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【「第27回サントリー1万人の第九」公演記=5】本番直前のゲネプロ・第1部~「おくりびと」メドレーにマッキー歌唱曲

【←4回目記事へ】

 今年で27回目を迎えました大阪の「サントリー1万人の第九(10000人の第9)」〔於・大阪城ホール〕、その公演当日のレポートをお送りしてきています───今回がその5回目となります。

 

 前回(第4回)記事では、本番直前最後の通し稽古(ゲネプロ)のうち、先に行われたメインのベートーヴェン「第九」を擁する後半すなわち第2部のゲネプロについてお送りしました。

 

 

 後半にあたる第2部のゲネプロがまず終わり、20分間の休憩に入ったところで私は昼食用食糧などを手にして館内レストランなどが並ぶホール小勝手口の石の階段に足を向けました。

 

 このとき、時刻は正午を既に過ぎていた───ちょうどいい頃合いだったので、石の階段に腰をかけてお昼としました。

 

 調達したのはぶどうパンを初めとするパン3種類と紙パック500ml入りの緑茶───税込みで410円(爆)

「第27回1万人の第九」昼食用食糧のレシート。東成区役所隣に構えるミニストップ店舗にて調達《091206撮影》

 ちなみに昨年〔2008年〕、やむを得ず館内レストランで昼食を済ませた際には、ご飯もの1品だけでしたが、それだけで900円していた上、ご飯自体も少々冷え気味だったかな・・・

 

 ま、それはさておき、眼前に広がるホール外の風景を眺めつつお昼を済ませた私なのでした。

 

 

 昼食を終えて少しアリーナ席エリアにつながる回廊をうろついたあと、再び場内へ───まもなくして前半部分である第1部ゲネプロに突入。

 

 場内の照明が暗くなり、そしてほぼ完全に落とされた状態の中、天井からつり下げられた大型モニターと大型スクリーンにはちょうど20年前の1989年に起こった”ベルリンの壁”崩壊から始まって今日に至るまでの歴史的映像が走馬燈のごとく次々と現れ、次いで今年話題となった数々の名場面が幾つか現れました。

 

 その中には、視覚障害を抱えながらもアメリカのヴァン・クライバーン国際コンクールで見事第1位に輝いた日本の若手ピアニスト・辻井伸行の一コマも入っていました。

 

 そして、「Changeless」との字幕と共に我らが「1万人の第九」の過去映像が流れ、「第九」メロディの一節が流れたところでVTR放映は終了、いよいよ司会進行役(小倉智昭)とアシスタント役〔毎日放送(MBS)女子アナウンサー→いきなり本番用衣装に身を包んで?(記憶に自信ないけれど…)〕の2人がステージ上に。

 

 

 このあと、オープニング演奏曲”映画『おくりびと』のテーマ曲と挿入音楽のメドレー(???)”が初めて披露され

 

 チェロ独奏を務めた古川展生と、佐渡裕が指揮する小オーケストラの共演による演奏のすばらしさもさることながら、巧みなステージ照明の色使いも相まって、何だか自分たちも物語の中のワンシーンに立ち会っているかのような錯覚さえ覚えました。

 

 何とも幻想的とでもいうかどうというか・・・

 

 

 続いて第1部ゲスト出演者マッキーこと槇原敬之が姿を現し、彼の歌唱曲3曲のゲネプロへと移りました。

 

 1曲目、2曲目と進む毎にバックで受け持つアンサンブルの規模は大きくなるわけですが、ゲネプロでもマッキーとバックのアンサンブルとの呼吸具合は特に問題無しで、総合リハーサルの時と比べてより磨きがかかっているかのような印象でした。

 

 それにしても、1曲目の際にバックで受け持っていたパーカッションのアンサンブル、見た感じでは民族楽器主体のラインナップでしたが、中にはいすのようなものが実は楽器そのものだったり、或いは木彫りの民芸品と思わせるような楽器も・・・

 

 マッキーの楽曲って、こんな打楽器アンサンブル相手にも合うようなものもあったんですね───まぁ私自身マッキーのことには正直疎いものだから、こうした認識は不適当なのかもしれないですけれどもね。

 

 でも、音楽に対する姿勢とでもいうか、アーティストとしての姿勢とでもいうか───好感を持たれるだけの資質はあるようには感じました。

 

 そうそう、このマッキーの歌唱曲3曲のゲネプロの合間に司会進行らとのインタビューのゲネプロ(?)もあったわけですが、この中でだったか、公演指揮者・佐渡裕による”細木ネタ”(「細木」とはいうまでもなく著名占い師・細木和子のこと)が、公演3日前の尼崎に於ける「佐渡裕特別レッスン(佐渡練)」に続いて、披露されると共に、佐渡自身が「これに続けて”練習番号S”のところをやったんですよ」などとお喋りしていました。

 

 尤もこの”細木ネタ”は公演本番に於いては封印とされましたが・・・

 

 それはさておき、マッキーと佐渡、それに司会進行役の小倉とアシスタントのMBS女子アナ───本分である楽曲演奏もさることながら、楽曲間のトークでも盛り上がっていましたね、ゲネプロの段階から。

 

 

大阪城ホールの天井からつり下げられた大型モニターに映る「1万人の第九」のロゴ《光の加減から見えづらいですが…;091206ゲネプロ終了直後に撮影》

 マッキー歌唱曲3曲のゲネプロが終わったところで第1部ゲネプロは終了、と同時にこれでゲネプロは全て終了となり、あとは本番を待つばかりとなったわけですが、このとき時刻は開場時刻とされていた昼の14時を既に回っていました。

 

