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【「グリーン車Suicaシステム」対応話;1】SUGOCA・nimoca・はやかけん・Suica相互利用開始、仲間外れなICOCA

 去る3月13日に施行された今年のJRグループ定例ダイヤ改正───2本の夜行列車「北陸」・「能登」の廃止〔但し「能登」については充当列車変更の上で臨時列車に格下げ〕、大糸線非電化区間に於けるキハ52の引退、両国から房総方面に向けての新聞輸送列車の廃止、485系特急「雷鳥」大幅削減など、今回もまた一つの節目を迎えたような感を禁じ得ないところです。

 

 ことに夜行列車に関しては、ここ最近毎年のように削減されてきていて、かつて夜行列車が全国津々浦々で走っていた旧国鉄時代から時代の趨勢に応じて確実に変質してきていることを否が応でも感じさせられるところです。

 

 尤も両国発新聞輸送列車の廃止などの形でも時代の趨勢というものを感じ取ることは出来ますが・・・

 

 

 さて、今度のJRグループ定例ダイヤ改正では、列車ダイヤだけでなく、JRを初めとする鉄道事業者が導入しているICカード型乗車券に於いても2つの新たな動きが見られました。

 

 

 既にご存じのことと思いますが・・・

 

【1】
 JR東海「toica」の電子マネー機能追加提供開始、そして同時に「Suica」・「ICOCA」との電子マネー機能に於ける相互利用サービス追加提供開始《乗車券機能については既に提供中》

【2】
 JR九州「SUGOCA」・西日本鉄道「nimoca」・福岡市交通局「はやかけん」の九州北部地域導入のICカード型乗車券3つにJR東日本「Suica」を加えた4者間での包括的相互利用サービス(乗車券機能+電子マネー機能)提供開始

 

 これらのうち、やはり【2】のほうがインパクトが大きかったんじゃないかな───何しろ九州で導入されている3つのICカード型乗車券(SUGOCAnimocaはやかけん)にとっては他のICカード型乗車券との相互利用サービスの提供を行うこと自体初めてのことだったわけですから。

 

 発行鉄道事業者4社局(JR九州西鉄福岡市営地下鉄JR東日本)では各々相互サービス提供開始記念の限定版ICカード型乗車券を相互サービス提供開始に合わせて発売、更に九州島内導入の「SUGOCA」・「nimoca」・「はやかけん」の3種による限定版カードについては、個別単独販売と共に、地下鉄博多駅コンコースに於いて3種類のセット販売も併せて実施され〔→西鉄リリース分福岡市交リリース分〕、大いに沸かせてくれていたみたいですね《ちなみに限定版カード3種類セット販売が行われた地下鉄博多駅コンコースには徹夜組も含めて約650人もの長蛇の列が出来ていたとか…》。

 

 ちなみに【2】に伴って枚数限定で発売された記念ICカードの表面デザインについてですが、各ICカード型乗車券毎のマスコットキャラクターで結成した4人組バンド・グループを想定しており、どのマスコットがヴォーカル役を務めているかによってカードの種類分けが為されている格好になっています《例えば「SUGOCA」版では”カエルくんと時計くんの組み合わせ”が、「Suica」版では”Suicaペンギン”が、それぞれヴォーカル役を務めています;→『SUGOCA、nimoca、はやかけん、Suica相互利用サービス開始日の決定について』・『Suica、SUGOCA、nimoca、はやかけん 相互利用サービス開始日の決定について』》。

 

 参考までに、一昨年(2008年)の3月29日に本州内JR旅客3社がそれぞれ発行するICカード型乗車券(Suica・toicaICOCA)による相互利用サービスが開始されたことを記念して、そのサービス開始当日に3者それぞれの記念ICカードが限定発売されたこともありましたが、その記念ICカードの表面図柄は3つのマスコットキャラクターが互いに手をつなぐ格好となっていて、どのキャラクターが正面を向いているかによって種類分けが為されていました《→『ありがとうございました』》。

 

