「第28回サントリー1万人の第九」スタッフミーティング開催…サントリーとキリンの経営統合交渉難航。今日にも結論?
非上場の大手飲料水メーカーにして種々の文化事業にも理解を示しているとされるサントリー(サントリーホールディングス)と、キリンビール(麒麟麦酒)を中核として多角化を目指してきているキリンホールディングスとの経営統合交渉が難航の様相を呈している中、そのサントリーの協賛を得て毎年開催し続け、同社の社名を冠として被っている大阪「サントリー1万人の第九(10000人の第9)」(於・大阪城ホール)の、28回目を迎える今冬開催分に係る初めてのスタッフ・ミーティングが去る2月3日に行われたと、「万九」合唱指導者団の一員である有元正人氏が自ら開設しているWebサイト『有元正人のホームページ』内にて報じました。
例年と同じ時期に通常通りスタッフ・ミーティングが実施されたことで、今冬の「1万人の第九」に関しては例年通り開催されることが濃厚(というかほぼ確実?)となり、ひとまずは安心感で胸をなで下ろしそうなところなのですが・・・
前記の有元氏のWebサイト内に掲載された『第28回一万人の第九スタッフミーティング&食事会』には、「万九」主催者である毎日放送(MBS)に於いて行われたスタッフ・ミーティングの終了後に繰り出された先となったレストランに於ける、出された料理の数々と合唱指導者団の先生たち等による食事風景が2ページにわたって紹介されているのが見えました。
いつものように美味しそうな料理たちを囲んで和気藹々に語らい合う先生たち等の姿は、私たちに安心感を与えるに十分な内容でした。
ところで、来年以降の「1万人の第九」開催を左右しかねないキリンとサントリーの経営統合交渉でありますが、持ち株比率を巡って両者の駆け引きが続いているほか〔キリン側の譲歩も見られるが…〕、一部の新聞系メディアは3日前(2月5日)にサントリー側がキリン側に対してキリンの医薬品子会社「協和発酵キリン」の売却を迫っていると報じるなど、何だか一触即発の様相を呈しているように感じるところ。
今日(2月8日)にもサントリーとキリンの両者トップ同士が都内にて直接話し合いを行い、合意に向けての最終判断を下す見通しとのことですが、創業家一族の相続(相続税)問題なども絡んで資金力豊富なキリンに縋るも経営権は引き続き維持したいサントリーと、下手にサントリーに譲歩をすれば今のキリンの株主たちに株主代表訴訟を起こされかねない懸念を孕んでいるキリンとの駆け引きがどのような形で決着するのか、白紙撤回の可能性もささやかれる中で、注目されるところでしょう。
ここで出される結論次第では、来年以降の「1万人の第九」開催自体が危ぶまれることも予想されるところから、私もこの一連の経営統合交渉の動向に注視していようと思います。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『キリン・サントリー:統合暗雲 創業家持ち株が火種 比率交渉歩み寄り、見通し立たず』
『キリン・サントリー:あす社長会談で統合比率を調整』
『キリンに医薬事業売却要求 サントリー、統合に条件 8日結論』
《→『キリンに医薬売却迫る サントリー、統合で条件』》
《→『キリンに医薬事業売却要求 統合条件でサントリー』》
『サントリー創業家、統合新社株3分の1超 キリン譲歩』
『キリン・サントリー、経営統合破断の可能性 ~カギを握るのは98歳のゴッドマザー。社員も知らない全内幕』
P.S.(記事掲載後の報道を受けての追記)
先ほどのことになりますが、「1万人の第九」の来年以降の継続開催をも左右しかねない、キリンとサントリーの経営統合交渉について、先ほど両社のトップ同士が会談を持ち、交渉を打ち切ることを決めました《→『キリンとサントリー、統合交渉を打ち切り 統合比率で溝』・『キリン:サントリーと経営統合交渉を打ち切り』など》。
やはり両社の持ち株比率を巡る認識の違いが決裂に至った最大の原因のようですが、3日前(2月5日)にはサントリーからキリンの医薬品子会社「協和発酵キリン」の売却を求めていることが判明し、キリン側の反発を買ってしまったことも大きなファクターとなってしまったみたいですね。
