韓国の空港鉄道「A’REX」、ついに国有化へ・・・仁川国際空港とソウルを結ぶ鉄路
ここのところ、テツ的ネタといえば日本国内の鉄道のことをずっと書いてきているわけですが、先日とあるブログ内記事を目にしてから、久しぶりに海外の鉄道ネタについて書いてみようと急に思い立つようになりました。
そのブログ内記事とは、私自身、日本の鉄道と同じくらい関心を抱いている韓国の鉄道に関すること。
で、以前だったら背景なども色々調べつつ書いていたわけですが、悲しいかな、日本国外に出かけたことのない私自身、全て頭の中でデータ整理をし、かつ考え以て書くことになるわけで、とたんにパニックに陥ってしまい、なかなか前に進まないという私自身の内部的現状があります。
そうしたことから、今回は私自身の印象を中心にさらっと書く程度にとどめ、もし可能ならば別の機会に背景などを書くということとします《あまり無理をせず書くことを心がけていくつもりですので、場合によっては事象の背景を書くこと無くそのまま終わってしまうこともあります》。
そして今後、海外の鉄道ネタについて書く場合には基本的にこのやり方で書いていくつもりでいます。
同時に、掲載記事に関する補足やご意見(批判含む)をコメントにて、遠慮無く、どしどしお寄せ頂ければ・・・と思います。
さて、今回記すのは、大分前にこのブログでも取り上げたことのある、韓国の首都ソウルとその近郊に位置する仁川国際空港とを結ぶ計画となっている空港鉄道「A’REX」についてです。
ところで”仁川”といえば、私の住む関西圏にも”仁川(にがわ)”という地名が兵庫県宝塚市に存在し、私自身「仁川国際空港」という単語を目にする度に、「おぉこのあたりに出来た空港だな」と妄想してみたり、「にがわこくさいくうこう」と心の中で読んでみたり(但し口には出さずに)してしまうものなのですが、勿論それらは何れも私の”脳内妄想”なわけでして・・・
いうまでもないことですが、ここでいう”仁川”とは、正しくは、韓国の首都ソウルの近郊に位置する都市の名前(実際は「仁川広域市」)で「インチョン」と読み、「仁川国際空港」はその仁川広域市内に所在する島嶼の中の一つの上に出来ている、韓国の首都ソウルに空路で訪れる際に大半の人がまずお世話になるであろう場所です《尤も最近ではこの空港を経て海外各都市へと飛び立つ人も少なくないみたいですが(格安航空券の普及とある程度リンクしていそう…)》。
その仁川国際空港と首都ソウルとを鉄路で結ぼうということで建設されたのが空港鉄道「A’REX」なわけで、現在はソウル都心部の手前に位置する、今や国内線中心の運用となっている金浦国際空港最寄りの金浦空港駅までの部分開業となっていますが、来年(2010年)のうちに金浦空港~ソウル間が延伸開業される予定となっています。
しかしそのA’REXの現状として、約2年前にこのブログに掲載した『そこそこ乗る日本、悲惨なぐらいにガラガラな韓国・・・・・・空港連絡線(鉄道)の実態について』という記事の中で、既に仁川国際空港から首都ソウル他韓国内主要都市に向けては多数の空港リムジンバスが運行されているという状況の中で、現状ソウル都心部にまで乗り入れていないことや地下鉄との乗り継ぎに際して一切の割引がないことなどが災いしてか、1日あたりの利用者数は12,000人にも満たない悲惨な状況で巨額の赤字を出している旨のことを書きましたが、その状況は現在でも変わっていないみたいで、先月(3月)末にネット上にアップされた・・・
『国土部「仁川空港鉄道の民間資本分、政府が購入」』
《註/この記事こそ、今回私自身が海外鉄道ネタを書こうと思い立ったきっかけです》
というブログ内記事(実際は韓国SBSの報道)が伝えるところによると、韓国の国土海洋部(日本の国土交通省に相当)は韓国鉄道公社(KORAIL)を通じて民間資本分88.8%(→空港鉄道の運営会社「空港鉄道株式会社」全株式のうちの民間資本出資分88.8%のことを言っているのか?)を購入し、政府自らが運営すると発表しました。
これはすなわち、「A’REX」の事実上の国有化を意味するわけですね。
上記当該ブログ記事では、これは事実上PFI方式(各種公共インフラを民間資本を活用して整備・供用するやり方)の失敗を結論づけた重要な転機、と解説、そしてその原因として「(金浦空港までの)部分開業という方法をとった」と結論づけています。
この解説には私も同感で、スーツケースなどの大きな荷物を抱えながら都市と空港の間を行き来することを考えれば、最初からソウルまで開通させると共に、電化方式(ちなみに「交流25,000V・60Hz」。これは日本の東海道・山陽新幹線及び九州新幹線と同一方式)でA’REXと同じくしている首都圏電鉄1号線1号線KORAIL区間の線路にもつなぐことで天安、光明、新昌方面にまで直通乗り入れさせるくらいのことをしなければリムジンバスから客を奪えないでしょう。
まぁそこまでいかなくとも、最低限ソウルまで一気に開通させた上で、運賃面においては首都圏電鉄ネットワークに加入させることで基本運賃部分をネットワーク加盟の他路線と共通化〔その上で建設費充当などを目的とした加算運賃などを必要に応じて別途設定すればよいわけで…〕、そしてソウル駅を初めとする接続駅に於ける施設の充実化〔ムービングウォーク等を設置することで大荷物を抱えた状態での移動の円滑化を図る〕・・・旅客獲得のため、これらを達成する必要はあったように思いますね。
事実上国有化されてしまった空港鉄道「A’REX」、今後とも運営維持していくに際し、真に空港利用者を中心にした旅客の目線に立った運営が求められているといえそうです。
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