2008年3月29日に開始された「Suica」・「toica」・「ICOCA」3者間相互利用サービス提供開始を記念して限定発売された記念ICOCA。私の常用ICOCAとして愛用中(笑)

 ここからは余談になりますが───私自身、自室内にこれ以上物を増やしたくないという思いを抱いていることもあって、最近では記念きっぷの類を殆ど買わなくなりましたが、実を言うと、前記の、一昨年発売された「Suica」・「toica」・「ICOCA」3者間相互利用サービス提供開始記念ICカードに関してはICOCAヴァージョン(相互利用サービス提供開始記念ICOCA)を山陽本線・加古川駅にて早朝に並んで2枚購入していて、うち1枚を私の常用ICOCAとして愛用しています《ICOCAヴァージョンですので、ICOCAのマスコット”カモノハシのイコちゃん”が正面(?)を向いています》。

 そして、この3者間相互利用サービス開始記念ICOCAというのが、私が”購入参戦”した唯一の記念ICカード型乗車券となっています(笑)

 

 で、この記念ICOCA(というかICカード型乗車券)購入の場に於いて、初めてJRのICカード型乗車券の窓口に於ける発行に至る一連の作業の流れなどに立ち会うことが出来たわけでありますが───カード自体はクレジットカード並みの厚みをしていること、専用の装置(リライト機→ミドルタワーPCを思わせるような形だったか…)がマルス端末の傍らに置かれていて、そこに所望された枚数分の生カードを1枚ずつ挿入して端末操作によりカード作成を行わせること・・・どれをとっても私にとってはとても新鮮なものに映りました。

 

 

 さて、今年のJRグループ定例ダイヤ改正に合わせて動いた、上記2件のICカード型乗車券に纏わる新たな動きに関して、特に【2】の”九州系ICカード型乗車券3種類(SUGOCA・nimoca・はやかけん)+Suica”の4者間包括的相互利用開始サービス提供開始に際し、鉄道好きの一人として気にしていたことの一つに「”グリーン車Suicaシステム”への対応の可否」があります。

 

 ”グリーン車Suicaシステム”───首都圏にお住まいの方々(特に通勤とかでJR線をよく利用される方々)ならばよくご存じのことと思いますが、簡単に言うと、JR東日本にとってのドル箱的存在である首都圏JR線ネットワークに於いて運行されている中距離普通列車(「湘南新宿ライン」など)に連結されているグリーン車に導入されている「Suica」を利用したシステムの一つで、窓口などで紙のグリーン券を購入する代わりに「Suica」等のICカード型乗車券にグリーン券に相当する情報を書き込ませ、その状態で普通列車グリーン車両に乗車して座席真上に設置されている専用読取装置にタッチしておくことで検札無しに利用出来るというもの《詳しくは『グリーン車Suicaシステム』又は『Suicaシステム(利用案内)』を参照》。

 

 このシステム自体はいわば首都圏ローカル的なものなのですが、このシステムが導入されている中距離普通列車、特に東海道本線など南部地域の幹線を走る中距離普通列車に連結されているグリーン車については旧国鉄時代から続く歴史を持っていて、かつては首都圏だけでなく関西圏など大都市圏を通過する普通列車にも連結されていたのだとか《→『特急でもないのに、東海道本線の電車にはなぜ、グリーン車があるのでしょうか??』》。

 

 このうち関西圏に於ける普通列車〔今でいうところの京阪神間を走る快速(近郊形車両充当)に相当〕へのグリーン車連結については、並行する私鉄線との競争で劣勢に立たされる等の理由から1980年に廃止となっていますが、最近では、岡山~高松間運転の快速「マリンライナー」に於けるグリーン車連結(こちらは指定席扱い)の実例や新快速の運転区間拡大などから、再びグリーン車連結の是非に関して議論がなされているとの話が聞かれるところです。

 

