ドホナーニ=クリーヴランド管によるベートーヴェン「第九」・・・テラーク、1985年録音。カラヤンを連想させるクリアさ
今朝方、ネットサーフィンしていると、九州は福岡県飯塚市にある嘉穂劇場でここのところ毎年開かれてきている「嘉穂劇場第九」の今冬開催分”嘉穂劇場第九 其ノ六”公演案内(兼合唱団員募集案内)が掲載されているのが見えました。
で、その公演期日をみると「12月5日(土)」とあり、しかも17時開場で18時開演・・・見事「1万人の第九」総合リハーサルと時間帯も含めてバッティング。
う~ん、どこかのテレビかラジオでこの公演の模様を伝えてくれないものか・・・・・・芝居小屋での「第九」を一度体験(聴衆の一人として→昨年4月末に東京の歌舞伎座にて)しているだけに、比較の意味で興味を抱いている私です。
というわけで、今回はベートーヴェン「第九(交響曲第9番ニ短調作品125”合唱付”)」演奏を収めた映像(動画)の紹介といきましょう。
今回は久しぶりにCDからとみられる”動画”の紹介となります《正確にはCD音声と画像スライドショーの組み合わせ》。
取り上げますのは、1985年にアメリカ=オハイオ州クリーヴランドで録音され、同地発祥の「テラーク(Telarc)」レーベルによってCD化された、クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮クリーヴランド管弦楽団及び合唱団によるベートーヴェン「第九」演奏です。
収録・公開範囲は第4楽章(終楽章)全部で、3つの”動画”に分割される形で『YouTube』に投稿&公開されています。
そして、映し出されているのは、この演奏を収めたテラークCDのジャケット(というかケースに封入されているライナーノーツ表紙)の表と裏、CD本体〔レーベル面〕、「第九」の歌詞(ドイツ語と英語の対訳形式とみられる)の3つの静止画像(画像枚数にしたら5~6枚)なのですが、このうちの「第九」歌詞のみ3本の”動画”全てに収められていて、ジャケット表裏は1本目・2本目各”動画”に、そして中に入っているCD本体は1本目”動画”のみに収められています。
指揮者を含めた出演者は以下の通りとなっています。
ソプラノ:キャロル・ヴァネス メゾ・ソプラノ:ジャニス・テイラー テノール:ジークフリート・イェルザレム バリトン:ロバート・ロイド 合唱:クリーヴランド合唱団 管弦楽:クリーヴランド管弦楽団 指揮:クリストフ・フォン・ドホナーニ |
クリーヴランド管弦楽団といえば、あのジョージ・セルが徹底的に鍛え上げたことで知られているところですが、ユニヴァーサル・クラシックWebサイト内に掲載されているテラーク・レーベル25周年記念特設ページによると、この演奏で指揮をしたドホナーニの時代にクリーヴランド管弦楽団はセルの時代を凌ぐ第2期黄金時代の到来と評価されることもあったそうな。
訳あって、私自身、一時期アメリカのオーケストラを殆ど聴かなかったこともあり、正直このコピーにはピンとこないものがあるのですが〔”訳”というのは私自身の内面の問題であり、なにもCDや音楽に原因があるわけではないのですが…〕、今回の「第九」演奏をつまみ食い的に聴く限りでは、カラヤンのごとく透き通った感じで、それでいてノンレガート調のドライな印象、けれどもここぞというところはアタックをかけるなどツボを押さえた演奏・・・そんなところでしょうか。
出だしを聴いたところで、カラヤンを連想させるクリアな歌い出しに思わずビックリでした。
そして、4人のソリスト陣、さすがは名手揃いとでもいいますか、各人それぞれの役割をきちんと果たしているとでもいうか、きちんと音程を捕まえ、そこに想いを込めて歌い上げているような感じでした。
コーラスはというと、若干荒削りな感じもしないでもなかったのですが、エネルギッシュな感じで、それなりに音の粒はそろっていたような印象でした。
それでは、以下列挙の3本の”動画”(というか「演奏音声+画像スライドショー」)を順次再生してみてください。
今回のドホナーニ=クリーヴランド管の「第九」、安心して聴けるほどのクオリティの高さを備えていますし、テンポの取り方など至極真っ当な感じがして、合唱練習用としても安心して使えそうな印象ですね。
【おことわり】
動画共有サイト(『Google Video』、『YouTube』等)に投稿・公開されている動画については、今後、投稿者或いは運営サイドの判断等により削除される可能性がありますことを予めご承知おき下さい。
P.S.
別の音楽作品の演奏を評論しているWebページになりますが、『大作曲家7人の交響曲第7番を聴く ドヴォルザーク篇ドホナーニ指揮クリーヴランド管』というページの後半部分にクリストフ・フォン・ドホナーニのことがまとめられている項目があり、これによると、ドホナーニが奏でる音楽は”理知的”である一方で内側に秘めた情熱をも感じられるとのこと。
このWebページに記述されている文章を一通り読んでみた後、今回のベートーヴェン「第九」演奏もまさしくその通りの構築法になっているな、と私自身納得したものです。
<(_ _)> ありがとうございます <(_ _)>
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