「北陸」・「能登」廃止、臨時夜行急行に置換…来春のJRグループ定例ダイヤ改正。521系金沢進出、「雷鳥」1往復に
先日このブログでも、首都圏(上野)と北陸方面とを結ぶ夜行列車2本、寝台特急「北陸」と489系ボンネット車充当の夜行急行「能登」が、来年(2010年)の春に施行されるJRグループ定例ダイヤ改正により、共に定期列車としては列車ダイヤ上から姿を消すようなことを書きました《→『急行「能登」・寝台特急「北陸」、定期運行終了か──「首都圏(上野)~北陸」夜行列車。先月にも同様の噂あったか』》。
そしてその具体的なことについては来春の定例ダイヤ改正の概要が明らかとなる12月の中旬から下旬にかけての時期に明らかになるであろうともお話しすると共に、今年は12月18日前後くらいに定例ダイヤ改正の概要が発表されるであろうと睨んでいる、ということも喋りました。
12月18日───私自身が「第九ひろしま2009」への合唱参加のため広島に向けて出発する前日のことです。
その、私が「発表されるであろうと睨んでいる」とした12月18日、ついにJRグループ7社(旅客6社+貨物)から来春の定例ダイヤ改正の概要が一斉に発表されましたね《→『2010年3月のダイヤ改正発表 JR』》。
ダイヤ改正期日「2010年3月13日(土)」となっている、来春施行されるその定例ダイヤ改正に於いて、前記の「北陸」と「能登」に関してはというと───どちらかといえば悪い形になってしまっているかな。
来春のJRグループ定例ダイヤ改正により、夜行急行「能登」と寝台特急「北陸」は廃止となると同時に、これに代わって「上野~金沢」間で週末や繁忙期に限定した臨時夜行急行を運転するとのこと。
その”週末や繁忙期に限定した臨時夜行急行”については、座席タイプの特急形車両を充当するとのことで、私自身「能登」で充当されている489系車両(ボンネットタイプ)あたりが充てられるのではないか、ならば”「北陸」廃止・「能登」臨時列車格下げ”とすればいいようなものなのに、と首をかしげていました。
ところが一部メディアで、JR西日本金沢支社の談話として「『能登』はJR西日本の保有だが、廃車にする」と報じられているのを発見、じゃあどんな車両が充てられるの───色々と考えてみた私。
今のところ公式には何の発表もありませんので何とも言えないところなのですが、夜行快速「ムーンライトながら」の臨時列車格下げ時みたいに、JR東日本で保有している波動輸送用の特急形電車をまた充てるつもりなのだろうか、それとも、これはある意味サプライズ的になるかもしれませんが、JR西日本の681系或いは683系車両を充てるとか・・・
このうち、JR西日本の現行特急形車両「681系或いは683系」については、今回発表されている”週末や繁忙期に限定した臨時夜行急行”が運転される時期には、これらが主に充当されている「サンダーバード」や「しらさぎ」、「はくたか」の各特急列車でも増発されることが予想され、当然のことながら、そちらの方に優先的に回されることから、臨時夜行急行に回される確率はゼロに近いところでしょう。
となれば必然的にJR東日本が保有している波動輸送用に留め置かれている車両に目が向いてしまうところなのですが・・・
ここまで書いたところで、今度の定例ダイヤ改正でJR西日本が683系4000番台を追加投入することにより捻出されることが予想される「雷鳥」向け485系車両の存在が頭の中に浮かんできました。
その、捻出されるであろう485系車両の処遇(行き先)について・・・
最近JR西日本では北陸方面から捻出されてきている485系車両編成の一部について、直流専用の”183系”に改造の上、北近畿地区を走る特急へと振り向けるという動きが見られます〔→『485系元キトA8編成も・・・・。』・『485系キトA9編成も・・・。』とか》。
今度の定例ダイヤ改正により更に捻出されるであろう485系について、こうした北近畿エリアへの更なる転属も可能性として残る一方で、臨時化された夜行快速「ムーンライトながら」に振り向けられるJR東日本の田町車両センター所属183・189系車両よろしく、JR西日本がこの捻出されるであろう485系車両編成を波動輸送用に数本程度留め置くようなことが仮にあるとすれば、それらを”週末や繁忙期に限定した臨時夜行急行”に振り向けてくるということも十分考えられるところでしょう。