 普段着姿で通してきた私も、次は本番ということで本番用衣装に着替えをすることになり、今度はレッスン会場で配布された黒表紙の第1部合唱参加曲楽譜のみ自席に残し、他の全ての荷物を手にアリーナ席エリアの回廊へと向かいました。

公演本番前最後の通し稽古(ゲネプロ)を終えてアリーナ席エリア回廊へと向かう合唱参加者たち。既に殆どが本番用衣装に身を包んでいた《091206撮影》

 そして、トイレへの長蛇の列が形成される中、その中をかいくぐる格好で着替え場所を確保。

アリーナ席エリア回廊内にある袋小路状スペースの奥。ここで本番用衣装に着替えた《左の鞄が衣装用カバン;091206撮影》

 ここはアリーナ席エリア回廊の壁面に数カ所だけ存在する袋小路状のスペースで、奥まったところで着替える分には通行人からの視線は特段気にならないレヴェルになっているように感じています。

 

 別途更衣場所が確保されている女声陣と異なり、男声陣には更衣のための場所が特に与えられていないことから、こうした袋小路状のスペースは貴重ともいえるわけです。

 

 尤も、そのために自宅から既に本番用衣装に身を包んで会場入りする人が大半なのですが・・・

 

 着替えを済ませた私は再び荷物を手にして袋小路状のスペースをあとにし、階段を上がって一つ上のスタンド席エリアの回廊へ。

 

 そのスタンド席エリアの回廊では、若干の冒険心(?)をあり、聴衆が出入りするホール南玄関へと足を進めてみることにしました。

 

 何処かで聴衆と合唱団員とを仕切る柵のようなものはあるだろうか、と思いつつ歩を進めていきましたが、そのようなものは見あたらず、なんとそのまま南玄関エントランスにまで達してしまいました。

大阪城ホール南玄関エントランスロビー付近。聴衆用出入口《091206撮影》

 その南玄関エントランスロビー正面には公演指揮者・佐渡裕と第1部ゲスト出演者マッキーらに宛てた祝い花が飾られているのが見えました。

 

 そしてこのあたりにも、聴衆は勿論、合唱団員の姿がちらほら・・・

 

 ゆるゆると思える今年の運営の一端がここにも。

 

 更に歩みを進めていった私は、飲食物スタンドや毎日放送(MBS)のグッズ類販売カウンター等を通り過ぎ、そして合唱団員出入口である北玄関へと戻っちゃいました。

大阪城ホール北玄関エントランスロビー。合唱参加者用出入口《091206撮影》

 つまりスタンド席エリアの回廊を1周してしまったわけですね───これもまた主催者MBSの方針なのだろうか《わからんけど…》。

 

 

 その北玄関、なんとガラス戸が開放されているのが見えました。

 

 昨年までは終演まで缶詰状態だったわけですが───いったいどうなっているんだろう。

 

 と思いながらも徐に外に出て、空を仰ぎ、外の空気を吸い、つかの間の開放感を味わいました。

公演本番を前にしてくつろぐ合唱参加者たち。大阪城ホール北玄関前。昨年まで見られなかった光景《091206撮影》

 

 公演本番を前にした大阪城ホール場内の様子・・・

公演本番を前にした大阪城ホール場内の風景。アルト領域から《091206休憩中に撮影》

公演本番を前にした大阪城ホール場内の風景。向正面テノール領域から《091206休憩中に撮影》

公演本番を前にした大阪城ホール場内の風景。ソプラノ領域(真横)から《091206休憩中に撮影》

公演本番を前にした大阪城ホール場内の風景。ソプラノ領域(斜め方向)から《091206休憩中に撮影》

 聴衆も続々と姿を見せ、合唱団員たちも徐々に本番モードへと気持ちを切り替えているかのような雰囲気に包まれていました。

 

 

 このあと、階段を下りてアリーナ席エリア回廊に戻り、本番に備えてトイレに入ったわけですが───

 

 この続きは次回以降の記事にて。

 

 

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【2】「不手際続出?・・・今年の『席決め(座席調整)』」
【3】「ゲネプロ直前の小休止(昼食用弁当のこと等)」
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【6終】「公演本番。マッキー歌唱、「第九」、そして終演…」

 

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コメント

こんばんは、トイレの入り口付近に大きな鏡があったのは覚えていますが、着替えできるスペースについては知りませんでした。

私は荷物を多く持つのは座席や通路が狭くなるので、小さなリュック(六甲縦走で使用したもの)に飲み物や昼食のパン、蝶ネクタイなどを入れ黒のスーツだけで、コートを着ることもなく軽量、軽装で参加しています。  

食事も通路などに出るのは面倒なので、いつも自分の席で食べています。会場全体の写真は観客より多い合唱団の、このコンサートの雰囲気が良く出ていますね。

 ころぼっくるさん、おはようございます。
 遅れてスミマセン!

 男子トイレの鏡ですね───私も何となく記憶しています。
 初めて合唱参加した1990年からしばらくの間は、私もその男子トイレの鏡のあるあたりで着替えていました。
 それが、2000年になってからだったかよく覚えていませんが、たまたまアリーナ席エリア回廊の壁際に盲腸を思わせるような隠れスペースを発見し、そこで着替えを済ませたところからクセになり、以後はずっとその盲腸を思わせるスペースを利用させてもらっています《回によってはそこに立て看板が収納されていたことがあり、その際には私はその看板の向こう(つまりスペースの奥のほう)で着替えてもう一人がその看板の手前で着替えるということもありました》。

 食事のことですが、私の場合、気分転換したいということもあるので、休憩になったら回廊に出るようにしています《というか一旦外に出たい欲求が自然な形で備わっているので…》。

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