日向市駅、第50回BCS賞を受賞──2006年高架駅としてリニューアル。県産材(スギ)を多用、地産地消の好例
今日、ぶらり『鉄道コム』に立ち寄ってみると、新着記事として日豊本線の日向市駅に関する記事(→『日向市駅が建築業協会賞を受賞』)が目に飛び込んできたものだから、その記事を覗いてみると・・・
ビックリしました───いつの間にこんな立派な木材をふんだんに使った高架駅に化けていたのか!
調べてみたところ、2006年12月に高架駅として使用を開始し、翌年(2007年)の7月から8月上旬にかけて旧駅舎の撤去が行われたとのこと。
私自身にとっては、2005年9月末日限りで廃止となってしまった、「関西~九州」間ブルートレインの一つ「彗星」に廃止の約1週間前に南宮崎から乗ったのを最後に、今日に至るまでの約4年間、宮崎県内に踏み入れること無く推移してきてしまっているだけに、この日向市駅の変わりぶりには思わず目を丸くするほどでした。
その日向市駅、地上駅だった頃には日向市東端部の海沿いに位置する細島港に向けて1993年までJR貨物の細島線が分岐したこともあったわけですが〔但し細島線自体は1989年から全線運行休止〕、今回高架駅として生まれ変わった姿を眺めてみますと、斬新なデザインにして開放感あふれた構造、そして県産材(地元・耳川流域からの産出材)であるスギ(杉)を駅舎内やホーム上屋などに多用していることによるぬくもり感・・・これらが一度に織り込まれているような印象を受けました。
実際、高架駅として生まれ変わった日向市駅に対する評価は高く、完成翌年(2007年)には第52回鉄道建築協会賞の最高賞にあたる「国土交通省鉄道局長賞」に輝いた他、その翌年にあたる2008年には同じく九州島内で活躍している883系(”ソニック”向け特急型車両)や885系(”白いかもめ”・”白いソニック”)も受賞したブルネル賞の最優秀賞に鉄道駅舎としては初めて受賞、更に今年の8月下旬には「(新しい日向市駅の)駅前広場を含めた駅舎空間が一体化している」として第50回BCS賞(建築業協会賞)にも輝き、去る11月19日に東京の帝国ホテルにて表彰式が開かれたところです《余談ですが、九州島内では他に大分市にある大分県運転免許センターと大分県日田市にある日田市民文化会館(パトリア日田)の2カ所もまた第50回BCS賞受賞の栄誉に浴しています》。
その高架化された新しい日向市駅の外観などについては『日向市駅(日豊本線)』にて一通りご覧いただける他、高架駅としてオープンしたときの模様については『新日向市駅開業!』にてご覧いただけますが、ガラス張りならではの開放感に近代的な建築様式とはひと味違う温もり感の取り合わせとでもいうか・・・コンクリート主体の構造物ではとても味わえない何処かアットホームな感じがここにはある、そんな印象を受けました。
尤もホーム上に備え付けの行灯式駅名標を支えている外枠だけは金属製のようですが・・・ただ、これに対しては苦言も聞こえてきているみたいで〔→『旅が楽しくなる駅~「日向市駅」がブルネル賞を受賞』〕、私としては、例えば土佐くろしお鉄道中村線の各駅に見られるような、屋外部分に設置されている木製の大判駅名標みたいな感じで地元産のスギを使って製作出来なかったものなのか、そう思うところですね《ただ行灯式駅名標の外枠としてスギ材を使うには火災予防上の問題などがありそうなところなので、そのままではちょっと使いづらいのかも…》。
それにしても地元・耳川流域産出のスギ材をふんだんに使うなりして生まれ変わった日向市駅、これこそまさしく地産地消の良き実践例の一つといえそうなところですね。
宮崎県内では、旧国鉄時代の1979年に高架化された西都城駅、JR発足後の1993年に高架化された宮崎駅とその3年後の1996年に高架駅として開業した宮崎空港駅に次ぐ4番目の高架駅となった日向市駅───思わず「白いソニック」こと885系車両がこの駅に乗り入れてくる光景を想像してしまう私なのでした《現状、特急列車では485系車両と783系「ハイパーサルーン」が乗り入れて来るのみ〔過去には787系”つばめ型車両”も定期運用として乗り入れてきたことがあるが現在は運用消滅)》。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『日向市駅BCS賞 建築業協会、独自構造評価』
P.S.
この2006年12月に高架駅としてリニューアル・オープンした日向市駅について、この高架駅建設に関わった関係者たちの奮闘ぶりが一冊の書籍『新・日向市駅』にまとめられている他〔→PDFチラシ(フライヤー)・アマゾン内案内ページ〕、オープン直前にあたる2006年年11月26日に地元民らを招待して行われたウォーキング・イヴェント「日向市駅高架ウォーク」の模様もネット上で公開されています《→『「H18日向市駅高架ウォーキング」レポート(その1)』・『「H18日向市駅高架ウォーキング」レポート(その2)』》。
このうち「日向市駅高架ウォーク」には約950人が参加していたとのことで、この新しい高架駅に対する地元の関心の高さというものが窺い知れるところですね。
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