尤もこれらは現時点では私自身の推察に過ぎないですが───ただ、もし本当に485系被捻出車両の波動輸送用編成確保が実現した場合、その気になれば今夏から運行休止にされてしまっている臨時夜行快速「ムーンライト九州」に振り向けて運行復活させることも可能なわけで〔勿論「青春18きっぷ」シーズン限定。全席指定で〕、来春の定例ダイヤ改正、そしてそれに伴って捻出される485系車両の処遇に注目が集まりそうな感じがするところです。
悲観的なことを幾つか挙げるならば、4年半以上前(2005年4月25日)に発生した福知山線脱線事故の尾を引いていること、アメリカ発祥の世界金融危機に端を発した景気低迷による影響、新型インフルエンザ流行による影響、「高速道路通行料金上限千円(休日特別割引)」による影響・・・
これらのことから考えて、今のJR西日本に、今度の定例ダイヤ改正に伴って捻出されてくるであろう485系車両編成を波動輸送用に確保する気があるのかどうか、不透明なところと思います《そういえば”北陸新幹線延伸”という材料もありましたね》。
悲観的なこと、でふと浮かんだことですが、今度「北陸」・「能登」両列車の廃止と引き替えに設定するとしている”週末や繁忙期に限定した臨時夜行急行”について、夜行高速バス隆盛の昨今にあって、設定だけして何の対策もとらなければ、数年のうちに消滅することにもなりかねないでしょう。
「急行」とすることで、まず「青春18きっぷ」ユーザが締め出されます。
一方で、首都圏と北陸方面との往復に使えるトクトクきっぷ「北陸フリーきっぷ」(これのおかげで寝台特急「北陸」の乗車率が個室寝台を中心にまずまずの水準に保たれているようなものです)がこの”週末や繁忙期に限定した臨時夜行急行”にも使用可能となりそうなところなのですが、現行のこの「北陸フリーきっぷ」について、夜行急行「能登」で利用する分にはあまりメリットが感じられないとの声がネット上で聞かれます《『北陸フリーきっぷ』とか》。
この「北陸フリーきっぷ」の設定フリーエリアの拡大や発売額の引き下げなど、何らかの施策(というか「休日特別割引」や夜行高速バスへの対抗策)を採らない限り、「北陸」・「能登」両列車に代わる”週末や繁忙期に限定した臨時夜行急行”も数年のうちに廃止の憂き目に遭うことにもなりかねません。
この”週末や繁忙期に限定した臨時夜行急行”設定が単なる既成事実作りのために為され、そしてあっさり運行廃止となって「首都圏~北陸」間夜行列車が本当に消滅するようなことにならないよう、善処を願うばかりです《まぁ願っているばかりではダメなのでしょうけれども…》。
ごちゃごちゃ書き連ねてしまいましたが、来春のJRグループ定例ダイヤ改正、私自信看過出来そうにないです。
P.S.
本文中で記した、寝台特急「北陸」・夜行急行「能登」両列車廃止と、それらに代わって”週末や繁忙期に限定した臨時夜行急行”が設定されること以外に、12月18日付で一斉発表された来春のJRグループ定例ダイヤ改正〔2010年3月13日(土)施行〕に於いて、北陸関連では他にも・・・
|
◎ 485系特急「雷鳥」の定期運行本数が10分の1に 《10往復→1往復》 ◎ 大糸線非電化区間に充当のキハ20系52形をキハ120形 に置き換え 《JR東日本管轄エリアへのキハ120形初入線(南小谷駅)》 ◎ 「223系の交直流両用版」521系車両の運用区間拡大 《福井~金沢間にも拡大;石川県もJR西日本に出資か?》 |
あたりが気になっているところです《→『平成22年春ダイヤ改正について』》。
このうち「223系車両の交直流両対応版」ともいうべき521系車両については、最近になって製造元の一つである近畿車輛(近車)に於いて怒濤のごとく製造されている様子である上〔→『・・近畿車輛情報(2009/12/9)』とか〕、最近出場していった521系車両の所属先が「金サワ」(金沢総合車両所)となっているところから、金沢地区への進出近いか、等という声が聞かれていたのですが、それが今度の定例ダイヤ改正で現実のものとなるみたいですね。
元々福井・滋賀両県からの出資をも仰いでデビューとなったこの521系車両、石川県もまたJR西日本に出資(というかお布施)して乗り入れを頼んだのだろうか・・・そのあたり定かではないけれども。
