「サントリー1万人の第九」レッスン会場の一つが取り壊し?…梅田東学習センター体育館。代替の文化施設を物色か
2009年度も残すところ、今日を入れてあと2日となり、いよいよ新しき2010年度に突入ですね。
気候面では、桜前線も徐々に北上している様子である一方で、気温は相変わらず寒くなったり暖かくなったり一定せず───くれぐれも体調管理には十分ご留意を・・・
さて、年度替わりといえば、関西圏では・・・
「サントリー1万人の第九」
合唱団員募集開始まで残り2ヶ月
ということもいえます。
昨年7月頃から騒がれていた、「サントリー1万人の第九(10000人の第9)」の創始時以来の協賛社であるサントリーと、同じ業界内の大手上場企業であるキリンとの間の経営統合交渉───結局は今年の2月中に交渉断念(つまり破談)ということが報じられ、これにてとりあえずは「万九」存廃の危機から脱したということは先般このブログに於いても触れたとおりです《→『「第28回サントリー1万人の第九」スタッフミーティング開催…サントリーとキリンの経営統合交渉難航。今日にも結論?』》。
ご存じのように、「1万人の第九」の合唱団員募集は、例年、6月の最初の月曜日から始まっているわけでありますが、ここのところは5月中旬くらいには合唱団員募集要項をネット上にアップしてきていますので〔尤も携帯サイト上へのアップはPCサイト上へのアップよりワンテンポ遅らせているみたいですが…〕、現時点での公式サイトは昨年開催(第27回公演)分の内容のままとなっていますが、あと約1ヶ月半すれば今冬開催分の内容に入れ替えられることでしょう。
そんな「サントリー1万人の第九」───ところが今冬開催分に関しては、主催者サイドに於いて、慌ただしい動きを見せるだろうとの話が飛び込んできています。
今年1月、知り合いの「第九」合唱仲間を通じて入ってきた情報によると、「1万人の第九」合唱指導者団の一人から得られた話として、JR大阪駅北側・北ヤード地区の再開発事業に関連して、「1万人の第九」レッスン会場(大阪市内開講分)の一つとして使われてきている施設で、その収容能力から最も多用されてきている梅田東学習センター体育館が、建物自体の老朽化などもあって、取り壊されることになったとのこと。
この報せには、私も目を丸くしていました。
というのも、毎年20を超える数が設定される「万九」レッスンクラスのうち、その3分の2を占める大阪市内開講クラスの大半でこの施設がレッスン会場として使われているためであり、勿論私もここの体育館には何度かお世話になってきています。
まさか・・・正直半信半疑の思いを抱きながら調べていくうち、やはり北ヤード地区再開発とリンクされていそうなことがわかってきました。
約4年前にあたる2006年7月上旬のことになりますが、開発中の北ヤード地区と、その約600m東を走る新御堂筋(国道423号線)とを結ぶ新たな幹線道路(市道扱い)の建設が計画されていることが報じられました《→『梅田北ヤードと新御堂筋結ぶ新道路の建設計画…大阪新阪急ホテルを全面移転検討』(元々読売新聞に掲載されていた記事のようですが「2ちゃんねる」内にその記事内容が残っていました)》。
この計画は北ヤード周辺の利便性向上と、梅田地区で相次ぐ主要建築物の建て替えなどに伴うであろう周辺道路の渋滞を緩和させることが狙いとされていますが、この新たな幹線道路の建設予定地の中には大阪新阪急ホテルや阪急梅田駅(茶屋町口→梅田駅阪急三番街高速バスターミナルも?)、ヤンマー本社ビルなどの他、「万九」レッスン会場で使われている体育館を擁する梅田東学習ルーム(旧大阪市立梅田東小学校跡地)などの市有地も含まれているところから、大阪市を初めこれらに関係する地権者などが集まって協議を始めていることも併せて報じられていました。
その後、少なくとも昨年あたりまでは阪急梅田駅茶屋町口周辺や、レッスン会場として使われている梅田東学習センター体育館周辺に於いて目立った動きを見せてきていませんでしたが〔→『北ヤード-新御堂筋 の道路が拡張されるって計画 ~その後~』とか〕、今年に入ってから、北ヤード地区の東側先行開発区域(約7ha)について今月末に着工することが明らかとなり、明日(3月31日)ぐらいにプロジェクト概要を発表し、新年度入り間もない来月(4月)9日には自治体や経済界の関係者を招いての式典(起工式?)を開く運びとなった、と報じてきています。
こうした動きを見せているということは、その北ヤード地区の開発とリンクされているとみられる、新御堂筋とをつなぐ新たな幹線道路の建設を巡って関係する地権者などの間で行われてきている協議が一定の合意に達していると推定出来るところであり、前記の、「1万人の第九」レッスン会場の一つとして多用されてきた梅田東学習センター体育館の取り壊しの実施に繋がっているものと解釈出来るところです。
それにしても、北ヤード地区再開発のためとはいえ、長らくレッスン会場としてお世話になってきたあの体育館が姿を消すことになるとは───何とも寂しい限りです。
ところで、現在「万九」レッスン会場として使われている大阪市内に所在する施設には、他にオーバルホール(毎日新聞社ビル地下1階)や大阪倶楽部4階講堂(ホール)、エル・シアター(大阪府立労働センター「エル・おおさか」内)の3カ所がありますが、前記の「万九」合唱指導者団の一人が語るところによると、これら3つの施設だけでは、施設毎のキャパシティなどの関係から、従前からのレッスンクラス数(大阪市内開講分のみ)だけでは賄えず、他の施設をあたる必要が出てくるだろう、とのこと。
