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鉄道趣味、そして鉄道ファンのこと《一ブログ内記事から;2》──”完璧主義”を自分自身から切り離し、そして素直に

 ここのところ、JR東日本209系電車運転最終日(京浜東北線根岸線)に於ける出来事に端を発しての、鉄道趣味のこと、そして鉄道ファン(マニア)のことについて記してきています《実は去る2月14日(”バレンタインデー”当日)に関西圏でも鉄道好きにとって悲しむべき事件が起きてしまいました───次回以降にも思いなどを記したいと思います》。

 

 前回の記事では、私自身が209系運転最終日に纏わる記事を書いていた時点では気づかなかったことの一つである「鉄道趣味界の間口を広げたことが却って鉄道ファン全体の質的低下を招いたこと」について記しました。

 

 私も、鉄道を愛する人たちが、年齢・性別を問わず、増えること自体はとても歓迎しているところなのですが、一方で心無きファンも一握りながら出現してしまっているのが現実で、そのことが大多数の真面目なファンたちに対しても一般人からの白い目が向けられてしまう結果を招き、そして趣味活動出来る場を狭められてしまうことにもつながっているあたり、悲しいことのように感じます。

 

 といって、そういう一握りの不心得なファンを指して吠え立てたところで世間一般には通用しないわけで、一人一人が慎ましく愉しむしか、今や市民権を得つつあるとも言われる鉄道趣味が今後とも安泰であり続ける方法は無いといえるでしょう。

 

 

 さて、前置きで記しました鉄道趣味界への”間口”のこととは別に、実はもう一つ、209系運転最終日に纏わる記事の掲載後に気づくところとなった考え方(というかバックボーン)があります。

 

 

 これは鉄道趣味に対してというよりは、人間そのものに関わるものであるといえるでしょう。

 

 そのため、鉄道趣味に限らず、全ての趣味に通じそうなことなのかもしれませんが・・・

 

 

 

 何かといいますと、「完璧主義に囚われてしまっている」ということ。

 

 

 

 これは当方でお世話になっているWebサイトの一つであるブログサイト『鉄道心理学の世界 ~人として鉄道と共に生きる意味を知ることを目指して~』に掲載されている『野次やマナー違反をする人しない人の分かれ目』という記事の中で述べられているもので、一人一人の価値観が異なる人間社会(最近では益々多様化していると聞きますが…)にあって、自分に都合が悪くなった時に無意識のうちに自らの価値観を他人に押しつけてしまうことで自他共に苦しめる結果をもたらすというものです《勿論押しつけられる側(他人)は迷惑を被ることになり、また押しつける側(自分)もまた心理的に苦しめることになると当該ブログ内記事は述べています》。

 

 尤も、この考え方の背景として、周囲を取り巻く環境による影響も考慮する必要もありますが・・・

 

 

 それで、一握りの心無き鉄道ファンになってしまわないため、前記の当該ブログ内記事が勧めている方法として〔当該ブログ内記事に於いては”方法”として記されていませんが〕・・・

 

(1) 自分自身の「今」を知り、受け入れる
(2) 完璧主義的思考を切り離してしまう

 

この2つを挙げています。

 

 これを鉄道趣味活動の中で実行しようとする場合、私自身は「リスクヘッジ」を講じることが有効(というか必要)であるに感ずるところです《加えて”素直な心”も必要かな・・・私にとって耳の痛い言葉だが(自爆)》。

 

 

 ここで、拙いながらも、例を一つ挙げてみますと・・・

 

 当ブログで鉄道趣味及び鉄道ファンのことについて書かせるきっかけとなった209系電車の京浜東北線電車としての運転最終日(1月24日)当日を例にとると、その当日もまた京浜東北線の定期運用に入っていたわけですから、当然のことながら「大宮~大船」間で何往復かしているはずですね。

 

 折り返し駅である大宮・大船の両駅ならば比較的長い停車時間がとられていることと思いますが、両駅ともいわば”主要駅”の範疇にあるため大勢のファンが集結することは容易に想像出来るところですね《特に大宮駅はいわば「”罵声大会”の名所」となってしまっているような感がありますし…》。

 

