に、この2年前にあたる1957年(昭和32年)にベルリン・フィルが、更にこの2年前(1955年)に前任者フルトヴェングラーの死去(→1954年11月30日)に伴って同オケの首席指揮者兼芸術総監督に就任したばかりのカラヤンと共に、初めて来日した際の同年11月3日に同じく内幸町の旧NHKホールで行われた来日公演に於いて演奏されたワーグナーの”楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲”の演奏を収録した動画も併せて寄せられています。
懐の深さを感じる一方で、何処か男性的とでもいいますか、あまり耽美的にならず(というか甘からず)、堂々としたメロディーラインの運び具合により、何だか「殿堂入り」(あくまで観念的にですが…)をイメージさせてくれるような演奏で、聴いていてツボを突かれたような気分になったものでした。
で、ここまで紹介してきた2つのカラヤン指揮による演奏を収めた動画でありますが、実は全て1999年1月から2000年8月にかけて不定期ながらNHK教育テレビで放映されていた『20世紀の名演奏』〔番組案内役:黒田恭一(音楽評論家)〕という番組の中で映し出された映像でありまして、この2つの演奏は何れも第1回放送『衝撃の初来日~それはカラヤンから始まった』の中で紹介されていたものです。
この番組に於いて、1957年のワーグナー『マイスタージンガー』演奏は番組内のトップで紹介され、1959年のブラームス『交響曲第1番』演奏は番組内の一番最後に紹介されていました。
これら2つの演奏が番組内に於いていかに重要な位置づけとなっていたか、想像させられるところですね。
そして、この番組、放映が開始された1999年がNHK教育テレビの放映開始40年を記念して制作された特別番組だったそうで、50年目という大きな節目を迎える来年(2009年)にまた、何らかの形で、アンコール放送をしてくれたら・・・と待望しています《出来たら地上波で!》。
尤も教育テレビ放映開始40年目の年とその翌年(つまり1999年から2000年にかけて)はちょうど世紀の変わり目(20世紀から21世紀へ)にもあたっていて、ここに着目して放映していたのかも知れませんね》。
それにしても、前回とりあげた1981年日本ツアーの際のカラヤン指揮による演奏と聴き比べていて、20年あまりの間に純粋さが増してきているような印象を抱くところです。
【おことわり】
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ベートーベン
歓喜の歌ドイツ語版(ショパン)
歓喜の歌~ベートーヴェン(混声)


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