 それはさておき、首都圏内に於いて、現在では高崎線・東北本線・常磐線を走る中距離普通列車、そして”東海道本線・横須賀線”と”高崎線・東北本線”とを直結する普通列車「湘南新宿ライン」にも連結されるようになってきたグリーン車に導入されているこの”グリーン車Suicaシステム”へは、大本の「Suica」は当然のこと、JR東日本管轄エリア内に包含している首都圏の私鉄・公営交通各社局に於いて導入されている「PASMO」や、JR東日本と管轄エリアで隣接しているJR北海道とJR東海がそれぞれ発行している「kitaca」と「toica」についてはこの”グリーン車Suicaシステム”に対応していますが、前記2008年3月29日に提供開始された相互利用サービスに於いて「Suica」・「toica」と共にパートナーとして組んでいる、本州JR旅客3社の一つに数えられるJR西日本が導入する「ICOCA」だけはこのシステムに対応していません。

 

 このあたり、直接JR東日本と接しておらず、間にJR東海が挟まっていることが影響しているのかもしれませんが、本当のところは定かではありません《尤も厳密には日本海側の直江津・南小谷両駅に於いてJR東日本と直に接していますが・・・》。

 

 更に、今度の九州島内北部地域で導入されている3つのICカード型乗車券に「Suica」を加えた4者間での相互利用開始サービス提供の開始にあたっても、九州島内導入のICカード型乗車券3種(SUGOCA・nimoca・はやかけん)はこのシステムに対応するのか否か、情報を収集しつつ気になっていました。

 

 そして、今度のJRダイヤ改正が施行された3月13日、つまり4者間包括的相互利用サービス提供の開始当日───現時点に於いてもICカード型乗車券発行事業者毎の各ICカード型乗車券関係のWebサイト上(特に九州島内で導入されているICカード型乗車券3種それぞれの案内用Webサイト上)には”グリーン車Suicaシステム”への可否に関する記載は見られませんが、当ブログにコメントとして情報提供して下さった方の話では、開始記念限定「SUGOCA」購入の際に同時入手したガイドブック上に見られた記載事項として「グリーン車Suicaシステムはご利用できません」とあったとの由。

 

 この話を聞いて「やっぱりな…」と思った私。

 

 実をいうと、「2ちゃんねる」など複数筋から得た情報から、今回JR東日本「Suica」との相互利用が実現した「SUGOCA」・「nimoca」・「はやかけん」の九州側ICカード3種類については”グリーン車Suicaシステム”には対応しない可能性が高いように感じていました。

 

 

 何故私自身そう感じたのか───そのあたりのことについては、また次回以降の記事で喋ってみようと思います。

 

 

P.S.
 本文中、本州JR3社の中のJR西日本が導入する「ICOCA」だけが”グリーン車Suicaシステム”に対応していないことを書いていますが、そんな中で、【1】で紹介しましたように、今度のJRグループ定例ダイヤ改正では、これまで電子マネー機能を提供してこなかったJR東海のICカード型乗車券「toica」にも追加で電子マネー機能が提供開始となり、これに合わせて本州JR3社でそれぞれ導入しているICカード型乗車券3者間で提供されてきている相互利用サービスは乗車券機能に電子マネー機能を加えた包括的なものへと移行しました。

 これにより、本州JR旅客3社それぞれが導入しているICカード型乗車券の中で、”グリーン車Suicaシステム”に対応していない「ICOCA」だけが見事浮いてしまう(というか仲間はずれにされる)格好となってしまいました。

 確かに”グリーン車Suicaシステム”自体は首都圏ローカル的なサービスであり、出張などで上京する機会を持たない限りに於いては無関係なのかも知れませんが、一方でICOCA所持者で上京する機会を持つ人は確実にいるわけで、更に国土交通省が5年前(2005年)に実施した「第4回全国幹線旅客純流動調査」の調査結果から東京と関西圏(大阪・兵庫)との往来者数は鉄道利用部分だけで考えても相当数に上っており、同じくICOCAエリア内に含まれる岡山・広島との往来者数も合わせて考えた時、「toica」と共に、追加で”グリーン車Suicaシステム”への対応を実現させて欲しいと願っています。

 

 

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コメント

初めまして。

過去にこの件で、JR西日本に問い合わせをしましたが、Suicaは過去にグリーン車Suicaシステムに対応するため、初代発行のSuicaを回収して、第二世代のSuicaになっています。