う~ん、両社それぞれが抱える”お家事情”が”結婚”を許さなかったんだろうか・・・
それはさておき、この経営統合交渉決裂により、サントリーが協賛している「1万人の第九」は来年以降も継続して行われるものとみられます。
尤も、この先、サントリー自身の経営方針に大きな変更が生じたり、或いは主催者・毎日放送が何らかの理由で企画自体の打ち切りを通告してくるようなことがあれば話は別ですが・・・
とりあえず今冬に関しては、スタッフミーティングが例年通り持たれたことですので、ちょっと気が早いですが、約4ヶ月後に控えているであろう合唱団員募集開始をひたすら待つことにしましょう。
P.S.(100209追記)
昨日(2月8日)にサントリーとキリンの経営統合交渉が破談に終わったことは各種メディアが一斉に報じていますのでご存じのことかと思いますが、そんな中、今日(2月9日)に都内で開いた決算発表の席上で、今後3年以内に売上高2兆円〔うち海外分5,000億円〕、利益率10%を目指すことを表明、その上で事業拡大について触れていますが、その中で、資金調達手段の選択肢の一つとして”株式上場”も加えていることを表明していることが経済情報サイト『Bloomberg.co.jp』により報じられました《→『サントリーの佐治社長:株式上場を選択肢、成長資金の調達で』》。
仮に上場(株式公開)が実現するようなことになれば、勿論株式市場を通じての資金調達が出来るようになるわけですが、反面、上場後に事業の失敗などから財務状況が悪化した場合には一般株主からの厳しい追及を受け、下手すれば経営合理化の名の下で文化事業の縮小(廃止)をせざるを得なくなり、その中で「1万人の第九」への協賛を取り止めざるを得ない事態に陥ることも考えられるわけで───「万九」を主催している毎日放送(MBS)自身、長引く景気低迷などにより広告(CM)収入が落ち込んでいて〔但し昨年(2009年)9月の中間決算ではリストラ効果で黒字に;→『毎日放送は黒字転換 経費圧縮で利益確保』〕、仮に、将来、大阪(関西)に縁のある大手企業サントリーがスポンサーを降りるようなことになれば、「万九」の開催自体が危ぶまれることにもなりかねません。
まぁ上場云々については未だ選択肢の一つとして挙げている段階に過ぎないことなので今から悲観的なことを喋るべきでは無いところかもしれませんが、ここはささやかな警告(というか注意ですね)としてお知らせすべきと考え、ちょっと気が早いですが、敢えて喋らせて貰いました《”ささやか”にしてはちょっと分量多めかな…》。
尤もその前に主催者のMBSが、自らの方針転換などを理由に、「1万人の第九」という企画自体を打ち切る可能性も絶無とはいえないところなのですが───地方の赤字ローカル線の存続運動よろしく、ここは「歌って残そう”1万人の第九”」(というか「合唱参加して残そう”1万人の第九”」)というコピーを出すこともぼちぼち考えなければならないのでは、と思う私なのでした《とはいえ、現在の「万九」の盛況ぶりを見ていると、このようなコピー文はちょっと出し辛いようにも思ってしまうところだなぁ…》。
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こんばんは、今日のニュースで情報を知りました。おめでたい(?)ことのようですね。
あまり細かいことに執着されないほうが健康のために良いと思いますが。。。
投稿: ころぼっくる | 2010年2月 8日 (月) 22時29分
ころぼっくるさん、こんにちは。
ご心配おかけして申し訳ないです・・・そして、ありがとうございます。
私自身「第九」が好きですし、「1万人の第九」は私にとって「第九」合唱経験の出発点であり原点───これにまつわる動きをいち早くお伝えすることもまた生き甲斐の一つになってしまっています(自爆)
主催者及び協賛社それぞれの財務状況や経営方針などから、いつ「1万人の第九」自体が消滅しないとも限りませんので〔勿論私だって「万九」自体が消えてしまうのは嫌ですよ〕、今後とも目立った動きがあれば、判明した時点で随時お伝えしようと思っています。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年2月 9日 (火) 16時44分