「第26回国技館5000人の第九コンサート」(東京・両国=国技館)の私なりの印象を──合唱参加者レポートから
JR西日本が開発した500系新幹線車両の、東海道・山陽新幹線に於ける「のぞみ」号としての運転最終日となった去る2月28日、東京・両国の国技館に於いては「第26回国技館5000人の第九コンサート」が開催されていた模様です。
生憎私自身、今年の「5000人の第九」については、経済的な理由などもあって、参加を見合わせていましたが、当ブログに於いても今回開催された「5000人の第九」に関する話題を一通り(?)伝えさせて貰っている手前、何らかの形で締めくくるべきでは、という思いから、今回、実際に合唱参加された方々からの声に接することで抱いた自らの印象について、勝手ながら、書くことにしました。
26回目を迎えた今年の「5000人の第九」については、合唱参加した人からのレポートが続々とネット上にアップされてきており、私もそれらを採取し、そして一通り目を通させて貰いました。
併せて、知り合いの「第九」仲間からのメールによるレポートも届きました。
勿論それらの大半は公演当日のレポとなっていましたが、中には年明けに行われた「歌い初め」の模様を伝えるものや、合同練習を伝えるものもありました。
で、一通り読ませて貰った印象として〔以下は公演当日のことが殆どになりますが〕・・・
26回目を迎えた今年の「国技館5000人の第九」自体、盛会のうちに無事幕となった様子で、私も読んでいて内心ホッと一安心しています。
第1部ゲストとして迎えられたのは、地元・墨田区向島出身の女優兼歌手・木の実ナナ───彼女が墨田区出身だったとは今まで全く知らなかったのでありますが、それにしても久しぶりに彼女の名前を耳にしたものだから、私までも何だか気持ちが華やいでしまって・・・
なんでも司会進行とのトークが繰り広げられていたとのことですが、他に何かしてくれたのかどうか、気になります。
そしてメイン・ディッシュである第2部のベートーヴェン「第九」演奏では、韓国ソウル出身の指揮者チャン・ユンソン(張允聖)が、「5000人の第九」としては2002年の第18回公演以来8年ぶり2度目、且つ外国人指揮者に限れば初の複数回(2回以上)のタクトを務め上げていました───本番前日のリハーサル(オケ合わせ)そして当日のゲネプロを通じて、オーケストラ(新日本フィル他)そして一般公募により集結した5千人余りで組織する合唱団と熱心に向き合い、時にユーモアを交えるなどして和やかな雰囲気を醸し出すようなこともしていたみたいですね。
その一方で、本番の演奏に於いて、一つの楽章が終わるたびに拍手が巻き起こったり、客席の聴衆に対して演奏中の場内への出入りをやめるようアナウンスがなされているにもかかわらず出入りが絶えなかったり───聴衆たちがこの「5000人の第九」というイヴェントをどう考えているのか知る術はありませんが、う~ん、それにしても合唱団を初めとする出演者にしたらちょっと気に障りそうなところかな。
尤も楽章毎に拍手が聞こえてくるという事象はプロの指揮者とオーケストラによる公演に於いても存在するわけで───当ブログでこれまで紹介してきたベートーヴェン「第九」演奏の中では、マリス・ヤンソンス率いるバイエルン放送交響楽団が3年前(2007年)ローマのバチカン市国に於いて公演を行った際に行われた「第九」演奏も該当しています《→『ヤンソンス=バイエルン放送響による「第九」・・・2007年、ローマ・カトリック総本山の地にて』》。
そして、「第九」演奏が全て終わった際の合唱団対応(拍手タイミング)についても一部指摘が見られ、今年は主催者サイドからの注意にかかわらず一部合唱参加者の間から拍手するのが聞こえた一方で拍手すべき(というか”してもよい”)場面の説明が無かったとの由───出演者である以上、演奏終了直後とかの明らかに聴衆からの拍手を受けるべき場面にあっては拍手せず不動姿勢を保つべきだが、ステージ上に合唱指導者及びピアノ伴奏者たちの一行を迎え入れるときとか、ステージ上で共に演奏してくれた4人のソリスト陣やオーケストラ楽団員たちを称える場面では拍手するように、と、昔(というかだいぶ前)、私が「5000人の第九」に合唱参加していた際に石井貞光事務局長から説明されていたのを覚えているのですが〔一部記憶については自信を無くしつつあるけど…〕、う~ん、ここは聴衆からの反応として素直に受け取ると共に、ソリスト陣とオーケストラ、そして合唱指導者たちに対しては感謝の気持ちを伝える意味で拍手をする・・・基本的にはそうすればいいような気がするところなのですが、どうなんでしょう。
あと、公演のエンディングでは例年通り滝廉太郎の『花』(大阪「1万人の第九」・広島「第九ひろしま」でいえば『蛍の光』ですね)を斉唱した一方で、終演後に続けて開かれた解団式の締めくくりの場面で歌われた楽曲については、今年はドイツ民謡の『別れ』が日本語で歌われたとのこと《ちなみに昨年までは『星の界』が歌われていました》。
