イタリア生まれの名指揮者ジュリーニがLSOと組んで作り上げた「第九」・・・1972年11月、ロンドン。EMI録音か
前回、佐渡裕関連番組を取り逃がしたことなど、ちょっと情けない記事を書いてしまいましたが、その佐渡裕、「1万人の第九」公式サイトから連絡している『10000人の交換絵日記2009』に10月12日付けで自身が寄せた手記(というか書き込み→『青空のパリ』)によると、イギリス=マンチェスターに於けるBBCフィルハーモニック演奏会を無事に終えてフランスに渡り、今はフランス国立管弦楽団とコンビを組んでの目下リハーサル中との模様。
これについて、佐渡裕公式サイト『裕・遊・YOU』が伝えるところによると、今度の佐渡=フランス国立管のコンビによる演奏会は10月15日、つまり本日行われることになっていて、プロコフィエフ『交響曲第1番”古典交響曲”』、モーツァルト『ピアノ協奏曲第24番』等が組まれているとのこと。
ちなみに今日「10月15日」は我が「大阪5」クラスの3回目レッスン───3週間ぶりの授業です・・・周囲からもたらされてくる情報から、どうやら今日「佐渡裕特別レッスン(佐渡練)」の日程が言い渡されそうです。
う~ん、期待半分不安半分・・・何のこっちゃ(爆)
それはさておき、久しぶりにベートーヴェン「第九(交響曲第9番ニ短調作品125”合唱付”)」演奏動画を一つ、このブログに加えようと思います。
とはいっても、今回ご紹介するのは”静止画像+演奏音声”となりますが・・・
今回ご紹介するのはイタリア=バルレッタ出身の名指揮者で4年前(2005年)に他界したカルロ・マリア・ジュリーニの指揮による「第九」演奏です。
これは『YouTube』に”静止画像+演奏音声”の合成ファイルの形で寄せられてきたもので、音声収録範囲は第4楽章(終楽章)のみ全部、ファイル3本にわたって収録・公開されており、静止画像にはベートーヴェンの指揮姿のスケッチや彼の銅像などが含まれています《自然風景も入っていました》。
ジュリーニといえば、私の場合はドイツ・グラモフォン(ユニヴァーサルミュージック=クラシック部門)で録音された晩年の演奏CDを保有したことがあるのですが〔現在は売却済〕、全般的に何だか眠くなりそうなくらいゆったりとしたテンポ運びなのが印象的なところですが、今回ご紹介するジュリーニ指揮の演奏は1970年前半の頃のものと推定されるものです。
”推測されるものです”と断ったのは、実はこの投稿・公開された”静止画像+演奏音声”の合成ファイル、添付テキストデータ自体が一切無く、いつ誰が演奏されたものなのかわからずに少々困惑していたところ、幸いにも投稿ファイルに対するコメント書き込みが幾つか寄せられているのが見え、その中に演奏者特定の根拠となるものも見つかり、そこからジュリーニ指揮による「第九」演奏と推定できたという次第。
ちなみに管弦楽はロンドン交響楽団(LSO)と推定、そしてEMIにより録音されたであろうこともわかってきました。
そして、ここまで判明したデータを基にネット上で調べてみたところ、1972年11月にイギリスの首都ロンドンに1980年代初めまで所在していたキングスウェイ・ホール(Kingsway Hall)に於いて録音されてEMIからリリースされたジュリーニ指揮の演奏の録音データ(→『交響曲第6番『田園』、第8番、第9番『合唱付き』 ジュリーニ&NPO、LSO(2CD)』)が見つかり、他に同様の条件での録音が見あたらないところから、恐らくこの1972年11月に録音された「第九」演奏と推測されるところでしょう《参考までに、「キングスウェイ・ホール」の所在していた場所には、現在、同一名称のホテルが建っているとのことです(→『551.キングズウェイ・ホール』)》。
ちなみにこの1972年11月に録音されてEMIからリリースされたジュリーニ=ロンドン響による「第九」のアーティストを以下に示しますと・・・
ソプラノ:シーラ・アームストロング アルト:アンナ・レイノルズ テノール:ロバート・ティアー バス:ジョン・シャーリー=カーク 合唱&管弦楽:ロンドン交響楽団&合唱団 指揮:カルロ・マリア・ジュリーニ |
う~ん、正直言うと、4人のソリスト陣、私自身知らない名前ばかり(自爆)・・・でも当時これらソリスト4人は何れもそれなりに活躍していたアーティストだったことでしょう《さもなければソリストとして採用されないって…》。
・・・と、ここまで書いたところで、ふと当該”静止画像+音声”を実際に視聴すべく再生してみたところ、冒頭で出演者のクレジット表示が出ているのを発見、上記データ照らし合わせてみたところ、合唱団名称を除いて全て「ビンゴ」でした《合唱団だけクレジット表示されていなかったので照合しようが無かった・・・あ、それと演奏(録音)年月日を示す字幕も現れませんでした》。
ちなみにこの時ジュリーニは50代後半、指揮者として脂ののりきった、そして成熟の域にそろそろ差し掛からんとしていたころだったでしょう。
で、この終楽章のみ公開されているジュリーニ=ロンドン響による「第九」演奏、私がかつてCDで保有していた晩年のジュリーニ指揮演奏と異なり、思わず目覚めてしまいそうなほどのシャキッとした感じの歌わせっぷりで、テンポ的には日本国内で聴かれる標準的な「第九」演奏並み・・・歯応え(というか聴き応え)十分な印象です。
そして声楽陣(ソリスト&合唱)の歌いっぷりも見事なもので〔いわゆる”ピッチ下げ”が殆ど見受けられない上、クリアな感じの歌いっぷりでした〕、フレーズごとに最後まで歌いきろうとする心意気というものを感じ取れました。
聴いていて何だか清々しい気分・・・
というわけで、以下の”静止画像+演奏音声”ファイル3本、順次再生してお聴き下さい。
少々ピッチは低めですが、合唱練習にも十分使えそうな一品です・・・是非お試しを。
P.S.
名指揮者カルロ・マリア・ジュリーニの出生地であるイタリア=バルレッタのことに関しては『バルレッタの町』・『バルレッタの街』あたりが詳しいです《ウィキペディアには地図などの図画情報を載せているものの、テキストデータはほんの数行しか無い→英語版ウィキペディア解説「Barletta」では詳しく説明されている模様》。
私自身、この記事を書くまでは「バルレッタ」がイタリア国内の果たしてどのあたりにあるのか正直知らなかったわけですが、要は全体的に石ころを前にしたブーツの形をしたイタリア国土の、ちょうどブーツのかかと部分の地域の中に所在する小さな街、と理解すればよさそうなところですね。
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