【「第27回サントリー1万人の第九」公演記=4】本番直前のゲネプロ・第2部~「第九」他《楽譜の”版”のこととか…》
また一つ”鉄的”ネタが途中で入ってしまいましたが、27回目を迎えた大阪「サントリー1万人の第九(10000人の第9)」(於・大阪城ホール)公演当日のレポートを続けます。
ちなみに前回(3回目)の記事では発声練習を終えてからゲネプロが始まるまでの休憩時間のことを記しました。
それにしても、あのときから既に10日経っているんですね・・・
発声練習を終えて約30分間の休憩時間をレストラン横の石階段〔というかホール通用口の一つ(入口横に夜間受付用インターフォンが見えていたから”夜間通用口”ということだろうか…)〕で過ごした私は、「まもなくゲネプロが始まりますよ~」との係員たちの声に圧されながらアリーナ席エリア内にある自席へと向かいました。
ステージ上を見ると、オーケストラ楽団員がめいめいにスタンバイしているのが見えました。
まもなくするとチューニングが始まり、全パート一通り音合わせが終わったところで、公演指揮者・佐渡裕がおもむろに姿を見せました。
ここで、ゲネプロの進行順は前日に行われた総合リハーサルとほぼ同じく、以下に示す順番で行われました《逆順》。
【【第2部】】 「第九」(ダメ出し含む) ↓ 『蛍の光』 ↓ 【【第1部】】 オープニング(扉…VTR放映) ↓ オープニング演奏曲《「おくりびと」テーマ》 ↓ 槇原歌唱曲1(ソロ+パーカッション) ↓ 槇原歌唱曲2(ソロ+佐渡指揮キッズオケ) ↓ 槇原歌唱曲3 (ソロ+佐渡指揮”キッズオケ+淀工ブラス”+合唱) |
本番前最後ということもあり、総合リハーサルでは行われなかったオープニング部分のリハーサルも行われたほか、演目間の継ぎ目に於ける出演者トークも挿入されていました。
尤もここでのトークの中には本番では出せないものも含まれていましたが・・・
先に行われた第2部のゲネプロで、ベートーヴェン「第九」は勿論全4楽章通しで行われたわけですが、第1楽章を中心に於けに対するダメ出しがかなり念入りに行われたほか、混声合唱の入る終楽章(第4楽章)に於ける合唱団員に対するダメ出しも幾つかありました。
ここで、舞台前方に見えるオーケストラ楽団員たちの演奏動作を眺めていて、ふと、第1楽章に於いて楽団員たちのパート譜を捲るタイミングが普段とは違うことに気づきました。
「普段とは」───いや、正しくは「ブライトコプフ・ウント・ヘルテルから出ている『第九』楽譜を使ったとみられる演奏とは」としたほうがいいのかもしれない《長過ぎ…》。
というか、最近では演奏会に聴きに行くこと自体ほとんど無くなってしまっていますが〔自宅にいながらでもインターネットを通じて海外の演奏会を幾つでも聴けるため〕、その中で私自身の場合、過去に聴きに出かけた「第九」演奏会の中では、何やらツタのようなものでタイトル表示を囲むかのようなデザインをした表紙、つまりブライトコプフ・ウント・ヘルテルの楽譜を使った「第九」演奏を最も多く耳にし、そして馴染んできたような感があります。
そして、その私にとっては馴染みの、ブライトコプフから出版された「第九」楽譜による演奏では決まったところでパート毎に譜めくりをするシーンが見られるものなのですが〔何もブライトコプフの楽譜に限ったことではありませんが…〕、今回の「第九」ゲネプロを見ていると、そのブライトコプフの楽譜を使った「第九」演奏に於いて見られるはずの譜めくりパターンとは違っていることに気づいてしまいました。
けれども音を聴いていると、新ベーレンライター版による「第九」で聴かれるようなパターンとも違う───う~ん、何だろう、これは。
もしかすると、同じブライトコプフから最近出版された「第九」新校訂版(→『ブライトコプフから第九の新版』?)に基づく演奏なのかしら───「同じブライトコプフから最近出版された『第九』新校訂版」については今日になって気づいたことなのですが、要するに従前からのブライトコプフや新ベーレンライターによる演奏とは違っていたわけです。
強弱の使い方の差異があるのだろうか───そうとも考えてみたのですが、まぁ強弱に関してはスコアを見ないことには何ともいえないので「定かではない」としか言いようがありませんが…