『別れ』───ネット上でもそれと思われるメロディを見つけましたが〔→『混声四部合唱曲 別れ』・『別れ:ドイツ民謡、岡本敏明訳詞(夕陽丘)』〕、再会を望みつつ別れを告げるという内容の歌詞に、何だか『蛍の光』の続き(というか延長線上)を見ているような感じでした《もし間違っていたら遠慮無くツッコミ下さいね!》。
ちなみに来年(2011年→第27回公演)以降は原語(ドイツ語)にて歌唱するとの話が伝わってきています。
来年といえば、九州新幹線・鹿児島ルート全線開業の年、そして東北新幹線E5系車両デビューの年───まぁこの際”鉄的”話題は横に置いといて(笑)
そうそう、解団式の終わり近く、全体打ち上げを兼ねた乾杯儀式で、乾杯の音頭取りの役を務めたテノール独唱の錦織健、光っていたみたいですね(笑)
この「国技館5000人の第九」、27回目を迎える来年は「2月27日(日)」に開催することが既に発表されています。
同時に「合唱団員の募集は9月頃に始める予定」と出ています───ん、何だか昨年(というか今年開催分)より募集開始予定時期が遅くなっているような気がする〔ちなみに今年開催分は昨年の7月から会員(団員)募集が始まっていました〕・・・
この頃には次の指揮者とソリスト陣の陣容が発表されていることと思いますが───8年前のチャン初指揮の際には、その翌年(2003年→第19回公演)には別の外国人指揮者(ペトル・ヴロンスキー)が「5000人の第九」の指揮台に立っているところから、来年もまた外国人指揮者になるのでは・・・
まぁそんな単純な動機で決まるわけはないと思いますが、果たして誰が指名されるのか、興味あるところです。
併せて、今年暮れにこの「5000人の第九」と同じ公演回(26回)を数える広島の「第九ひろしま」の指揮者に誰が指名されるのか、こちらも注目しています《その26回目を迎える今冬開催分「第九ひろしま」の我流な指揮者予想のことについては『「第九ひろしま」2010年冬開催分(第26回)の公演指揮者を予想(推測)──山下以外では大植英次ら3人が候補?』にて書いています。よろしければお立ち寄り下さい》。
最後になりましたが、26回目を迎えた「国技館5000人の第九コンサート」に合唱参加された皆様、この度はお疲れ様でした《そしてご出演おめでとうございます》。
そして各自のブログサイト等を通じて合唱参加レポート等をネット上にアップされた皆様、ありがとうございました。
P.S.
本文中に於いて書ききれませんでしたが、第1部ではベートーヴェンの『序曲「献堂式」作品124』の演奏も行われたと伝えられています。
これについては「2012年の東京スカイツリー開業(完成)を祝うため」とされていますが、言うまでもなく、東京スカイツリーは建築途上にあることから、完成を”祝う”というよりは”期待する”という言い方のほうがしっくりいきそうなところですね。
P.S.(2)
今回の「5000人の第九コンサート」合唱参加レポートの本文と共に、添えられていた写真についても勿論一通り拝見させて貰いました───写真たちを眺めているうち、昨年(2009年)私も久しぶりに「5000人の第九」に合唱参加させて貰ったとき目の当たりにした国技館内部の様子が頭の中に思い浮かび、それと重ね合わせるような格好で、26回目を迎えた今年の「5000人の第九」の会場内の様子が想像出来て、今回は何だか楽曲としてのベートーヴェン「第九」の原点に立ち返るかのような飾り付けなどをしていたんだろうか、等と思っていました。
そういえば、今回のテーマは「全人類は兄弟・姉妹」───まさしく「第九」そのものと言えそうなところですね。
私自身、精神面の問題から、人とのコミュニケーションがとり辛いところがあったりするのですが、この機会に、「第九」のこと、そして人間のことについて、今一度考えてみようと思っています。
【関連記事〔「第26回5000人の第九」(2010年開催)関連〕】
「東京「5000人の第九」来年開催分(第26回)受付開始・・・韓国人指揮者「張允聖 (チャン・ユンソン)」2度目のタクト」
「【東京「5000人の第九」】公式サイト(5000dai9.com)上から問合せ、資料請求等される方へ《+Webメールのこと》」
「東京「5000人の第九」の今年公演分(第25回)を収録したビデオクリップを発見・・・海外大手通信社Webサイトにて」
「「第26回5000人の第九」公演チケット、11月19日前売開始──墨田区など発表、「ぴあ」でも《ネット配信のことも》」
【関連記事〔「5000人の第九」2009年以前(2011年以降)分〕】
「東京「国技館5000人の第九」2009年(第25回)開催分の関連リンク集・・・2010年(第26回)開催分リンク集を兼ねる」
「東京「国技館5000人の第九」2010年(第26回)開催分の関連リンク集・・・2011年(第27回)開催分リンク集を兼ねる」
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