JRのICカード型乗車券の今・・・JR四国は、そして”四国共通カード”は?
JRのICカード型乗車券・・・昨年秋にJR北海道が「Kitaca」を、そして今月に入ってからはJR九州が「SUGOCA」を、相次いでリリース。
更にJR北海道「Kitaca」が、去る3月14日に実施されたJRグループ定例ダイヤ改正に合わせるかのようにJR東日本の「Suica」との包括的相互利用サービスを開始・・・・・・
あ、ここで言うところの”包括的相互利用サービス”とは「乗車券」と「電子マネー」の2つの機能を一括して「相互乗り入れ」させることを意味します。
これで6つあるJR旅客会社のうちの5社でICカード型乗車券を持つことになったわけですが・・・
JR四国・・・未だにICカード型乗車券をリリースさせるとの正式発表は一切無しです。
昨年(2008年)になってようやく高知駅(2月)と高松駅(6月)に自動改札機が導入されたものの、6つあるJR旅客会社の中では最も小規模で且つ厳しい経営環境にあるといわれているだけに、これ以上の自動改札化は進まず、そしてICカード型乗車券の導入もなかなか乗り気になれない現状があるとみられるところです。
尤もJR四国自身、ICカード型乗車券の導入自体については検討中との話なのですが・・・
ところがJR四国以外の鉄道事業者に於いては、ご存じの方も多いかと思いますが、既にICカード型乗車券の導入が進んできていて、2005年2月デビューの「IruCa」(高松琴平電鉄)、同年8月デビューの「ICい~カード」(伊予鉄道)に続き、今年の1月にはついに高知県内をテリトリーとしている土佐電気鉄道なども導入を果たしています。
その中の、今年導入された土佐電を初めとする高知県内に於ける公共交通機関(JRを除く)で通用するICカード型乗車券の名称というのが・・・
ですか
このネーミングに初めて接したとき、思わず「へっ…」と首をかしげてしまい、正直ちょっと吹き出しそうになったものでした《高知県人の皆様、どうもスミマセン!》。
せめて「ですCa」とか「デスca」あたりのネーミングだったら、名称の由来に背いているわけではないし〔と思うが…〕、ネットの検索エンジンを使って情報を引き出そうとする際に簡単に出てきたりしそうなところなのですが、「ですか」というネーミングだと、この単語だけでは検索エンジンを使ってこのICカード型乗車券についての情報がなかなか探し出せないのでは・・・と思ってしまうのです。
実際、主立った検索エンジン3つ(google・Yahoo!・Live Serch)で試しに検索にかけてみたところ、「ですか」の公式サイトについては、「Yahoo!」のみ検索結果2ページ目に表示され、あとの2つは検索結果1ページ目に表示されるという結果となったわけですが、一方で「ですか」のウィキペディア解説ページについては、googleのみ検索結果2ページ目に表示されるものの、あとの2つの検索エンジンについては検索結果上位5ページ以内に表示されないという結果に・・・
やはり「~ですか」といった使われ方が目立つ検索結果となっていました。
”ですか”自体、元々は名詞として使われない語句(助動詞…だったっけ)なだけに、何だか検索エンジンを使っての調べ物がし難いネーミングになってしまっている感じですね、これは《少なくとも検索エンジンを使って調べる分にはちょっと扱いにくい言葉といえそうですね→高知県人の皆様、重ね重ねスミマセン!》。
おっと、話が脱線してしまいましたが、”「IruCa」→「ICい~カード」→「ですか」”というふうにJRを除いた四国島内に於ける鉄道事業者は順次ICカード型乗車券を導入していったわけであり、ここでも”残るはJR四国のみ”ということになってしまっています。
けれどもJR旅客6社の中では最も経営環境が厳しいときている・・・その一方でJR西日本との結びつきを年々強めてきているともいわれていて、一部ネットユーザからは、JR西日本と「ICOCA」で共通としてもいいのでは、との声も聞かれます《例えば『JR各社のICカード』という記事とか》。
私としては、やはり「sicoca」(シコカ;”四国のカード”という意味から)か「mizuka」(ミズカ;JR四国のコーポレートカラーから)あたりのネーミングでJR四国独自で構築して欲しいかなぁ《システム面ではJR西日本のものを下敷きにしていいと思うけど》・・・・・・
あと、四国島内に於けるICカード型乗車券事情で忘れてならないのが「四国共通カード(仮称)」構想の存在。
JR四国が2002年2月下旬にこの構想を発表したわけですが、その際、2014年を目処に実現させたい、と表明しています。
その目処としている時期まで残り5年となりました。
けれども、その後の進捗状況などについては一切伝えられず、頓挫してしまっているかのようです。
そして、その間にも、前記の通り、JR四国以外の鉄道事業者が各々導入していったわけですが、琴電の「IruCa」が「Suica」や「ICOCA」等と同じくサイバネ規格準拠にてシステム構築されているのに対して伊予鉄の「ICい~カード」は”非サイバネ(独自)規格”による構築、そして土佐電などの「ですか」についても独自規格(非サイバネ?)にて開発との話があります《→『土電、県交が共通カード バス、電車利用促進』》。
ソフト規格面(サイバネor非サイバネ)で何れか一つに統一させるか、それとも「サイバネ」・「非サイバネ」両規格の壁を越える新たな技術を開発・導入した上で構築していくのか・・・何れにしても莫大な費用がかかるのは避けられないところなのですが、現時点で考える限り、「四国共通カード」構想実現のためにはこれらのうちの何れかをクリアしなければならないように思うところです。
