「第26回サントリー1万人の第九」本番当日のこと(後編)・・・いよいよ本番、そしてフィナーレへ
今年の「第26回サントリー1万人の第九(10000人の第9)」が無事終了してからまもなく2週間になろうとしているところなのですが、昨日からその「万九」公演当日のことを記してきていますが、前回は午前中に会場(大阪城ホール)入りしてからゲネプロが終わるところまでを記しました。
今回はその続きを記します。
ゲネプロも無事終了し、あとは本番を待つばかりとなった頃、私は着替えなどを手に場内(スタンド区域)をぐるりとひと回りしながら、ステージ上を眺めてみたり、時には複数の合唱団員たちが記念撮影を撮り合っている光景や合唱団員席やその周辺で談笑したりする合唱団員たちを眺めたりしていました。
皆、めいめいに公演本番までの一時を愉しんでいるかのようでした。
また、この時初めてプログラム冊子などを扱う販売カウンターにも寄ったりしました。
カウンター上に置かれているCD・DVD案内チラシ(朝方の入場時にも合唱団員の座る席一つ一つにも配られていたものです)に目を通してみると、DVDには第2部演奏曲(「第九」と「蛍の光」)のみ、そしてCDには第2部演奏曲と第1部のオープニング演奏曲(メドレー『歌のある星へ』)を収録予定・・・とあり、CHEMISTRY歌唱の楽曲については収録されないとの断り書きも見えました。
プログラム冊子などを扱う販売カウンターには公演本番中の休憩時(第1部終了後)にも立ち寄ったわけですが、昨年まででしたら、案内チラシをしばらくの間眺めた後、徐にその案内チラシに付いている予約申込欄に必要事項を記入して申し込んでいたものでしたが、今年は、収録内容に比しての値段の高さも相俟ってか、さすがにその場で申し込む気にはなれませんでした。
まぁCHEMISTRYが歌う楽曲については著作権などの関係もあるので仕方ないにしても、特にDVDについては収録されるのが「第九」と「蛍の光」だけというのは、正直、寂しい気がしたものでした。
実際は特典映像として今年の公式サイトにアップされた動画計11本も併せて収録予定ということになっていましたが、今更言うほどのことではないかも知れませんが、レッスン風景をとらえた映像や本番を前にしたリハーサル風景(公演前日)や座席最終調整の風景(公演当日朝)をとらえた映像なども、思い出づくりの観点から、盛り込まれるべきものと考えるところですね《そうでなければ「万九」CD・DVDとしての価値が半減してしまいます》。
結局、受付締切日である12月12日までの間に申し込むか否かを決めることとして、この日のうちに申し込むことはしませんでした。
こんなこと、初めて・・・
開演(15時)まで残り約30分となったところで、本番用衣装への着替えのため、一つ下にある回廊へと降りた私・・・幸いスタンド区域でいえばHブロックあたりにある凹みのところで着替えることが出来たわけですが(照明が消えていてちょっと暗かったのですが…)、開演を前にして約10分間、指揮者の佐渡裕による聴衆に対する歌唱指導が行われるのが恒例となっていることをすっかり忘れてしまっていた私は、着替えを終えて用を足している最中にスピーカーから流れる佐渡氏の声で聴衆に対する歌唱指導が始まったことを知り、慌てて自分の席に向かい、そして着席した時には歌唱指導は終わりかけとなっていました。
そしていよいよ開演・・・場内の照明がすっかり落とされ、巨大ビジョンに『歌のある星』をテーマにしたリレー映像が映し出される中を、オープニングで演奏する奏者がひとりステージ中央に移動していくのが微かに見えました。
リレー映像ではどういったものが順次映し出されたかはあまり覚えていないのですが、星空(というか宇宙)の映像や世界中の民族を映したものもあったっけ・・・・・・
ま、それはさておき、リレー映像が一通り終わったところでステージ中央のところが青く照らし出され、その中を既にスタンバイしていたリュート奏者が最初のひと爪弾きの音を発し、いよいよ今冬の「1万人の第九」のステージが幕を開けました。
スタンド区域などに別途スタンバイしていた4人のソリスト陣が、リュートの音色に想いを馳せるが如く、めいめいに歌い繋いでいき、やがてステージ上に集結・・・何だかホール内で完結する世界一周の旅を見る思いがしました。
ここのところ司会進行役で定着している感のある小倉智昭と毎日放送女子アナ(入社1年目との由)によるアナウンス等を挟んで、今年の第1部ゲストであるデュオ・ユニットCHEMISTRYにバトンタッチ・・・ピアノ伴奏のみによる1曲目の歌唱を改めて耳にしてみて、切なさを漂わせるような、軽やかで少し甘ったるさを感じさせる澄み切った響き・・・何だかごった煮的な印象となってしまいましたが、そんな感じがしました。