それはさておき、ゲネプロにしては結構念入りにダメ出しを行っているあたり、佐渡の強いこだわりが伝わってきているというようなものなのですが、演奏自体はというと、聴いた感じでは、昨年と比べて少しゆるゆるな感じとでもいうか、カチッとなり過ぎずに何処か余裕を持たせているような印象でした。
そして終楽章に於ける合唱団導入箇所───前日の総合リハーサルで指摘された起立タイミングも全体として揃いだしているような印象でした。
合唱自体は───う~ん、よくは覚えていないけれども、3~4カ所程度ダメ出しを受けていたような《”練習番号S”のあたりとか…》。
それでも佐渡は「第九」ゲネプロの締めくくりに「コーラス、だいぶ良くなってきているよ」という意味のことを言ってくれていたような───あとは本番あるのみ《尤もゲネプロ自体は、このあと、第1部が控えていますが…》。
そして『蛍の光』のゲネプロ───そうそう、ここで思い出しましたが、今年の「万九」では一番最後に演奏される『蛍の光』に於いて使用するペンライトが準備の都合で2種類あるようなことを朝の「席決め」作業の前にいわれました。
ちなみに私の座っていたエリアにまわってきたのは、真ん中あたりで折り曲げることで発光するタイプのものだったわけですが、もう1種類の発光体って何だったんだろう───今となっては知る由もありませんが。
話が逸れてしまいましたが、『蛍の光』のゲネプロについては殆ど記憶に残っていません───いや、『蛍の光』のゲネプロ自体されなかったんだろうか・・・けれども本番前に於ける最後の練習になるので、そんな「ゲネプロ自体無かった」ということは無いと思うけど。
何だかごちゃごちゃとした書き方となってしまいましたが、ここで第2部ゲネプロが終了となり、20分間の休憩に入りました《初め場内では「30分間休憩」と告げられていましたが、後に「20分間」と訂正していました》。
私は昼食用食糧などを手にして、またレストラン入口前の石の階段(ホール通用口の一つ)へと足を運ぶことになったわけですが・・・
この続きは次回以降の記事にて・・・どうもスミマセン。
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楽譜によって演奏が変わるようなことがあるのですか?
指揮者によって表現は変化するかも知れませんが、ベートーベンの書いた譜面の出版なのに、いくつかのものがあるのは知りませんでした。
座席の移動については、私の席はスタンドのGブロック、中央寄りでしたので、チケットの席番のまま移動なしでした、席詰めのトラブルについてもほとんど分かりませんでした。
投稿: ころぼっくる | 2009年12月16日 (水) 21時57分
ころぼっくるさん、こんばんは。
楽譜といいますか、「第九」の場合は楽譜の”版”が問題になってくるわけですが・・・
『交響曲第9番 (ベートーヴェン)→”版の問題”』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC9%E7%95%AA_%28%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%29#.E7.89.88.E3.81.AE.E5.95.8F.E9.A1.8C
上記ウィキペディア解説が「第九」楽譜の”版”に関して詳しいわけですが、早い話、ベートーヴェンが遺していった、自筆スコアを初めとする「第九」に関する史料の量が多いところから混乱を来し、結果1864年に出版されたブライトコプフ・ウント・ヘルテル社による旧全集版から始まって1996年出版の”新ベーレンライター校訂版”、そして21世紀に入ってから出版されたブライトコプフ社によるペーター・ハウシルト校訂版と、少なくともこれら3つの異なった”版”の「第九」楽譜が世に送り出されてきています。
版により、勿論ガラリと変化しているわけでは無さそうですが、若干の差異は見られますよ。
あと「席決め」の話ですが、移動が無かったのは、お座りになった場所がテノール・バス両領域の境界線に近いところだったためでしょう《尤も今年の場合はその境界線の明確な形での提示はありませんでしたが…》。
私はアリーナ領域の席に座っていたのですが、中通路から下のアルト領域が振り回されているさまが容易に見て取れました。
投稿: 南八尾電車区 | 2009年12月17日 (木) 23時53分