BL賞”小田急60000形「MSE」”、LR賞”京阪2代目3000系”&”豊鉄T1000形「ほっトラム」”・・・鉄道友の会発表
賞を主催する鉄道友の会が『2009年ブルーリボン賞・ローレル賞決定』としてリリース、その後『2009年ブルーリボン賞・ローレル賞決定』や『ファンが選ぶ優秀車両決定--鉄道友の会がブルーリボン賞とローレル賞を選定』等で順次報じられていますが、豊橋鉄道の車両を除いて大方の予想通りといったところですね。
このうちBL賞を獲得した小田急60000形「MSE」については、地下鉄乗り入れ対応車両としての様々な制約をクリアしながら小田急ロマンスカーの長所を継承した点で評価されたとのことで、一部で「(レールジョイント部分の通過時などで)固い揺れを感じる」や「シート座面が固い」などといった指摘も聞かれるものの、全体としては性能面で優秀な車両という評価を与えているように見受けられるところであり、ある意味受賞は必然的だったかな、とも思ったりしています。
パブリシティ面でも優位に立っていましたし(笑)
また、LR賞を受賞した2系列の中の「京阪3000系(2代目)」は、標準工法や標準機器類の採用により(「通勤・近郊電車の標準仕様ガイドライン」に則って?)コスト削減を図るという昨今の鉄道車輌製造の潮流の中にあって、一つの明確な設計コンセプトの下、「花鳥風月」の中の”月”をモチーフにしたりする等して造り込まれたという点で評価されたとの由ですが、これは関西圏在住の鉄道好きの一人として、嬉しい限りです。
この京阪の新型車両誕生の動機となった、昨年10月19日に開業した京阪中之島線には私も1度だけ、昨年11月に行われた時刻表検定の受験のために片道(京橋→中之島)だけ利用したことはあるものの、「水都・大阪」などをイメージして製作されたといわれる今回LR賞受賞の2代目3000系車両にはまだ1度も乗っておらず、また京都方面に出かけることがあれば是非乗ってみたいところです。
それにしても京阪2代目3000系の車内で、濃い木目調をしていて周囲の壁面とはちょっとミスマッチ気味な(というか少々浮き加減な)乗降扉の部分が私にとっては印象的かな・・・
なお、座席表地には「高級スエード調マイクロファイバー素材」を世界で初めて採用・・・とあるのですが、その「高級スエード調マイクロファイバー素材」の正体とは東レ製の“TOREX エクセーヌ”であり、座席の一つ一つに”TOREX エクセーヌ”ロゴ入りタグが付いているのだそうです《→『スエード調人工皮革“TOREX エクセーヌ”が京阪新型車両のシートに採用』》。
この座席の座り心地も気になってきたなぁ・・・是非乗ってみたくなりました(笑)
そして、もう一つLR賞を獲得した豊橋鉄道T1000形電車について・・・正直言うと、私自身、豊橋鉄道の名称とその存在については知っていたのですが、今ひとつ馴染みが無いのが現実で〔豊橋市民の皆さん、スミマセン!〕、この「T1000形電車」についてもBL賞候補にノミネートされるまでは全く知らなかったです。
で、少し資料類を読んでみたわけですが、この豊鉄軌道線(東田本線)向けに昨年(2008年)の12月19日にデビューした「T1000形電車」(愛称”ほっトラム”)、阪急発祥の車輌製造メーカーで現在は阪急正雀工場内に事業拠点を構えているアルナ車両に於いて「リトルダンサー”Ua”」として生産された新型LRT向け車両(LRV)で、狭軌軌道向けの純国産LRVでは日本で初めて台車部分も含めて100%の低床化を達成した車両ということで評価されたとあり、また豊鉄の車両が受賞するのはこれが初めてなのだそうです。
車体側面の塗装パターンは白を基調として奥三河の山々を表す緑と三河湾を表す青を一つの帯にして塗り込まれる格好となっていて、一方床下を見れば、標準的な車軸付き台車を履かせながら、狭軌幅の限られたスペースの中で、機器配置などで工夫を凝らしたことにより100%低床化を実現させたとの話ですが〔その工夫の一部が『豊橋鉄道株式会社T1000形電車用電機品』で詳しく見ることが出来ます〕、資料類を読んでいるうちに、実際どんな車両なのか知りたくなり、早速『Google Video』検索にかけてみたところ、既にこのT1000形LRVの走行風景をとらえた動画が『YouTube』などに幾つも寄せられてきているのが見えました。
