楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』全曲の鑑賞に適した”乗り物”のこと──バイロイト音楽祭等。体験談も
前回、バイロイト音楽祭(ワーグナーの芸術…)に於けるR.ワーグナー作曲の楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』のことを綴りました。
今、私自身がハマっているものの一つでもあります。
ま、あまり聴き込み過ぎて早くに飽きが来ないよう、気分転換も兼ねて現代音楽もの(芸術は爆発だ!)とかも時に一聴したりしていますが・・・
ところで、このバイロイト音楽祭にて上演された『ニュルンベルクのマイスタージンガー』、全曲通して聴くのに丁度手頃な場所があります。
場所───というか乗り物の内部ですね。
尤も、正確にはNHK-FMで毎年暮れに放送されている『特集バイロイト音楽祭』の中で組まれている『マイスタージンガー』全編(解説部分を含む)ということになりますが───ちなみにこのNHK-FMで放送される『マイスタージンガー』全編の所要時間は約5時間です。
あ、それと、この場所では両耳にイヤホーンをして聴きます《最近流行(?)のディジタルオーディオプレーヤーに『マイスタージンガー』全編を収めたオーディオファイルを予め入れておいて持ち出すことになります》。
その場所(というか乗り物)とは・・・・・・
東名ハイウェイバス
「東京駅~名古屋駅」間直行便
であります。
現在、東京駅〔出発(乗車)時は「八重洲南口」、到着(降車)時は「日本橋口」〕と名古屋駅とを東名高速道路経由にて結ぶJRの昼行高速バス路線「東名ハイウェイバス(東名高速線)」には、全区間通して運転する直行便(超特急・特急)を初め、「東京駅~静岡駅」間や「東京駅~浜松駅」間などの区間便(特急・急行)も設定されています。
今回、『マイスタージンガー』全曲通しで聴くのに適した場所としているのは、言うまでもなく、これらの中の全区間通し運転を行う直行便ということになります。
「東名ハイウェイバス」の現行ダイヤ(時刻表;2006年12月15日改正分)についてはJRバス関東Webサイト内にPDF形式にて掲載されていますが〔→下り(名古屋方面)・上り(東京方面)〕、これによると、「東京駅~名古屋駅」間直行便の所要時間は、”超特急(スーパーライナー)”便で5時間40分(1日1往復の”ノンストップライナー”便は5時間20分)、”特急(東名ライナー)”便で6時間6分となっています《勿論何れも所定ダイヤ通りに運転されている場合》。
で、ここからは私自身の体験談となりますが、だいぶ前のこと、名古屋駅を午前中に発車する上り・東京駅行き「超特急」便に乗って上京した際、持参していたポータブルMDプレーヤーにてバイロイト音楽祭に於ける『マイスタージンガー』全曲演奏を聴きつつ東京到着までの6時間弱を過ごしていました。
途中、休憩のため2カ所のサービスエリア(浜名湖と足柄の両SAだったか…)に立ち寄っていましたが、その際にはどうしていたのかなぁ───ひょっとしたら一旦MD再生をストップさせていたのかも《よく覚えていないし…》。
ただ、名古屋発車後からMD再生を開始し、丁度『マイスタージンガー』全3幕の演奏が終わったところで東京都心部に入ったことは何となく覚えています・・・
ちなみに当時そのバス車内でNHK-FMの放送番組として聴いていた『マイスタージンガー』の指揮者はダニエル・バレンボイム、そしてヴォルフガング・ワーグナーが演出を手がけていたかな《ヴォルフガング・ワーグナー・・・2007年からバイロイト音楽祭で上演されている『マイスタージンガー』の演出を手がけてきているカタリーナ・ワーグナーの父親で、バイロイト音楽祭(祝祭劇場)前総監督》。
ここで、少し余談っぽくなりますが、このバレンボイム指揮によるバイロイトに於ける『マイスタージンガー』を繰り返し聴いていた頃とほぼ時期を同じくして、NHK教育テレビで放送されたベルリン・ドイツ・オペラによる『マイスタージンガー』全曲演奏(1995年。ラファエル・フリューベック・デ・ブルコス指揮、ゲッツ・フリードリヒ演出)も自宅にて繰り返しビデオ視聴していたものでしたから、音声のみによるバイロイトに於ける『マイスタージンガー』を耳にしている際にはベルリン・ドイツ・オペラによる『マイスタージンガー』の舞台映像と重ね合わせつつ楽しむことしばしばでした。
前記の東名ハイウェイバス・上り東京行きの便の車内で聴いている際にも、時折その映像で見たベルリン・ドイツ・オペラによる『マイスタージンガー』舞台情景が時折頭の中に浮かんでいたような気がしています。
更にもう一つ余談っぽい話として、この東名ハイウェイバスの車内で耳にしていた『マイスタージンガー』、NHK-FMによる放送からのエアチェックですので、当然のことながら、現地に於ける公演ライヴ収録分に加えてNHKのスタジオで為されたであろう解説部分なども入っていたわけで、私が耳にしていたものは、音楽評論家・三宅幸夫をゲストに迎え、坪郷佳英子(フリーアナウンサー)が進行役を務めるというものでしたが、幕間における両者による現地レポート等も交えたトークは、裏話的要素(現地紙による批評の話も飛び出していました→当時バレンボイムがギックリ腰になっていたのではとの噂の紹介も有)も鏤められていて、聴き応え十分なものとなっていました。
ちなみに放送年はというと、よくは覚えていませんが、1998年だったような気がする───当時はカセットテープによるエアチェックで〔エアチェック時点に於いてラジMDの類は自宅にありませんでした〕、夜の遅い時間帯にもかかわらずカセットの裏返しや別のカセットへの入れ替えをしなければならなかったため、睡魔に襲われそうになりながらやっていたように記憶しています《余談ですが、このような状況もあってか、次の年の年末『バイロイト音楽祭』シリーズに於ける『マイスタージンガー』(同じくバレンボイムが指揮していたように記憶)のエアチェックには見事しくじってしまいました…》。
話が逸れてしまいましたが、要するに東名ハイウェイバスの「東京~名古屋」直行便のバス車内というのが、時間面などに於いて、約5時間に及ぶ『マイスタージンガー』全曲を聴くのに適した場所といえるわけですね《あ、何もバイロイト音楽祭に限ったことではなく、他のオペラハウスで上演された『マイスタージンガー』であってもよいわけで…》。
勿論『マイスタージンガー』だけでなく、同じくワーグナーが作曲した『パルジファル』などでもよいわけですし、比較的小振りなオペラ作品でしたら2本続けて聴くというのもありでしょう。
また、午前中に名古屋を出発する便で考えた場合、東京都内に於いて夜行われる海外オペラ団による公演の演目の予習の場としても使えそうなところですね《まぁ”新幹線の車内”というのもあるでしょうけれども、高速バスと比べて金額(運賃+料金)が高めである上、乗車時間が短いので、大作オペラの鑑賞にはちょっとキツいものがあるように感じます》。
高速道路を駆け抜ける高速路線バスの車窓から見える移りゆく風景に目を遣りながら大作オペラを聴いてみるのも悪くはないと思うのですが───皆さんはどう思われますか。
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