当初計画通り「2014年を目処」に実現となるか否かも含めて、ここは静かに見守るつもりでいます。
いまはJR四国でもICカード型乗車券の導入なるのか否か、そしてどんな規格(サイバネor非サイバネ)での導入となるのか・・・いつのことになるのかわかりませんが、見守っていきたいと思います。
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なるほど~(・O・)
一応、構想はあるんですね。JR四国のICカード乗車券☆
ただ、他の5社と違って、四国県民の皆さんは気を悪くされると思いますが、必要でしょうか?四国だけではJRや私鉄でも他線との乗換駅も少なく、大都市圏のような複雑な乗換もないように思えます。
ここに書かれているようにJR西日本との結びつきを強化するのであれば、そのままICCOCAを導入してもいいと思います。
導入に当たって、「四国4県内だと、こんなにお得。」みたいな魅力がないと、ユーザーが増えないとおもいます。
投稿: こーじ | 2011年6月27日 (月) 15時35分
こーじさん、こんばんは。
こちらからのレスが少し遅れました───どうもスミマセン。
確かに四国島内の鉄道網は全体として首都圏のような複雑さはみられませんが、それとICカード型乗車券の要・不要とは話が別のように思えます。
四国といえば、2005年に当時経営再建中だった琴電が四国島内初となるICカード型乗車券「IruCa」を導入していますが、自社路線を核とした地域密着を戦略上の最重点課題として地道に普及を進めてきたとのことで、その結果、地元民に受け入れられ、香川大学の学生証フォーマットにも採用されるなどの実績を残してきています《本命の鉄道線で8割程度の利用率を叩き出しているとのレポートも存在します》。
後に伊予鉄や土佐電でもそれぞれ独自にICカード型乗車券を導入、残るはJR四国のみとなったことは周知の通りです。
そしてJR四国も、国からの支援を前提に、ICカード型乗車券導入の意向を明らかにしましたが、四国の人たちに受け入れられるためには、地元私鉄が既に導入しているICカード型乗車券との相互利用が必須であると共に、地元の商業施設でも使えるようにすること(電子マネー機能)も必要になってくるでしょう《JR四国の場合、9年前に「四国共通カード」(仮称)を提唱しているぐらいですから、他の地元鉄道事業者によるICカード型乗車券との相互利用の必要性に対しては一定の理解をしていることと思いますが…》。
四国島内に於いては最後発となるだけに、既存のICカード型乗車券との差別化を図るなど念入りな戦略が必要になるかも知れませんが、戦略次第で地元民にも受け入れられるようになると考えています。
拙劣なコメントになってしまいました───重ね重ねスミマセン。
投稿: 南八尾電車区 | 2011年7月 1日 (金) 19時20分
徳島在住です。徳島では鉄道より高速バスの利用がメインのため高速バスやその先の鉄道やバスで同じICカード型乗車券が使えないと徳島では普及しないと見られています。徳島では地元や四国よりは関西でカードが使えるかという事が重要だからです。
投稿: 秋山 | 2012年2月17日 (金) 20時41分
秋山さま、こんばんは。
こちらからのレスが遅くなりまして申し訳ないです。
高速バスへのICカード型乗車券の導入は、現状ではちょっと難しいように感じます。
というのも、予約せずぶらりと乗車出来る一般の路線バスならば対応可能なのですが、高速バスでは座席が指定されていたり、或いは座席指定されていなくとも定員制(座席の数しか乗車券を発売しない)としていることが殆どですので、現在のICカード型乗車券の機能では対応しきれないとみられます。
ただ「モバイルSuica」等といった、おサイフ携帯(或いはおサイフスマホ)にICカード型乗車券機能を実現させるアプリをインストールさせて使用する分には、現在でもJR東日本管轄新幹線群に於ける「モバイルSuica特急券」や東海道・山陽新幹線に於ける「EX-ICサービス(ビュー・エクスプレス特約)」などのケースが存在しますので、これらに倣う形で高速バスに導入するのは技術的に不可能ではないように思えるところです。
今のところは坂出・高松両駅に於いてようやくJR西日本からの助力を得る形で「ICOCA」が導入されようとしているところ───「ICOCA」であれ何であれ、JR四国管轄エリアにICカード型乗車券を本格的に導入するのであれば、JR線は勿論のこと、徳島県内に於ける徳島バスや四国交通といったJR線につながる地元の路線バス網、そして高速バスのうち比較的近距離で便数の多い関西(大阪・三ノ宮・淡路島)からの便とかにも対応出来るよう、カード型だけでなくおサイフ携帯型も併せて導入するのがベターでしょうね《初期費用の問題など立ちはだかる壁は多いでしょうが…》。
投稿: 南八尾電車区 | 2012年3月 7日 (水) 01時20分
お久しぶりです。四国他県と異なり、地元バス会社とフェリー会社が正真正銘の南海グループにも関わらずPiTaPaを未だに導入していない点が問題なのです。四国他県が中小私鉄なのにも関わらず導入できているのに大手私鉄グループの徳島の交通機関でなぜできないのか、導入できれば他の四国を大きく引き離せるメリットが(四国他県では実現されていないJRグループ各社のICカードがそのまま使える)ある点を知ってほしいです。県も徳島バスでなくその親会社の南海電鉄に要望を出す必要があります。
投稿: 秋山 | 2019年9月10日 (火) 22時25分