そこで、この情報をもたらしてくれた知り合いの「第九」仲間は、昨年開催分の「万九」(第27回公演)に係る「佐渡裕特別レッスン(佐渡練)」の一部グループについて尼崎市総合文化センター・アルカイックホール(大ホール)を会場として行われていたことが伏線となっているのではないか、としています《ちなみに昨年の佐渡練については、大阪地区に於いては、取り壊される予定となっている梅田東学習センター体育館も会場として使われていました;→『佐渡レン、2日目終了♪』・『空は、満月!』など》。
これについては、昨年の阪神なんば線(旧・阪神西大阪線延伸区間)開業によって、西大阪線時代からの乗換駅・西九条は勿論のこと、大阪ミナミ地区の中心地・難波(大阪難波駅)からでも乗り換え無しにアルカイックホールの最寄り駅である阪神尼崎へと向かえるようになっており、交通の利便性という観点から考えれば一理あるといえるところでしょう。
ただ、1クラスあたり見込まれる定数及びレッスン開講・運営に係るコスト面等を考慮すれば、2つ備えられているホールではなくリハーサル室(20.1m×10.9m)のほうを押さえることになりそうな感じがしてきます《平日夜間(17:30~22:00)で「9,450円」、土休日全日(9:00~22:00)で「23,205円」;ちなみに梅田東学習センター体育館(制度上は”特別研修室”)の場合、平日夜間(17:30~20:45)で「14,000円」、土曜日全日(9:30~20:45)で「30,000円」、日曜は本来施設保有者(大阪市教育振興公社)側で休館日とされているところを使うわけだから”土曜日全日”帯料金から更に割り増しされた料金額を支払ってきているのだろうか・・・そのあたりわからないけど》。
余談ですが、尼崎の「アルカイックホール」と大阪の「エル・シアター」の各使用料金については、両者互いに似た感じの料金額設定となっています《アルカイックホールは平日夜間(17:30~22:00)で「104,160円」、土休日全日(9:00~22:00)で「262,710円」。一方エル・シアターは平日夜間(17:00~21:00)で「131,800円」、土休日全日(9:00~21:00)で「241,200円」。何れもホール本体のみの金額で表記、アルカイックホールの場合は入場料を徴収しない催事の場合の料金額を表記》。
これとは別に、エル・シアターのように大阪市内で各種講演や演奏会に使用可能な文化施設の類としては、ドーンセンター7階ホール(座席数500席)、市内に5つ所在するクレオ大阪(中央・北・西・南・東)の各ホール〔クレオ大阪中央のみ座席数984席、他の4施設は何れも座席数300~400席台〕、そして大阪国際交流センター(大ホール・小ホール・大会議室)なども挙げられます。
これらのうち、大阪国際交流センターについては、上本町界隈(大阪市営バス「上本町8丁目」停留所より徒歩約1分)に所在するわけですが、高めの料金設定などから、レッスン会場としてはちょっと使え無さそうな感じが正直してきます。
一方、ドーンセンターとクレオ大阪5施設の各ホールはというと───利用可能時間が梅田の学習センター体育館と似た設定となっており〔梅田東学習センター体育館「09:30~20:45」、ドーンセンター&クレオ大阪5施設「09:30~21:30」〕、更にその中でクレオ大阪の”中央”を除く4施設の各ホールについては、各施設とも、ホール使用料は土休日の全日使用であっても10万円を切る価格設定となっています《土休日・全日使用で「78,000円」(入場料徴収無しの催事の場合);ちなみにドーンセンター7階ホールの土休日・全日の使用料金は「165,120円」、クレオ大阪中央ホールの土休日・全日の使用料金は「112,320円」》。
難点としては、何れの施設とも毎日放送(MBS)本社社屋から離れていることかな〔最寄駅は、ドーンセンターは「天満橋(京阪&地下鉄)」、クレオ大阪中央は「四天王寺前夕陽ヶ丘(地下鉄谷町線)」、同大阪北は「淡路(阪急京都本線)」、同大阪西は「西九条(JR&阪神)」、同大阪南は「喜連瓜破(地下鉄谷町線)」、同大阪東は「京橋(JR)」〕・・・
いずれにせよ、取り壊される予定となっている梅田東学習センター体育館を除く大阪市内3施設だけでは賄えないということになれば、大阪市内を中心に別の文化施設の類を物色せざるを得ないところでありますが、昨今のインターネット普及による収益減少などによりMBS本体の経営が厳しくなっている中で、「1万人の第九」主催者として、果たしてどの文化施設の類を新たなレッスン会場として押さえてくるのか・・・
5月中に予想される合唱団員募集要項のネット上リリースの際に発表されるレッスンクラス一覧の中で明らかになることと思いますので、注視していようと思っています。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『着工直前 梅田北ヤード』
《→『着工直前 梅田北ヤード 2』》
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