 また、始発・終着駅以外の途中経路内にあたる駅であっても上野・東京・品川などといった”主要駅”にもギャラリーが大勢集まることも容易に想定出来ますね。

 

 そこで、途中駅の中でそれほど知名度の高くなさそうな駅で、時間に余裕を持たせて待ちかまえる、ということがまず考えられます。

 

 或いは、駅以外の見通しのききそうな場所で待ちかまえるのも有りでしょう。

 

 そして、この209系電車のケースでは、運転最終日に至るまでの1週間(1月17日~24日)にわたってヘッドマークを編成両端部に掲出して毎日運転されることになっていたところから、極力、掲出期間内の運転最終日以外の日を選んで待ちかまえたほうが比較的気持ちに余裕が出てくるのかも知れません。

 

 勿論、言うまでもないことですが、待ちかまえる際には立入禁止とされている場所(線路上など)には絶対に足を踏み入れないようにしなければなりませんが・・・

 

 

 もう一つの例示───こちらの「2ちゃんねる」筋から入手した写真画像をご覧ください

 

 残念ながらこの写真画像の元々掲載されていたWebサイトについては不明なため、この写真が撮影された線区と区間についても不明でありますが、鉄道ファンらしき5人が線路敷地内に入って複線の線路の間にほぼ等間隔に建稙されているロープ通し(たぶん…)を引き抜こうとしているであろう場面が写っています。

 

 恐らくは列車を撮影する際の邪魔になるということで、このような行動に出たものとみられるところですが、複線線路の間にほぼ等間隔で並ぶ、高さにして70cm程度の建稙物、果たして列車撮影に際して本当に邪魔なものなのか・・・

 

 確かに鉄道写真の撮影テクニックを伝授しているWebサイトでは「架線や標識など障害物が入らないよう」等と書かれたりしているのですが、だからといって、あのように勝手に線路敷地内に立ち入っては建稙物を引っこ抜くような行為は許されるものなのか・・・

 

 今更言うまでもないことですが、鉄道線路敷地内への無断侵入は鉄道営業法(第37条)により禁じられていることですし、また業務目的で建稙されている物(写真に写っているようなロープ通しとか…)を勝手に引き抜くような行為は、言ってみれば他人の家の敷地内に入り込んで勝手に物を壊すようなものなので〔いわば”器物損壊”か…〕、当然許されまじきことですね。

 

 そして、例示写真に写っているのは電化された複線区間となっていて、運転本数は多めであることは想像に難くないところ───無断侵入は列車運行の妨げにもなりかねません。

 

 それにしても、上下線路間に建稙されている、高さにして70cmほどと思われるロープ通し、果たして通過列車の撮影に際して本当に邪魔なものなのか───カメラ(レンズ)を構える方向(アングル)や撮影コンセプトなどにもよってくるでしょうけれども、私自身の感覚としては、この程度ならばさして邪魔にはならないように感じます。

 

 現に、ここでの例示写真に写っている建稙物のバラスト面からの高さと同じ程度の高さのある建稙物(形態は異なりますが…)が複数の線路の間にひとつ建稙されている中を接近してくる列車をとらえた写真が某鉄道趣味誌のWebサイト内で発表されているのですが〔→『名古屋鉄道 三河線 三河知立』〕、私自身が見る限り、メインで写っている名鉄の赤車両を邪魔しているようには感じません。

 また、例示写真と同様にロープ通しが等間隔で建稙されている別の複線区間を走りゆく寝台特急列車を正面からとらえた写真も存在しますが〔→『鉄道写真の撮り方』〕、こちらもまた何本も並んで建稙されているロープ通しの存在はほとんど気にならないです。

 

 どうしても例示写真に写っている場所で納得のいく写真が撮れなければ、他の場所をあたればいいだけの話ですし〔「そう口で易々と言ってくれるが現実にはそう簡単にはいかないんだぞ」と非難する人もいるとは思いますが〕・・・

 

 要するに、例示写真に写っているような、線路や諸々の構造物などの配置パターンとなっていても、撮影地点(というか立ち位置)やカメラレンズの構え方などの工夫次第でいくらでもカヴァー出来そうな印象を私自身抱いていますし、加えて、一つの場所で納得のいく写真が撮れなかった場合に備えて複数の場所を撮影候補地として予め選定しておくなどの対策を講じることで、幾分心の余裕が生まれるようにも思えるところです《尤も地形などの関係から場所間移動が容易ではないケースも出てくると思いますが…》。