1曲目の歌唱が終わったところで公演指揮者の佐渡裕を交えての司会進行・小倉氏によるインタビューとなったわけですが、このインタビューの場に於いて、ユニットを組んでいる2人の出身地がそれぞれ異なること、そしてこれはハッキリと覚えていないのですが、考え方(性格だったか?)も互いに異なっていて、それでいてデュオを組んで歌ってみれば見事に調和する・・・という点に着目して”「音楽的化学反応」を起こす”とのコンセプトを思い立ったところから「CHEMISTRY」と名付けたのだそうで、私自身ここで初めて”音楽的化学反応”の何たるかを知った次第。
尤もこのようなメンバー各々の出身地などが異なるというケースは他の多くのユニットやバンドに見られそうなものなのですが、敢えてそこに着目しながら音楽活動を続けているあたり、普遍的なようで普遍的ではないのだろうか・・・何だかそんな気がしてならないところです。
次いで「1万人の第九オーケストラ」弦楽セクションによる弦楽合奏とバックに控える我らが合唱団を加えての『冬の星座』、そして弦楽合奏を淀川工科高校吹奏楽部による管楽合奏(ブラスバンド)に交代させての『約束の場所』と続いていって第1部は幕となったわけですが、しっとり感のある『冬の星座』と何処かノリノリ感のある『約束の場所』という互いに対照的な楽曲に合唱団の一員としてバックコーラスに加わった私自身、特に後者の楽曲では、何とかノッていこうと、少しずつ半ば暗記しながら、強引に手拍子を打ったりなどして乗り切ろうとしました。
佐渡氏の指揮による器楽合奏(+合唱団)とCHEMISTRYの軽く切ない響きが相俟って、見事一つにまとまって客席に届いていたような気がしました《尤も私自身のことは別にして…》。
30分の休憩を挟んで、第2部はいよいよメインディッシュの「第九」。
今回の佐渡指揮の「第九」、全体的にわりとレガート調と思えるような音列進行、そしてあまり角を立たせない付点音符の扱い・・・昨年参加した時と比べると、何だか柔和な感じに聞こえていました《このあたりの記憶がちょっと曖昧になってしまっているのですが…》。
とはいえ、紡ぎ出される音の密度の濃さ、そして音楽に没頭して人間性までも反映させようとする佐渡氏の指揮っぷりは相変わらずで、お陰で私自身も合唱団員の一員として、何とか歌い上げることが出来ました。
ただ周囲の団員の方々にはちょっと迷惑をかけたかな・・・まぁ怒られたりしなかっただけよしとしなければ。
「蛍の光」斉唱が終わり、今年の「第26回1万人の第九」は幕となったわけですが、それにしても下手側の舞台袖が丸見えの座席から合唱参加出来たことは、カーテンコールなどで舞台袖を行き交う佐渡氏や4人のソリスト陣、CHEMISTRYの2人などを間近で見ることが出来た点に於いても、貴重な体験になったように思っています。
再び普段着に着替え、スタンド区域の回廊から北玄関を経て外に出た私は、玄関左横の特設テントにて、「残り僅かですよ~」との掛け声に圧される格好で、ようやくにして公演プログラム冊子を買い求めた私は、公演の余韻を心中噛みしめながら京橋駅へと足を向け、片町線(学研都市線)そしておおさか東線を通って真っ直ぐ自宅へと戻ったのでした。
レッスン期間中、時々「10000人の交換絵日記」に掲載された合唱参加者からのメッセージを読んでは団員一人一人が抱く想いなどに触れたりしたものでしたが、それらの想いが大阪城ホールという巨大な空間内に於いて奏でられる「第九」の重厚な調べの下で交錯し、一つのまとまった響きとなって昇華していく・・・・・・
まかりなりにも何度かこの「1万人の第九」にお世話になってきている私自身なのですが、”慣れ”によってそうした団員一人一人の抱いているであろう多様な想いと共有出来なくなってしまっては合唱参加している意義が薄れかねませんので、これからも1回1回を大切にしなければ・・・と考えるところです。
明日からの2日間、「第九ひろしま2008」への合唱参加のため広島に滞在しますが、広島でも何とか団員たち各々の想いと共有しつつ「第九」合唱に参加出来れば、と思っています。
とりあえずは、2回にわたる「1万人の第九」本番当日に於ける記述をここで終えたいと思います。
ありがとうございました。
P.S.
本文中、「1万人の第九」CD・DVDを会場で申し込まなかった旨の記述をしましたが、結局今年は予約申込をしませんでした《というよりは申し込むのをすっかり忘れていた(自爆)》。
4日後にあたる23日(火・祝)の夕方16時から放映予定の「万九」ドキュメンタリー番組、何としてでも録画しておかなくっちゃ!
<(_ _)> ありがとうございます <(_ _)>
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