ICOCAを除く、IC乗車券はSuicaの第二世代カードに対応したカードのため、グリーン車Suicaシステムに対応できるようです。

しかし、ICOCAだけは今も初代発行のSuicaと同様のシステムのため、現在発行のICOCAを全て回収しないといけません。

そのために経費を誰が負担するかを考えると難しい問題のようですね。

でも、ICOCAにだけ、出来ることもあります。

広島PASPYエリアでの利用。

これは今の所はICOCAだけのようですね。

 しばっちさん、おはようございます。
 こちらこそ初めまして───レスが遅れてしまい、どうもスミマセン。

 「ICOCA」が「グリーン車Suicaシステム」に未だ対応していないのは、歴史上のイタズラという面も否定出来ないように思うところがあります。
 「ICOCA」と「Suica」の相互利用サービスが始まったのが2004年8月1日のことですが、その約1ヶ月半後の同年10月16日に東海道線や「湘南新宿ライン」などの中距離普通列車グリーン車に対して「グリーン車Suicaシステム」を導入していますから。

 もし「ICOCA」と「Suica」の相互利用サービス開始が半年~1年遅かったら、今頃は「ICOCA」も「グリーン車Suicaシステム」に対応していたのかも───とっくに過ぎ去ってしまっていることですから、今となっては想像する他無いわけですが、私自身、この相互利用開始のタイミングの際どさに対してある種の悔しさのようなものを覚えてしまいます。

 尤も「グリーン車Suicaシステム」自体も改善の余地はあるように思えるんですけどね・・・

 大味かも知れませんが、2013年春の開始を目標に検討されてきている、「ICOCA」や「Suica」などの主要ICカード型乗車券10種類による全国規模の相互利用サービス提供計画に一抹の期待を寄せてみようと思っています《その過程でJR西日本がどう動いてくるのかも眺めていようと考えています》。


 あと”ICOCAに(だけ)出来ること”といえば、仰っている”広島「PASPY」エリアでの利用”の他に、例えば「PiTaPa」を重複導入している岡山「Hareca」エリアでの利用もあります《実際に私も「Hareca」エリア内で自身の持つ「ICOCA」を使ったことがあります》。

かなり古い記事にコメントをいたしますが

名古屋鉄道・名古屋市交通局が発行するmanacaでもsuicaグリーン券システム対応外です。


相互相互利用が始まる直前に出た「後発組」のIC乗車券ですが
使えません
中京圏の私鉄ですが・・・・。

manacaには、もっともした理由があります
それは

「自社管内のポイントサービスに対応させるために、Suicaがグリーン券情報を書き込む領域に、すでにたっぷり情報がつまっているから」
と推測されます。

名鉄・名鉄バス・名市交・名古屋臨海高速鉄道での乗車履歴・利用金額が蓄積され、
翌月にマイレージポイントとして還元されます
一度還元したマイレージはmanaca管内で共通利用できますが
ポイントをためるのは、各交通機関バラバラの規定があるので、ポイント管理領域
は上記4社分必要となっています。

挙句の果てにエムアイシー発行(名鉄系列)のmanacaには乗車ポイント以外にも
名古屋圏のコンビニ・自販機で利用すると電子マネーポイントが加算され、ある程度電子マネーポイントをためると、乗車マイレージに変換することもやってます
(つまり5社分の情報領域が必要)


10社相互利用提携外のIC乗車券と提携している(つまり余分な情報をICカードが元々持ってる)や独自のサービスを展開するIC乗車券類はSuicaグリーン情報を書き込むスペースが無く、利用できない可能性が高いと思われます
また、乗り継ぎ割引を独自設定している事業者も元々Suicaグリーン情報が入る領域を潰している可能性はあります


が、JR東も名鉄もそのことをひた隠しにして、使えない旨の告知はしていませんから
車内料金でガッツリ儲けようとしてる可能性は否めませんが・・・・。

この記事へのコメントは終了しました。

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