JR東日本「成田エクスプレス」次世代車両”E259系”に纏わること(1)・・・輸送需要を推測してみた〔高尾以西〕
先日、JR東日本の成田空港アクセス特急「成田エクスプレス」の次世代車両となるE259系特急型電車が製造元である東急車輌製造から出場し、総武本線内の津田沼と往復試運転を実施した旨のことをこのブログでもお伝えしましたが、知らないうちに報道公開されていたんですね(自爆)
何だか京成「スカイライナー」向け次世代車両”2代目AE形”のほうに気を取られてしまったみたい・・・
それで、JRの次世代「成田エクスプレス」車両”E259系電車”が報道公開されたのは、京成「スカイライナー」向け次世代車両”2代目AE形”が報道公開される12日前にあたる去る5月8日のこと・・・つまりゴールデンウィークが明けてすぐに報道公開されたというわけですね。
JR東日本でも初代「成田エクスプレス」253系車両の実績と反省の上に立ちつつ、京成「スカイライナー」に対抗すべく開発に力を注いだことでしょうけれども、報道注目度の点に於いては来年開業予定の成田新高速鉄道線で160km/h運転が予定されている次世代「スカイライナー」車両に圧されてしまった形となりましたね。
で、2代目「成田エクスプレス」E259系電車に関しては『新型「成田エクスプレス」E259系続報。』という記事に於いて写真入りで詳しく紹介されているのですが、これによると、諸元面については私自身気にしていた一つである、中央本線(中央東線)内・高尾以西の区間に存在する狭小トンネルへの対応の有無については、初代「成田エクスプレス」253系車両と同様、「対応している」(狭小トンネル対策済)とのことで、その証として車体側面下部に表示されている形式番号標記の横に菱形マーク「◆」が添えられているのだそうです《従前からの253系車両も「中央本線狭小トンネル対策済み」だったとは知らなかった(形式番号標記をよく見なかったなぁ)・・・ああ恥ずかしや》。
そのため、理論上は高尾以西の大月や甲府、更には大月から分岐していて現在もJR列車の直通乗り入れが行われている富士急行の河口湖への乗り入れも可能なわけですね《富士急行線への乗り入れについては今もJR車両(E233系、115系など)が富士急行線にそのまま乗り入れを行っているところからの推測として記述》。
ただ、理論上は可能であっても、高尾以西の駅と成田空港とを直接結ぶ列車としては、一時期、信州方面(恐らく松本でしょう)からの千葉行き特急「あずさ」を成田空港まで延長させた「ウィングあずさ」の形で運転されていた程度で、現在は全く運転されていないのが実情。
で、高尾以西の駅から成田空港への輸送需要がどの程度見込まれるのか、例として大月と甲府、そして富士急行の河口湖・・・以上3駅について見ると〔勿論推測の域を出ませんが…〕、大月と河口湖の両駅からの成田空港への直通バスの便は見られませんでしたが、大月より更に西に位置する甲府駅からは、更に一駅西に位置する竜王駅と共に、1日6便の成田空港行きリムジンバス(山梨交通と千葉交通の共同運行による)が設定されているのが見えました。
この甲府方面からの成田空港リムジンバス、2002年9月に1日4往復で運行を開始、その後2003年11月と2005年9月にそれぞれ1往復ずつ増発されて現在の6往復体制となったのと同時に、2004年12月にはダイヤ改正により所要時間の短縮が図られるなど、なかなかの好調ぶりを見せています。
そのリムジンバスと鉄道について運賃などを比較してみますと以下のようになります。
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◇ リムジンバス 甲府・竜王両駅~成田空港 … 大人片道4,300円 ◇ 鉄道(甲府・竜王から) ◆ 大人片道運賃 JR線のみ … 3,570円 「JR~京成」(日暮里乗換) … 3,210円 ◆ 片道特急料金(普通車指定席・通常期) JR線のみ(新宿乗換) … 3,470円 「JR~京成」(新宿・日暮里乗換) JR特急のみ … 1,810円 JR特急+「スカイライナー」 … 2,730円 |
| 鉄道の運賃と特急料金については「Yahoo!路線情報」を使って調査 |
総合的にはリムジンバスのほうが安上がりになるわけですが、鉄道利用だけで見ても、JR線のみで成田空港まで行くのと日暮里で京成線に乗り継いで成田空港まで行くのとでは、京成線に乗り継いだほうが運賃・料金とも全体として安上がりになってしまうのには正直少し驚きました。
旧国鉄時代に幾度か実施された運賃・料金の大幅値上げなどが祟っている格好となってしまっていますね。
JRが一時期(1991年3月~1993年秋頃)松本方面からの千葉行き「あずさ」を臨時特急「ウイングあずさ」として成田空港まで延長運行させるも、割引きっぷの類の設定がなかったことや「成田エクスプレス」に抜かれるダイヤ組成が祟って程なく姿を消したのも、何となくわかるような気がします《尤もそのころはまだ甲府からのリムジンバスは設定されていなかった様子でしたが・・・》。
甲府からのリムジンバスで一定の需要が存在することから考えると、「成田エクスプレス」もまた大月、甲府、或いは富士急行の河口湖から走らせても需要が見込めないことは無いといえるわけですね。
ただ、何も対策を講じなければ運行開始後2年で消滅してしまった「ウイングあずさ」と同じ道を辿りかねないため、ここは山梨県内のJR線停車駅や富士急行内停車駅からの利用客に限って利用出来るトクトクきっぷの類の設定が考えられるところでしょう。
まぁ対抗するリムジンバスの需要動向などを見極めながらうまいこと設定する必要がありますね。
それともう一つ、鉄道利用の場合は道路渋滞を回避出来るというメリットがあるわけですが、その一方で、成田空港に向かう場合、終着となる成田空港(第1ターミナルと第2ターミナル)に於いてはリムジンバスの場合は基本的にターミナル横付け(バスおりば)となるのに対して鉄道の場合は地下ホーム(成田空港駅 or 空港第2ビル駅)での降車となってしまうことも留意しておいた方がいいかもしれません《尤も鉄道利用の場合には地下ホームから改札階へと上がったところから荷物カートが使えるみたいですが…》。
「狭小トンネル対策済み」以外の車両諸元についてあと幾つか書きたい(というか書くべき)ところなのですが、以上輸送需要のことだけでも文章が少し長くなってしまいましたので、車両諸元面に於けるその他のポイントについては次回記事にて・・・
<(_ _)> ありがとうございます <(_ _)>
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