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【「第27回1万人の第九」レッスン記;7佐渡練】手をつなぎ、肩を組み・・・ストーリーを音楽作りに反映させるために

 「サントリー1万人の第九(10000人の第9)」の27回目の公演本番まであと2日───そして明日はいよいよ舞台を大阪城ホールに移しての総合リハーサルの日。

 

 今夏世間を騒がせたサントリーとキリンの経営統合の話が、来年1月下旬頃にはその交渉で基本合意に達し、再来年の4月頃に統合となる見通しとのとの話が聞こえてきていますので〔→『キリンとサントリーの統合合意は来年1月後半に』〕、このイヴェント・タイトルで開催されるのは今年と来年限りなのかもしれませんね。

 

 いや、最悪の場合、この「第九」イヴェントそのものが、再来年(2011年)以降、消滅してしまうのかも───そうなるとちょっと寂しいかな。

 

 

 そんな中で、その「1万人の第九」本番に向けての「大阪5」クラスに於ける通常レッスンが無事終了してから丁度1週間が経った昨日(12月3日)の夜、尼崎のアルカイックホール(尼崎市総合文化センター)で「佐渡裕特別レッスン(佐渡練)」が開講されました。

 

 この日は、我が「大阪5」クラスの他、同じ”6回クラス”(経験者向け)である「大阪1」・「大阪4」、それに”12回クラス”(初心者向け)の「大阪A」・「大阪D」の都合5クラス、1,100人(というふうに佐渡氏は話していたっけ…)が一堂に会しました。

 

 このアルカイックホールは、2つある「尼崎駅」のうち、阪神線の尼崎駅が最寄り駅となっていることから、私の自宅からだと、JR線で西九条まで出た後に阪神線に乗り換えて尼崎に向かうというルートが考えられます。

 

 西九条から伸びる阪神線、元々は「西大阪線」と称していましたが、今年3月20日の西九条~大阪難波(旧・近鉄難波)間の延伸開業により「阪神なんば線」と改称されています。

 

 そして、この延伸開業により、従前からの西九条駅乗り継ぎに加えて、難波駅乗り継ぎ(JR難波←→大阪難波)によっても行くことが可能になったわけで、初めは帰りだけでも難波経由とすることを考えていましたが、時間的なことと運賃面のこともあり、結局往復とも西九条乗り継ぎとしました。

 

 きっぷは勿論、手持ちの「ICOCA」で・・・

 

 

 西九条までは、この大阪方面行き区間快速でダイレクトに。

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 天王寺、新今宮とやり過ごした末、西九条で下車した私は、階段と地下道を通って阪神の西九条駅へ───改札をくぐり、尼崎方面発着ホームに上り詰めたとき、阪神車3つドア(9000系だったかな…)による尼崎行き普通電車が発車時刻を迎えていました。

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 そのまま乗ってもよかったのですが、時間的に余裕があったことなどもあって、乗らずにやり過ごしました。

 

 普通電車を見送った私はホームの一番後ろ(難波方)のほうに移動。

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 ふと線路のほうに目を向けると、黄緑色バックの近鉄車向け10両編成停車位置標識が見えました。

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 難波方面の線路だけでなく、私の立っているホームすぐ下の線路にも白地バックの阪神に於ける通常の10両編成停車位置標識と並んで設置されているのが見えました。

 

 そして、少し尼崎方向に向けてバックしてみると、今度は白地バックの通常の10両編成停車位置標識が見えてきました。

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 距離にして十数メートルくらいの差だったかな・・・

 

 尼崎行きをやり過ごしてから約10分後、接近アナウンスが鳴り響く中、後続の三宮行き快速急行が入線。

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 近鉄車4つドア10両編成で、そのうち尼崎止まりとなる後ろ4両は「シリーズ21」車両が連結されていました。

 

 最後尾車両に乗って尼崎へ───かつて「西大阪線」と称していた区間をノンストップで駆け抜けていくさまに、ある種の物珍しさを感じた私。

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 一つ前を走っていた尼崎行きが見えてきたのか、本線との分岐点である大物の手前くらいからノロノロ運転となりましたが、尼崎駅入線の少し前からスピードを取り戻し、進行方向左手に姿を現した西宮行き急行と並走しながら、アルカイックホール最寄り駅である阪神尼崎に到着。

