東海道・山陽新幹線「エクスプレス予約」に不具合──約3時間利用不能。情報公開と即時バックアップ対応の必要性
今や東海道・山陽新幹線の東京~博多間の全線で導入されている会員制予約サービス「エクスプレス予約」と、それに付随したチケットレスサービス「EX-IC」。
本州内JR旅客3社がそれぞれ発行している「Suica」(JR東日本)・「toica」(JR東海)・「ICOCA」(JR西日本)と各ICカード型乗車券が定めている導入エリア内に所在する新幹線駅の乗換改札に設置の自動改札に於いて「EX-IC」と組み合わせることでチケットレスでの新幹線乗り継ぎも実現させるなど、別にきっぷを購入する手間が省けたりして利便性が向上しています。
九州新幹線・鹿児島ルートの全線開業と同時に山陽新幹線との相互直通乗り入れが始まる2011年春(予定)には「ICOCA」とJR九州「SUGOCA」との相互利用サービス提供も開始となる模様で、これに伴って小倉・博多両駅の新幹線乗換改札に設置の自動改札機に対する改修を実施、両駅に於いても「SUGOCA」等と「EX-IC」の組み合わせによる新幹線と在来線相互のチケットレスでの乗り継ぎが出来るようになります。
運賃面での有利・不利は別にして、わざわざ紙発券のきっぷを券売機などで購入する手間が省けるだけでも大きいと思いますね《特に時間に追われるビジネスマンあたりとか》。
けれども、いくら「エクスプレス予約」というシステム自体便利につくられていても、一度それを構成しているシステムの何処かで不具合が発生してシステム全体がダウンしてしまうと、利用客のシステムに対する信用は大きく揺らぐものです《今更言うまでもないことだけど…》。
今日(12月3日)の10時過ぎ、その「エクスプレス予約」のシステムに不具合が発生し、昼13時頃までの約3時間にわたって「エクスプレス予約」を通じての予約や予約変更、更には「EX-IC」カードを使って改札をくぐることも出来なくなってしまっていました。
この間、新幹線停車駅に於いて発券機(「エクスプレス予約」専用の?)に誘導して紙発券してもらったり、窓口(「みどりの窓口」?)で「エクスプレス予約」にて予約済みの新幹線指定席の予約変更などの対応に追われていたみたいですが、一部の駅では改札口にて駅員に詰め寄る乗客の姿も見られたとか。
現時点での報道によると、不具合発生の原因は不明で、東海道・山陽新幹線を管轄しているJR東海とJR西日本が原因調査に乗り出しているとのことですが、加えて、この「エクスプレス予約」システム一式を納めたとされるJR東海系列の「ジェイアール東海情報システム」もまた、システム開発サイドとして、原因調査に乗り出していることでしょう。
この「エクスプレス予約」の会員数は現在約155万人を数え、多くはビジネスマンで占めていることでしょう。
2001年の「エクスプレス予約」スタート当初から導入しているJR東海によると、実は2年前(2007年)の5月と7月にも不具合発生でダウンし、それぞれ約8時間と約4時間、利用できなくなっていたとの由。
このうち2007年5月の障害発生時の状況について、『エクスプレス予約の停止』によると、既予約分の発券(受け取り)を除く全てのサービスが利用できなくなっていた、とのことですが、不具合発生の周知の仕方については、JR西日本のWebサイトではトップに「エクスプレス予約」障害発生の旨の文言などを表示させていたのに対しJR東海のWebサイトには障害発生のことは何も掲載されていなかった、と情報公開に対する意識の低さを批判しています。
これに関連して、先ほど私もJR西日本とJR東海の両Webサイトを確認しに行きましたが、やはりJR東海のWebサイトには今日の午前中に発生した障害のことについて何も掲載していませんでした《一方のJR西日本は、同社運営の『JRおでかけネット』も含めて、トップページに今日の障害発生のことが小さめの文字ながら記されているのが見えました》。
また、JR西日本・JR東海共同運営による「エクスプレス予約」特設サイトにも見に行きましたが、ここにも今日発生した障害のことは一つも記されていませんでした。
やはりJR東海は具合悪いことが起きたときの情報リリース対応がなっていないというべきなのでしょうか・・・
また、鉄道に連動した座席予約システムという性格上、既にバックアップ機能がきちんと為されている列車運行系システムと同様、今回のような不具合発生時に即座にバックアップ対応が出来るよう二重系システムとして構築し直す(というか改良する)必要があるように感じます。
ことに「エクスプレス予約」の場合、恐らく会員の大半をビジネス客が占めていることと思いますので、尚更のことと思います。
下手すると、信用されなくなると共に、列車の正常運行の足引っ張りにもつながりかねないことですので・・・
少しずつサービスとして定着しつつある「エクスプレス予約」とそれに付随したチケットレスサービス「EX-IC」、真に鉄道座席予約サービスとして信用される存在であるためにも、システムとしてバックアップ対応がきちんと出来るようになってもらいたいものです。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『新幹線ネット予約システムがダウン 155万人が利用』
『新幹線ネット予約システム障害、3時間で復旧』
『システム障害:東海道・山陽新幹線の会員制ネット予約で』
『新幹線ネット予約サービス、3時間ぶり復旧 東海道・山陽』
《→『新幹線ネット予約サービス、3時間ぶり復旧 東海道・山陽』》
『新幹線ネット予約で障害=3時間使えず-JR』
『新幹線予約システムダウン 約3時間後に復旧、JR』
『新幹線「エクスプレス予約」一時障害、復旧 JR東海』
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【関連記事(新幹線「エクスプレス予約」と「EX-IC」)】
「「”EX-IC”は西へ」・・・8月29日(土)から新幹線チケットレス・サービス、山陽新幹線にも拡大」
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こんばんは!
昨日はコメントの連投ありがとうございます。
このようなトラブルは起きないに越したことはないが、起きてからの事後対応がしっかりしていないとねぇ。
プログラムのミスなど、原因はいろいろ考えられるが、なぜ起こったのかの情報を公開するのも一つの対応でしょう。
投稿: 急行丹後1号 | 2009年12月 4日 (金) 19時56分
急行丹後1号さん、こんにちは。
先日はお邪魔さまでした。
仰るとおりですね。
万が一の事態に陥ったときの対応方の確立と共に、システムのバックアップ方も、新幹線のCTCと同様、きちんと確立させておくべきところでしょう。
本格的な原因究明と共に究明結果のきちんとした公表を願うのみです。
投稿: 南八尾電車区 | 2009年12月 5日 (土) 12時24分