それらの中から、T1000形LRVの特徴が示現されているであろう動画を私の独断と偏見で選び出したのが以下の動画3本〔ご意見等大歓迎です!〕・・・
走行音としてはJR東日本E231系1000番台に近いような感じの出し方をしているような印象・・・そして車両前面の顔つき、ちょっとコワい感じかなぁ《ただ、前面とすぐ横にある曲線混じりの三角形窓2つとを合わせて見たときには、ちょっと鋭い感じのする笑顔に見えてくるし…》。
なお、動画3本目に登場する「おでんしゃ」とは、現在豊橋鉄道の軌道線(東田本線)にたった1両だけ残るモ3100形電車「3102号」───現在はイヴェント専用車としてマルーン一色に塗りつぶされる格好で在籍───を使って冬季に運行されるイヴェント電車のことで、車内でビール等を片手におでんが楽しめるほか、前照灯のあたりにおでんの絵柄をペインティングされるのが特徴のようですね《→『豊鉄、おでんしゃ運行 2008』》。
これが夏になると生ビール飲み放題の「納涼ビール電車」に装いを改められて運行されるのだとか《今年も6月19日(金)からこの「納涼ビール電車」が営業運転されることになっているそうです→『豊橋鉄道“納涼ビール電車” 6月19日より運行』;余談ながら、こうした軌道線に於ける「納涼ビール電車」運行は、豊鉄以外では九州の長崎電気軌道でも行われています》。
今回BL賞に選ばれた小田急60000形「MSE」、そしてLR賞に選ばれた豊鉄T1000形電車と京阪3000系(2代目)電車の以上計3車種に対し、鉄道好きの一人として、「おめでとう」と声かけしたいと思います。
実際に運行されるそれぞれの地域に於ける盛り立て役として、今後益々の活躍を期待しています。
P.S.
おしまいに、豊橋鉄道T1000形電車と共にLR賞を獲得した京阪3000系(2代目)関連で各種動画共有サイトに寄せられている動画たちの中から二つ・・・何れも京阪中之島駅を発車する3000系をとらえたものです。
これら2つの動画で聞こえてくる加速音を聞いているうちに、今年デビューした京成の新型「スカイライナー」AE形(2代目)の加速音を思い出しました《以下の動画》。
加速音が似ていることがおわかりになるかと思います・・・恐らく両者の間で電装品の一部が類似しているためと思われるところなのですが、とはいえ、”(将来の)160km/h運転の立役者”2代目AE形と、「風流の今様」をデザインコンセプトとして造られた京阪の2代目3000系との間に共通点を見いだせそうなあたり、何だか嬉しい気持ちになりますね《ん?》
P.S.(2)
豊橋鉄道T1000形電車の製造元であるアルナ車両について、本文中では「阪急発祥の~」と紹介していますが、ご存じのように、現在では専ら路面電車(軌道線)向け車両を製造してきていて〔路面電車製造で約8割のシェア!〕、豊鉄以外の製造例では、最近だと都電荒川線(東京都交通局)9000形電車と同8800形電車があります。
とはいえ、関西発祥の車両工場から生み出された鉄道車両であることに変わりなく、関西圏住まいの鉄道好きの一人として誇りに思っている次第です《しつこいってか…》。
◎ 参照記事(本文中紹介記事を除く)
『豊鉄車両「ほっトラム」にローレル賞 全面低床化を評価』
『鉄道友の会:ブルーリボン賞にロマンスカー・MSE』
『ほっトラムにローレル賞』
『豊橋鉄道T1000形“ほっトラム”誕生。』
『SS08 / 豊橋鉄道T1000形“ほっトラム” (住友金属工業形式)』
『2009年 鉄道友の会ブルーリボン賞・ローレル賞決定』
《→『2009年ブルーリボン賞・ローレル賞決定』》
『ロマンスカーMSEがブルーリボン賞受賞』
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