 

 時間があったので、並走した西宮行き急行の後ろ姿をカメラに・・・

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 すぐ左手奥には本線普通電車の姿もチラリと見えていました。

 

 時間があったので、尼崎まで乗ってきた近鉄車編成の先頭のほうに移動・・・

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 先頭車両は従前からのマルーンレッドにシルキーホワイトの取り合わせ───いかにも近鉄車らしいスタイルです。

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 後ろにつないでいた「シリーズ21」4両を切り離して6両編成となった三宮行き快速急行───やがてドアが閉まり、西宮方の闇夜に向かって走り出していったのでした。

 

 改札をくぐり、案内標識に従って北口に出た私・・・

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 同じ目的地に向かうとみられる何人かの人影と共に駅前横に見えたエスカレーターで歩道橋に上りました

 

 初めて足を踏み入れたこの歩道橋、とても規模の大きいものように思えた一方で、果たして会場のアルカイックホールまで本当につながっているのだろうか、一抹の不安を覚えました、

 

 けれども人の流れに従って歩いていくうちに、ホールの所在する方向に歩道橋も方向転換されているのが見えてきて、その通りに歩いていくと、丁度アルカイックホール等が入っている建物のあるあたりで歩道橋が尽きているのが見えました。

 

 こうなれば、あとはしめたもの(嬉)

 

 アルカイックホール等の入る建物付近に位置する歩道橋の終点で地上に降りて、その建物の縁を少し歩くとホール入口へと通ずるであろう階段が見えてきました。

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 階段の横には通常授業の会場だった梅田東学習センター体育館の正門前に立てかけられていたのと同様の案内標識が立っていました。

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 階段を上がり、広い通路を進んでいくと、ここにも矢印入り案内標識が・・・

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 案内に従って更に歩いていくと、やがてホール玄関が見えてきました。

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 そして、玄関横に詰めているスタッフに予め記入しておいた参加用紙を提出し、ホール内へと入ってみると、既に殆どの席が埋まっているのが見えました。

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 ステージ上にはグランドピアノと、その傍らに小さな机が既にセッティングされており、レッスン開始の時を今か今かと待っているかのようでした。

 

 男声陣2パートは何れも中央通路の前側エリアに設定され、舞台に向かって左手がバス・パート、右側がテノール・パートとされ、更にその前側エリアの左右両端と中央通路の後ろ側エリアを女声陣が占め、それでもまだ足りないとみたスタッフが、開始時刻の少し前になって、女声陣向けに2階席も開放していました。

 

 男声陣エリアも殆ど埋まっている様子で、探すのに苦労していた私でしたが、結局、3~4席空いているのが見えた前から2列目の席に座りました《席に着く際、座席下に置かれた荷物類を気にするあまりなかなか進まず〔狭かったです…〕、後ろで嫌みを言う声が聞こえたような気がしました》。

 

 着席してまもなく、MBS側担当者がステージ上に姿を現し、「佐渡練」のオリエンテーションを開始、次いで今回一堂に会した合唱参加者たちを受け持っていた3人の先生(磯野・木村・有元各氏)が紹介された後、我が「大阪5」クラスなどを受け持っていた有元先生がステージ上に残って準備運動と発声練習。

 

 準備運動では有元クラスで恒例となっている「肩たたき」と顔の体操がありました。

 

 私自身は今年、通常授業で「肩たたき」から参加したのが1回だけだったため、この「佐渡練」で2回目の参加となります。

 

 先生の音頭取りで隣のクラス生と挨拶をし、続いて「肩たたき」へ───座った位置がソプラノとの境界線上にあるため、片方(舞台に向かって右側)で女性の肩をたたくことに。

 

 私の場合「肩たたき」に参加するときには肩だけでなく腰のあたりも叩いたりするのですが〔決して悪気あってのことではないのですが…〕、同じように右隣の女声陣クラス生の腰のあたりを叩いたところから、お互い気まずくなってしまった〔というか相手に気まずい思いをさせてしまった〕・・・

