ワーグナー『ニュルンベルクのマイスタージンガー』──昨年(2009年)のバイロイト音楽祭。私のハマり物《+今夏分》
ここのところハマってしまっている音楽があります。
昨年(2009年)夏にドイツで開催されたバイロイト音楽祭(ワーグナーの芸術…)の会期中に取り上げられた演目の一つである「楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』(全3幕)《勿論R.ワーグナーの作品》」。
ドイツ(旧東ドイツ)=ベルリン出身指揮者セバスティアン・ヴァイグレがタクトを執り、バイロイト祝祭劇場(バイロイト音楽祭)の前総監督ヴォルフガング・ワーグナーの娘でR.ワーグナーの曾孫にあたるカタリーナ・ワーグナーが演出を手がけたものです。
私の場合は、ある特定の音楽にハマってしまう理由として、勿論音楽演奏自体の素晴らしさもありますが、何か物事に取り組んでいる時にBGMとして耳にしている音楽の雰囲気(とでもいうか演奏上のツボ?)と、取り組んでいる物事の内容が何故かよくマッチしてしまうということのほうが大きいような気がします《訳解らぬ言い回しになってしまっていますが…》。
一例を挙げると、ブルックナーの『交響曲第8番ハ短調』もまたそうした経緯から馴染みの曲となった一つなのですが、この曲の場合、2007年から2008年にかけて次々と明るみに出た、鉄道ファン(マニア)を公言している女性著名人(著名な”鉄子”)についてブログ内に於いて一覧にして纏める作業をしながらこの曲を聴いていたところから、「著名な”鉄子”」と連携(?)する格好で、この曲に馴染むようになりました《真のクラシック音楽ファンの方々に怒られそう…》。
今回ハマってしまった『マイスタージンガー』全曲演奏、私自身繰り返し聴いてきているのは昨年(2009年)のバイロイト音楽祭の会期2日目にあたる7月26日(当該作品の初回演奏日)に行われた分のものなのですが、私の趣味に関連したブログサイトのコメント巡りなどをしているうちに次第にハマってしまったもので、ネット上のコミュニケーションを行っている過程で私自身の琴線に触れたのかも・・・
この昨年夏に行われたバイロイト音楽祭に於ける『マイスタージンガー』は、セバスティアン・ヴァイグレ指揮、カタリーナ・ワーグナー演出による3度目の全曲演奏となったものでした《ちなみに2人とも2007年に初めてバイロイトに於いてこの作品を手がけたのですが、その初めて手がけた時には総スカンを喰らっていたそうな(特に第3幕)→『ワーグナーのひ孫演出『ニュルンベルクのマイスタージンガー』で「第96回バイロイト音楽祭」開幕』》。
音楽としてはまずまずの出来で、所々で深みを出してくれるあたりがとても気に入っているところなのですが、例えば第2幕でザックスが靴作りのため槌を打つシーン(ベックメッサーの歌をを邪魔すべく槌打つシーンも含む)で、その槌打つ音が弱々しかったこと、第1幕後半で市の書記でヴァルターが受ける歌の試験で記録係を務めたベックメッサーがヴァルターの歌の間違いを書き込むシーンで、その書き込む際の音がちょっとインパクトに欠けていたこと───などが気になったかな。
ただ惜しむらくは、今回ハマってしまった『マイスタージンガー』全曲の音源(というか私自身が実際に聴いている音)はフランスの公共ラジオ放送局「ラジオ・フランス」のクラシック・ジャズ専門チャンネル「France Musique」に於ける昨年の11月21日(フランス時間)付放送分で、本放送終了後1週間程度の期間行われたオンデマンド配信を”ネット・エアチェック”したものなのですが、第3幕後半の歌合戦本番の場面の中のヴァルターの出番に今まさに入ろうとするところで切れてしまっていること。
”ネット・エアチェック”によって取得した、オンデマンド配信の『マイスタージンガー』全曲ファイルの所要時間は4時間半弱。
放送された分のオンデマンド配信分なわけですから、当然のことながら、演奏の他に楽曲解説や出演者紹介なども入っているわけで、その分だけで合計10分ほどの分量になると見込まれることから、よって実質的な演奏部分は4時間20分前後───これに対して、『マイスタージンガー』全曲の実質演奏部分の所要時間は平均で4時間半少し。
『マイスタージンガー』全曲の演奏には幕間の休憩も含めた場合5時間ほどかかることを経験上知っていた私自身、取得した『マイスタージンガー』全曲ファイル所要時間表示を見て、収まりきれずに「尻切れトンボ」になっているのでは、と予感していたものでしたが、結局その予感通りとなってしまっていました。
幸いにも年末にNHK-FMで放送された『特集バイロイト音楽祭2009』シリーズの中の5回目に放送された『マイスタージンガー』全曲は何とか無事録れたみたいなので、それを聴くことで、前記のラジオフランス「France Musique」のオンデマンド配信では漏れてしまっていた、第3幕後半の歌合戦シーンに於けるヴァルターの歌い出しから全曲終わりまでの部分も味わえそうです。
尤も、現地からのレポートもネット上にアップされているのが見えていて〔→『二日目『マイスタージンガー』』〕、それによると、全曲演奏終了後に於けるカーテンコールで、2007年の初演出(というか新演出)の際に聴衆から怒りのブーイングを受けたという演出のカタリーナ・ワーグナーが姿を現した時には、やはり強烈なブーイングの嵐が起きていたとのことですが───その一方で、出演した歌手陣には拍手と「ブラボー」の叫び声が贈られていたそうです。
NHK-FMに於ける放送分では、演出カタリーナ・ワーグナーに対するブーイングの音声は入っているのだろうか───いや、カット(というかその場面の手前でフェードアウト)されているのかも知れないかな。
あまりのめり込みすぎて早々に飽きが来るのも嫌だから、今後はほどほどにつきあっていこうと思っています。
P.S.
今年夏開催分のバイロイト音楽祭の全日程が以下の通り既に発表されています《昨年10月頃に同音楽祭公式Webサイト上に於いて発表されたみたい…》。
◎ 楽劇『ニーベルングの指環』(4部作) 指揮:クリスティアン・ティーレマン 演出:タンクレート・ドルスト ◎ 楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』 指揮:セバスティアン・ヴァイグレ 演出:カタリーナ・ワーグナー ◎ 歌劇『ローエングリン』 指揮:アンドリス・ネルソンス 演出:ハンス・ノイエンフェルス ◎ 舞台神聖祝祭劇『パルシファル』 指揮:ダニエレ・ガッティ 演出:シュテファン・ヘルハイム |
昨年の『トリスタンとイゾルデ』が『ローエングリン』(新演出…風の噂として)に差し替えられることを除いて変化は見られないそうで、『マイスタージンガー』も昨年と同じ指揮&演出で行われることが発表されています。
何れの演目とも現時点では舞台スタッフ陣のみの発表となっていますが〔歌手(ソリスト)陣は未定〕───『マイスタージンガー』の場合、昨年の歌手陣はおおむね好評だったので、今年は入れ替えがあったとしても小規模なもので済ませるでしょうか、ちょっと気になりますね。
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