嵯峨野線、計画策定から31年目にして全線複線化──山陰本線「京都~園部」間。ダイヤ改正当日に”記念列車”
「北陸」・「能登」の廃止や大糸線キハ52の引退などが大きな話題となった今年のJRグループ定例ダイヤ改正ですが、関西圏にすむ鉄道好きの一人として、一つ喜ばしいことがありました。
本当ならばダイヤ改正当日かその翌日にも表明すべきところだったのですが、ワンテンポ遅れてしまって・・・
それは”山陰本線の「嵯峨野線」区間(京都~園部)全線複線化完成”です。
この「嵯峨野線」複線化計画は旧国鉄時代の1979年に策定され、まず桂川(保津川)に沿って大きく迂回していた「嵯峨(現・嵯峨嵐山)~馬堀」間の新線切替を兼ねた複線化に着手するところから始まったわけでありますが、国鉄の分割民営化の影響などもあって、初めのうちは遅々として進まず、最初に複線化に着手した「嵯峨~馬堀」間が完成したのはJR発足から約2年後の1989年3月5日のことでありますが、次いで複線化された「二条~花園」間の複線化工事完成はその約7年後にあたる1996年3月16日、それに次ぐ複線化区間となった「馬堀~亀岡」間の複線化工事完成は更に約12年後の2008年12月14日・・・というふうな有様でした。
しかし、「馬堀~亀岡」間の複線化工事完成後からは一気に複線化のペースを上げていき、同区間複線化完成の翌年2009年には、まず3月中に「八木~園部」間(3月14日完成)と「二条~花園」間(3月16日完成)の2区間が、7月には「京都~丹波口」間(7月20日完成)が、9月には「並河~八木」間(9月6日完成)、11月には「亀岡~並河」間(11月1日)が、それぞれ完成となり、更に今年に入ってからは「丹波口~二条」間で1月31日に、「花園~嵯峨嵐山」間で3月7日に、それぞれ複線化が完成し、これにて嵯峨野線区間全線の複線化が完成となったわけです。
複線化計画策定から実に31年の年月を経て実現した嵯峨野線全線複線化───何だか「初めチョロチョロ中パッパ~」という昔のご飯の炊き方を思わせるような道のりのように思えるところですね。
その全線複線化の直後のJRグループ定例ダイヤ改正施行日当日には京都総合運転所配置の221系4両編成2本(K1編成とK13編成)が複線化完成を祝う記念列車運転のため駆けつけ、午前中に嵯峨野線内を特製ヘッドマークを掲げて1往復していました。
体裁上は「記念列車」として走らせていた模様でありますが、実際には通常の営業運転列車と同様の扱いだったみたいで、実際にこの「記念列車」に乗ったという人がネット上にアップした『JR西日本 嵯峨野線複線化開業(京都ー園部間)』という記事によると、この方は京都からこの「記念列車」に乗車したとのことですが、京都駅・嵯峨野線のりばに設置された発車標には単に「快速 9:30 園部」と表示されているのみで、車内放送でも「記念列車」である旨の案内は無かったのだそうです。
そして、京都発車前にはホーム前方で関係者を集めての出発式が行われているのが見えたものの、この方が乗車した最後尾車両に於いては京都発車時点では満員だったが保津峡にさしかかる直前の駅・嵯峨嵐山で殆どが降車してガラガラとなり、亀山停車中に特製ヘッドマークの掲出された状態の京都方前面部(つまり一番後ろの部分)を撮影できたとの由。
同じくこの3月13日当日の早朝に「北陸」と「能登」の両最終列車が到着した上野・金沢両駅に於ける喧噪ぶりとは対照的ともいえる、ある種ホンワカとした雰囲気での撮影となった様子でありますが、関西に住む鉄道好きの一人として、遅ればせながら、素直にお祝いしようと思います《どうもスミマセン…》。
ということで31年の年月を経て実現した山陰本線「嵯峨野線」区間全線複線化なのですが、一方で、過去に一部メディアで取り上げられたことのある「京都~二条」間に於ける騒音問題(同区間沿いに存在する角屋が2006年11月にJR西日本を提訴していた→2008年11月下旬に調停成立)について根本的解決には至っていない様子であるほか、報道では”複線化完成”となっているものの厳密には京都駅構内に於いて一部単線区間が残っていて複線化は極めて困難な状況にある(→『JR嵯峨野線複線化の怪』)あたりが”目の上のタンコブ”として残る格好にもなってしまっています。
眺めている限りでは、現時点でこれ以上の動きは無さそうな印象なのですが───現在のJR西日本の経営状態などから、根本的解決は不可能に近いと想像されるところですが、出来れば少しでも何らかの手を打ったほうがいいのでは無かろうか・・・
偉そうなことはとても言えませんが、私自身としてはそう思っているところです。
また一つ、新たな歴史を刻んだ嵯峨野線そして山陰本線の今後に期待しようと思います。
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