”ワーグナー指揮者”ホルスト・シュタインの遺産・・・動画共有サイトに見る(2)「”マイスタージンガー”第2幕から」
去る7月27日にスイスのジュネーブ郊外でこの世を去ったNHK交響楽団名誉指揮者の一人で”ワーグナー指揮者”だったホルスト・シュタインの遺産を動画共有サイトに見る試み(!?)をシリーズ形式で進めています。
今回は『YouTube』に寄せられている楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第2幕からの抜粋をとりあげます。
歌合戦の開かれる聖ヨハネ祭の前夜の街角という舞台設定で進行するこの第2幕でありますが、『YouTube』に寄せられている動画では、徒弟たちのお祭り騒ぎが終わった後の、靴屋の親方ハンス・ザックスが一人物思いに耽っているところ(アリア”ニワトコのモノローグ”が歌われる前後か?)から映像収録が始まっています。
そのザックスの物思いに耽る場面から第2幕終わりまでが今回取り上げる動画の映像収録範囲で、7分割される格好で公開されています。
前回紹介した動画と同様、この7分割動画についても添付テキストデータに収録年月日の記載はありません。
出演者の顔ぶれ(「ホルスト・シュタイン指揮バイロイト祝祭管弦楽団」を含む)から、恐らく前回紹介した『マイスタージンガー』第1幕終了間際の映像と収録時期を同じくしている可能性がありますね《尤も確たる証拠があるわけではないので断言は出来ませんが…》。
それにしても、ここに映っている、若い騎士で金細工師ファイト・ポーグナーの娘エヴァと駆け落ちしようとしたりするヴァルター・フォン・シュトルツィング、見た感じ、何だか精悍な顔つきをしている・・・
元々この『マイスタージンガー』が映画仕立てで制作されたものだからなのかもしれませんが、結構リアルに仕上がっているような感じで、靴屋の親方ザックスによる釘打ちのタイミング等で気になるところはあったものの、各人物間のやりとりも、感情面も含めて、見事にやってのけているような印象でした。
歌のほうも情緒豊かに歌い上げているような印象で、発音面でもそこそこ明瞭な感じだろうか・・・
でも、相談を持ちかけたりしてきたエヴァを一度は冷淡に突き放したザックスの、その直後の仕草(動画3本目の冒頭部分)がどうもピンと来ない。
ここはザックスが、エヴァの立ち振る舞いから、ヴァルターに恋心を寄せていることを察して”思った通りだ。何とかしなければ(手を打たなければ)…”と密かに決意を歌っている箇所のはずなのですが・・・
う~ん、自閉的な脳みそを持つ私が故の印象?
ま、それはさておき、ここでもホルスト・シュタインは流暢に音楽を進めていたような感じですね。
さすが”ワーグナー指揮者”と言われるだけのことはある(それだけかい!)・・・
【おことわり】
動画共有サイト(『Google Video』、『YouTube』等)に投稿・公開されている動画については、今後、投稿者或いは運営サイドの判断等により削除される可能性がありますことを予めご承知おき下さい。
【関連記事(ホルスト・シュタインの遺産)】
(1)『”マイスタージンガー”第1幕後半から』
(3)『”ニーベルングの指環”(構成4部作のうちの2作品)抜粋』
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