あと、485系車両編成使用の特急「雷鳥」の運行本数激減と、大糸線非電化区間(JR西日本管轄区間;「糸魚川~南小谷」間)のキハ20系52形老朽化に伴うキハ120形への置き換えもまた気になるところで、来春の定例ダイヤ改正施行までの間に一度だけでも生でお目にかかりたい心情にあります《現実にはなかなかそうはいかないですが…》。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『JR:春のダイヤで「北陸」など臨時列車に』
『JR、来年3月「北陸」「能登」定期運行廃止』
《→『さよなら「北陸」「能登」』》
『東海道・山陽新幹線「のぞみ」すべてN700系に JRの来春ダイヤ』
『JRがN700、NEXを増発 北陸、能登は臨時列車に』
『鉄道路線も「リストラ」 JR金沢支社、来春から』
『寝台特急「北陸」、急行「能登」廃止へ - JR東日本、2010年3月にダイヤ改正』
P.S.(100123追記)
昨日(1月22日)付けでJR旅客6社から春季臨時列車の運転概要が一斉に発表され、その中で、廃止となる「北陸」と「能登」に代わる”臨時夜行急行”については従前からの489系による「上野~金沢」間夜行急行の列車名として使われてきている「能登」をそのまま使うことが発表されました《→『平成22年【春】の臨時列車の運転について』》。
要するに”「北陸」廃止、「能登」臨時列車格下げ”という格好となりましたね・・・
そして、気になる充当車両についてですが、JR東日本発表の春季臨時列車運転計画によると、充当されるのは「485系6両」編成で、夜行快速「ムーンライトえちご」や同「ムーンライトながら」と同様、全車指定席扱いとするとのこと。
JR東日本管内で485系といえば、北陸信越界隈では新潟車両センター(旧上沼垂電車区)に比較的多く配置されていることから、この新潟車両センターから引っ張り出してくるものとみられます。
それに伴ってのことでしょうけれども、これまで485系で運用されてきた新潟方面の夜行快速「ムーンライトえちご」は、充当車両が「183系6両」に置き換えとなっています《恐らく大宮総合車両センター・東大宮センター所属の183系6両編成が充てられるんじゃないだろうか…》。
ここまで書いていてふと思ったことなのですが、夜行急行「能登」、489系9両編成の定期列車として運行されている現在は普通車自由席の連結があり、特例として、定期乗車券利用客であっても別途乗車区間の急行券を買い足すことにより普通車自由席に乗車出来るようになっています。
しかしダイヤ改正に伴う臨時列車への格下げ後には6両編成に減車され、しかも全車指定席扱いに変わってしまう───このことは、これまで可能だった「定期乗車券+急行券」による乗車が、ダイヤ改正以後、出来なくなることを意味しているように感じました。
となれば、これまでホームライナー代わりにリクライニングシートの入った489系使用の「能登」を利用してきたサラリーマンらにとっては痛手となるかも〔ちなみに「上野~高崎」間101.4kmで”急行料金950円(150km迄)・普通列車グリーン料金950円(首都圏平日51km以上事前購入)”〕・・・
<(_ _)> ありがとうございます。応援よろしくお願いします <(_ _)>
←ソーシャルブックマークです
←ランキング参加中。各1クリックご投票を!
【関連記事(「北陸」&定期「能登」ラストラン関連)】
「急行「能登」・寝台特急「北陸」、定期運行終了か──「首都圏(上野)~北陸」夜行列車。先月にも同様の噂あったか」
「寝台特急「北陸」・夜行急行「能登」の最期──明日JRダイヤ改正。「SUGOCA」等と「Suica」の相互サービス開始も」
「寝台特急「北陸」と489系夜行急行「能登」のラストラン、無事終着駅へ──”五里霧中”な残留夜行列車たちの前途」
« 「第九ひろしま2009」無事終演… | トップページ | ベートーヴェン「第九」三昧の2日間───「N響『第9』演奏会」に「『1万人の第九』ドキュメンタリー」… »
この記事へのコメントは終了しました。
« 「第九ひろしま2009」無事終演… | トップページ | ベートーヴェン「第九」三昧の2日間───「N響『第9』演奏会」に「『1万人の第九』ドキュメンタリー」… »

ベートーベン
歓喜の歌ドイツ語版(ショパン)
歓喜の歌~ベートーヴェン(混声)

コメント