「ICOCA」乗車履歴と連動した駐車場料金優待サービス、山陽本線の3駅で・・・「パーク&ライド」推進に向けて
政府が景気対策(生活対策)の一環として「高速道路通行料金大幅割引」を打ち出し、各種メディアなどから「”モーダルシフト”の動きに逆行する」等の批判が相次ぐ一方、ほぼ事前の予想通りにGW期間中は各地の高速道路で大渋滞が起きるなど、鉄道好きで運転免許を持たない私自身としてこの政策にはあらゆる意味で首をかしげざるを得ないところがあるわけなのですけれども、そんな中、都心部への渋滞緩和と鉄道を初めとする公共交通機関への利用促進の切り札となる「パークアンドライド(パーク&ライド)」に纏わる動きが地元・関西圏内でも生まれようとしていることが明らかとなりました。
JR西日本は、時間貸駐車場「タイムズ」を運営・展開するパーク24と共同で、JR山陽本線の大久保・加古川・姫路の3駅のそれぞれ周辺にある「タイムズ」各1カ所で、「ICOCA」の乗車履歴と連動した駐車場料金優待サービスを来る5月20日から開始すると表明しました《→『ICOCAの乗車履歴で駐車場料金を割引』・『駐車場優待サービス「パーク&ICOCA」スタート』》。
詳細はニュースリリースの類に譲るとして、今回は兵庫県西部にあるJR3駅に限られるものの、ドライバーが駅に近い「タイムズ」駐車場に車を止めて「ICOCA」を使って電車で都心部と行き来することにより駐車料金が割り引かれるというモデルが示されているわけで、まぁ大量にショッピングなどして大荷物を抱えてしまっては大変でしょうけれども、渋滞や目的地に於ける駐車場所などに悩まされることなく都心部に足を運べるのは大きな魅力といえそうなところですね。
この「ICOCA」を初めとするICカード型乗車券に記録された乗車履歴と連動した形での駐車場料金優待サービスを巡っては、実は関西圏に於いて2年前(2007年)に「PiTaPa」提携カードの一種である「OSAKA PiTaPa」を使っての大阪市交通局との乗車履歴連動優待サービスを今年3月末までの期間限定で実証実験の形で既に行われていたわけですが、その実証実験の成果を基に、関西圏外の日本各地でもこの駐車場料金優待サービスが、以下に示すように、次々と導入されていきました。
◎ 東武鉄道「PASMO」乗車履歴との連動優待
→昨年(2008年)4月20日から幸手・志木両駅周辺で開始
《「PASMO」だけでなく「Suica」でもOK(根拠記事1・2)》
◎ JR東日本「Suica」乗車履歴との連動優待
→昨年(2008年)11月25日から中央線沿線等6カ所で開始
《「Suica」だけでなく「PASMO」でもOK(根拠記事を表示)》
◎ 多摩モノレール「PASMO」乗車履歴との連動優待
→昨年(2008年)11月28日から万願寺・高幡不動両駅周辺で開始
《高幡不動駅付近にある「タイムズ高幡」のみ京王線の乗車履歴でも可》
◎ 京浜急行「PASMO」乗車履歴との連動優待
→今年2月28日から京急川崎・三浦海岸両駅周辺で開始
◎ 西日本鉄道「nimoca」乗車履歴との連動優待
→今年3月31日から春日原駅周辺で開始
また、首都圏下に所在する「タイムズ」駐車場について、昨年9月1日の日経報道記事『パーク24、鉄道利用者の駐車料金下げ』は、パーク24が関東の各鉄道事業者と組み、向こう5年間(昨年からの)で、今回のような乗車履歴との連動優待サービスの対象駐車場を首都圏に於いて200カ所にまで増やして自動車と鉄道の併用客を取り込み、「パーク&ライド」推進につなげる、と報じています。
ところで、上記示した中の首都圏下の「タイムズ」の中で、京急線の2駅周辺に所在する「タイムズ」駐車場に係る優待サービスについては、「”PASMO”のみ可」と報ずる記事と「”PASMO”でも ”Suica”でも可」と報ずる記事が共存することが判明、どちらが真実なのか、一時頭の中がパニックになりました。
「”PASMO”のみ可」と報じているのは『パーク24と京浜急行電鉄、PASMOを使ったパーク&ライド優待』という記事で、一方「”PASMO”でも ”Suica”でも可」と報じているのは『パーク24、神奈川県内2ヵ所、京急乗って駐車場割引――パーク&ライド促す。』という記事。
「パーク24」のニュースリリースなど関連するネット上に公開されている資料を読みあさってみても、どちらが本当のことを書いているのか判断がつかず、次第にパニックに・・・
辛うじて、先に示した昨年9月1日付日経報道の内容から「”PASMO”か ”Suica”で可」であるように思う程度。
と、ここまで色々愚痴(?)を並べていると、『タイムズ駐車場検索』サイト内にある以下列挙の特設ページを発見…
『Suica×パーク&ライド』
『PASMOでパーク&ライド優待サービス』
これらの特設Webページから、どうやら首都圏下で展開中のパーク24と各鉄道事業者が結びついての乗車履歴との連動優待サービスは「PASMO」・「Suica」共に対象となっているみたいですね。
それで、この「パーク&ライド」促進につながるであろうパーク24と各鉄道事業者による取り組みは確実に実を結んでいるみたいで、『「パーク&ライド割引」を強化、駅前駐車場の稼働率向上に効果』によると、昨年4月に首都圏内で初めて乗車履歴連動優待サービスを導入した東武幸手駅前(埼玉県幸手市)に所在する「タイムズ幸手駅前」では導入後半年で「パーク&ライド」利用率が全体の4割を超えるまでになったとのことで、パーク24も「稼働率が早期に向上しており、利用促進効果が大きいと判断している」と一定の評価を与えています。
尤も、「ICカードの普及で、利用者にとって使い勝手が良く、当社にとっても低コストで新サービスが実現するようになった」とパーク24がコメント(先の『ITpro』2009/01/07付け掲載記事から)している一方で、利用者からは「もっと手軽で分かりやすく、そして思い切った割引やサービスの導入が必要」との意見(→『パーク&ライドとICカード』)も挙がってきているのですが、本格的な「パーク&ライド」推進に向けて、まだまだ改善の余地があるように感じるところです。
この「パーク24」と各鉄道事業者が手を組んで展開してきている乗車履歴との連動による駐車場料金優待サービス、各都心部への渋滞緩和や空気環境美化などの観点から、私自身としても今後ますますの推進を期待したいところです。
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