NHK−FM放送開始40周年記念番組『高度成長時代のN響』から・・・カイルベルト指揮の「驚愕」
今日は私の住む地域で毎月恒例の廃品回収があり、そのため今朝早くから気になる新聞記事たちを次々とスキャナに取り込むのに追われていました。
そうしている中で、ある番組の存在をすっかり忘れてしまっていました。
今年でNHK−FM放送開始40周年を迎えるとかで、それを記念して、実は今朝方07:15からNHK-FM放送開始の年である1969年に行われたNHK交響楽団の定期公演からの抜粋を中心に紹介するという『高度成長時代のN響』が放送されていたのですけれども、新聞記事のスキャナ取り込みに追われる余り、この番組の存在をすっかり忘れてしまっていた私・・・勿論、ラジカセのタイマー予約(録音)のセットもしていませんでした(泣)
放送開始から2時間15分ほど経過してようやく当該番組のことを思い出した私が悔しながらに自室内にあるラジカセのスイッチを入れた時には進行役の山田美也子とN響正指揮者の外山雄三が歴代の指揮者たちのことについてのトークを展開中でした《カラヤンの名前も聞こえていました→尤もカラヤン自身も確かにN響の公演に指揮者として迎えられたことはあるのですが、NHK-FM放送開始の年ではなく、そこから更に昔の話となります(ちなみに1954年4月から5月にかけてのことです)》。
4~5分ほど2人のトークが続いた後、カラヤン誕生の2週間後(1908年4月19日)に生まれて1968年7月に60歳で急逝(それもワーグナー『トリスタンとイゾルデ』の上演中に!)したヨーゼフ・カイルベルトが逝去の年・1968年の5月に東京文化会館にて行われた定期公演にて指揮したハイドンの『交響曲第94番ト長調「驚愕」』のライヴ収録された演奏が流れてきました《ちなみにこのNHK-FM放送開始の年・1969年は現在のN響ホームグラウンドであるNHKホールの新規開館の4年前にあたります》。
テープ保存状態の関係から所々に音の揺らぎがある、と進行役が断っていたのですが、そこは放送局に保管されている音源、とてもいい状態で聞こえてきていましたよ《何処に音の揺らぎがあったんだろう…》。
そしてそこで流れてきたカイルベルト指揮のハイドン演奏・・・ストレートに訴えかけているかと思えば管楽器をもよく鳴らしたりするなどして上長裕に歌い上げているような印象、そして端正な感じ・・・・・・
ハイドンの「驚愕」と言えば、私の場合、オイゲン・ヨッフム指揮による演奏のライヴCDを幾度となく耳にしてきているわけですが、何処か泥臭い(というか人間くさい)感じのする演奏で、これはこれで私も気に入っているのですが、今回聴いたカイルベルト指揮の「驚愕」は端正でいて何だかもの悲しいような印象を受けたものでした《亡くなる直前の演奏だったせいだろうか・・・》。
この後、カイルベルト指揮でもう1曲、先のハイドン「驚愕」が取り上げられたのと同じ定期公演に於いて取り上げられた、鉄道ファン(模型鉄らしい)としても知られるヒンデミットが書いた『フィルハーモニー協奏曲』の演奏も流れてきたものの、こちらは私にとって全くの初耳だったためピンとこなかったものの、聴いていると何となくヒンデミットの作曲上の特性を引き出しているような感じがしました《端正な感じの演奏でしたし…》。
ちなみにこの『フィルハーモニー協奏曲』、山田美也子と外山雄三とのトークの中でも出てきたような気がしたけれども、かのベルリン・フィルの創立50周年を記念してヒンデミットに作曲を委嘱した作品だとか・・・曲名にもズバリ「フィルハーモニー」と出ていることですし《この「フィルハーモニー」の語義については『OKWAVE』内に掲載の『フィルハーモニー』にて的確に示されています》。
録れなかったのは残念だったけど、貴重なものを聴かせてもらいました。
あ、でも1969年3月の公演に於けるサヴァリッシュ指揮によるモーツァルト『交響曲第41番』を見事聞き逃してしまったのがとても心残り・・・
P.S.
カイルベルト指揮による演奏のあとに、昨年(2008年)の11月に他界したフランス人指揮者ジャン・フルネがN響を指揮してのフランス人作曲家によるバレエ音楽作品の演奏2曲分が紹介されましたが、その中の2曲目に紹介されたプーランクの『バレエ組曲「めじか(牝鹿)」』の出だしの部分を耳にして思わずハッとさせられた私・・・これって毎月第1~3日曜日(と思うが…)の夜19:20からNHK-FMにて放送されている『オーケストラの夕べ』のオープニング・テーマに使われている音楽そのものではないか。
てっきしアメリカの作曲家が書いたブラスバンド向け作品あたりが使われているとばかり思っていたのですが・・・よもやプーランクが書いたバレエ音楽の一節が使われていたとは想像も付きませんでした。
それにしても、このプーランクの『バレエ組曲「めじか」』、バレエ向けの音楽にしてはえらく快活な感じに書き上げられた音楽だこと・・・ピョンピョンと跳ね回る”めじか”をイメージして書き上げられたんでしょうね《単細胞的発想ですが(爆)》。
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Joseph KeilberthのCD、一枚だけ持ってます、モーツァルトの交響曲39,40,41番です、しかしあまり好きではありません。
舞台の上で大往生、といえばGiuseppe Sinopoliも「アイーダ」の上演中に急性心筋梗塞を起こして逝ってしまったのでした。
投稿: ポケット保持 | 2009年3月 1日 (日) 00時10分
ポケット保持さん、こんばんは。
カイルベルト指揮によるモーツァルト晩年の交響曲3作品のCDをお持ちとの由・・・それって相手はバンベルク交響楽団で、しかもTELDECレーベルのCDというのでは。
私も、収録曲は違いますが、やはりカイルベルト指揮の演奏が収められたTELDECレーベルの廉価盤を聴いてみた覚えがありますが、音質が良くなかったせいか、気に入ることなく、処分してしまったように何となく記憶しています。
で、現在手元に残っているのは、キングレコードがリリースして現在は廃盤となってしまっている、NHK交響楽団を指揮してのベートーヴェン「第九」を収めたものとブルックナーの4番「ロマンティック」を収めたものの計2枚で、これらは何れも私のお気に入りの一品となっています。
投稿: 南八尾電車区 | 2009年3月 3日 (火) 20時14分