ETC搭載車向け高速道路通行料金大幅割引に立ち向かうJR・・・産経新聞報道から
ETC搭載車を対象とした高速道路通行料金大幅割引に対抗するJRの取り組みとその成果が産経新聞によって伝えられていますね。
『JRの高速値下げ対抗きっぷが人気』
《『JRの高速値下げ対抗きっぷが人気』》
《『JRの高速値下げ対抗策が人気』》
JR西日本では「西日本パス」発売の前に、同じく2人以上から利用可能な「こだま指定席往復きっぷ」の発売を始めていて、「西日本パス」と同様、発売期間並びに通用(利用)期間を6月下旬までに設定されているわけですが、今月7日時点で累計23,000枚を売りさばき、管轄する山陽新幹線区間に於ける「こだま」の乗車率も、2月までの17%から25%に向上しているとか。
一方、東日本・北日本地域のJR線を担うJR東日本では2001年から発売している「土・日きっぷ〔通常案内・期間限定版通常案内・「えきねっと」版案内〕」について、6月28日までの期間限定で、このフリーきっぷ利用者に対するレンタカー利用特典に於いて、小型車(Sクラス)利用に限り、1日あたり2,000円(オプション料金別途)で借りられるキャンペーンを展開中で、今月5日時点でレンタカー利用台数が1,355台と当初想定されていた台数の3倍を超える数字をたたき出していると報じています。
そして「土・日きっぷ」、2人以上同時利用が第一条件となっているJR西日本「西日本パス」とJR九州「JR九州・西日本乗り放題パス」の2種類に対し、利用人数に関する制限条項は特に付加されておらず〔少なくとも注意事項のところに利用人数制限の条項の記載が見られない〕、1人旅にも開放されているようにみられる一方で、発売額設定から、家族旅行をもしっかり意識しているとみられるところで〔中高生用で大人用の半額、子ども用では大人用の6分の1!〕、このあたりJR西日本と比べて懐が深いと感じてしまうところです。
で、実は以前にもJR西日本とJR東日本では、完全民営化達成を記念した、今回と同類のフリーきっぷをそれぞれ発売していて、まず2003年3月に「JR東日本パス」(→旅行実例)が、その2年後(2005年)の1月から3月にかけては「JR西日本パス」(発売当時の正式名称”いいね、すごい値 JR西日本パス”;参考Webページ)が、それぞれ登場、それぞれ自分のところのエリア内にあるJR線全線に有効となっていたわけですが、「JR西日本パス」のみ2人以上同時利用の場合のみ発売という制約条件が加わっていて、このあたり現在発売中の「西日本パス」と似通っているところがありますね。
これらのことから考えてみて、一定の”敷居の高さ”を確保することでフリーきっぷ利用者に対するサービスの質の確保というものを意識したJR西日本の姿勢というものが見え隠れするような気がするわけですね。
それにしても、私自身、「JR東日本パス」の存在については発売された年にたまたま東京・両国の国技館に於ける「5000人の第九コンサート」への合唱参加のため上京していたこともあって知るところとなったわけですが〔当時両国駅改札内通路の壁にPRポスターが貼られていたのを記憶しています〕、一方で「JR西日本パス」の存在については今度の「西日本パス」に関する一連の記事を書いていく過程で初めて知るところとなったわけですが、当時それほど積極的にPRされていなかったのか、それとも私自身が知らなかっただけなのか・・・恐らく後者のほうが原因として正しいでしょうけれども。
以上JR西日本とJR東日本の取り組みに対し、高速道路通行料金大幅割引を意識した割引きっぷの類を出していないJR東海は、割引きっぷなどの一時的な対策よりも鉄道の特性を発揮させながら利用促進に取り組むべき、として抜本的対策に乗り出すとしています。
この度の産経の報道によれば、昨年秋以降の景気低迷の影響でJR各社の鉄道利用は新幹線を中心に前年割れが続いていて、ライバル視している高速道路通行料金大幅割引についてはまだ3月末に始まったばかり〔4月末から完全実施〕、この大幅割引の影響が本格化すれば鉄道利用の低迷に更に拍車がかかるのは必至で、そこのところをJR東海は危機感を募らせていることを暗に伝えているみたいですね。
ただでさえ新幹線に過度に依存しているとの批判がネット上で時折聞こえてくるJR東海、高速道路通行料金大幅割引への対抗心からこの傾向が更に激しくなり、益々在来線が置いてきぼりにされるのでは・・・なんてつい勝手に懸念してしまう私なのですが、ちょっと冷静に考えてみると、高速道路は何も東海道にだけ沿って造られているわけではなく、例えば愛知県一宮市から高山を通って富山方面にも伸びていたり〔東海北陸自動車道〕、中山道沿いにも造られていたり(中央自動車道)と、現在新幹線の通っていないところにもしっかり張り巡らされているわけで、この状況の中で、今度のJR西日本とJR東日本の取り組みとは一線を画する姿勢をとっている(ように聞こえる)JR東海が今後どのような施策に打って出てくるのか、興味あるところです。
これから夏の「青春18きっぷ」シーズンを迎える夏休み、そして秋の行楽シーズンにかけて、JR旅客会社各社がETC搭載車対象の高速道路通行料金大幅割引にどう立ち向かっていくのか、見守り続けるつもりです。
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ベートーベン
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歓喜の歌~ベートーヴェン(混声)


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