時刻表検定試験、第15回試験にて幕閉じる──受験者数減少。背景にはインターネット上の路線検索サイトの充実か
第3回(だったような・・・よく覚えていないけど)から昨年の第14回まで毎回受験し続けてきた「時刻表検定試験(時刻表検定)」。
実は私自身、15回目を迎えた今年は経済的な理由などから受験申し込みをしませんでした。
しかしながら、既に報道されていることですが、「時刻表検定」この15回目の試験を最後に約10年の短い歴史に終止符を打つことになったとの由。
正直、ビックリすると共に、受験しなかったことを一瞬後悔してしまいました。
初夏の候に「時刻表検定」公式サイトを眺めた限りでは、まさか今年で終わりになるなんて夢にも思っていませんでしたから・・・
ところが、ウィキペディア解説によると、その公式サイトのトップに埋め込まれているフラッシュ動画の終わりあたりで、今年が最終回であることを匂わすようなテロップが出てきていたのだそうで、早速そのフラッシュ動画を確認してみたところ、確かに終わりあたりで・・・
終着駅は始発駅。
もしかすると最後の「時刻表検定」
というテロップが登場しているのが見えました《『終着駅は始発駅』───これって、今は亡き鉄道紀行作家・宮脇俊三の著書の一つであるような…》。
まさか、その通りに終わってしまうなんて・・・
フラッシュ動画には、蒸気機関車(まるで陸蒸気??)をバックに、これまで実施してきた「時刻表検定」の回毎の受験者数(第3回以降はポスター図柄も、第12回以降は級毎の認定者数も併せて表示)が順次表示され、その後に昨年まで実施した14回の試験全てを通しての延べ受験者数(40,063人)が、更にその後には前記の「終着駅は…」がそれぞれ表示されるようになっているのですが、そんなフラッシュ動画を眺めながら、昔、大阪市内の大型書店の鉄道書コーナーで初めてこの試験のことを知った時のこと、回毎に受験を申し込んで受けに行ったことなどが、まるで走馬燈の如くに、頭の中を駆けめぐっていました。
思わず涙が出そうな心境になりました・・・約10年というのは歴史としてあまりに短いです。
で、この度の「時刻表検定」終了の理由として”受験者数の減少”を指摘〔事実、昨年(2008年。第14回)までの4年間、受験者数は減少の一途を辿っています〕、その背景として、昨今の乗換検索(路線検索)サイトなどの充実によりインターネットで乗車経路や運賃などが簡単に検索できるようになったことに伴う”時刻表離れ”がある、というふうに報じられています。
確かに目的地までの経路や運賃などを調べる分にはインターネットの路線検索サイト(『Yahoo!路線情報』・『駅探』など)で事足りるところがあり、目的地に至るまでの途中駅の時刻についても『えきから時刻表』により調べることが可能となっているため、従前からの冊子型『時刻表』が手元になくてもとりあえず事足りることはあるのかもしれません。
けれども、単に経路や費用を調べるだけならばまだしも、普通列車に加えて快速や優等列車(特急など)も設定されている路線に於いて、先を急ぐため普通列車から快速や優等列車に乗り継ごうとする場合(その逆も含めて)の、乗り継ぎ可能駅とその駅に於ける着発時刻を調べようとすると『えきから時刻表』以外の路線検索サイトでは対応できませんし、唯一対応する『えきから時刻表』にしても、路線によっては検索やリンク・クリックを相当回数繰り返す必要があったりする等、結構面倒だったりします。
これに対して冊子型『時刻表』の場合、開いている見開き2ページ分を一目見るだけで緩急接続などがすぐわかったりする他〔勿論例外もありますが…〕、各種の観光案内やきっぷや運賃・料金に関する規則の大まかなこともその場で閲覧・確認することが出来たりするなど、ページ捲ったりしながら全体像を見たりすることが出来ます。
変な話、冊子型『時刻表』が文字盤全体が見られるアナログ時計に対し、ネット上の路線検索サイトの類は現在時刻しか表示されないデジタル時計に例えられるところでしょう。
あと、これは当たり前のことですが、紙の冊子『時刻表』は、電源の有無に関係なく、いつでも何処でもパッと開いてすぐ中身を読むことが出来ます《電源がなければ、インターネットはおろか、PC自体使えませんし…》。
以上のことから、インターネットが普及して路線検索サイトが充実してきている昨今にあっても、冊子型『時刻表』はまだまだ活躍する余地があるといえるわけであり、それだけに今度の「時刻表検定」廃止の決定は寂しさを禁じ得ないところがあります。
せめてでも一定の会場を借りて行う従前の試験方式と比べて費用や運営効率の面で少しでも有利になるであろうインターネット試験の形であってもいいので、「時刻表検定」の復活を希望したいところなのですが・・・
ここで、ウィキペディア解説によると、実は「時刻表検定」で認定された級については各種就職活動の際に使う履歴書に記入できるとのことなのですが〔鉄道関係や旅行会社方面の受験に際して有用とのこと〕、仮にインターネット試験の形で復活するとなった場合、自宅などからでも受験可能なインターネット試験で取得した資格の類については信用性の問題などから履歴書に書けないとの話があることから〔いわゆる”成り済まし受験”等が容易に出来てしまうため→『ヤフーのインターネット検定では…』〕、運営効率などで有利になる一方で試験実施意義がより薄まってしまうという懸念が出てきそうな感じがします。
鉄道業界や旅行業界にとって『時刻表』はいわばバイブル的存在なだけに、『時刻表』を使ってのプラン立案や料金等検索は、ある意味、実務能力の一つと捉えられなくもないところなのですが・・・う~ん、やはり一般人にとってはより手軽なインターネット上の路線検索サイトを使った検索のほうに走ってしまうんでしょうかね。
何だかんだ書き並べてしまいましたが、私としては、「時刻表検定」の復活(というか存続)を願うところです。
尤も、従前からの運営形態・内容などについて一度見直す必要が出てきそうなところですが・・・
インターネット普及に伴って経路等検索がより便利になってきても、冊子型『時刻表』の活躍の場が残されている以上、「時刻表検定」の存在意義は失われないと思っています。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『時刻表検定、10年の歴史に幕 11月に最後の“腕試し”』
『「時刻表検定」が10年の歴史に幕』
<(_ _)> ありがとうございます。応援よろしくお願いします <(_ _)>
←ランキング参加中。各1クリック願います!