 

 その「心の余裕」について、鉄道写真の取り方を伝授するサイトによっては、いい写真を撮るためのコツの一つとして「余裕を持って行動する」などと伝授しているところも見られます。

 

 勿論一定のこだわりは持つべきでしょうけれども、変な完璧主義に凝り固まらず、今の自分自身と周囲の状況を素直に受け入れることで心は幾分寛容になれることでしょうし、最終的に迷惑行為に出てしまうのを防ぐことが出来るのでは、と考えているところです。

 

 そして、そのことが却って自身の趣味活動にプラスになるようにも思えてしまうわけです───刺々しい気持ちでは決していい趣味活動など出来っこ無いですし。

 

 そのためにも、常にリスクヘッジは考えておいたほうがいいのかも知れませんね・・・

 

 

 何だか取り留めのない、やたら長いだけの文章となってしまいましたが、現実の自分自身、そして周囲を取り巻く状況を素直に受け入れることが正しく鉄道趣味活動を行っていく上での第一歩であるように思えてなりません。

 

 そしてこのことは、私自身の耳に、とても痛く響いてくるのであります〔というか今回の話全体が私の耳に痛く響きます…〕───う~ん、素直にならなくっちゃ(悩)

 

 

◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
●鉄道撮影テクニック●
Railway Photograph
鉄道写真の上手な撮り方
鉄道写真の教科書
プロに学べ! 鉄道写真の撮り方

 

 

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コメント

南八尾電車区殿、こんにちは。
お世話になっております。

コメントが遅くなってしまいましたが、当ブログの記事を取り上げて下さいまして、ありがとうございます。

心理学を用いた鉄道関連の細かい心理については、実は多くの鉄道雑誌が触れられていないように感じたため、自分の身を引き締める意味も含めて今回書かせて頂きました。

マナー違反等の鉄道ファンを減少させるには、事柄よりもどのような心理的背景があるか・そのためには、どのような心理的対応が好ましいかという点については、鉄道よりも心理学の方が賢明であると当方は思っております。

今回の記事では割愛しておりましたが、もう少し具体的に申しますと、自力で完璧主義思考の切り離しや自我を知ることが困難な場合の方法としては「心理カウンセラー」「精神科医」という心の専門家の援助が最良と言えます。

かつて私も若い頃は、マナー違反をした経験があります。その時は無我夢中で周りの声は全くと言っていいくらい入ってきませんでした。今振り返ってみると、改めて「自分(自我)」を知ることは、とても重要であると常々感じている次第です。

今後も引き続き、当ブログで鉄道雑誌でさえ書かれていない鉄道に関する心理学を書く予定でおります。もちろん、マナー違反等の心理についても既存の心理学から研究をしていきます。

御愛読ありがとうございました。

 大場英哲さま、こんばんは。
 先日はお邪魔さまでした!

 この度の鉄道ファンによる蛮行に関して幾つかのブログサイトを見て回ってきましたが、大場さまのブログサイト掲載されている記事、一度目を通してみて、結構根本的なことが書かれているように感じました。

 で、結局のところ当ブログで「慎ましく愉しむ」と「完璧主義思考の自分自身からの切り離し(捨て去り)」を結論(?)として喋らせて貰いましたが、大場さまのコメントを拝見させて貰ううち、実際に蛮行を働いた一握りのファンらにどのようにして心理カウンセラーの類(というか精神的な治療)を受けさせるのか、という課題が浮上してきますね。

 ここではそのことについて書かないでおきますが・・・


 それはさておき、マナー違反といえば、実は私も過去に幾つかやらかしてしまっています〔今思えば恥ずかしいです〕───そのため、私自身、本当は人のことが言えない身なのですが…

 大場さまが言われるように、ここは素直に自分自身そして周囲の状況を受け入れることが大切ですね。


 これからも心理学的な見地から鉄道趣味そして鉄道ファンのこと等を綴っていって下さい───私も期待しています!

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