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【「第九ひろしま2009」(第25回)公演記=5】広島サンプラザホール到着。そして前日リハーサル(オケ合わせ)へ・・・

【←4回目記事へ】

 寒い日が続きますね───皆様、お身体の具合はいかがでしょうか。

 

 

 ここのところ、昨年で25回目を迎えました広島「第九ひろしま(第九ひろしま2009)」への合唱参加のことを綴ってきています。

 

 前回(第4回)の記事では、広島入りを果たしたところまでを記しました。

 

 それにしての昨年の広島入りは波乱含みでしたよ。

 

 自宅を出たのが予定より遅くなってしまったことも大きいのですが〔これが一番の原因ですけどね…〕、昨年の場合は北陸地方の大雪の影響による北陸方面からの列車(米原以北始発終着の新快速電車とか)を中心としたダイヤ混乱とぶつかったりもしたところから、一旦赤穂線の播州赤穂へと迷い込んでしまったものでしたが、最終的にはリハーサル開始時刻である夕方16時丁度に何とか間に合うように広島入りし、公演会場(広島サンプラザホール)最寄駅である新井口駅に到着できました。

 

 尤も、今回も大きな鞄2つ(衣装鞄と旅行鞄)を抱えての公演会場入りを余儀なくされましたが・・・

 

 

 雪によるダイヤの乱れに翻弄されながらも、公演会場である広島サンプラザホールの最寄駅・新井口にどうにか到着した私は、手持ちの「青春18きっぷ」を有人改札口にて駅員に提示しつつ改札をくぐりました。

 

 リハーサル(オケ合わせ)開始時刻の10分ほど前のことです。

 

 そして、大きな鞄2つを抱えるという”ヨソ者”スタイルの出で立ちで、商業施設「アルパーク」、そして広島サンプラザへと直結している歩道橋を歩き始めました。

 

 リハーサル当日にあたるこの日の広島県地方に於ける気象予報については、出発前日くらいまで「雪」などの悪天候予想が大半を占めていたところを、いざ広島入りしてみると、広島サンプラザや「アルパーク」等が所在する広島市西区一帯は晴れたり曇ったりのまずまずの空模様となっていて、歩道橋上にはちらほらと家族連れなどの姿がありました。

 

 そんな中をサンプラザに向けてひたすら歩みを進める私・・・

 

 「アルパーク」の2つの棟(東棟・西棟)をつなぐ広場のようなゾーンのあたりまではそれなりに人の姿は見られたものの、それを通過して西棟入口前を左に折れ、いよいよサンプラザへと直進する通路へと入ってみると人の姿はほとんど無くなり、同じくサンプラザに急いでいるとみられる2~3人を見る程度となっていました。

 

 そうした状況の中、歩を進めていくと・・・

広島サンプラザ正面部。「第九ひろしま」等で使われるホール棟はこの奥に位置している《091219撮影》

 1年ぶりのご無沙汰───広島サンプラザ正面です《この奥に「第九ひろしま」等で使われるホール棟が控えています》。

 

 そして、そのサンプラザ正面横の歩道に下りるエレベータ前に・・・

歩道橋上のエレベータのりば前に立てかけられた、「第九ひろしま2009」と印刷された紙の貼られた広島サンプラザの看板《091219撮影》

 更にエレベータ脇の階段を下りたところにも・・・

歩道橋下の歩道上のエレベータのりば前に立てかけられた、「第九ひろしま2009」と印刷された紙の貼られた広島サンプラザの看板《091219撮影》

 このあたりは例年通りですね(笑)

 

 そして、少し急ぎ足でサンプラザ正面入口の前を通過、正面入口右横に控える日本庭園へと入り、その中をすり抜けて行った私は、合唱団員出入口とされたホール公園側玄関の前に到着。

広島サンプラザホール(サンプラザのホール棟)の公園側玄関前のスペース。観光バスらしき姿が無かった《091219撮影》

 開始時刻間際とあって、人の姿は殆ど無く、ガラーンとした雰囲気でした《当たり前だろうけれども…》。

 

 だが、一昨年開催分(第24回、第九ひろしま2008)までその公園側玄関脇のスペースに停まっていた、大阪から来たとみられる貸切バスの類が、昨年のこの日にはその姿形がありませんでした。

 