 

 あってはならないことなのですが───今後、隣に女声陣が控えるようなことがあれば、腰のあたりは叩かず、文字通り肩だけを叩くように心がけます。

 

 それはさておき、申し訳ないことをしたと思うのみです。

 

 発声練習では5度音階「隣のビヤガーデン」も飛び出し、有元先生自ら”「隣のビヤガーデン」普及委員会委員長”と自称したりして、場内が沸きました。

 

 続けて、「隣のビヤガーデン」と発声する際の声の響かせ方を説明、全員が聞き入っていました。

 

 

 そんなあたりで、いよいよ公演指揮者・佐渡裕にバトンタッチとなり、いよいよレッスンの本題へと入りました。

 

 8月或いは9月から始まった各々のレッスンクラスに於ける通常授業では主に技術面でのアプローチで進められてきたわけですが〔他のクラスも恐らく同様と思いますが…〕、この「佐渡練」では主に音楽解釈面からのアプローチで進められました。

 

 ここからは覚えている範囲で書いていきますが〔尤も今までの文章もそうですが…〕、記憶違いのところがあるかもしれませんので、その場合はコメント等によりツッコんで貰えれば助かります《但し誹謗中傷の類は削除させていただくことがあります》。

 

 バリトン・ソロに続く、最初に混声合唱が登場する「Deine Zauber …」から始まる箇所のところで、恒例とでもいうか、佐渡先生の音頭取りで両側のクラス生と手をつなぎ、拍に合わせて手を握りながら歌わせていましたが、これは身体全体でビート(拍)を感じながら歌ってほしいという佐渡先生自身の狙いがあるものとみられます《恐らく間違いないでしょう》。

 

 続く「Ja, wer auch nur …」で始まる箇所の締めくくり部分にあたる・・・

 

   Weinend sich aus diesem Bund!

 

のところですが、これの前の「Und wer's …」から始まる一節の意味が「そしてそれがどうしてもできなかった者はこの輪から泣く泣く立ち去るがよい」という意味になっていることを踏まえて、あまりビートを意識せず、密やかな感じで歌うようにとのアドバイスがありました。

 

 ビートを意識するあまり、小さくもリズミカルになってしまうと歌詞の意味と合わなくなりますし〔同様の趣旨のことを先生も話していました〕・・・

 

 続く「Küsse gab sie …」から始まる箇所の冒頭”Küsse”は、ご存じの通り、「キス(口づけ、接吻)」の意味があり、ここでは本当にキスするような口ぶりで歌わせていました───まぁこれは身体でわからせるためのものだろうと思うんですけどね。

 

 そしてこの箇所の締めくくり、「vor Gott」でフェルマータするところ等、音を長く伸ばす箇所に於いては、途中でブレス(息継ぎ)してもかまわないから、と佐渡先生。

 

 続く男声合唱のみによる”マーチ”箇所〔歌詞でいえば「Laufet, Brüder, eure Bahn,…」〕、ここでも「佐渡練」恒例とでもいうか、男声陣のみで肩を組み合って歌わせていました。

 

 よくは覚えていませんが、ここの箇所の歌詞が持つ意味からそうさせたように思うのと、佐渡先生がここでは盛んに”同窓生”という言葉を強調していたような気がします。

 

 これに続く”練習番号M”箇所に入るまでのオーケストラの間奏箇所のところは戦いの様子を描いたものとの佐渡先生の説明───これが決着を見て”練習番号M”箇所のいわゆる「歓喜の歌」につながっていくということなのでしょう。

 

 その”練習番号M”箇所が終わり、男声合唱のみによる「Seid umschlungen, Millionen! …」から始まる箇所について、途中の「Muß ein lieber」の”Muß”(英語で言うところの”must”)の歌い方とその前後の一連の歌の流れと、更にその後に控える、ピアニッシモで(pp)「Such' ihn」と歌う箇所に於けるごく弱い響きの作り方にアドバイスを与えていました。

 