【関連記事〔「時刻表検定(時刻表検定試験)」関連〕】
「初めての”自己採点”・・・第12回「時刻表検定」」
「「時刻表検定」の結果、私のところにも届きました」
「第13回時刻表検定試験、受けてきました(2日遅れの報告…)」
「第25回「1万人の第九」DVDと第13回時刻表検定の結果通知・・・」
「「第14回時刻表検定試験」、今日申し込みました・・・初めて両種(第1・2種)同時受験(受検?)します」
「第14回時刻表検定試験の受検票、私の許にも・・・今回は封書で《+0系新幹線ブログパーツのこと》」
「『JR時刻表』2008年11月号、我が家にも・・・第14回時刻表検定試験《+年末年始の臨時夜行快速運転日も》」
「第14回時刻表検定、受けに行きました・・・前編(おおさか東線・京阪中之島線回りで会場へ)」
「第14回時刻表検定、受けに行きました・・・後編(第1種・第2種の両方を実際に受検してみて)」
「第14回時刻表検定試験〔昨年11月16日(日)実施〕のこと・・・後れ馳せながら試験結果を」
「第15回『時刻表検定試験』受験要項など発表・・・今年は「11月15日」《併せて第3回『時刻表”旅”検定』も》」
【関連記事〔列車ダイヤ(時刻表)のこと〕】
「今春のJRグループ統一ダイヤ改正から・・・「ムーンライトながら」(かつての”大垣夜行”)について」
「『JR時刻表』4月号、遅まきながら購入・・・」
「ダイヤ改正から一夜明けて・・・」
「「ムーンライト九州」、「ムーンライト高知・松山」・・・」
「来年(2008年)のJRグループ定例ダイヤ改正で消えゆく夜行寝台「ブルートレイン」・・・その1《夜行列車の現状等》」
「来年(2008年)のJRグループ定例ダイヤ改正で消えゆく夜行寝台「ブルートレイン」…その2《夜行列車のあるべき姿》」
「来年(2008年)のJRグループ定例ダイヤ改正で消えゆく夜行寝台「ブルートレイン」…その3《寝台急行「銀河」の話》」
「『JR時刻表』2008年7月号、ようやく購入・・・」
「「ムーンライトながら」定期運行廃止で季節(臨時)列車に格下げか・・・来年のJRグループ定例ダイヤ改正くらいに?」
「本州~九州間ブルートレイン、来春ついに全廃か・・・寝台特急「富士」&「はやぶさ」、来春のJRダイヤ改正で廃止に」
「来春で定期(毎日)運行の夜行普通列車消滅へ・・・「ムーンライトえちご」(新宿~新潟)も定期運行廃止」
「夜行快速「ムーンライト九州」・「ムーンライト高知・松山」復活なるか?…今夏分臨時列車運行の公式発表を前にして」
「関西発夜行臨時快速3本、盛り込まれず・・・JRグループ旅客6社の今夏分臨時列車運転計画《”+α”話有り》」
« イェフィム・ブロンフマン、新型インフルエンザ罹患で来日公演キャンセル・・・来日予定アーティストで初のケースか? | トップページ | 「SUGOCA」と「ICOCA」、包括的相互利用サービス提供を正式表明──JR九州とJR西日本。2011年春から »
この記事へのコメントは終了しました。
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 時刻表検定試験、第15回試験にて幕閉じる──受験者数減少。背景にはインターネット上の路線検索サイトの充実か:
» 実は「4級」持ってます。 [mingoh's観戦レポート]
今月の15日に行われた「時刻表検定」が最終回と聞きました。実は、この資格自分持ってます。第3回に「受験」調べたら受験日は2001年11月25日でした。結果は「4級」 評価は「時刻表に興味・関心が高く、知識・技術を身につけ始めたレベル。」だそうです。2、3級を目指して...... [続きを読む]
« イェフィム・ブロンフマン、新型インフルエンザ罹患で来日公演キャンセル・・・来日予定アーティストで初のケースか? | トップページ | 「SUGOCA」と「ICOCA」、包括的相互利用サービス提供を正式表明──JR九州とJR西日本。2011年春から »
コメント