 「大阪から来たとみられる貸切バス」───つまり、2006年開催分以降、主に「1万人の第九」各レッスン会場に於いて行われてきている「第九ひろしま」広島県外向け合唱団員募集に応じて参集し、ツアーを組んで広島入りする貸切バスのことです。

 

 参考までに、その一昨年開催の第24回公演分に係る前日リハーサルへの出席に際して同じ場所(公園側玄関脇のスペース)を撮影した写真画像を以下にて示します。

一昨年(2008年)の第24回公演分に係る前日リハーサルへの出席の際に見た、同じく公園側玄関前のスペースの様子。貸切バス(観光バス)が停まっているのが見える《081220撮影》

 ご覧のように、観光バス(というか貸切バス)がスペース内に停められているのが見えますね。

 

 その観光バスの前面を見てみると〔以下の写真画像2枚〕、右側案内標識部のところに「第九ひろしま2008」の表示が見えますね。

一昨年(2008年)の第24回公演分に係る前日リハーサルへの出席の際に見えた、公園側玄関前のスペースに停まっていた貸切バス(観光バス)の前面側をとらえたもの《081220撮影》 一昨年(2008年)の第24回公演分に係る前日リハーサルへの出席の際に見えた、公園側玄関前のスペースに停まっていた貸切バス(観光バス)の前面、案内標識部分を拡大したもの。確かに「第九ひろしま2008」と表示されている《081220撮影》

 そして、車体を見てもおわかりのように、バス自体の所属が阪急観光バスという大阪市内を本社所在地としている貸切バス事業者であるところから、この観光バス車両こそが広島県外向け合唱団員募集に応じて参加してきた関西などからの合唱団員たちを乗せてきたバスということになるわけです。

 

 ところが昨年の第25回公演分に係る前日リハーサルに出席した際には、この関西(というか大阪・梅田)から来ているはずの貸切バスの姿が無かったというわけです。

 

 何処か違う場所にでも停めているのだろうか、それともツアー自体が成立しなかった(というか広島県外向け合唱団員募集の不振により募集自体が打ち切りにされてしまった)とか───ガランとした公園側玄関前のスペースを前にしていろいろと考えてみる私…

 

 そんなところへ一人の年輩の女声団員が公園側玄関から中へと入る様子が見え、時間が迫っていたこともあって、私もその姿を追うかのように中へ入っていきました。

広島サンプラザホール(サンプラザのホール棟)の公園側玄関。当日に於ける一般聴衆の出入口にもなった《091219撮影》

 

 今年は2階スタンド席が割り当てられていることから、玄関入って右手に見える2階への階段を上がり、場内2階回廊を伝って合唱団員がスタンバイしている向正面側スタンドへと歩を進めました。

 

 手持ちの出演者用座席券に示されていたのは2階スタンド席の前から3列目の席で、スタンド席を割り当てられるのは3年ぶりのことでした。

 

 と、私に割り当てられた席のあるところに向かうと、なんとそこに人の姿が・・・

 

 こんなこと初めて───何度も手持ちの座席券の券面表示と実際の座席の上に付いているタグの表示とを見比べながら戸惑いを隠せない私がそこにありました。

 

 すると周囲の人が、そんな私の戸惑いの行動に気づいてくれたのか、声をかけてくれて、その人の言われるままに座席券を見せると、先に座っていた人に声をかけてくれたりしていました。

 

 そのおかげで、先に座っていた人は「本当は一つ前の席だから…」等といいつつ本来の席に戻り、何とか座ることが出来ました。

 

 助かったけれども、正直、何だか穏やかならざる気分となっていました《何だかヨソ者丸出しの私を嫌っていたかのような・・・本当のところはわからないけれど》。

 

 そんな勝手な憂いをよそに、程なく準備運動と発声練習が始まり、次いでステージに管弦楽を務める広島交響楽団の楽団員たち、そして今年は全て外国人歌手で固めた4人のソリスト陣が姿を現し、いよいよ「第九」終楽章のリハーサル(オケ合わせ)開始と相成りました。

 

 公演指揮を務める山下一史も姿を現し、終楽章(第4楽章)の棒を振り始めました。

 

 ただ、前日リハーサルの際には、終楽章の頭からではなく、声楽導入の直接のきっかけ部分となる2度目の不協和音の少し前くらいから始めていたような気がしているのですが、あいにく、現在このあたりの記憶は殆ど忘れてしまっているような感があるので、自信が持てないです。