 ”二重フーガ”とその直後の部分はさほどしつこくやりませんでしたが、続く”練習番号S”の箇所(歌詞でいえば「Deine Zauber deine Zauber …」で始まるところ)のところで、3度繰り返す「Alle Menschen」の、裏拍から歌い出す1回目の”Alle”の歌い出しにアドバイスが合ったような気がします。

 

 ”練習番号S”箇所が終わった後に控える最後の”Prestissimo(プレスティッシモ)”箇所と終わり近くで挟まれている「Maestoso(マエストーソ)」箇所については、あまりしつこくやられなかったかな・・・

 

 ということで、第1部合唱参加曲「世界に一つだけの花」の練習無しにこの日の「佐渡練」は閉講となったわけですが、最後に、何処で飛び出したのかよく覚えていませんが、一つ佐渡先生の思わぬ小ネタが飛び出しましたので、それを最後に。

 

 尤も先生自身はこれについて、「これは実話」としきりに強調していましたが・・・

 

 確か授業の中程あたりで飛び出したと思うのですが、佐渡先生が新幹線で移動中、譜面に目をやっているとすぐ横を犬が駆け抜けていくのが見えたかと思うと、その後ろからかの占い師・細木数子が追っかけてきたのだそうな。

 

 先生は「その場ですぐ家にメールしたよ」と続けていましたが、これには場内が沸きに沸き立ち、その勢いでその後の授業が進むほどでした。

 

 

 「佐渡練」がお開きになり、授業の初めの「肩たたき」で気まずい思いをさせてしまった女声陣クラス生に一礼し、会場を後にしました。

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 玄関ロビーの所々で仲良しグループの輪が出来ている中を出場し、左に折れて進んでいると何やら書かれた紙のようなものを掲げながら有元クラス合同打ち上げを案内する2人組(だったような…)が視界に。

 

 それを横目にしながら、来た道をそのまま逆に辿って阪神尼崎駅へ。

 

 尼崎からの復路は、まず近鉄車4つドア10両編成の奈良行き快速急行(後ろ6両「L/C」カー)にて西九条まで。

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 後ろから2両目の車両に乗り込みました。

 

 そして西九条で下車、その足でJR線のりばに向かい、内回り線ホームに入線してきた「関空・紀州路快速223系電車に乗り込んで天王寺まで。

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 乗り込んだのは先頭車両で、妻面上部を見ると「クハ222-1」とのプレート───なんと223系電車のトップナンバー車の一つでした。

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 そして天王寺にて同じホームの反対側に停車していた奈良行き快速電車に乗り換え、そのまま家路についたというわけです。

 

 

 公演本番に先立ち”生の佐渡裕”を間近にしながら受講出来て、有意義な一夜になったと感じています。

 

 ノートと筆記用具を持ってくればよかった・・・

 

 

 次回はいよいよ舞台を公演会場である大阪城ホールに移しての、本番前日(12月5日)の「総合リハーサル」ということになるわけですが、あいにくその日はほぼ1日中雨模様との予報が出ているので〔しかも午後から風も次第に強まるとの予報も…〕、電車利用で会場に向かうことになりそうです。

 

 

P.S.
 記事を書いていて思い出しましたが、27回目を迎える今冬の「1万人の第九」下は7歳から上は93歳との佐渡先生の話でした《この話にも場内が大いに沸き立っていました》。

 これは前列に座っていたバス・パートのクラス生4人(だったかな…)に先生が直接年齢を聞きに回るところから出てきた話でしたが、ちなみに直接聞いた4人については「20代~70代」の年齢幅でした《個々の年齢までは覚えていませんが…》。

 93歳にしてなお大阪城ホールのステージに立つ───見習って、頑張らねば損ですね。

 

 

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コメント

佐渡レッスンはしばらくの間、時間の都合がつかなくて今年は久しぶりの参加でした。明日は本番ですね、宜しくお願いします。

リンクを貼らさせて頂いてよろしいでしょうか?
私のリンクもよろしければ設定していただいて結構です。

 ころぼっくるさん、おはようございます。
 いよいよ本番当日ですね。
 悔いの無いよう、お互い頑張りましょう。

 相互リンクの件に関しては別途改めて連絡しますので、今しばらくお待ち下さい。

この記事へのコメントは終了しました。

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