 

 とはいえ、合唱団員が起立するタイミングの確認のところは覚えていて、2度目の不協和音への導入の役割を果たすティンパニの、鳴らし始めてから到来する最初の強拍音が出たところで起立するということで確認し合っていました。

 

 ちなみにこの起立タイミングは2週間前に開催された大阪「サントリー1万人の第九」に於ける「第九」演奏と同じでした。

 

 だが、この後に登場するソリストの歌唱のところで問題発生。

 

 なんと、オーケストラのテンポについていけず(というかついていかず!?)、次第に乗り遅れていってしまっていたのです───いったいどうしたんだ、これは大丈夫なのか。

 

 公演指揮者・山下もこれにすぐ気付いたのか、すぐ演奏をストップさせ、その山下とソリスト陣、居合わせた技術スタッフらを交えた即席の打ち合わせが急遽持たれました。

 

 その打ち合わせを聞くなりしているうち、私自身、信じられない心境となっていました。

 

 今回の、オール外国人歌手で固めた4人のソリスト陣、なんとオーケストラの音を聴きながら歌っていたのだそうです《というか、やりとりの中でそんな風に聞こえてきていた》。

 

 通常、私たち合唱団員は、レッスンに於いて、そして公演会場に於けるリハーサル等に於いて、「音を聴きながらではなく指揮棒を見ながら歌うように」ということをレッスン担任らから必ず言われます。

 

 私もまた、1990年開催分の大阪「1万人の第九」に於いて初めての「第九」合唱参加をして以来、今日に至るまで、このことを繰り返し叩き込まれていて、公演本番に於いてはステージ中央に立つ指揮者が手にしている指揮棒の動きに合わせて合唱に加わることを至極当然のことのように考えてきています《マダマダなんですけどね…》。

 

 なのに、今回の4人のソリスト陣は指揮棒を見て歌っているわけではないんだ───愕然とした思いと共に、「外国の歌手たちは指揮棒を見て歌うという習慣が無いのだろうか」等と考えてみる私がそこにありました。

 

 勿論全ての公演・舞台について当てはまるわけでは無いのでしょうけれども、正直、心の中で「えぇぇぇっ」と叫んでしまいそうな心境でした。

 

 ただ、そこは音楽の都ウィーンなどで活躍しているプロの歌手たち、歌唱自体は一点の曇りも感じさせないクリアな感じ(歌詞一つ一つの発音が見事)で、流暢な歌の運びをしてくれているような印象でした。

 

 要は彼ら4人がうまいこと演奏のリズム・テンポに乗ってくれるのかどうか───そこに尽きるような感じでした。

 

 結局ソリスト側・指揮者側の双方にスピーカーを設置することで話がまとまったみたいで、リハーサル再開となりました。

 

 それからは大したトラブルも無く、楽章の終わり(つまり曲の終わり)まで無事通すことが出来ました。

 

 合唱団に対する公演指揮者・山下によるダメ出しは都合3~4カ所だったような───今となっては具体的な内容は覚えていませんが、どの箇所とも細かなものであったような気がします。

 

 こうして「第九」終楽章のオケ合わせが終わり、続けて『蛍の光』のリハーサルとなったわけですが、ここでまたもハプニング発生・・・

 

 公演指揮者・山下が「『きよしこの夜』のリハーサルを…」と半ば慌てた様子で発言、合唱団の間からどよめきが───でも山下自身すぐに間違いに気付いたみたいで、慌てて言い直す等したところから急速に打ち解けた雰囲気に。

 

 そして『蛍の光』のリハも無事終わり、ここで合唱団員はリハ終了ということで解散となりました。

 

 明日の本番の「第九」は大丈夫だろうか───そんな懸念を抱きつつ、公演会場である広島サンプラザホールをあとにした私なのでした。

合唱団員にとっての前日リハーサルが終了となり、家路などに向かう合唱団員たち。広島サンプラザホールの道路側玄関にて《091219撮影》

 

 サンプラザに直結する歩道橋を逆にたどって駅へと向かい、そして「青春18きっぷ」を使って改札をくぐり、上り・広島方面に向かう列車に乗り込みました。

 

 

 このあと広島駅まで戻り、駅から徒歩圏内にあるホテルにようやく投宿出来たわけでありますが、この続きは次回以降の記事にて。

 

 

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